2009年1月 1日 (木)

まとめと新年ごあいさつ

前回同様、31日の午前便で成田に向かう。大きなトラブルなく、ニューヨークでは4日間で11本の舞台を観て(実はもう1本チケットを取っていたが、時間的、体力的にきつくて断念)、見学も食事も観光も買い物もできて、無事に帰国の途につけることは本当にありがたいことだ。

今回の旅行で強く感じたのは、ニューヨークと東京の時差が確実に縮まっているということだ。

ニューヨークの街中で見かけるのはトヨタの車やソニーの電子機器ばかりではない。地下鉄に乗ればユニクロの袋を持った若者がいるし、米国内線のターミナルには無印良品が店を出している。オフブロードウエーのパフォーマンスでは日本人が大活躍している。

逆方向もしかりだ。「ブルーマン」は日本で公演中だし、ストンプもこの夏に何回目かの来日公演をしたばかり。昨年オフで幕開けしたばかりのフエルサブルータは2009年に日本に上陸する。アバクロンビーの日本進出も間近のようだ。

そして差が縮まっているのは東京だけでもない。石川発のゴーゴーカレー、福岡発の一風堂がマンハッタンに橋頭堡を築いた。地方と世界が直接つながっている。

そんなことは、グローバルな仕事をしている人には分かり切ったことだろう。しかし自分のような国内限定モデルの人間には、こういう機会がないと実感できない。

JFKへ向かうタクシーの運転手さんが、いきなり「アソウは大変だな」と話しかけてきた。よく知ってるな、と驚いていたら、「そりゃ知ってるさ。コイズミのあとがシンゾウ・アベ、ええっと、そのあとにもう一人いたよな」「福田ってのがいたんだが」「そうそう、フクダを忘れてたぜ」無理もないよ、日本人だって忘れてるんだから。しかも、彼はガーナの出身で、日本の商社なども多いことから日本に興味を持ち、今も記事をチェックしているのだそうだ。

もう全地球的に、時差は日照時間帯の違い以外の意味をなさなくなっているのだ。

だから、俺がアメリカに来てまでグリンダ様に見とれたり、「春のめざめ」の主演女優に萌えたりしても、仕方のないことなのだ。正常ではない観劇態度もまた、グローバル化するのである。

というオチがついたところで(落ちてないよ)、そろそろ日本は新年を迎えたはずだ。

今年もこんなですけど、どうぞよろしくお願いします。

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2008年12月31日 (水)

小ネタ集

とりあえず写真やビデオは撮ったが、エントリーを上げるほどでもなかったものをメモしておきます。

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2008年12月30日 (火)

IPPUDO(一風堂)

東京進出も順調な博多ラーメンの一風堂が、ユニオン・スクエアとアスタープレイスの間のあたり、10丁目付近に出店した。

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ラーメン屋というより、若者向けのおしゃれな居酒屋、という雰囲気だが、「赤丸新味」など、一風堂のラーメンを味わうことができる。

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ただ、なぜか煮卵はあのとろとろしたのではなく、ふつうのゆで卵だった。

店員の半数以上は日本人。これはありがたい。

一風堂ニューヨーク店のWEBサイト

http://www.ippudo.com/ny/

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Abercrombie & Fitch(アバクロンビー&フィッチ)

5番街を歩いていると、H&Mの店があった。しかし、銀座店のように入場制限したりはしていない。店内はそこそこ混んでいたが。

しかし、もう少し北に行くと、制限、というほどではないが並ばないと入れない店がある。それが「アバクロンビー&フィッチ」だ。日本進出のうわさが絶えない人気ブランドだが、いよいよ上陸間近らしい。

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どのブランドも店舗づくりには趣向をこらしているが、この店は特別だ。ショーウインドーを含め、窓というものがひとつもなく、外からは店内の様子は全く分からない。中に入ると、暗い照明に鳴り響く音楽、まるでクラブのようである。

そしてスレンダーな黒人女性が目立つスタッフたちは、流れる音楽に合わせて体でリズムを取りながら、フレンドリーに話しかけてくる。この店全体がこのブランドのメッセージそのものであり、店員ひとりひとりにいたるまで、コミュニケーションのトーン&マナーが徹底的に統一されているのだ。そして店内を漂うフレグランスもこのブランドのイメージのひとつとばかりに、商品として販売している。

地下を入れて5フロアもある店内に、頭の先から足の先までユニクロづくしというファッションに無縁な自分でもカッコいいと思えるカジュアル衣料がずらりと並ぶ。緑やピンクの使い方に特徴があり、特にメンズのピンクもかなりの種類がある。

ファッションやアパレルに無縁の人も、観光気分で一度店に入ってみるといい。このブランドは胸元とかがちょっとセクシーなので、それを着こなす店員に話しかけられると、エッチな男性客はかなりドキドキだ。そしてついついお買い上げ、ということになりそう。結構リーズナブルだからお土産にもちょうどいい。って買ったのかよ。

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EQUUS(エクウス)

30日 19時~21時40分
Broadhurst Theatre

Equus

「ハリー・ポッター」の主演でおなじみ、ダニエル・ラドクリフの主演で話題を呼んだ「エクウス」が、ロンドン公演成功を受けてブロードウエーに登場だ。有名人が出ているからといって、わざわざ米国まで来てであの重い話を観るのもなあ、とも思ったが、ハリウッド・スターの演技を生で観るなんてそう経験できることではない。ストレート・プレイではあるが四季の舞台でストーリーは分かっていることだし、ミーハー根性丸出しで前回「レ・ミゼラブル」を観たブロードハースト劇場へ。

劇場に入ると、四角いリング上の舞台が用意され、それをステージシートの観客が取り囲む、という四季の公演とほぼ同じようなセットが目に入る。ただ、ステージシートは役者と同じ目線ではなく、ずっと高いところに設置されており、舞台や観客席を覗き込む、というような格好だった。

精神科医・ダイサートが、六頭もの馬を失明させるという異常な行為に出た少年・アラン(ラドクリフ)との対話を通じ、次第に自分も含めた人の心にある、どうしようもできない深い闇に直面していく、という、非常に乾いた物語の「エクウス」。しかし、それがラドクリフと、ダイサート役のやはりハリウッド映画でおなじみ、リチャード・グリフィスの演技によって、瑞々しく展開していく。

今をときめくハリウッド・スターの登場とあって、観客席は圧倒的に女性が多かった。これは日本の演劇では日常的な光景だけど、米国では決して自然なことではない。

ハリー・ポッターシリーズでも、回を重ねるごとに男らしく成長しているラドクリフ。この舞台でも、精悍な顔つきと引き締まった肉体を披露し、女性のみならずその視線を釘付けにさせていた。しかしときおり見せる子供っぽい表情も健在で、これが少年と大人の間で揺れ動く、アランという役どころにぴったりである。

四季でアランを演じた望月龍平は、どこか人を食ったようなところもあるつかみどころのなさを冒頭で漂わせていたが、ラドクリフのアランはのっけから全力投球で、必死感があふれている。連日マイクなしの肉声で舞台を務めているせいか、声はかすれていた。上半身裸でかすれた声で必死に演じる、ということで、なんだかつかこうへいの舞台を思い出してしまった。つかは、テレビや映画で人気者になった役者を、舞台を通じて「叩きなおす」ことを得意としており、阿部寛などがその教え子なわけだが、ラドクリフもこの舞台を経験してより大きな役者に育っていくに違いない。表情のパターンが単調な気もしたが、それが直線的に観客の心を打つ力にもなっている。一幕最後で、馬と一体となり恍惚とする表情にははっとさせられた。

対するリチャード・グリフィス。ハリー・ポッターシリーズにも出演しているが、「スリーピー・ホロウ」なんかでも存在感を発揮していた個性的な役者だ。力士のように太っており、見た目も個性的だが。その演技は、ラドクリフと対照的に、実にひょうひょうとしたもの。軽妙な語り口で、時おり客席に笑いをもたらす。しかし、表情を微妙に変えるだけで、客席の空気を一変させてしまうほどの威圧感がある。そして、その英語のなんと聞き取りやすいこと(理解はできないんだけど)!他の役者の発声とは明らかに異なっていた。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの一員、という肩書きが、これほど重く感じられたことはない。

必死なアランと、受け流すグリフィス。その絡み合いによって、重い話がテンポよく感じられてくるから不思議だ。1時間半もある1幕が終わり(こんなに長かったっけ?)、ロビーもトイレも狭いために大混乱の休憩を挟んで、いよいよ第2幕。いよいよ、というのは「春のめざめ」同様、問題のアレのシーンがあるからだ。なんか今回はこんなのばっかりですいません。

というわけで、Spring Awakeningでもそうしたように、四季版との比較で説明しよう。まず、四季版より照明が明るい。これ重要。女の子(ジル)も、アランも、全裸になる。本当に全裸だ。何にも身に着けていない。丸出しである。これ以上繰り返すとますます有害サイトとしてフィルタリングされてしまうからやめておくが、距離を保った状態で全裸になり、それから舞台中央で抱き合うことになる。

「春のめざめ」よりはるかに露出度は高い。だって全裸だから。そういう意味では衝撃的だったから。しかし、不思議に猥褻さは感じることがなく、演出の中で自然に受け入れられる。むしろ、中途半端に服を着たままの「春のめざめ」のほうがずっとドキドキしてしまうのは、俺が変態だというだけの理由ではないだろう。

ちなみに、「シネマトゥデイ」によれば、ラドクリフ自身が、トーク番組でこのシーンについてこんなふうに語っているそうだ(http://cinematoday.jp/page/N0016253)。

話は盛り上がりダニエルの舞台劇「エクウス」で披露したヌードシーンの話題に。「あちこちで話のネタにされることでしょうね」というリプトン氏の問いに答えて、ダニエルは、「(ヌードシーンの)僕は……ミケランジェロのダビデの彫像と同じで……ほら、彫像のダビデは、巨人のゴリアテと対戦する直前の姿でしょう。だから当然アソコの状態も最高とは言えないわけで……」と失笑。さらにダニエルの話は止まらない。「よく友達に聞かれるんです。『もし、舞台でタッちゃったらどうするんだ!?』ってね。だからボクは、『それは願ったりだね!』って言うんですよ。だって、舞台上ではいつも逆状態だから」と笑う。

なかなか男らしい、ナイスガイじゃないか。ハリー・ポッターシリーズの続編も楽しみだけど、早くそれが完結した後の、新しい境地への取り組みを見たい気がする。

それにしても、日本でも舞台演出の一環としてはアレOKにしてくれないかな…。こういうときこそ代表様の政治力で、汐留~浜松町を「演劇特区」とかにしちゃえばいいのに!

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Little Mermaid(リトル・マーメイド)

30日 14時~16時30分
Lunt-Fontanne Theatre

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いよいよ今回の大本命、リトル・マーメイドだ。2007年秋にオープンしたので、昨年末に行こうとチケットを取っていたのだが、旅行予算のめどが立たず断念した。1年越しで念願がかなったというわけだ。

ディズニーとしては「ターザン」が評価、興行成績ともに振るわなかったこともあり(自分は結構気に入った)、この作品で名誉挽回、といきたかったところだろう。しかし、フタを空けてみるとこのリトル・マーメイドも評価はいまいちだ。さすがネームバリューもあり、興行的にはまずまずだが、このままだと早めのクローズもあるかもしれない。

ともあれ、観てみないことには何ともいえない。そして、映画「リトル・マーメイド」は自分にとって「美女と野獣」以上のお気に入りでもある。悲劇である「人魚姫」をハッピーエンドにしてしまったことには賛否両論あるだろうが、四季の「55ステップス」にも取り入れられている美しい音楽と、セバスチャン(カニ)のナイスキャラで、何度観ても楽しい作品だ。

それがどう3次元化されたか。公開前には「いったいどうやってサカナの世界を舞台で表現するのか?」が話題となったが、そこはすでに明らかになっている。予備知識なく米国に観に行きたい、という人は、この先は読まないほうがいいでしょう。

 

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Intrepid Sea-Air-Space Museum(イントレピッド海上航空宇宙博物館)

国連見学を終えて、マンハッタンの最西部という場所も、そして施設の性格も正反対であるイントレピッド海上航空宇宙博物館へ。太平洋戦争からベトナム戦争まで稼動した本物の航空母艦を博物館にしている。2006年から修復のため閉鎖されていたが、この11月に再オープンとなった。

入場券売り場はホリデーシーズンということもあり長蛇の列。寒風吹きすさぶなか、1時間近く待ってしまった。あらかじめWEBサイトでチケットを購入しておけばよかった。

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艦内に入ると、航空機を中心に数多くの展示物が並ぶ。太平洋戦争で何度も日本軍の攻撃を退けたということで、日本人には不快な展示もある、と聞いていたが、時間がなくてさっと見たせいか、リニューアルで変更されたのか、見当たらなかった。ただ、太平洋戦争時に艦内にあったという、対日本軍の戦果(沈んだ鑑数など)を示すボードが展示されていた。

甲板に上ると、よく知られた戦闘機がずらりと並んでいる。

「アパッチ」に取って代わられるまで戦闘ヘリの代名詞だった「コブラ」。意外にコンパクトだ。

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子供のころ、飛行機図鑑か何かで見た記憶のある、ブラックバード。

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映画「トップガン」でおなじみ、F-14(トムキャット)。

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可変翼のない、すっきりしたデザインのF16。プラモ作った記憶あり。

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艦橋に上がることもできる。

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昔、実家近くの百里基地での航空際で花形だった、F4ファントム。

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映画「トゥルーライズ」でもおなじみ、垂直離着陸機のハリアー。

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艦外には潜水艦「グローラー」が巡航ミサイルのおまけつきで展示されている。

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海上航空宇宙博物館なんて言ってるが、実際には完全な軍事博物館。イデオロギー的な色彩は薄めなので、子供のころ戦闘機のプラモデルを作ったり、戦争映画を観ていた男たちには興味深い場所だ。米軍機はエアフォースだけでなく、アーミー、ネイビー、そしてマリーンそれぞれの所属機が展示されている。

イントレピッドミュージアムのWEBサイト

http://www.intrepidmuseum.org/

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The United Nations Headquarters(国連本部)

前回、惜しくも見学できなかった国連本部。今度こそは、ということで再びマンハッタンの最東へやってきた。

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建物に近づくと、ちゃんと万国旗があがっている。念願かなって見学ツアーに参加できた。ありがたい。

ただ、現在建物の構造上の問題で、昔は見学できた安全保障理事会の会議場などは入れなくなっている。基本的には総会議場に入り、あとはいくつかの展示物を見ながら国連の活動について職員の説明を聞気ながら歩く、というかっこうだ。短く感じたが、45~50分ぐらいはかかった。

建物前のオブジェその1

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その2 銃口を縛りあげ、銃社会・戦争への反対を現している

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ロビーに飾られた歴代事務局長の肖像画。落書きなんかしちゃだめだぞ。絶対だぞ! 

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9時15分ぐらいに建物に入り、セキュリティーチェックを受けて、ツアー申し込み窓口に並んだのが9時半少し前。いちおう日本語ツアーはあるか聞くとたぶん午後になるという。なので英語ツアーに申し込み。15分~20分待ちといわれた。レシートに参加するグループの番号を大きくぐりぐりと書いてくれるので、その番号が呼び出されるのを待つ。

10分ちょっとぐらいで番号呼び出し。こういうカンタンなタグを渡されてツアー開始。この日案内してくれたのはちょい悪オヤジ風の中国人の職員。特に思想も偏ることなく、ざっくばらんな語り口で説明してくれた。

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通路沿いにさまざまなパネルや展示物が用意され、紛争処理や平和維持などの活動を中心に説明を受ける。その中に、核兵器拡大防止についての展示コーナーがあり、長崎・浦上天主堂で被爆した聖アグネス像が展示されている。

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自分は昨年、そして4年ほど前の2回、浦上天主堂を訪れているので、多くのことを考えさせられたが、キリスト教徒にとっては大きなインパクトを与えるコーナーだろう。だが、やはり日本人としては、もっと多くの資料をここに展示してほしいという気持ちが働く。スペースが限られているということは分かる。分かるが、それでも日本人は「もっと知らせるべきだ」という声を上げていくべきだと思う。そしてそのためにも、まず日本人が一層深く、正しく歴史を理解しなくてはならない。

総会議場は意外に狭い印象。つい「スター・ウォーズ」の共和国議会を思い出したが、まさにこういうイメージで作ったんだな。

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安全保障理事会については、会議場が見られないのでビデオを見ながら説明。ちょい悪オヤジ風職員は、その中で何度も「デッドロック」という言葉を使い、その活動に限界があることを訴えていた。印象として、国連の意義を宣伝マンのように強調するのでなく、そこで働く者が感じるジレンマも含め、自分の言葉で話してくれていると感じた。もっと勉強してくれば、もっと英語ができたら、いろいろ質問できたのになあ、と後悔。ガザ地区の空爆についても話をしていた。

安保理事会の会議場が見られないのは残念だけど、お土産コーナーも充実していることだし、観光の一環として訪れてみるのもいい。帰りがけにツアー受付デスクを見たらかなり行列ができていた。

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ANGELO'S PIZZA

この日の昼は、やはり仕事でお世話になっているニューヨーク在住の方に会いに行った。飯でも食いましょう、という話になり、55丁目のピザの名店、ANGELO'S PIZZAに行った。

ニューヨークでは犬も歩けばピザ屋に当たるぐらい、あっちこっちにPIZZAの表示がある。がコミュニケーションの苦手な自分はそれらを食べたことがない。そして、ニューヨークに初めて来た10年ほど前、大学時代の友人のご家族が当時ニューヨーク大学に通っていたので、あつかましく毎日案内をお願いし、寿司に中華にコリアンにフレンチ、と各国料理を堪能したのだが、その時に食べ逃していたのがイタリアンだった。だから、念願かなってのニューヨーク・イタリアンなのだ。

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ピザは期待どおりにでかい。写真だとよく分からないが、半径で30cmぐらいあるように感じた。味は見た目ほどにしつこくなくて、実にうまい。ひょいひょいと食べていたら、2切れぐらいですぐ腹がいっぱいになってしまった。それぐらい大きい。

カルボナーラも食べたが、こちらもうまい。ソースもいいが、パスタそのものがうまいのだ。

なんとも幸せな昼食だった。50丁目より上に宿泊するときは、ぜひ。

ANGELO'S PIZZAのWEBサイト

http://www.angelospizzany.com/index.htm

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2008年12月29日 (月)

Mamma Mia!(マンマ・ミーア!)

29日20時~22時40分
Winter Garden Theatre

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何をいまさら、と言われるかもしれないが、この日の夜はマンマ・ミーア!だ。この3年ぐらいで、自分が一番数多く観た作品は、恐らくこのマンマ・ミーア!ではないかと思う。それほど愛着がある作品であるし、ロンドンでは観たことがあるもののブロードウエーでは観ていないということもあるし、10年以上前に「キャッツ」を観たウィンター・ガーデンシアターの内部が現在どうなっているかも知りたいし、それにあの劇場は「ガラスの仮面」と並ぶ女性向け漫画の最高傑作「BANANA FISH」にも登場した場所だし、今回泊まっているシェラトンホテルからは目と鼻の先だし、カラオケでないマンマ・ミーア!を久しぶりに観たいし、エディは手錠を持ってくるし……といくつかの理由が重なって今回チケットを確保した。

そしてもうひとつ、重要な理由があった。あるセリフが、もともとの英語でどうなっていたかを知りたかったのだ。それは、3人の父親が島で顔を合わせたとき、ハリーがビルに「君の本は読んだよ。『雨水飲んでアマゾンを行く』」というセリフ。ビルは、ジョークのセンスがちょっと微妙、という役どころだ。「どこかで1冊、売れたって聞いたよ」とか「双子の妹がいるなんて、言わないよね」など、一瞬どうリアクションしていいかわからないジョークを連発する。恐らくこの本も、洒落たつもりがいまいち伝わりづらい題名なんじゃないか。ずっとこれを英語で何と言うのか気になっていた。ロンドンで観たときはそれをチェックするのを忘れてしまったし、映画版ではそのセリフがなかった。だから、今回ここで確認したかったのだ。

というわけで、オープニングからずっと、そのシーンに注目していた。

いよいよ問題の場面でハリーの口から出たセリフは、その場では「Broken Boat in Botsuwana」と聞こえた。ボツワナのぶっこわれた船?ちょっと違うようなので、ネットで当たってみたところ、いたいた、セリフを書き出している人。どうも「a Bloke in a Boat in Botsuwana」と言っているらしい。ボツワナのボート野郎?洒落のできそこない、という雰囲気は伝わってくるけど、いまいち意味がわからない。英語に強い人に解説プリーズである。

さて、ブロードウェーのマンマ・ミーア!はどうだったか。基本的には、ロンドンで観たときの印象に近い。基本的な演出は同じなのだけれど、細かい動きの部分が四季のそれよりもかなり下品で、くどい。ただ、ロンドンのときよりもキャストは全体に若かった。

四季のダイナモスは、みんなキレイでかわいいおばさんたちで(一部、おばさんというには失礼な人までいる)、わりとすんなり受け入れられるが、海外のダイナモスは、自分たちの役がキワモノであることを意識しているようで、受け入れるのにはやや抵抗を感じる。おばちゃん無理してんなあ、という印象が先に立つのである。

しかし、それでもこの舞台の世界観はくずれない。それだけ、この作品の脚本の緻密さとABBAのメロディーが織り成す完成度は高く、そして強固なのである。四季にも、もっとボウケンをしてほしいものだ。

そうそう、まずはソフィーの髪型から変えてみてはどうだ?かたくなに外まきヘアーをすべてのソフィーに強制しているけど、あれソフィー役のハードルをものすごく高くしていると思うぞ。ロンドンで観たときは普通の萌えショートだったし(その言葉は普通じゃねえだろ)、今回のソフィーはかつての宮崎しょうこのようなすらっとした体型の美人さんだったが、ふわふわのゆる巻きロングヘアーだった。その女優さんに似合う髪形でいいと思う。

久しぶりに、指揮者がロージーからデジカメを渡され写真を撮らされる場面を見た。やっぱりカラオケだとこれがないのがさびしい。

<追記>

帰りの飛行機で映画版をまた観ていたのだが、オリジナル音声を聞いたらちゃんと「a Bloke in a Boat in Botsuwana」と言っていた。映画の字幕ではカットされたか、俺が見落としていたらしい。ちなみに吹き替え音声では「ボツワナのボート男」。これだと確かにただの冒険譚のタイトルだが――。

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BLUE MAN GROUP(ブルーマン)

29日17時~19時
Astor Place Theatre

Blueman2008

おいおい、今回はブルーマンはいいんじゃなかったのか、と自分に突っ込みながらも、やはり来てしまった。ストンプの劇場とブルーマンの劇場は非常に近く、しかも曜日によっては両方をハシゴできるように、うまく公演時間をずらしたりしている。そうであれば、ストンプとブルーマンは連続して観るのが正しい作法なんじゃないか。作法は守らねばいかんな。というわけで、ニューヨークで4回目のブルーマンだ。

STOMP終了が16時43分。奥の方の席だったので、劇場を出られたのが48分。ブルーマンの劇場に着いたのが53分。ということでちゃんとトイレに行ってから着席できた。でもSTOMPは終演時間が前後するという噂も聞いたし、道を間違ったりすると間に合わないので、このハシゴにはリスクがあることも確かだ。

というわけで、ニューヨークで4回目のブルーマン。ちょっとずつ変化はしているものの、基本的にはいつも同じような顔をしたブルーマン(中の人は違う)が、同じようなキテレツなことをして、同じように大爆笑を巻き起こす。何度見ても素晴らしい。日本公演も、そのクオリティーは全く落ちるものではないが、やはりこの狭苦しい怪しい空間で観るのが、ブルーマンを最大限に楽しむための方法であることは疑いようがない。

万一遅れた場合のことを考えて、この日は1階席最後列の通路側(見切れ席)を購入しておいた。結果的に間に合ったが、「Late Arrive」でさらし者にならなくてよかった。

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STOMP(ストンプ)

29日15時~16時45分
Orpheum Theatre

Stomp

ブルーマンとオフ・ブロードウェーの人気を二分する、ロンドン生まれのパフォーマンス公演、ストンプ。1994年からのロングランにもかかわらずこれまで観る機会がなかったのは日本公演がたびたび行われていることもあるが、オフで何か1本、ということになるとどうしてもブルーマンを優先してしまっていたからだろう。しかし、ブルーマンは日本公演で相当な回数を観ているので、今回はストンプを観ようと決意。初めてこの劇場へやってきた。

劇場はブルーマンのアスター・プレイスと同様、下北沢の小劇場のような小ぢんまりとしたもの。ステージは倉庫のような空間だ。

そこで繰り広げられるのはご存知の通り、掃除道具を始めとしたさまざまな日常にあるものを叩き、鳴らすことでリズムをきざみ上げていくパフォーマンスである。ほめ言葉として「やかましいステージ」と聞いていたし、実際フィナーレの大合奏は耳をつんざく迫力だ。しかし、実際に劇場に足を運んでみると、それだけではないことが分かった。

まず、ゴミ箱のような形も出る音も大きなものは後半まであまり使わない。それまではマッチ箱とか、非常に小さなものを使って、細かい音を作っていく。そして、道具と同じぐらいか、それ以上に、自分の肉体を楽器に見立てている。拍手をしたり、体を叩いたり。島木譲二の大阪名物パチパチパンチやポコポコヘッドは、彼らのパフォーマンスを先取りしていたことになる。見直した。

また、これも行ってみて分かったが、観客を大いに笑わせる。言葉を一切話さず、間合いやアイコンタクトで笑わせる、という意味ではブルーマンと同じだ。しかし、ブルーマンがコテコテの関西系の笑いだとすれば、こちらはシティーボーイズのコントのような、笑っていいのかどうかちょっと迷う微妙さを持った、東京っぽい笑いだ。パチパチパンチの東京版、と考えれば分かりやすいが、たぶん間違っている。

カッコよさでは完全にこちらに軍配が上がる。タップダンスにも似たリズムを寸分の狂いなく数名のパフォーマーたちが奏でる様子は、目にも耳にも心地いい。

前にどこかで記事を読んだことのある、日本人パフォーマー・宮本やこ氏の活躍を見られたのもよかった。彼女は慶応大学理工学部を中退し、米国にダンス留学して日本人初のSTOMPメンバーとなったのだという。同時に、和太鼓とタップダンスを融合させたオリジナルのパフォーマンスグループも率いている。こういうスケールの大きい人材が日本から生まれていることは、もっと知られていい。

ところでこの作品、前のほうで観るとかなりホコリが立つので、気管支や咽喉の弱い人は注意したほうがいいかもしれない。

STOMPのウェブサイト
http://www.stomponline.com/

宮本やこ氏が率いる「鼓舞」のサイト
http://www.cobu.us/

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2008年12月28日 (日)

GOGO CURRY(ゴーゴーカレーニューヨーク店)

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東京進出して以来、破竹の快進撃を続ける金沢発のカレー店が、調子に乗って今年5月、ニューヨークに店舗を構えた。

場所は38丁目で、8番街に近いがアベニューには面していない。ちょっと裏通り感もあり、劇場街からは若干南に外れるという立地だが、ここで元気に年中無休でがんばっている。

20人ほども入ればいっぱいになってしまう小さな店だが、自分は中途半端な時間に行ったにもかかわらず4、5人の客がいた。日本人ではなさそうである。

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店員も日本語は通じない。この時間は客が少ないこともあるのか、フロント1人、厨房1人というシフトだった。

メニューは下記のサイトに詳しく書かれているが、基本的にゴーゴーカレー、チキンカレー、ソーセージカレー、エビカレー、カツカレー、グランドスラム(全部入り)という5種類で、サイズがS、M、L、XLの4種ある。

人気はやはりカツカレーだが、今回まだおなかを壊さずにいるのに、カレーの食いすぎでおなかを壊しては笑えないことになるので、おとなしくソーセージカレーのMサイズを頼む。ペットボトルのお茶も置いている。

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味は日本で食べるのとほぼ変わらない印象を受けた。厨房のお兄ちゃんが携帯で話しながら調理をしているのを除けば、文句のないところである。

ニューヨークで日本風のカレーが食えるのは貴重だと思う。地方発で、米国進出までやってのけた元気な企業を応援する意味でも、ぜひ足を運びたいものだ。

夜は9時55分に閉まってしまうので、ソワレ後に行くことはできない。もっとも、この場所はポート・オーソリティーバスターミナルに近いので、深夜にうろつくとちょっとデンジャラスなゾーンだ。なるべく明るいうちに行きましょう。

ゴーゴーカレーニューヨーク店のウェブサイト

http://www.gogocurryusa.com/

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Fuerzabruta(フエルサブルータ)

28日22時~23時
Daryl Roth Theatre

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オフブロードウエーには午後10時過ぎからの深夜興行もある。多くは金曜、土曜だが、ホリデーシーズンはその他の曜日にも行われたりする。この日も日曜だが、特別に10時からの回が設けられた。しかも、この日は日曜で、ブロードウエーの劇場では通常午後8時からのソワレが1時間早く7時から始まる。という条件がそろったおかげで、「ソワレを観てからもう1本」が可能になった。

さすがにこの日4本目、となれば席に座った瞬間に寝てしまうかも……と不安になるが、このダリル・ロスシアターに関してはその気遣いがない。なぜなら、この劇場には座席がないからだ。

オフ・ブロードウエーでスタンディング、と聞けば、カンのいい人はアレを思い出すだろう。そう、これは前作「Villa Villa(ビーシャ・ビーシャ)」でニューヨークを震撼させたアルゼンチン出身のアバンギャルドなパフォーマンス集団「De La Guarda」の新作だ。場所も同じである。ここでVilla Villaを観たのは2000年の1月だったか。いきなり狭くて暗い空間にすべての観客が押し込まれ、スタッフの姿もない中で不安いっぱいの中で始まる不可思議なショー。そして観客を囲んでいた幕が取り払われると、巨大な空間がそこに広がり、天井から宙吊りになった男女が現れ、ダイナミックなパフォーマンスが始まる。スーツ姿の若い男女が宙吊りになったり(女性はパンツ丸出しだ)、観客の中に飛び込んだり、派手に水をかぶったり(観客も濡れる)、観客の中に入り込んで水浸しになったり、ヘンなダンスを始めたかと思えば妙な楽器を鳴らしたり、好き放題に暴れまわってア然としているうちにショーが終わる――まさに衝撃的だった。その後、日本公演も実施したから観た人も多いと思う。

2年前にニューヨークに来たときにはディズニーミュージカル「ターザン」を観たが(もう打ち切られた。残念!)、その宙吊りパフォーマンスを指導したのがこのDe La Guardaの中心メンバーだ。それ以来、またあの強烈なパフォーマンスを観たいと思っていたので、それが叶って実に嬉しい。

新作といっても、ニューヨークで始まったのは2007年。実は、もう2009年夏の日本公演が決まっている。それを待っていてもいいのだけれど、やはりあの銀行の地下を改造して作られた独特の雰囲気のあるダリル・ロスで観たいじゃないか、とミッドタウンから地下鉄に乗り、15丁目まで南下する。

劇場へ入ると、前回のような不安をあおる構造にはなっていない。最初から広大な空間であることが分かるようになっているし、スタッフの姿も見える。だがスモークがもうもうとしていて、全体像は把握できない。ここで感じるのは、不安ではなく、また何か面白そうなことをしてくれそうだ、という期待感。思う存分ワクワクしちゃってくれ!という自信の表れのようにも見える。

そして始まったショー、Fuerzabruta。それは、Villa Villaとは似て非なる、新たなパフォーマンスだった。

このチームの作品を言葉で表現するのは極めて難しい。開演前のアナウンスを聞いていると「フラッシュは炊くなよ」と言っている。ということは撮影OKだ。今回、大きなデジカメを持っていないので、暗い中の撮影はちょっと厳しいので、かろうじて納めてきた写真をいくつか貼っておくので、中身を想像していただきたい。ちなみにそのアナウンスでは「舞台はゆっくり移動するので、うまくよけながら観るように」とか、他では聞けない内容だったりする。

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逆風に全力で立ち向かう男。

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空中で水槽ごしに愛し合う男女。

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壁を全力疾走する女。

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今回も衣装は、およそ動きにくそうなもの。

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観客も強制的に舞台へ。

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観客に容赦なく放水しまくり。

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今回の目玉、天井から降りてくる巨大な水槽と、その中の女性たち。

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素顔は普通の若者たちだ。

  

たぶん、写真のまずさもあって何がなんだかさっぱり分からないだろうと思う。やはり、ここは日本公演をぜひご覧いただきたい。前回の日本公演もそうだったから、恐らくこのまんま持ってくると思う。手抜きは一切ないはずだ。だって手抜きしたら命が危ないから。Villa Villaの日本公演があると聞いたとき、安全性の問題で規制がかかるのではないかと懸念したが、そんなことはなかった。恐らく、日本の法律や条令の枠組みを逸脱しすぎていて、かえって規制がかからないのだろう。

今回は、宙吊りを最小限に抑え、新たな水を空中に浮かべる、という新たな手法を追求しているわけだが、宙吊りをもっと見たかった、というファンは多いと思う。しかし、過去の成功に満足しないのが彼らの基本姿勢なのだろう。FuerzabrutaとVilla Villa、共通するのは「重力への挑戦」だと思う。つまりDefying Gravityである。それは空に浮かんだり、何かを浮かべたり、という具体的な意味にとどまらない。常に「こうあるべきだ」という概念を拒絶し、挑戦を続ける。それが彼らにとってのDefying Gravityなのだ。

こんな破壊的なショーだが、この突破力こそ、全世界的な停滞ムードが漂う現在、人類に必要なものだろう。下品だけどな。

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Spring Awakening(春のめざめ)

28日19時~21時15分
Eugene O'Neill Theatre

Spring

来年春、劇団四季による上演が決まっている「春のめざめ」。2007年トニー賞を総なめにした作品だが、前回ニューヨークに来たとき、話題が沸騰していたにもかかわらずスルーしてしまった。見る目がなかったこともあるが、英語も分からんだろうし、あまり食指の伸びる内容でもなさそうだったからだ。

その内容というのが、性に目覚める中学生の悩みを描いた19世紀末ドイツの問題作を、ロック・ミュージカルにした、というもの。うーん、やっぱりあんまり興味がわかない。でも来年四季でやるというのだから、ここは観とかんといかん。というわけで、今回はちゃんとチケットを確保した。

セリフは英語でよく分からないだろうから、せめてあらすじだけでも知っておこう、と原作本を探したが、日本でその翻訳本が出版されたのは昭和20年代。当然絶版。古本をネットで入手して読んでみたものの旧仮名づかいですこぶる読みにくい。しかしまあ、だいたいのところは分かった。そして、このミュージカル作品についていろいろ調べるうちに、音楽や演出がえらく出来がいいのだ、ということがわかってくる。そりゃトニー賞8部門だものな。ちょっと興味がわいてきた。さらに、あの「エクウス」以上のすごいアレなシーンがあるという。これは俄然観る気になってきた。意気揚々と劇場へ。

劇場に入ると、シンプルなステージが目に入る。レンガ塀のような壁が舞台を三方から囲んでいる以外は、舞台装置らしきものが見当たらない。演奏は最小限の編成で、舞台後方に楽器が並んでいる。そして演技をするであろう空間には、昔の学校で使っていたような木の椅子が1脚。それだけ。しかし、舞台の両脇に、客席がある。四季の「エクウス」でおなじみのステージシートだ。

だが、開演時刻になってもステージシートが埋まらない。キャンセルも出るんだな、と思っていたところ、俳優たちが舞台上にぞろぞろと現れて、その空席だったところに座った。なんと、エクウスでは俳優が座るところとステージシートは別になっていたが、それを融合させてしまったのだ。もうこの時点で、この作品の大胆さにうまく心を掴まれてしまった。

とにかく、この作品は音楽と演出の勝利である。もはや古典と言えるほどの作品を題材にしながら、徹底的にカッコイイ音楽と、スタイリッシュな演出で観客を虜にする。音楽は、まさに青年期の悩みを表現した、押え切れない衝動が噴き出すかのようなエッジの効いたロック。演出では、マイクの使い方が実に面白い。普通、ミュージカルのマイクといえば目立たないように顔面に装着するタイプだが、この作品ではあえてハンドマイクやスタンドマイクを使う。たとえば、生徒たちがユニゾンで歌いだすシーンでは、全員がいっせいに制服の内ポケットからマイクを取り出して歌う。ソロで熱唱する場面では、マイクスタンドを握り締めて絶唱だ。

このマイクの取り出し方や渡し方で、登場人物の内面をうまく表現もしている。それ以上に、マイクを使うということが、不思議な作用をもたらしていた。

昔、ミュージカルでこういうマイクの使い方をしていた時代もあった。「ジーザス・クライスト・スーパースター」の古い写真を見ると、マリアやユダがマイクを持って歌っている様子が記録されている。しかし、音響技術の進歩に伴い、もはやそんな光景は見られなくなった。マイクを持ってしまうと、いかにも「さあ、これから歌いますよ」という雰囲気になり、それが芝居の部分との「つなぎ目」を意識させてしまう。その違和感、つまり「何でいきなり歌いだすんだ?」という感覚が、ミュージカル嫌いを増殖させることになる。マイクの小型化は、その部分をシームレスにし、芝居から歌へ、自然と流すことが可能になったわけだ。

そこをあえて逆手に取り、マイクを渡す、もしくは取り出す動作を繰り返すことで、そのつなぎ目を意識させる。そのつなぎ目、境界線は、若者たちの感情が押え切れなくなり、外に噴き出してくる瞬間なのだ。こんな表現方法あったなんて、ミュージカルの懐は本当に深い。

作風としては、観る前は「エクウス」のような重い雰囲気を想像していたのだが(原作を読んだせいもある。かなり重い)、前半は意外にも軽いノリで進んでいく。日本で言うと「パンツの穴」とか「毎度お騒がせします」のようだ。もっともアメリカ映画には昔から「若者たちの性の目覚めをお馬鹿に描く青春映画」というジャンルが確立している。「ポーキーズ」とか「アメリカン・パイ」とか。あんな感じだ。

そして一幕最後の、問題のアレのシーンを境に雰囲気が一変。よりシリアスに、重苦しく展開していく。だがその重さも、音楽と演出の味付けが絶妙なので、決してのどにつかえるようなことはなく、自然と受け入れられるのが見事だ。そして観劇後は、実にさわやかな後味が残る。

問題のアレのシーンについては興味のある人が多いと思うので(俺だけか?)、勝手に詳しく説明しておこうと思ったが、あまりにリアルに書くのはさすがの俺も恥ずかしいので、「エクウス」(劇団四季版)との比較で説明しよう。まず、エクウスより照明が明るい。これ重要。女の子は、エクウス同様、胸をはだける。でもエクウスほど長時間は露出していないし、姿勢としては仰向け状態なのでそんなにハッキリ見えるわけではない。男の子は、パンツをおろすしぐさをするが、実際にはおろさない。だからチ○コが見えるとかはない。動作としては、結構モロの動きだ。でも時間は短い。若いからね。違うか。

しかし、問題なのはこの日その女の子、ヴェンドラを演じたAlexandra Sochaが、どう見ても本当の高校生ぐらいにしか見えない童顔で、しかも超絶美少女だったことだ。

まあ、ちょっとPlaybillのインタビュー記事でも見てくださいよ。
http://www.playbill.com/celebritybuzz/article/120862.html

この写真は少し大人っぽく写っているが、舞台ではメイクもスクールガールな感じなので、本当に高校生にしか見えない。…ってちょっと待て。リアルに18歳じゃねえかよ。ちょっとショック。俺にもまだ背徳心が残っていたとは!

なんでもこの舞台がブロードウェーデビューらしい。次の作品は何だろう。彼女目当てにまた来てしまいそうだ。2日連続で正常ではない観劇態度を刺激されてしまった。

この作品、1月にクローズしてしまう。もっと早く見ておけばよかった、と少し(ある意味で大いに)後悔した。

さて。いったいこれを劇団四季がどう上演するというのだろう?

四季は、すでに自由劇場を使うことを発表しているが、それは問題ない。何しろセットがほとんどないのだ。スタイリッシュな演出も、四季の実力なら十分に再現することができるだろう。日本の演出家が余計な手を加えなければだけど。

問題は俳優である。

このブロードウェー上演でも、別にティーンエイジャーばかりが出演しているわけではないし、多少年を食った役者が出てきても問題はないと思う。が、限度というものがあるだろう。「ユタと不思議な仲間たち」のような、生え際が気になるいじめっこのようなのが出てきても困る。

まあ男優陣は大丈夫だろう。厂原時也とか、童顔で演技のうまい奴が育っているし、もっと上の世代でも、さほど違和感なくいけるような気がする。

深刻なのが女優陣だ。どう考えても、ヴェンドラの適役がいない。見る前は、アレに抵抗がないということで田村圭ちゃんがいけるかな、と思っていたが、正直キャラ違いである。それより上の世代は、演じる側としても見る側としても、キツいと思う。役柄としては、「ウェストサイド物語」のマリアが近いのだけれど、マリア役を列挙してみると、いけそうかな、という人材がいない。そりゃ木村花代とか苫田亜沙子とか出てきたら、別の意味で嬉しいけど、たぶん通っちゃうけど、ヤフオクで良席落としたりしちゃうけど、それでブログで絶賛とかしちゃうけど、冷静に考えれば田村圭以上にキャラ違いの印象だ。今さら北井久美子とか村岡萌絵とかを懐かしんでも仕方がないが、最近の娘役不在の状況を考えれば、この問題は楽観視できない。個人的には真家瑠美子とか見たいけど、背が高いしなあ。

というわけで、キャストに大いに注目(やっぱり俺だけかい?)が集まる四季の「春のめざめ」。初日まで大いに妄想して楽しむことにしよう。でも、作品自体かなりハマる良作なので、女優がどうあれ(限度はあります)、まずは無事に初日を迎えてほしいものだ。

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Shrek The Musical(シュレック)

28日14時~16時30分
Broadway Theatre

Shrek

11月からプレビュー公演を行っていたとはいえ、今月14日にグランドオープンしたばかり、というホットさの「シュレック」。おなじみのドリームワークスによるCGアニメーション映画を基にした新作ミュージカルだ。

14日のPlaybill電子版トップ記事は、「エルファバやヤング・フランケンシュタインのモンスターたちがブロードウェーにまた新たな緑の仲間を迎えた」という書き出しでグランドオープンの模様を伝えていた(http://www.playbill.com/news/article/124260.html)。ヤング・フランケンシュタインはもうすぐクローズしてしまうが。前回来たときに観た「グリンチ」しかり、ミュージカルと緑色は深い縁がありそうだ。

実を言うとさほどこの映画のファンでもなく、パート3は観てもいない。USJの「シュレック 4-D アドベンチャー」も未体験だ。しかしあれをどうやって舞台にしたのか興味はある。DVDボックスを購入し、予習もバッチリの状態で臨む。

場内に入ると、森をイメージしたちょっとチープなカキワリがステージ飾っている。若干嫌な予感はしたものの、ホリデーシーズンでわんさか来ている子供たちは大喜びだ。

全体的なストーリーは、最初の映画作品と同じ。だからストーリーを予習するためにDVDを見よう、という人は1だけ観ておけば問題ない。

映画シュレックは、ディズニー作品へのアンチテーゼとして、数々のファンタジーを揶揄した毒のあるギャグが満載されていることで知られる。そして、ディズニーキャラクターではありえないお下劣さも特徴だ。

その2つとも、このミュージカル版にしっかりと受け継がれている。さらに、映画ではハリウッド映画のパロディーも頻繁に登場するが、そこはほとんどない。その代わり、ブロードウエーミュージカルのパロディーが続々と登場する。もともと、映画シュレックが「美女と野獣」のパロディーになっているわけだが、それ以外にも、そのまんまやん!というものから、あれ?ひょっとして今のは…というものまで、全編に散りばめられているので、ミュージカル好きにはおすすめだ。

それらは大人が見ても十分楽しいところだし、一方でシンプルな物語と巨大なドラゴンなどの大仕掛けは、子供たちを引き付ける。親子それぞれに楽しんでもらいたい、という姿勢が明確だ。

特殊メークのシュレックは全く違和感がなく、トニー賞ノミネート経験もある実力派、Brian d'Arcy Jamesの渋い演技は「下品で怖くて気は優しくて力持ち」というキャラクターの魅力を十分に引き出している。相棒のしゃべるロバ、ドンキーに扮したDaniel Breakerは、ほとんど素顔丸出しでエディ・マーフィーにも山寺宏一にも負けない芸達者ぶりを全身で表現している。フィオナ姫はこの作品のもう一人の主役。若くて美人な女優さんではなく(失敬)、ちょっとクセがあってやや薹が立った感のあるSutton Fosterを起用したのが大成功だ。ついこないだまで「Young Frankenstein」にも出ていた売れっ子ミュージカル女優。かつてはレ・ミゼラブルでエポニーヌを演じたこともあるのだとか。「あなたのイメージとはちょっと違う」お姫様を、輪郭を際立たせたメリハリのある演技で力強く表現している。大量に出演するファンタジーの国の住人たちも、みないい味を出している。ピノキオの情けなさは出色の出来だ。

音楽は、映画とは作曲家が異なるオリジナルだ。全体を通じて、ポップなというか、ゴキゲンな(死語)ナンバーが続く。

ゴキゲンなノリと毒のある笑い、といえば、もうすぐ惜しまれつつクローズドになる「ヘアスプレー」と、どことなく作品の雰囲気が似ている。気軽に見られる、という点でも一緒だ。トニー賞獲得以来、ヘアスプレーが維持してきたブロードウェーにおけるポジション(気軽に観られて楽しく、英語がニガ手でもOKなノリのいい作品だがお子様向けというわけではない、という希望に応える)を受け継ぐ作品として期待が持てそうだ。

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Wintuk(ウィンタック)

28日 11時~13時
WaMu Theater at Madison Square Garden

Wintuk

新たなホリデーシーズン風物詩としての定着を狙い、シルク・ド・ソレイユが昨年から行っている、年末年始ニューヨーク限定のクリスマスショー。

マジソン・スクエア・ガーデン内にあるこのシアターは巨大なイベントホールだ。舞台も広いのだが高さがない。なので、ここでどんなショーを行うというのだろう、と不思議に思ったが、先日「ZED」を観て感じたように、シルクの本質はショーとしての面白さや大掛かりな仕掛けよりも、その磨きぬかれた技、鍛え上げられた肉体の素晴らしさを鑑賞することにある。

空中ブランコのような派手なものはないこのショーでも、、バランスボールといった一見地味な道具を使いながらも、客席から大きな拍手を集めていた。

前半は、ニューヨークを意識した都会の街の一角、という設定なのか、ストリート系ファッションふうの衣装でスノーボードやローラーブレード、マウンテンバイクなどの妙技をスピード感あふれる演出で披露する。後半は、雪と氷の街、という設定に変わり、オーソドックスなサーカスの技をじっくりと見せる。空中ブランコなどの大技はなく、使う道具も縄跳びやフラフープなど、使う道具は一見地味だが、やはり一流のアスリートたちが努力を重ねて会得した技の数々は、それだけで感動を呼ぶ。そこにちょっとしたホリデーらしさが添えられた、そんなショーだ。

シルク・ド・ソレイユということでブランドの安心感もあるのだろう、大勢の人たちを集めていた。確かに、こういう「まず間違いがない」ものは、風物詩として定着する資格が十分にあるのかもしれない。

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2008年12月27日 (土)

YOSHINOYA(吉野家)

Mary Poppinsが終わると、もう夜の11時前。そういえば朝マックのあと何も食べてなかったな、とニュー・アムステルダム劇場近くにある吉野家へ。これも去年のおさらいだ。

Yoshinoya2008

今回はノーマルなビーフ・ボールをお持ちかえり。といっても日本の大盛りぐらいだと思う。ラージサイズを頼んでしまうと、昨年の山田太郎の弁当箱のようなのにぎっしりと盛り付けられてしまう。

味は、昨年は少し食感の違いを感じたが、今回は日本のそれとほぼ同じに思えた。

吉野家アメリカのホームページ

http://www.yoshinoyausa.com/

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Mary Poppins(メリー・ポピンズ)

Mary2008

27日20時~22時30分
New Amsterdam Theatre

続いてのおさらい編はメリーポピンズ。前回、最も印象に残ったのがこの作品である。ディズニーとキャメロン・マッキントッシュという権利ガチガチのこの作品は、絶対に日本には輸入されないだろうし、「値段を下げます」なんて言っちゃった四季ではとうていてが出せないだろうけど、本当はぜひ日本人キャストで上演してほしい。確かにイギリス階級社会のムードが強すぎて日本人には合わない、という意見も納得だが、この作品が本来持つ音楽の素晴らしさを150%生かした完成度の高いステージングは、肌に合わないという人にもぜひ一度は観て欲しい。

ウィキッドに続きこれも最前列、しかも見切れでないセンター席を確保できた。メリー先生や子供たちの指先までくっきり見えるという、迫力を感じる席だ。「STEPING OUT」では、煙突掃除人の数がやけに多いな、と前回感じたのだが、実はこのシーンでは女性アンサンブルも男装して参加しているのだ。

改めて観て、やはりこの作品の素晴らしさをひしひしと実感した。決して派手な見せ場があるわけではないが、1シーン1シーンが、脚本、音楽、照明、演出などすべてにわたり、芸術的なまでに研ぎ澄まされている。特に、比較的地味なシーンにそれが現れる。たとえばFeed the Birdsとか、Let's Go Fly a Kiteといった場面だ。そこに現れる圧倒的な空気感に、思わずため息が出てくる。

この日Maryを演じたのはScarlett Strallen。ロンドン公演でタイトルロールを務めた、人気も実力もある女優さんだ。調べてみたら、マンマ・ミーア!公演CDの5周年記念エディション(カーテンコールまで入っているやつ)にもアンサンブルで参加している。

さすがにハマリ役で、どこからどう見てもメリー先生だ。顔は似てないけど、雰囲気的には五東由衣っぽい?じゃあ四季でやる時は・・・ってないない。期待はしたいけど。だが個人的には、やはり最初に見たほうに引っ張られるということもあるが、トニー賞授賞式のパフォーマンスも務めたAshley Brownの、凛とした可愛らしさが好きだったので、そちらのほうに軍配が上がってしまう。Wikipedia情報では、来年の国内ツアー公演にふたたび彼女が参加するとかしないとか。「正常ではない観劇態度」に続き、今度は「遠征」までしてしまうのか?それもまたいいだろうが、お金と体力が続きませんって。

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WICKED(ウィキッド)

27日14時00分~16時40分
Gershwin Theatre

Wicked2008

2年ぶりのニューヨーク。前回は3日で8本というたわけたスケジュールだった。もう俺も大人だ。もう少し余裕を持って行動しよう。

とりあえず、今日は初日ということで前回のおさらい、というわけではないが、いきなりウィキッドだ。2年前の旅行で最後に観たのがウィキッド。そして今回最初に見るのがウィキッドだ。前回の旅行との連続性を演出したのではなく、ただの偶然。

このガーシュイン劇場というのは実に巨大な劇場で客席は1933もある。ブロードウェーの劇場というと、だいたい1200~1300前後の席数が多いと思う。昔「キャッツ」、今「マンマ・ミーア!」のウィンターガーデン劇場は1500程度、「オペラ座の怪人」のマジェスティック劇場や、「ライオンキング」の上演のために復活したニューアムステルダム劇場(現在「メリーポピンズ」上演中)でも1700ぐらい。この劇場の大きさはそれらよりも頭ひとつ抜けている。ちなみに四季劇場「海」は1200ちょっと。

前回は、1階席とはいえ一番後ろの一番上手側だった。舞台の全体は見渡せるが表情まではちょっと見えない。通路側派なのでストレスはないが、次回があったらもうちょっと前で観たいと思っていた。

そして次回が来たわけだが、今回入手したのは最前列の下手の端という、前回とは文字通り対称的な席。こんな席が比較的間際で買えたのは、この席が見切れ席だからである。値段もちょっと安い。まあ四季で言えばA席みたいなものか、と思って買ったのだが、あとで四季の座席表見たら違った。四季では、この座席は売ってすらいない席なのだ。あちゃー、こりゃAKB劇場の柱の影に隠れる席みたいなもんだな、と思ったが、前のほうで雰囲気を味わうのも悪くない。下手側だとグリンダ様もよく見えるかもしれないしぃ…。

場内で開演を待っていると、季節がら観光客が多いことも影響しているのか、みんな記念写真を撮っている。どうも開演前は黙認しているようだ。

となれば、自分もこの見切れ席からのパーシャル・ビューを記録しておくために1枚納めてきた。

Mikire_2

こんな感じだ。中央にぶらさがっているのは猿が降りてくるためのロープ。開演後、撤去される。

舞台の左側が隠れる、というよりも、舞台の左奥のほうが隠れる、といったほうがいいかもしれない。重要なシーンが見えなくて困る、ということはほとんどなかったので、かなりお得な席ともいえる。逆に見切れ席の本当の意味である、見えてはいけないものが結構見えた。ブリキ男とライオンの尻尾で綱引きをするスタッフとか・・・

でも、確かにグリンダ様は近しく拝見することができる。もっとも、「What Is This Feeling?」で目の前にいらっしゃるのでは、という淡い期待は打ち砕かれ、自分のポジションはそれよりもさらに左だった。どれほど左か、よくわかっていただけるのではないかと思う。

さて、この日のグリンダ・エルファバコンビは、Alli MauzeyとMarcie Dodd。Marcieのエルファバは、体格がよく、顔もきりっとした、男系のエルファバ。力強さが全身からみなぎっている。

対するAlliグリンダは、まさしく「キュートなブロンド」。冒頭のシーンでは意外に年齢を重ねているかも、と思ったが、学生時代の回想シーンでは、愛すべきバカ女子大生が板についており、何とも魅力的だ。ナイスバディところころかわる表情、かわいらしいまま伸びていく声で、観る者を飽きさせない。まあ自分がフィエロだったら確実にこちらになびく。

そんなわけで、なんだか全編グリンダ様ウォッチになってしまって、あまり全体的な感想がない。海外にまで来て「正常ではない観劇姿勢」を実践とは、われながら感心だ。まあ全体が見えない席だったから、ということでご勘弁を。応援してるぜい、Alli Mauzey!

<追記>

Alli Mauzeyがイベントで「Popular」を歌っている映像を見つけた。顔もそうだが、声のかわいさたまりません。

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Sheraton New York Hotel And Towers(シェラトン ニューヨーク ホテル & タワーズ)

ニューヨークの宿は、ボストンに続きシェラトンに。ミッドタウンには2つのシェラトンがはす向かいに並んでいる。

Sheratonny2 

今回泊まったのは「シェラトン・ニューヨーク」のほうで、この写真を撮っている自分の後ろにある。この写真に写っているのが「シェラトン・マンハッタン」で、こちらには10年以上前に泊まったことがある。

Sheratonny1

部屋はこんな感じ。昨日泊まったボストンのホテルや、2年前に泊まったマリオットがいずれもありがたいことに巨大な部屋だったので、それらと比較すると狭く感じるが、ミッドタウンでは広いほうだと思う。

設備はとてもシンプル。寒かったので空調を調整したかったがコントトローラーのようなものはなく、古びたヒーターのフタを開けて(埃っぽい)、ちゃんと動作しているのかわからないツマミを適当に動かしたら、何とか温風が出てきた。

ネットはちょっと遅い。計測したら0.5メガほどだった。

このホテルは高層タワーで客室も多いため、チェックインなどが大変混雑する。このホテルに泊まることになった場合は、会員証(現在はスターウッド・プリファード・ゲスト)を忘れずに持っていったほうがいい。自分もこの日のためになかば幽霊会員化していたのを、アクティベートして持ってきたところ、会員専用のチェックインカウンターを使えて助かった。もっともそのあと、荷物を預けるのにえらく並んでしまったが・・・

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Acela Expressでニューヨークへ

ボストンで一泊し、ニューヨークへ向かう。というか戻る。

また飛行機で来て、飛行機で戻るのもいささか芸がないと思い、アメリカのJR、アムトラックが誇るボストン―ニューヨーク―ワシントンを結ぶ特急電車、Acela Express(アセラ・エクスプレス)に乗ることにした。

アセラを利用するのは、かつて出張でニューヨーク―ワシントン間を往復したことがあるので、それ以来のこと。その2地点間だと2時間50分で、恐らくミッドタウン→ラガーディアの移動時間や手荷物検査(当時は今よりピリピリしていた)を考えるとこっちのほうが早いだろう、と考えて乗ったのだが、フィラデルフィアやボルチモアなど、アメリカの古き良き時代の面影を残す町並みや、常磐線に乗っていると錯覚するほどの田舎の風景はとても心に沁みるもので、なかなかオツな列車の旅だった。

そんなわけで、今回ボストンからニューヨークに乗れば、併せ技一本ということでアセラ全線制覇となる。何の自慢にもならないが、一応やっておく価値はある。

South1

早朝、ボストンの始発駅となるサウス・ステーションに行くと、もう早い列車に乗るひとたちがロビーにたむろしている。クリスマスの豪華なデコレーションが目を引いた。

South2

すでにネットで予約してあり、自動チェックイン機のようなもので切符を受け取るだけ。やはり自宅でプリントしたバーコードを読ませるものだ。昨日のジェットブルー以上にあっさりと切符を入手。あとはロビーにて、出発番線が発表されるのをじっと待つ。

South4

結構時間があったので、駅に入っているマックで朝食。せっかくアメリカに来ているのだから変わったものを食べようとかいう気持ちもないではないが、ストレスなく注文できるほうに傾いてしまう。だから人間的な成長がないのだ。

South3

発車30分前ぐらいに番線が表示。ニューヨークで乗ったときより早いが、考えてみれば始発駅なのだから当然か。

Amtrack1

アセラはファーストクラス・ビジネスクラスの2クラス制。ビジネスクラスといっても、日本の特急列車の普通席をちょっと良くしたぐらいのものだ。トイレもあるし、スナック・カーもあるので、本当に日本の特急に乗るような感覚で利用できる。ビジネスクラスは全席自由だ。ファーストは知らん。

ほぼ定刻どおり、3時間半かけてニューヨークに到着。さすがにこれだけ時間をかけると、飛行機のほうが早いだろうが、のんびり車窓を眺めながらの電車の旅は、なかなか快適なのでお勧めである。ただ、この日はホリデーの家族連れがぎっしりと座っていて、ほぼ満席の状態だった。以前、ワシントンへ向かったときはガラガラだったが、帰りはやはり混んでいた。ニューヨークへ向かう便はいつもこうなのだろうか?

Amtrack2

ニューヨークのペンシルバニア・ステーションは地下にある。

アムトラックのWEBサイト

http://www.amtrak.com/

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2008年12月26日 (金)

Sheraton Boston Hotel & Towers(シェラトン ボストン ホテル&タワーズ)

きょうのお宿は、バックベイ地区にあるシェラトン。

Sheratonboston

ニューヨークのホテルはあいかわらずとんでもなく高いが、ボストンはそんなことはなく、むしろ日本より安く立派な部屋に泊まれる。

Sheratonboston2

窓から見えた風景。

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Leagal Sea Foods(リーガル・シーフード)

ボストンといえばシーフードである。ということを初めて知った。クラムチャウダーにロブスター。それを堪能できる代表的な店がこのLegal Sea Foodsだ。

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名物のクラムチャウダー。このようにカップで頼むこともできるし、もっと大きいボールで頼むこともできる。よく煮込まれていて、シーフードと野菜の味が一体化していてうまい。

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ムール貝は、バケツのような容器で大量に出てくるのがデフォだ。昔、ロンドンですっかり胃がもたれていたとき、サッパリしたものを頼もうとしたらコレが出てきて愕然としたことがある。

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ロブスター。大きさを指定できて、いちばん小さいものを頼んだのに冗談のようにでかい。携帯で撮った写真なのでちょっと大きさがわかりにくいと思うが、全長30センチはあろうか。Market Price(時価)だが、この日はこれで1尾27ドル。安い!

Robster

先生に撮っていただいた写真。大きさがよくわかる。

Lsf4

デザートも例によってアメリカンサイズ。「ボストン・クリームパイ」は、ティラミスの先祖の親分みたいな感じだ。以外に大味ではなく、繊細なうまさだったが、食べ終わるころには味など分からなくなっているほどでかい。

うーむ、満足だ。

リーガル・シーフードのWEBサイト
http://www.legalseafoods.com/

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Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学)

ホリデーシーズンの真っ只中、日本からノコノコやってきた迷惑な客人。しかし先生は親切にMITを案内してくださった。本当に感謝です。

Mit1

MITといえばこの風景、とばかりに必ず写真などに登場するドーム状の屋根を持つ校舎。記念撮影をする人も多い。

Mit2

この校舎を背にして、チャールズリバー、そして市街地を望む。

Mit3

敷地内では次々に新しい校舎の建設が進む。日本とは資金を集める力が違うのだろうが、世界大恐慌の様相を呈する中、今後は厳しい経営を強いられるのかもしれない。

Mit4

日本でも有名なメディアラボの建物。

Mit10

エッシャーのトリックアートのような世界を三次元化しようとしたらしい、ヘンな形の建物。中に入ってみると、とんでもなく使いにくい、実用性ゼロのビルだ。まるで「こちら葛飾区亀有公園前派出所」で、有名デザイナーによるモックアップと幼稚園児がつくった粘土細工が取り違えられたために完成してしまったウサギ型の葛飾署のようだ。

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リスが多いのはセントラルパークと一緒だ。

Mit6

MITの敷地は広大だが、各校舎間を結ぶ巨大な地下通路がある。まるで東京ディズニーランドの地下のようだ(入ったことないけど)。中は迷路のようで、しかもあちこちに「DANGER」とかの張り紙があって、文字通りのダンジョンな雰囲気に心が躍る。

Mit7

MITミュージアムでは、60年代に作られたロボットアームや、最新の研究成果を分かりやすく紹介した展示などを見ることができる。

Mit8

その隣のビルには「ハッカー発祥の地」とされる、MIT鉄道クラブ(Tech Model Railroad Club)が入っている。1960年代、まだ貴重な存在だったコンピューターをMITが導入し、このクラブのメンバーがそれを遊びのために(おそらく勝手に)使っていたのがハッカーのはじまりのようである。

同時に、MITには「ハック文化」というものがあり、それが学生たちの手で脈々を受け継がれているという。これはコンピューターにアクセスして何かするのではなく、あっと言わせるような大規模なイタズラのことだ。これについてはMITスローンスクールを紹介する日本語サイトが詳しく説明してくれている。ドーム校舎の上にこつぜんとパトカーが出現したり、と、並の技術と覚悟ではとうていできないようなことを、学生たちが集団でやってのける。もちろん大学「非公認」だが、大学としてもこれを誇りとしているようだ。ある校舎に、このハック文化を紹介するコーナーがあり、そこには「ハッキング11カ条」とでもいうようなハッキングのルールが書かれていた。「Leave no damage」など、まるで「鬼平犯科帳」に出てくる「本格の盗人」が守る掟三箇条のようだ。(下記のサムネイルをクリックすると拡大で見られます)

Mit9

ドーム校舎の内部には、建学の精神が刻まれている。それをぐるっと動画で納めてきたので紹介しよう。

"APPLICATION TO INDUSTRY THE ARTS AGRICULTURE AND COMMERCE"

これがまさしくMITの性格を言い表している。案内していただいた先生によれば、同じボストンにあるハーバード大が、真理の追究を旨としているのに対し、MITは徹底的にその利活用を考える、実学的なアプローチをする気風があるのだという。

MITというと、最高の知性とか、ギークたちの頂点とか、そういうイメージがあり、それは実際にその通りなのだと思うが、その底流にはこうした明確な姿勢がある。そして、ベースのスタンスが明確だからこそ、より自由な活動が展開できるのだ。大学のみならず、多くの組織がそこに学ぶことは多いだろう。

MITというと最新のコンピューターを駆使している印象があるが、地下迷宮の一室で、もくもくと釜を前にガラス状の何かを制作している材料工学系の学生の姿があった。それもMIT、ということはこの基本姿勢からすれば不思議でも何でもない。

今回は実にエキサイティングな見学となった。このブログもコンテンツが散漫にならないように、建学の精神ならぬ「見学の精神」を明確にしないといけないな、とくだらない駄洒落を思い付いたのは大きな収穫だ。

MITのWEBサイト

http://www.mit.edu/

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jetBlue(ジェットブルー)

世間様の仕事納めよりひと足早く年末年始の休暇に入らせていただき、やって来ましたジョン・F・ケネディ空港。

入国審査では、係員の指示に従い並んでいたところ、自分の前に審査を受けた子供たち2人(子供だけで訪米した様子)の書類手続きに不備があったらしく、入国審査官以外の職員や、ANAのスタッフ職員を交えて鳩首会談が起きてしまった。米国側も何とかしてくれようとしているらしく、笑顔を交えてなごやかに話しているのでほっとしたが、自分の番が回ってこない。しばらくすると自分にここに並べといった職員が「こっちの列に並びなおせ」と言うので別の列に移動。まあこんなこともあるさ、とそこで待機。さあ俺の番だと歩みを進めようとしたら審査官が「Wait!」と叫んでどっか行ってしまった。内線で呼び出されたらしい。きっと年末だからお店のツケの催促でも来たんだろう、と勝手な推測をして待っていたが、待てど暮らせど帰ってこない。よほどツケがたまっているようだ。待ちぼうけをくらったままじっとしていると、ここに並べと指示した職員が再度やってきて「長い時間待たせてしまい申し訳なかった。こちらに来てくれないか(想像訳)」と別の列の最前に案内してくれた。入国審査の職員というと、職務がらぶっきらぼうで、かつアメリカの高圧的な姿勢を象徴するような人たちという印象があったので「アメリカ人でも謝るんだ!」と失礼な驚きを感じた。だがその職員に感謝である。

審査官も、そしてそのあとの税関職員もとてもフレンドリーで、特に問題なく2年ぶりの米国上陸を果たす。

今年はそのままマンハッタンへは向かわず、国内線に乗り換えてボストンに向かうことにした。

大変お世話になっている大学の先生が、現在マサチューセッツ工科大学(MIT)で研究を進めている。かつては「ボストンバック」と「ボストン茶会事件」でしか浮かばなかったその地名も、松坂のレッドソックス入団以来、日本で耳にすることが飛躍的に増加した。どんな街なのかひと目見てやろう、と、非常にハタ迷惑な話ではあるが、MIT見学に押しかけることにしたのである。海外赴任する人がよく社交辞令で「ぜひ遊びに来てください!」と言うが、自分はそれを真に受けて本当に行ってしまう。この時もそうだった。世界中のリアル知り合いの皆さん、次はあなたの番かもしれません。

というわけで、JFKで国内線に乗り継ぎ。2000年の参入以来、急成長を遂げた新興の航空会社「ジェットブルー」でボストンへ向かった。米国の航空会社のほとんどは、ニューヨークにおける国内線のハブをラガーディア空港に設定しているが、ジェットブルーはJFKが拠点。米国入りしてすぐに他の地域に飛ぶ場合にはとても便利だ。

ターミナル間を連絡する「Air Train」に乗車して、ターミナル5へ移動する。Air Trainはターミナル間をぐるぐる回っているものと、JamaicaやHoward Beachなど、鉄道・地下鉄各線の乗り継ぎ駅へ向かうものとがある。うっかり後者に乗ってしまうと大変なことになるので、慎重に路線図を確認。どうも前者「Track2」、後者は「Track1」として、逆向きに走っているらしいと分かり、Track2のホームで待つが、さっぱり電車がやってこない。気づいたら電光掲示板に「こっちは来ないから反対側行け」みたいな表示が出ている。そこでTrack1をしばらく観察すると、それぞれ行き先表示の違う電車が走っていることがわかった。とりあえずジャマイカとかビーチとかの文字が見えたらスルー、と決め込んでいたら「All Treminal」と書かれた電車がやってきた。これに違いない、と乗車。ありがたいことに正解だったようで、ぶじターミナル間の移動を終了。こんな小さなことでも大ボウケンの感触を味わえるのが海外旅行の楽しさだ。まあ単に英語が苦手なだけだけど。

Jetblue

ターミナル5は、今年の秋からジェットブルーが専用ターミナルとして使っており、コーポレートカラーの青一色に染まっている。

有人カウンターもあるが、あらかじめネットで予約しておくとバーコードを入手でき、それを自動チェックイン機にかざせばボーディングパスをもらえる。最初認識してくれないのでどうしたものかと思ったが、読み取り機と紙の距離が近すぎたようで、よく見ると機械の下のほうにバーコードのイラストが書かれており、そこに置いた瞬間読み取ってくれた。荷物がどうとか、いろいろ質問の表示が出ていたが、問題なく発券できた。この時の記憶があったので、スムースに行って本当にありがたい。

ジェットブルーは、羽田―北九州便を運行するスターフライヤー社が参考にしたとも言われており、格安の運賃と、シートの工夫に特徴がある。

Seat

シートは革張り。JR九州が誇る特急かもめのような豪華な印象はないが、とても座りごこちがいい。社内清掃が行き届いておらず、シートポケットにゴミが入っていたりしたが、それは米国内線ではよくあることなのだろうか。

人員は最小限にとどめているようだが、サービスが悪いわけではない。離陸前に救命胴衣の説明を実演してくれたのはボブ・サップのようないかついお兄さんだったが、水平飛行に入るとそのお兄さんが水やコーラ、スナックを持ってきてくれる。全員に配るのではなく、ほしい人は言ってくれ、というスタンスだ。サービスをずかっと削るのではなく、合理的に行うことでコストを減らしているのだ。なるほど人気の秘密はこのへんにもありそうである。

Ball

そしてシートのもうひとつの特徴、国内線なのに全席にシートテレビがある。これは衛星放送を視聴でき、実に40チャンネルを機内で楽しむことができる。ヘッドホンはなく、音声を聞きたい人は搭乗前に有料で借りることになる(このへんも合理的)。機内でも借りられるのか、手持ちのヘッドホンが使えるのかは未確認です、すいません。でもESPNとかCNNは、映像を見ているだけで十分内容が分かる。特に自分の場合は、英語で聞いてもどうせ分からない。というわけでESPNで全米大学対抗女子ボウリング選手権(大会名は想像)を見て過ごした。

Muji

なかなか面白い航空会社だ。また機会あったら利用してみよう。ターミナル5には、無印良品も出店している。

jetBlueのWEBサイト
http://www.jetblue.com/

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2007年1月 1日 (月)

NY3泊8本の旅・まとめ~新年のごあいさつ

いつ年を越したのかよく分からない状態になってしまったが、新年を迎えた日本に帰ってきた。

3日で8本の舞台作品を観る、という無謀なスケジュールだったが、全て遅刻もチケットのトラブルもなく楽しむことができたのは本当によかった。

それぞれの作品から受けた感想、そして総じて得られたものについてどう考えるかは、少し時間がかかりそうだ。しかしひとつ言えるのは、改めてブロードウェーで動く人、動く金の膨大さを思い知らされたということだ。

四季は都内に構える専用劇場(浜松町の「春」「秋」「自由」、汐留の「海」、五反田のキャッツシアターなどがそれぞれ近接していることから、それらをブロードウェーに見立てている。ちゃんちゃらおかしい話ではあるが、大言壮語は嫌いじゃない。少なくとも、セガがみなとみらいに計画している劇場を含む大型娯楽施設を「日本版ブロードウェー」と呼ぶことよりは、ずっと当を得ている。ブロードウェーとは施設の名前でもなければ劇場街の名前でもない(あえて言えば通りの名だ)。それはクリエイターの育成から最終的なショーの運営までを含む、巨大なエンターテインメント産業の称号だ。

いったい日本がそこまでたどりつくのにどれほどの時間がかかるのだろう。欠けているものはたくさんある。その筆頭はやはり人材育成、特に演劇界の古い常識を知り尽くしながらも新しいルールを作りだしていけるプロデューサーの養成は必須だ。ロングランに協力する劇場の確保、建設も必要だろう。箱ものが悪いのではない。そこにしか目を向けないことが悪いのだ。

しかし何より、マーケットの主役である消費者、つまり観客の数をどこまで伸ばせるか、ということを考えなくてはならない。これは極めて深刻だ。ブロードウェーでは、たいていマチネは2時、ソワレは8時にスタートする。劇場が隣り合っていると、入場待ちの列が入り交じってとんでもないことになったりする。そういう状況は、日本の演劇の現状からはとうてい考えられない。国内・海外からの観光客をより大量に招くことも、単に団体客誘致ではなく、より戦略的な行動として考え直す必要があるだろう。

いずれにしても、それは四季の力だけでできるはずはない。東宝や松竹、パルコ劇場、コマ劇場なども協力して知恵をしぼるべき問題だ。それら大手をスピンアウトした新しい勢力が出てきてもいい。文部科学省も、演劇文化の発展を考えるなら、伝統芸能に助成金を出すのももちろん大事だが、一般の産業と同様、競争環境の整備にもっと力を注ぐべきだ。

自分も、一人でも多くこの世界に興味を持ち、あるいはのめりこむ人を増やせるように、このブログを続けていきたい。そして、今年も周囲の人を強制的に劇場に連れていくことにする。

というはた迷惑な宣言をもって、新年のごあいさつと代えさせていただきます。

Matome

今回劇場で購入した数々。プログラム、CD、そして……なぜかドール一体。

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JFKふたたび

Taxi

四日目の朝。このまま帰るのはもったいないような好天のなか、タクシーで空港に。
弱ったことに話好きのドライバーだった。英検4級の実力を試すときだ。

「どこまで行くんだ?」
「ジャパン」
「乗り継ぎは何回あるんだ?」
「ノー」
「乗り継ぎがないって?そいつはエクスペンシブな路線に違いない」
「イエス」
「日本はもうすぐニューイヤーだろ?確か時差は14時間だよな」
「ザッツライト」
「何でわかるか知りたいだろ?」
「……」
「実は俺のワイフはサハリン出身なんだ。サハリンと日本は近いからな。ワイフの親父はロシア人と日本人のハーフなんだ。だから彼女も25パーセントは日本人なのさ。」
「オーリアリー」
「今日はビューティフルデーだな。フライトにはグッドだぜ。あれ?通行止めか。五時間前の事故処理がまだおわってないんだな。でも心配いらないよ。俺はこの町の道を知り尽くしているからな」
どんどん話しかけてくるが、こちらが単語でしか答えていないのでさすがに実力に気付いたか、あまり話さなくなった。
どうやら日本人に好感を持っているのは確かなようで、料金はJFKからマンハッタンに向かうときの定額料金でいいという。空港に向かうときはメーター制で結構な金額がかかるのでこれはありがたい。チップと一緒に渡すとひとこと

「アリガトウ!」

なかなか楽しいドライブだった。25パーセント日本人のワイフにもよろしくな。

ともあれあとは飛行機に乗るだけだ。まとめは帰国してから。

おっともう年が明けてましたね。とりあえずハッピーニューイヤーです。

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2006年12月31日 (日)

WICKED(ウィケッドまたはウィキッド)

Gershwin

30日20時00分~22時40分
Gershwin Theatre

さて、いよいよ今回の旅行最後のイベントとなる「WICKED」だ。この旅を思い立ったきっかけは「Tarzan」だったが、最大の目的はこの「Wicked」の鑑賞である。まだ発表されていないものの、来年、劇団四季による上演が決まっている。もめて白紙に戻らなければだけど。

少しネタバレになるので、あまり先入観を持たずに日本公演に臨みたい人は、読まないほうがいいでしょう。

「オズの魔法使い」に登場する“北の良い魔女”グリンダと、“西の悪い魔女”エルファバが、実はかつて友達だったという設定で語られる、オズの魔法使いの前日譚とも言うべき作品。美人で要領がよく、友達も多いグリンダと、全身が緑という容姿と、複雑な生い立ちから暗く引っ込み思案な性格のエルファバ。対称的な二人を中心にストーリーが展開していき、なぜエルファバは悪い(Wicked)魔女になってしまったのか、そもそもエルファバは本当に悪い魔女なのか、考えていくという内容だ。

先日ユニバーサルスタジオ・ジャパンで上演されている、30分ほどのダイジェスト版を観てきたが、あのダイジェスト版は実は一幕のダイジェストであり、二幕の要素は入っていない。

一幕は明るく楽しいシーンが多く、その意味ではテーマパークでの上演にもぴったりだ。しかし二幕は意外にもシリアスな展開が続く。ディズニーのブロードウェイ進出に触発され、ハリウッドプロデューサーのマーク・プラットが仕掛けた舞台であることと、USJ版の印象から、「美女と野獣」のような脳天気なエンターテイメントかと思っていたが、完全版を観ると少し印象が異なり、同じディズニーで言えば「アイーダ」のような、じわじわとその魅力が伝わってくる側面があることが分かった。これは、二度、三度と鑑賞したい舞台である。音楽も耳に馴染みやすい名曲がそろっており、日本公演が大いに楽しみになってきた。もめないでほしい。

USJ版を観たとき、とにかくこの舞台はグリンダとエルファバの演技合戦がポイントになりそうだ、と思ったが、それは想像以上だった。ほとんどこの2人の演技が全てといっていい。そうなると、いったい四季で誰が演じられるのかが問題になる。上演中、実は頭の半分でずっとそれを考えていた。

エルファバ役にはオリジナル側も相当の思い入れがあるらしく、注文がうるさそうだ。USJでも外国人キャストによって演じられている。しかし、四季の女優陣を観れば、エルファバにはあまり事欠かないような気もする。直感的には濱田めぐみ。しかし他にも演じられる人は多そうだ。

問題はグリンダである。上にも書いたとおり「美人」というのがネックだ。四季には、正当派美人というより、ちょっと微妙な感じだけど魅力的、という人が多い。ずっと考えていたが、どうもグリンダのイメージにぴったりの女優がいないのだ。むしろ、濱田にグリンダを演じてもらって、エルファバを誰かに任せたほうがいいかもしれない。やや強引に他の候補を考えてみると、「アイーダ」のアムネリスに少しかぶる面もあるので、佐渡寧子、五東由衣はいけるかもしれない。

さらに問題なのが、グリンダとエルファバのバランスである。片方がベテラン、片方が新人、というわけにもいかないだろう。バランス重視で考えると、例えば井上智恵グリンダ×濱田めぐみエルファバ、というのも悪くない。四季にはもっとベテランもいるが、この舞台で、二人はずっと「学生(のような年齢)」である。正直、それ以上のベテラン勢の起用は考えにくい。やるかもしれないが、できれば避けてほしい。

やはりひいき目ではあるが、樋口麻美エルファバ×木村花代グリンダ、これを期待したいところだ。問題はグリンダにかなりのコメディセンスが要求されるところで、これまであまりコメディ作品に出演していない花ちゃんがどこまでそれを発揮できるかがポイントになる。ぜひ大阪出身の芸人魂が開花することを願う。コメディセンスといえば吉沢梨絵だが、歌の負荷が相当きついので、今回の出番はなさそうだ。

もう一歩下の年代、たとえば沼尾みゆきのグリンダなんてどうだろう?意外と苫田亜沙子グリンダはイメージに近いかも?しかしそうなるとエルファバ役を受け止められる女優がいない。

日本公演開幕まで、まだ時間はある。わくわくしながら、あれこれ考えて待つことにしよう。だから本当にもめないでください。いや、決裂して東○で上演、なんてことになったらそれはそれで選択肢が広がっていいか?堀内敬子グリンダなんて見たいよな。そのときにはエルファバは・・・。

妄想は尽きない。しかし妄想しがいのある作品なのは確かだ。

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Hairspray(ヘアスプレー)

Nsimon

30日14時00分~16時30分
Neil Simon Theatre

「ピンク・フラミンゴ」で悪趣味映画の帝王になったジョン・ウォーターズが88年に監督した映画「ヘアスプレー」をミュージカル化。2003年のトニー賞受賞作だ。このミュージカルを、また映画にするプロジェクトが現在進んでいる。互いにネタ不足に悩むハリウッドとブロードウェイのもたれあいも、ここに極まれりだ。

60年代のボルチモアを舞台に、太ってるけどダンスが得意な女子高生・トレーシーが地方テレビのダンス番組で人気者になるが、そこに根ざした人種差別を知り、体当たりでその状況を変えていく。

社会的なテーマを含んではいるが、基本的にはコメディで、とびきり明るいダンスシーンが次々に炸裂する楽しい舞台である。全編にわたり、60年代の「ちょっと古き、良きアメリカ」のムードが満載で、アメリカ人ならずとも、むこうのテレビ番組を見て育った世代には郷愁を感じる作りになっている。

あえて映画と比較すると、ストーリーはほぼ同じ。細かい点でいくつか設定上の変更、登場人物の絞り込みはされているものの、大きくは変わっていない。

しかし、印象はだいぶ異なるように感じた。映画は何しろ監督がジョン・ウォーターズだからピンク・フラミンゴほどではないにしても、悪趣味なシーンが続出する。そして悪趣味な世界観に浸っているうちに、現実社会に存在するさまざまな差別が馬鹿馬鹿しく思えてくるという「価値観の転倒」とも言うべき現象が観客の心の中に起きる。例えはよくないが、「シカゴ」を観ているうちに、殺人がさしたる重大問題ではないように感じられてくるのと同じだ。その新しい世界観においては、デブもゲイも差別されず、人種差別ももちろんない、一種のユートピアだ。

そこには、実際の社会において支配的な価値観を尊重している限り、差別は本質的になくならないという、自身ゲイであるウォーターズの過激な思考がうかがえる。これは一理あると思う。発生した差別をなくそうとするのではなく、そもそも差別が発生しないようにするためにはどうするか、という発想だ。そのために既存の価値観や常識を破壊してしまえ、というのが正しいかどうかはこの際置いておく。個人的にはちょっと賛同。もちろん、体質的に受け入れられない人も多いだろう。だから舞台化され、トニー賞を取ったと聞いたときにはやや意外だった。

舞台の印象はだいぶ違う。その「毒」の部分がぐっと軽減され、かなりマイルドになっている。なるほど、こうでなくては多くの支持は得られないだろう。意地の悪い言い方をすれば「いかにもトニー賞を取りそうな」雰囲気になっている。トニー賞の審査には、地方の興行権を持つプロデューサー達も多数参加しており、彼らは「ブロードウェイで成功した」というふれこみの作品を地方に出すのが仕事だ。そのため、あまり前衛的にすぎる内容の作品は敬遠され、無難なものに落ち着くきらいがある。数年前に「ユーリン・タウン」が賞を逃したのもそのあたりの事情と言われる。たしかに保守的な地方で興行するのに「ションベン横町」では具合が悪いだろう。

とはいえ、映画の主張を否定しているわけではなく、やや口当たりを良くしただけのことだから、目くじらを立てるほどのこともない。もし舞台を先に観て、「このテイストは好きだけど、ちょっともの足りないかな」と思ったら映画を見るといい。

この日トレーシーを演じたのはShannon Durig。プロフィールを見る限りほとんど新人のようだがトレーシーらしい可愛い演技で観客の喝采を浴びていた。この役を演じるには特殊な体型(!)が必要のため、なかなか人材の発掘も大変だろうが、そこは層の厚いブロードウェイ、さすがである。また親友のペニーを演じたDiana DeGarmoが秀逸だった。かなり電波なこの役をアキバ系腐女子ファッションで演じているが、メガネ属性の人ならその素顔のキュートさを一発で見抜くことができる。ラストシーンで生まれ変わったようなファッションを披露するが、「やっぱり」という感じの魅力だった。

来年、ヘアスプレーはツアー版の来日が噂されている。ツアー版、というとあまり期待できないことも多いが、どんなトレーシー&ペニーが見られるか興味があるので、実現の際には足を運んでみようと思う。

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2006 Radio City Christmas Spectacular(ラジオシティ クリスマス・スペクタキュラー 2006)

Radio

30日11時30分~13時00分
Radio City Music Hall

ニューヨークの冬の風物詩、ラジオシティのクリスマスショーを初めてみた。

目玉は何といっても厳しいオーディションを勝ち抜いた“ROCKETTES(ロケッツ)”によるラインダンス。例の、コーラスラインでヴァルが落ちたアレである。

9000人も入る巨大なホール(消防的に5000人ぐらいしか入れないらしいが)だが、内部は歴史と品格を漂わせるなかなかの雰囲気だ。

これだけ人数がいると席に着かせるのもひと苦労のようだが、案内係のおばちゃんがいきなり自分の手からチケットを取り上げ、「アタシについてらっしゃい!」とやはりチケットを取り上げられあせっているほかのグループとまとめて案内してくれた。なんだか小気味いい。

まだ2割ぐらいの人が席に着かないのに、時間になったらとっとと始まってしまう。あくまで演劇ではなくショーだから、それでもいいのだろう。客席のほとんどは家族連れなので、非常に場内はにぎやか。飲食はおろか写真撮影もOKというおおらかさだ。

というわけで以下、写真でショーの内容を紹介したい。

続きを読む "2006 Radio City Christmas Spectacular(ラジオシティ クリスマス・スペクタキュラー 2006)"

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Rockefeller Center(ロックフェラーセンター)

3日目の朝を迎えた。明日は帰るだけなので実質きょうが最終日になる。

朝のうちに、ロックフェラーセンターを訪れる。ニューヨークのホリデーシーズンの紹介に必ず登場する、巨大クリスマスツリーと天使のオブジェ。

Rfc

ツリーの手前にはスケートリンクがあるが、早朝から多くの人が滑走していた。

続いて、昨年11月に実に20年ぶりに再オープンとなったGEビル70階の展望台「トップ・オブ・ザ・ロック」へ。事前にインターネットで予約していたので(17.5ドル+税)、スムーズに入場できたが、朝だったせいかそもそも混雑していなかった。

例によってセキュリティチェック(金属探知器あり)をくぐり、エレベーターで一瞬にして68階に到達。そこからエスカレーターで70階へ向かう。

屋外展望台も意外に寒くはなく、なかなか爽快感がある。

南側の眺め。

Tor1

北側の眺め。

Tor2

確かにこれは夕方や夜はさぞ綺麗なことだろう。しかし自分は以前エンパイア・ステートビルに昇ったとき、天候不順で何も見えなかった思い出があるので、これで十分満足だ。

トップ・オブ・ザ・ロックのWEBサイト(音が出ます)

http://www.topoftherocknyc.com/

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2006年12月30日 (土)

YOSHINOYA(吉野家)

国内では焼肉だろうとフランス料理だろうと1人で食っている自分だが、海外ではどうもレストランが苦手だ。言葉も通じないし注文の仕方もかわらない。チップなんてさっぱりだ。それでいきおい海外では毎日のようにマクドナルドに通うことになる。

今回はそういうマクドナルド依存から脱却しなくては、と思い、吉野家ニューヨーク店を訪れた。

この店は42nd Streetに面していて、7th Aveから西に向かって3~4分歩いたところにある。バスターミナルまでは行かない。なお同じ通り沿いにヤンキースグッズのショップやサンリオの店もある。

ハンバーガーショップのような作りで、カウンターで買ったものを適当なテーブルに自分で運んで食べる方式。それなりに広いが、昼間の時間に行くと満席だった。日本人だけでなく、現地の人にもそれなりに人気があるらしい。

牛丼のほかに照り焼きチキン丼や野菜丼、エビどんぶりといったメニューがある。とりあえず牛丼とチキン丼が合体した「コンボ・ボウル」をセットメニューで頼む。Mサイズのドリンク(だいぶ大きい)と、スープやサラダなど、何か1品をセレクトする。マウンテン・デューとミソ・スープをオーダー。このセットで8ドル85セント(+税金)だ。ホテルでゆっくり食べようと思い、持ち帰るというと袋に入れてくれた(容器は店内で食べるときも使い捨てのもの)。

ホテルでフタを開けてみるとこんな感じ。

Yoshinoya

でかい。器が山田太郎の弁当箱ぐらいある。

牛丼部分は、基本的に日本のものと味は同じだが、肉の大きさ、厚さがこちらのほうが弱冠食べごたえがあるように感じた。ちなみに、店内の飲食に限って生卵も90セントで販売していた。

チキンは、甘辛いタレでパリッと焼いており、なかなかうまい。野菜もよくわからないが似たような味がつけられていた。

ミソ・スープはインスタント。しかしこれこそが吉野家の味噌汁の味だ。

吉野家アメリカのホームページ

http://www.yoshinoyausa.com/

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Mary Poppins(メアリー・ポピンズ)

Na

29日20時~22時30分
New Amsterdam Theatre

うーむ。これはすごい。

歌ありダンスあり笑いあり涙あり、ミュージカルの魅力を構成する要素が惜しげもなく満載された極上のエンターテイメント。ショーストップ級の拍手が何度客席からわき上がったことか。

いったいどこがすごいのかと聞かれてもまだ正確に答える自信はないが、それを実現した存在は分かっている。言うまでもなく、キャメロン・マッキントッシュとディズニー社だ。

この20年ほどで、世界のミュージカル市場を変えて、あるいは創り出してきた風雲児と、「美女と野獣」でブロードウェイに殴り込みをかけ、いまやすっかりこの業界でも重鎮面をしているディズニーが手を組んだ。それがここまですさまじいパワーを発揮することになるとは、予想もできなかった。むしろうまく行かないのでは、とも考えていた。

しかし考えてみると、ディズニーはこの業界ではあえて「勝利の方程式」を作ることをせず、野心的な試みを繰り返している。「美女と野獣」ではアニメーションの世界をそのまま舞台化。「ライオンキング」では前衛芸術家に演出を任せる。「アイーダ」ではあえて「アニメーションを原作にしない」で制作。そしてターザンはオフ・ブロードウェイのパフォーマーを始め、多くの若手アーティストを糾合した。

一方で、マッキントッシュは絶対的な勝利の方程式をいくつか持っている。例えば俳優の顔よりも、一度見たら忘れられないロゴマークを前面に出したプロモーションなど。そしてそのビジョンは明確で、常に世界を相手にしたビジネスを考えている。世界に作品を送り出すためにはブロードウェイでの成功が不可欠。だがブロードウェイで新作を作るとコストがかさむ。だからロンドンで初演し、それをブロードウェイに持ち込むのだ。

そうした2者のスタンスの違いが、このタッグを成功に導いたのだろう。まあ契約担当者は2、3人入院しただろうが。

さてこの作品だが、とにかく1シーン1シーンが実に丁寧に作り込まれているのが素晴らしい。脚本、音楽、照明、演出、衣装、すべてが精緻に計算され、そこに俳優達の演技、歌、ダンスが全くの隙間を作ることなくそこにぴったりと嵌りこんでいる。とにかく、恐ろしいまでに完成度が高いのだ。

近年のヒット作で完成度が高いといえば「マンマ・ミーア!」だが、その完成度とは主に脚本と音楽の使い方におけるものだ。この「メアリー・ポピンズ」では、すべての要素が、圧倒的なところまで研ぎ澄まされている。しかも全体として破綻無くまとまっている。とにかくやることには金に糸目をつけず徹底的に進めるディズニーと、観客を楽しませるツボを知り尽くした策士マッキントッシュ、その組み合わせ以外にこんな舞台が作れるわけがない。

未見なので何とも言えないが、ロンドン版は原作者サイドへの配慮もあり、少し社会的なテーマを強く描きすぎてしまったとのことで、ブロードウェイ版はエンターテイメント色が濃くなっているのだという。それがディズニーの力なのか、マッキントッシュの計算なのかは分からない。しかし、確かに第一印象が「エンターテイメント」であることは間違いない。

そのエンターテイメント性をハード、ソフト両面における最新テクノロジーの凝縮によって支えている。だがテクノロジーを生で前面に出さず、書き割りなど、伝統的な演出技法を前面に出しているあたりも心憎い構成だ。古くさい舞台上の手法がなんとも生き生きと感じられ、芝居の楽しさを再認識させてくれる。それが、この作品の「身近な家族の大切さに気付く」というシンプルなテーマときっちり波長を合わせている。

そして、基本的には「家族全員で楽しむことができる」作品でありながら、「子供向け」ではなく、むしろ大人のファンタジーとも言うべき雰囲気に仕立てているところもいい。そのために、説教くさくならないよう、全ての面に細心の注意が払われているようにも感じられた。

役者もいい。Ashley Brownの演じるメアリーポピンズは、映画版のジュリーアンドリュースのような毅然さはないけれど、その分可愛らしさとそれに連動したミステリアスさが魅力。そしてはずむような声が耳に心地良くひびく。バート役のGavin Leeはロンドン公演でも高い評価を博した実力で舞台を引っ張った。これがブロードウェイデビューとは思えない堂々とした存在感を持っている。アンサンブルを含め、ほかの俳優たちも自分に何が求められているか、課せられているかを完璧に理解して動いている。認めたくないが、まさにこれはディズニーマジックだろう。

ちょっとまとまらない感想で情けないが、とにかくこれは観ておくべき作品。劇団四季の次の大型海外作品の翻訳は「Wicked」に決まった(にしては発表が遅れているが)が、このブロードウェイ版を観たら判断も変わっていたかもしれない。

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Les Miserables(レ・ミゼラブル)

Broad_1

29日14時~16時50分
Broadhurst Theatre

2003年に16年間のロングランを終えたLes Miserablesが、この11月からブロードウェイに復活した。これはスルーするわけにはいかない。当初、半年限りの公演ということだったが、すでに延長が決まっているもようだ。

劇場へ行ってみると、以前と比べだいぶ小ぶりの劇場を使っている。客席もさることながら、ロビーや通路が狭くて、開場時や休憩のときは大混乱が起きていた。

さて、この公演を観るにあたって大きな心配があった。それはネットや雑誌で「だいぶ短くされてしまったらしい」という指摘があったからだ。

結果的に、それは気にするほどのことでもなかった。ブロードウェイ終演の少し前に、20分ほどの短縮が行われたバージョン(日本での公演も2003年からは短縮版)とほとんど変わらない。20分の短縮は今でも不愉快だが、それをさらに、ということではなかった。一部で「ガブローシュの歌がカット」という情報もあったが、それはこういうことだ。ジャベールをスパイと見抜いて歌うシーンで、日本語訳で言うと「♪どんなもんだい!」のところまででカットされ、「♪チビ犬でも~」以下が省略になった。好きな歌だったのでちょっと残念だ。またこれに伴いガブローシュ絶命のときに口ずさむ歌が、彼が最初に登場するときに歌っている歌に変更されている。これは強い違和感がある。来年の日本公演では、追随することのないように祈るばかりだ。

音楽は、電子音の使用を控えたとスタッフがどこかで話していたが、それがはっきりと分かるのは下水道のシーン。それ以外は普通に使われていたように感じた。セットも以前のロングランのときと比べれば少し小さめなのかもしれないが、これは劇場自体が小さくなっているから気にならない。

というわけで、「あんなのレ・ミゼラブルじゃない!」というようなミゼラブルな状況にはなっていないので、安心して足を運んでいただきたい。

それどころか、現在のキャストはかなり充実しているので一見の価値がある。ジャン・バルジャンのAlexander Gemignaniは高音がきれいに伸びる美声の持ち主で、「Bring Him Home」はショーストップの大喝采だ。対するジャベールは黒人キャストで注目されるNorm Lewis。「強面、低音」のイメージが強いこの役を、やわらかな、深みのある演技で好演。冷徹さよりも、職務に対する忠実さが前面に出るジャベールは、初演の滝田栄ジャベールに少し通じるものがあるかもしれない。

マリウス、アンジョルラスもやはり高音がよく伸びる。コゼットはこれまで観た中で、最も優れた歌唱力のコゼットだった。テナルディエ夫妻も申し分のない演技。テナルディエはダミ声なのに張りのある声と、細かい演技で観客の人気をさらっていた。エポニーヌは島田歌穂や故・本田美奈子の歌声に親しんできた自分にとってはやや力不足にも感じたが、演技力で十分にカバーしていた。

問題はファンティーヌ役のDaphne Rubin-Vega。歌が決定的に駄目だった。歌が駄目、というのはファンティーヌ役には致命的である。ネットに流れていた評判もすこぶる悪く、実際に観た方からもネガティブなことを聞いていたので覚悟はしていたが、ほかのキャストが見事だっただけにいっそう浮いてしまっている。演技もさほどとは思えず、幸の薄そうな雰囲気だけでキャスティングされたとしか思えない。

しかし総じて、改めてこの作品の魅力に気付かせてくれる良い公演だった。6月から日本でも新キャストを迎えた公演が始まるが、このリバイバル公演から学ぶべき点も多いのではないか。特にジャベール役については、この役の幅の広さを一層感じさせる名演技だ。でも、ガブローシュの歌の扱いは参考にしないでください。

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New York Public Library(ニューヨーク市立図書館)

天気もいいので、国連本部からホテルのあるタイムズスクエアまで散歩をする。20分ほどの道のりだ。

Nypl

途中、ニューヨーク市立図書館で「日本の絵本展」を実施していたので見学する。内容は絵本というより、江戸時代後期の絵草子などが中心だった。時代ではなくテーマ別に並んでいるため、絵巻物と現代の絵本が一緒に展示されたりしている。海外の人から見れば、時代の違いなどあまり重要ではないのだろう。地図にも「TOKYO(EDO)」と書かれていた。

ニューヨーク市立図書館のWEBサイト
http://www.nypl.org/

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The United Nations Headquarters(国連本部)

自由の女神見学を終えてすぐ、国連本部見学に向かう。タクシーに乗って「ユナイテッド ネーションズ!」と叫び、ミッドタウンの東のはずれにある国連本部まで、イーストリバー沿いに15分ほどの快適ドライブだ。

しかし到着してみると、国連本部の写真に必ず登場する、ずらりと並んだ各国の旗が上がっていない。

Un1

嫌な予感がしてビジターセンター入口に近付いてみると、

Un2

休みだった。

残念だが、こういうこともある。もともと時間がぎりぎりだったので、かえって良かったのかもしれない。次回のお楽しみにしておこう。

国連本部の見学について(日本語サイト)
http://www.unic.or.jp/know/tours/index.htm

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Statue of Liberty(自由の女神)

一夜明けて29日。午前中は観光だ。

過去3回で、自然史博物館やメトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館などは回っていたが、まだニューヨークの象徴とも言える自由の女神は見学したことがなかった。

そこで今回初めて足を向けることに。テロ以降、王冠の所までは入れなくなり、台座の中の展望台まで登るにも事前の予約が必要だ。しかし時間がかかりそうなので今回はフェリーで上陸するだけにとどめる。

7時ちょっと前にホテルを出発。タイムズスクエアから地下鉄に乗って、20分ほどでマンハッタンの南端「サウスフェリー」駅に到着。そこから隣接の「バッテリーパーク」まで歩き、その中にある「クリントン砦」のフェリーチケット売り場を目指す。

Statue1

バッテリーパークからも、見えることは見えるが・・・。やはりフェリーに乗らないことには話にならない。

この日はホリデーシーズン特別編成で、8時30分に始発が出るということだったが、自分が列に着いた7時40分ごろにはかなりの人数が並んでいた。クリントン砦の中に入るとフェリーチケット売り場があり、そこでチケットを購入。オーディオツアーも時間がかかりそうなのでスキップし、乗船券のみ(11ドル50)を選択。

その後セキュリティチェック。それなりに時間はかかるものの、何とか始発の船に乗ることができた。

Statue2

船の上から撮影。全身をカメラに納めるには島の上よりもこちらがいいかもしれない。

10分ほどで到着したがなかなか上陸させてもらえない。9時になってようやくリバティ島に足を踏み入れた。

Statue3

朝の日差しに向かうその姿は文字通り神々しい。

予約した人は一足先に下船しており、それ以外の人の多くは台座下部の自由の女神博物館を目指すが、それもスキップして像の正面に回ってみる。迫力満点だ。

Statue4_1

Statue5

Statue6 

撮影後すぐに船に。帰りはエリス島経由で約30分かかってマンハッタンに戻る。エリスの移民博物館も見学したかったが、時間がないので今回は断念。しかし船が運航計画どおりに出航せず、島に戻ってきたのは10時30分ごろになった。

真冬なので海の上は寒かったが、世界中の観光客が集まる人気スポットだけに、見学する人の流れは絶えない。始発の50分前に並んだにもかかわらず、その船に乗れたのはぎりぎりだったほどだ。

自由の女神 情報サイト

http://www.nps.gov/stli/

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2006年12月29日 (金)

TARZAN(ターザン)

Rr

28日20時~22時20分
Richard Rodgers Theatre

この夏に開幕し、賛否両論を呼んでいるディズニーの新作。「美女と野獣」や「ライオンキング」同様、99年のディズニー映画を舞台化したものだ。今回の旅行を思い立ったきっかけである。

もともとこのディズニー映画「ターザン」はあまり評価が芳しくない。しかし自分としては「アラジン」より後のディズニーアニメーション映画(ピクサー社製を除く)の中では一番好きだ。フィル・コリンズの曲も良かったし、無理矢理主人公に歌を歌わせてミュージカル調にするディズニーの常套手段を捨てたことや、「蔓を伝ってジャングルを飛び回る」というターザンのシンボル的な移動手段に代わって登場した、スノーボードのように木の上をすべって高速移動する、という映像のスピード感が素晴らしかったことなどが好印象だった。

といっても、それが舞台化されたからといってすぐに見に行かなくては、と考えるほど評価もしていない。ではなぜこれがきっかけになったのかというと、この舞台のスタッフにPichon Baldinuが参加していると聞いたからだ。

この人は、アルゼンチンのパフォーマンス集団「De La Guarda」の中心メンバーだ。彼らがオフ・ブロードウェイで公演した「Villa Villa(ビーシャ・ビーシャ)」は、天井から人が長いゴムでぶらさがって数々のパフォーマンスを繰り広げることで話題を呼び、7年に及ぶロングランを記録した。オフでの公演終了後、日本にもやってきた。

自分は2回目のニューヨーク訪問時にこの公演を観たが、ブルーマンに匹敵する大きなショックを受けた。ブルーマンにはまだ「舞台」があるが、この公演にはそれすらない。ただ天井から人がぶら下がっているだけだ。ものや水が降ってきたり、客が天井へ連れ去られたりと、とにかく過激なショーだったため万人受けはしなかったが、あの狂乱と呼ぶにふさわしい80分ほどの公演は今も頭に焼き付いて離れない。

そのスタッフが参加する、となれば、とうぜん「ぶらさがり指導要員」ということなのだろう。どんなに奇抜であろうがマイナーであろうが、面白そうなものはどん欲に取り込む。これがディズニーの強みであり、日本のエンターテイメント産業に一番欠けているセンスでもある。

というわけで、この舞台はアニメ版の「スノーボードのようにすべる」からふたたび「蔓を伝って飛び回る」ターザンに戻った。これはアニメ版を観ていない人にも受け入れやすいだろう。

しかし開演して驚いた。「『De La Guarda』の人がディズニー作品に参加している」どころではない。まるでDe La Guardaとディズニーのコラボレーション、とでも言いたくなるほど、のっけからいきなりVilla Villaだ。全編にわたりスピード感のある「宙づり」がオナカ一杯に繰り広げられる。また舞台装置はほとんどなく、ステージをクリアーな「空間」として利用していること、これまで舞台では不可能だった視点(上から視点など)の実現なども、まさにDe La Guardaのノウハウだ。

Villa Villaに衝撃を受け、「もう二度と観るもんか」という以外の感想を持った人は必見の舞台。そうでなくてもぜひ観てほしい。驚くから。

もちろん、この舞台はそれだけではない。映画に登場する大量のゴリラを人間が演じると聞いて、「猿の軍団」や「宇宙猿人ゴリ」みたいになったら嫌だな、と思っていたが心配無用だった。特にゴリラのメイクをしているわけではなく、動きでゴリラを表現している。その動きが、宙づりとあいまって実に見事だ。この舞台のアンサンブルはすなわちゴリラなのだが、彼らこそある意味主役なのではと思うほど大活躍している。またゴリラのボスにあたる役を演じたSHULER HENSLEYは、完全にゴリラになりきっていて、見ているだけで楽しかった。

どうやらPichon Baldinuのほかにも、ダンス、照明、美術など、各分野のユニークなスタッフが集結しているようだ。それらの才能が相乗効果を発揮し、すばらしい舞台に仕上がっている。舞台に興味のある人なら「おおっこれは」と感じる点が1つや2つではない。

しかし、難を上げるとすればストーリーの部分だろう。ある程度知られている話、というのを差し引いて考えても、展開が平板すぎる印象は否めない。特に2幕はしんみりした曲も多いせいか、かなりだれる。ひとつひとつのシーンは悪くないが「見せ場」と呼べる場面がなく、最後も何だかぶつんと終わってしまった感じだ。

ぜひ、D社には脚本にもう少し手を加えて、最強の状態にしてから日本に売りに来て欲しいものだ。海劇場の次回作がなかなか発表されないが、もしそっちがもめてぽしゃったら、この「ターザン」が来ても個人的には嬉しい。ただ、今の脚本のままでは駄目だ。もっとも海でこれは物理的に不可能かも。春ならぎりぎりでできるかもしれないが、実はいちばんしっくりくるのはキャッツシアターかもしれない。この作品は既存の「劇場」「舞台」の概念を破壊する姿勢を備えているからだ。

馬鹿馬鹿しいものが許せない人には決しておすすめできないものの、そういう人にこそ見せて、怒らせてみたい気もする。そのあたりはやっぱり「Villa Villa」である。

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BLUE MAN GROUP(ブルーマン)

Aster

28日17時~19時
Astor Place Theatre

もう15年もロングランしている、オフ・ブロードウェイの代表的なショーである「ブルーマン」に足を運ぶ。ラスベガス公演や各地のツアーも手がけ、もはやオフの主役というだけではなくなったブルーマンだが、やはりブルーマンはここで観るのが正しい(と思う)。

自分にとっては3回目。海外で、同じショーを同じ劇場で3回も観ているのは他にない。このブログのタイトル画像に、著作権を無視して勝手に使っていることからも、自分がいかにこの作品を愛しているかお分かりいただけるかと思う。

基本的には内容は変わらない。全身を青く塗った3人が、一切言葉を発することなく、表情を変えることもなく、行動と目の動き、そして「間」だけで観客の爆笑を誘うという奇妙キテレツな舞台だ。しかしそこで演じられるドラム・パフォーマンスや、生バンドによるハードロック調のBGM、そしてマシマロ投げの妙技(?)などは、すべてが一流のものであり、そこがこの作品の大きな魅力になっている。

10年ほど前、初めてニューヨークに来ていくつかの舞台を鑑賞した際、最も衝撃的だったのがこのブルーマンだ。こんな見ことも聞いたこともないような世界があったのか、と、腹がよじれるほど笑いながら、この国のエンターテイメント文化の層の厚さに脱帽していた。

さすがにこれだけ時間がたつと、そのギャグとしてのセンスはやや古くなってきたが、今でも自分にとってはもっとも尊敬すべきカンパニーといったら「BLUE MAN GROUP」だ。いつまでロングランが続くか分からないが、ニューヨークに来る機会があったら一度はこの劇場を訪れてみるべきだろう。

Aster2

終演後、こころよく(?表情が掴めない)記念撮影に応じてくれたブルーマン。

BLUE MAN GROUPのホームページ

http://blueman.com/

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Dr. Seuss' How the Grinch Stole Christmas! The Musical(グリンチ)

Hilton 

28日14時~15時30分
Hilton Theatre

まずはクリスマスホリデーシーズンらしいものを、ということで期間限定で上演されているファミリーミュージカル「グリンチ」を鑑賞。

グリンチといえば、2000年末に公開されたジム・キャリー主演の映画を思い出す。自分は2000年12月31日の夜にイクスピアリで観た。だからあれが21世紀最後に観た映画ということになる。ジム・キャリーの怪演が生きた快心の作だった。

基本的にこの舞台もストーリーは同じ。クリスマスをこよなく愛する脳天気な村人たちと、クリスマスを嫌い、村からのけ者にされている屈折した緑色の怪人、グリンチが次第に心を通わせるようになるという話だ。心に残ったのは、グリンチ役の見事な演技と、絵本の挿絵から抜け出てきたような、妙ちくりんな衣装や髪型の登場人物たち。そういう意味では映画の印象とさほど変わらない。

90分の短い舞台であり、派手さも泣かせどころもないが、やはりこれも映画同様、すっきりとまとまっていて、家族で、そして子供が観るにはちょうどいい作品だ。しかしクライマックスでは舞台効果用の降雪機その他を使って客席を大いに盛り上げていた。

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New York Marriott Marquis Times Square(マリオット・マーキース)

今回のホテルはタイムズスクエアの正面、劇場街のど真ん中にそびえる、巨大な吹き抜け構造の「マリオット・マーキース」だ。

多くの劇場に3ブロック程度で行けるので、ミュージカル目的の旅行にはうってつけの立地だ。料金は安くはないが、マンハッタン、特にミッドタウンのホテルは年間を通じて軒並みアンビリーバブルな価格であり、ここがほかと比べて突出しているわけではない。

飛行機が予定どおり到着し、タイムズスクエアには11時ごろ着いてしまった。まだ部屋には入れてくれないだろうと思ったが、用意してくれるという。バリアフリー対応に改装した部屋なので、ほかに比べてベッドやトイレなどの高さが低いがいいか、と聞かれたが、断る理由はない。

フロントの人がフレンドリーだったので、一応確認しておこうと思い「ハイスピード インターネット アベイラブル?」と聞くと、「もちろんだ。ロビーではWiFiも使えるぞ」と自慢げに応えた。電話で申し込むようなことになると面倒なので、ここで今申し込みたいと言うと、それじゃアクティべートしといてやるよ、と言ってくれた。(←いかにも英語で会話をしているように書いているが、実際には先方がこっちの意図をエスパーのように汲み取ってくれている)ちなみに料金は1日あたり16.95ドル。高めだが、市内電話かけ放題と、一定の市外電話料金が含まれる。

キーをもらって部屋に向かう。ここのエレベーターは渋滞解消のため、まずパネルでフロア数を押し、指定されたリフトに乗る、というシステムになっている。

部屋に行ってみると、安いレートで予約したにもかかわらず実に広々としたステキな部屋だ。バリアフリー工事が完了しているので段差もなく、ベッドも海外でときどき出くわす、よじ登らなくてはいけないようなものではない。

Marriott01

このホテルで人気のあるのはタイムズスクエアに面した部屋だが、さすがにそうではない。しかしこの部屋からもハドソン川が見えて、なかなかグッドビューではないか。

Marriott02

フロントの人が手続きをしてくれたのか、あるいはもともとそういう仕組みなのかわからないが、ネットは何のチェックもなくあっさりつながった。かなり快適な環境だ。これで、日本から限りなくデスクトップに近い、とてつもなく重いラップトップを持ってきたかいもあるというものだ。

マリオット・マーキースのホームページ

http://marriott.com/property/propertypage/NYCMQ

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タイムズスクエア到着

Ts

車で40分弱、タイムズスクエアに到着。

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来たぜ!JFK

来たぜ!JFK

体調は悪いがいろいろ見学したいものもあるのでニューヨークにやってきた。

三泊しかできないので、あまり無理をせずのんびりホリデーシーズンを楽しもう。

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2005年5月 8日 (日)

グレート・ブリテン紀行総括

ロンドン、エジンバラをめぐる3泊5日の旅。前にロンドンを訪れたときは2泊4日だったから、だいぶ好きなことができたという印象だ。

今回の旅行の目的は、

1)STARLIGHT EXPRESSを観て、日本ツアーの可能性を検証する。

2)MAMMA MIA!とWE WILL ROCK YOUという、現在のミュージカルにおいてメインストリームになりつつあるカタログ・ミュージカルの先駆的2作品を本場で比較する。

3)エジンバラという都市を見学する。

4)ロンドンで、まだ行っていない観光地をめぐる。

5)ローミング携帯を使い、海外からのモブログを実践する。

といったところだった。

1)は、大好きなこの作品を久しぶりに観られたのは嬉しかったが、このツアーの来日公演は望まないほうが良さそうだ。どこかのプロモーターが呼んでくるかもしれないが、もしこれをそのまま持ってきたら、前の2回の来日公演同様、失笑を買って終わる。ぜひもう少し資本を投入し、ブラッシュアップして日本ツアーを実現してほしいと思った。

2)は、本当にやって良かった。どちらも日本で観られる作品だが(MAMMA MIA!は四季の翻訳で、WE WILL ROCK YOUは今月末からの来日公演で)、正しく評価するためにはやはり原典に当たるのが基本だ。これら2つは、同じジャンルに分けられる作品でありながら、技のMAMMA MIA!に対し力のWE WILL ROCK YOUという、性格的には全く両極端だった。サブジャンルだけ観てもこれだけの違いが出てくるのだから、ミュージカルというジャンル全体のレンジの広さは実に計り知れないものがある。

3)エジンバラは美しく、そして質実剛健な好感の持てる街だった。機会あったら再訪したいし、人にも勧めたい。特にドラクエ好き、ミリタリー好き、ついでに言えばキャンディ・キャンディ好きにもぜひ。

4)2000年に完成したBAロンドン・アイは、単純だが楽しいアトラクションだ。ヒースロー・エクスプレスも便利だった。

5)ココログがモブログで小さい写真を送るとエラーが起きるため、大きな写真を送らなくてはならない、ということでやや手間がかかったが、特に問題なくエントリーすることができた。jigブラウザが使えたので、上がっているかどうか、大きくくずれていないかが確認できたのは便利だった。帰国後、写真は小さいものに差し替えようと思っていたが、デジカメ界の著名なオピニオンリーダーの1人、如兄先生にお世辞でホメられたので、どうしようもないもの以外は大きいままにしておくことにした。文章も、直すのが面倒なのでリンクをつけたのと間違いを小直しした以外は携帯で書いたテキストそのままだ。もちろんメガピクセルとはいえ写真は腕の悪さも手伝ってあまりキレイではないし、文章ももともと苦手な上に校正せずに送っているからつたないが、PCやデジカメを持たずに行ったわりにはそれなりのことができたように思う。せっかくリアルタイムで更新しても、誰も読んでいないのはご愛嬌だ。

                 *   *   *

行く前はほとんど雨という天気予報だったが、運良く降られることはなかった。それどころか、エジンバラ城、BAロンドン・アイを訪れたときは快晴で、エジンバラやロンドンの風景を文字通り満喫できたことに感謝したい。

今回は往復ともANAを利用したが、帰りの機体は何とポケモンジェットだった。確かにポケモンは世界中で大ヒットしているわけだから、国際線に利用されても不思議はない。そして機内では日本発のハリウッド映画「Shall We Dance?」が上映されている。

日本のエンターテインメントコンテンツが、少しずつ世界に認知されている。しかし戦略もなく、受けたものをただ売っているだけではすぐに下火になってしまうだろう。韓国同様、国家レベルの振興策を早急に実践する必要がある。

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と、つまらないことを考え始めたのは日本に戻ってきてからだ。とにかく行っている間はむしょうに楽しかった。それ以外の表現が思い浮かばない。

心残りといえば、シャーロック・ホームズ博物館のメイドさんの写真が撮れなかったことだけである。

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2005年5月 6日 (金)

ヒースロー到着

あっという間に空港に。

電池がなくなってきたのであとは帰国後。

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ヒースロー・エクスプレス

ヒースロー・エクスプレス

疲れてきたので早めに空港に向かうことにする。

パディントン駅からヒースロー・エクスプレスを利用。飛行場までわずか15分というのは魅力だが、16ポンドというのはちょっと高いような気も。

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バッキンガム宮殿

バッキンガム宮殿
近衛兵の交替式を見物。軍楽隊によるミニコンサートもある、約45分のアトラクションだ。

開始1時間前から場所取りで並んでいたので、足が棒に。

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ウエストミンスター橋から

ウエストミンスター橋から

説明不要のロンドン名物二題。

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BAロンドン・アイ

BAロンドン・アイ

テムズ川沿いにある超巨大観覧車「BAロンドン・アイ」に搭乗。その名の通りブリティッシュ・エアウェイズが経営している。

こんなに大きな観覧車に乗るのはつくば万博の「テクノコスモス」以来で緊張したが、固定式で揺れもなく、快適だった。入場料は12ポンド50。

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労働党勝利

現地四日目。一昨日と同じメリディアンで朝を迎えた。

昨日はイギリス総選挙だったのでBBCは一晩中特番を放送。

結果は労働党が議席を減らしたものの勝利し、ブレア政権の3期目突入が決まった。

blair

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WE WILL ROCK YOU(微妙にばれ)

WE WILL ROCK YOU(微妙にばれ)

日本ツアー公演が迫っているので、ばれないように気を付けますが、観に行くことが決まっている人は読まないほうがいいでしょう。観に行くかどうか迷っている人も読まないほうがいいです。そして、観に行ってください。

マンマ・ミーアのヒットを受けていち早く企画され、カタログ・ミュージカルとも言われるジャンルを確立させた作品。全編にQUEENの曲を散りばめたミュージカルだ。

舞台は近未来、コンピュータープログラミング以外の音楽が禁じられた世界で、ロックに目覚めた若者が音楽と自由を求めて立ち上がるという、ストリート・オブ・ファイヤーのような「ロックンロールの寓話」である。

お馴染みの曲はもちろん、マニアックな選曲もあってファン心理をくすぐられる。また全編に音楽関連の楽屋ネタが満載で終始笑いを誘う。脚本を書いたベン・エルトンがコメディアンとしても活躍していると聞けば納得である。もっとも洋楽にさほど詳しくなく、ヒアリングまるでダメな身としてはちょっと取り残された感はあったが。

マンマ・ミーアがABBAの曲に描かれる世界観を具現化したものであるのに対し、こちらはQUEENの曲をモチーフにして、ロックとは何か、音楽とは何か、そして自由とは何かを問い掛けるという構成になっている。意外に(?)真面目な作品なのである。

脚本や演出など全てが緻密に計算されたマンマ・ミーアに比べれば荒削りな面は否定できず、ストーリーや人物描写もまこと大雑把で、理屈も説明もなくずんずん進んでいく。高校生の学園祭で上演される映画のような、青くさいムードが漂う。だがそれはそれでいい。

そもそも、ロックに細かい理屈や説明や理屈がそもそも必要だろうか?舞台と客席が一体になってWE WILL ROCK YOUやWE ARE THE CHAMPIONSを歌う。そこから伝わる圧倒的な感動の前にはどんな言葉も無意味だ。小細工を弄せずに直球勝負。藤村甲子園の剛速急のような爽やかさがある。

そしてこれこそが、ロックとは何かという問いに対する、イギリス人が出した答えなのかもしれない。

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シャーロック・ホームズ博物館

シャーロック・ホームズ博物館

自分はシャーロキアンではないので二の足を踏んでいたスポットだが、べーカー街にあるシャーロック・ホームズ博物館はマダム・タッソーろう人形館から近いので訪れてみる。

小ぢんまりとした建物の中に、ホームズの部屋の再現や、物語のシーンを表現したろう人形などが並ぶ。一部ファンは不満を述べているらしいが、午後のやわらかい日差しが入るホームズの部屋はなかなか雰囲気があった。

受け付けのお姉さんがメイドさんで、しかも眼鏡っ子という、日本のメイド文化が英国に逆輸入されたような姿だったので、写真を撮らせてもらおうと思ったが、その語学力も度胸もないので断念した。

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マダム・タッソーろう人形館

三回もロンドンに来ている割にはまだ足を運んでいない代表的な観光スポットもいくつかある。

このマダム・タッソーろう人形館もそのひとつ。

人形を造る技術は日本も負けていないと思うが、ここが素晴らしいは人形の見せ方だ。

ハリウッドスターや世界の政治家達が並ぶスペースでは、入場者はお気に入りの人形に顔を近付けたり、腕を組んだりして一緒に写真を撮ることができる。

日本ならまず「お手を触れないでください」と貼り紙をするところだ。しかしそれでは楽しみが半減してしまう。

もちろん、こういう見せ方では毎日のメンテナンスコストも馬鹿にならないはずだ。だがこの施設のハンドリングをする人たちは、金をどこにかけるべきかわかっているようだ。その姿勢が人気を支えているのだろう。

tussauds

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本日の昼ごはん

一昨日面倒をかけた同僚とともに、シーフードレストランBentley'sへ。

ここは1993年、初めてロンドンに来たときに連れていっていただいた店だ。

そのときと同じ、ドーバーソウルのムニエルを頼む。でかい。うまいが、途中から飽きてくる。そういえば12年前にもそう感じたことを思い出した。なんて成長のない……。

saul

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2005年5月 5日 (木)

エジンバラ→ロンドン

朝食の追加料金を請求されることもなくチェックアウト。確かに高いけど、あの部屋、あの立地、サービスレベルと安心感、そして朝ご飯を考えると納得の内容だ。

今度は何事もなくヒースローに到着。問題のチェックイン機は無事に稼働していてひと安心。

ba

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本日の朝ごはん

本日の朝ごはん

現地三日目。朝食つきとは聞いていたが、いざレストランに行ってみるといくつかメニューがある。ダメだったら何か言うだろうと思い、いちばん高いスコティッシュ・ブレックファスト(19ポンド)を注文。

卵のこととかトーストのこととか、いろいろ聞かれたがさっぱりわからないので想像で受け答え。でもちゃんと出てきた。

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STARLIGHT EXPRESS UKツアー版

STARLIGHT EXPRESS UKツアー版

さて、今回の旅のきっかけ、スターライト・エクスプレスである。

テーマも哲学も何もなく、ただ客を楽しませるためだけのミュージカル。ご存じのように俳優は全員ローラースケート装備で各国の列車に扮し、ハイスピードで移動しながら歌い踊る。

曲のほとんどはポップで楽しいものばかりで、女の子のナンバーはアイドル歌謡のようなかわいらしいものだ。

中身がないとはいえ、キャラクターは魅力的である。ステレオタイプのアメリカン起動車・グリスボーや、ヒロインである高級客車のパールを押し退けて強烈な印象を残す食堂車・ダイナーなど、それぞれにサイドストーリーが書けそうなほどだ。日本代表、シンカンセン弾丸列車・ニンテンドー(名前)も健在。日本公演では新幹線ハシモトとか名乗っていたような。代々木では川崎麻世、横浜では渋谷哲平が演じていたがサンデーズ枠なのか?

ウエストエンドでロングランをしていた時は、客席を取り囲むようにサーキットを作り、本編中三回あるレースのシーンではそこで実際にレースを繰り広げていた。今回、その部分を立体映像の上映に切り替えることでツアー公演を可能にしている。

その立体映像だが、ほぼ予想どおりのレベルで、やや苦しい出来だった。一生懸作ろうとしている意気込みは十分に感じられるものの、チープ感が漂う。ツアー公演の予算を割いて作るには自ずから限界があるだろう。また、偏光眼鏡を使った映像はどうしても暗くなるということを計算に入れていなかったのだろうか?だいぶ見えにくかった。

レースのシーンは三回だけなので、それが痛くても作品全体に与えるダメージは小さいのでは、と思っていたが、以外にその穴は大きく感じた。やはり仕掛けの面白さで見せる作品だから、企画面のダウングレードは極力避けなくてはいけないということか。

制作サイドもそれを十分に理解していたからこそ、立体映像という挑戦をしたのだろう。レースのシーンになると観客がいっせいにごそごそと眼鏡をかける面白さもあるし、立体映像以外の部分でもスクリーンを使った小粋な演出があったのは良かった。特にダイナーの歌う“u-n-c-u-p-p-l-e-d”は新たな演出により切なさが倍増していた。この愛すべき超馬鹿ミュージカルのまだ失われていない商業的価値を引き出そうという姿勢は評価したい。

だが自分の観た日は客の入りも悪く、ツアー全体が大成功しているわけでもなさそうだ。ひょっとしてこの形態なら日本での普通の劇場公演も実現するかも、と期待していたがこれでは望み薄だ。

ロンドン演劇界には、ぜひこの作品を見捨てず、立体映像以外の仕掛けも含めて手をかけていってほしいと願う。今回ほんの少し宙吊りの演出が使われているが、それをうまく使えば映像に頼らず上演できるのではないか。

まあ映像を作り直すにしても新たな趣向をこらすにしても、膨大な金がかかるのは確かだ。ひとつディズニーにでも上演権を買い取ってもらってはどうか。それで舞浜にできる新劇場でロングラン。どうですか?オリエンタルランドさん。

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バルモラル

バルモラル

エジンバラの宿は交通の要、ウェイバリー駅に隣接したバルモラル。御覧のように立派な時計台を備えたいかにも高級そうなホテルだ。実際、高い。

なぜこんな高いところになったかには理由がある。

外務省の安全情報ページによると、エジンバラでは三月以降ナイフ魔の事件が立て続けに起きており、しかもその多くが今夜行くエジンバラ・プレイハウスの近くで発生しているのだ。

公演が終わるのは22時。だからなるべく近いホテルで、という条件で探したらこうなってしまったのだ。

エジンバラは安全な都市、というイメージがあったようだが、それも絶対ではなくなってきた。

日本もすっかり物騒になってきたし、もはや安全な場所など地球上にはないのか?

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アルバートさん?アンソニー?

アルバートさん?アンソニー?

エジンバラの風景を一望できる小高い丘、カールトン・ヒルに登ってみる。遠くにエンジンバラ城、手前に今夜の宿、バルモラルを望むことができる。

街のあちこちでバグパイプの「かたつむりが団体で這っている」音を聞いていたため、今にも「丘の上の王子様」が出てきそうな雰囲気。

俺が昔、美少年だったころ、アンソニーに似ているとか噂されたものだ。わかんねえだろうな。イエーイ。最近はアンソニーと言ったら闘龍門改めDRAGON GATEでミラノコレクションとタッグを組んでいる奴になってしまうが。

ちなみにこの付近は、深夜になるとゲイがたむろしているという噂も聞いたが、真偽のほどは定かではない。ハード・ゲイの丘の上の王子様。ちょっと怖い。

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ホリルードハウス宮殿

ホリルードハウス宮殿

エジンバラ城を出て、ロイヤル・マイルと呼ばれる城下町を抜けホリルードハウス宮殿へ。英国王室がスコットランド滞在時に使う宮殿を一般解放している。

ここは入場料にオーディオサービスがふくまれており、その案内にしたがって見学するというシステム。日本語もあるし、それなりに興味深いものの、時間がかかりすぎるので途中から案内を無視して先に進む。どうも貧乏性でいけない。

よく手入れされた庭園が美しかった。

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要塞都市エジンバラ

要塞都市エジンバラ

まずは岩山にそびえ立つ天然の要塞、エジンバラ城へ。

城そのものが主役だが、展示も奮っている。多くの建物がそれぞれ独立した小さな資料館になっていて(土産物店もそれぞれにある)飽きさせない。

決まった順路もなく、とりあえず好きな建物に手当たり次第に入ってみる、という感覚がドラクエな雰囲気で楽しい。「ようせいのふえ」がなくても入場料9ポンド50を払えば入れる。ただ入っていきなりタンスを開けたり壺を破壊したりしてはいけない。

それらのうちのひとつ、スコットランド戦争博物館にはミリタリーな展示が充実している。その裏手に龍騎兵資料館というマニアック施設があるが、その間に無造作に戦車のレプリカが置いてあってびっくり。

オーディオサービス(3ポンド)はひとつひとつの施設について歴史的背景を詳細に解説してくれるが、これを聞くだけでも相当な時間を要する。

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2005年5月 4日 (水)

エジンバラ到着

エジンバラ到着

朝から間抜けなことをしたものの、ぶじエジンバラに到着。

駅から市街地まではAir linkというシャトルバスを利用。客を詰め込まずにどんどん発車させるのでなかなか快適だ。のどかな田園、手入れの行き届いた庭がならぶ住宅地などを眺めながら20分強で市街地に入る。これで片道3ポンド、往復5ポンドは安い。

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ノオッ!

現地二日目。エジンバラへ移動のため再びヒースローへ向かう。

チケットはEチケットで手配しているので、カウンターにいけば搭乗券をもらえる、と聞いていた。

行ってみるとカウンターにはたくさんの人が並んでいる。しかしその手前に自動チェックイン機があり、これを使えば並ばなくて済むようだ。

ハイテク大国ニッポンの威信を示すためにも、ここは機械のひとつも使ってやらなくてはいかんだろう。

タッチパネルに触れると、何かを入れろという表示が。よくわからないが、航空券と同じ用紙に印字されているEチケットのレシートがあるので、とりあえずこれでも入れてやろう。ダメなら戻ってくるだろうから。

ういいいいいん。

なんだか音はしているが、奥のほうまで入らない。仕方ないのでぐいと押し込んだが、何も起こらない。

よく見ると、どうもそこは機械からレシートが出てくるところで、入れるのはその下の口だった。

しまったと思い引っ張りだそうとしたが、無理矢理押し込んだものだから九割型がた機械に飲み込まれてしまった。ごくわずかな部分が顔をのぞかせているものの、指でつまむにはとうてい面積が足りない。ちょうど、コピー機で厄介な紙づまりを起こした状態に似ている。引っ張り出そうとすると紙がちぎれてますます泥沼化するアレだ。

自力で解決することは無理と判断。係員に声をかける。

「イクスキューズ ミー」

“Can I help you?”

「ミステイク トゥー インサート」

“?”

いかん、通じない。言い方を変えよう。

「ポケット。エラー。」

“??”

ダメだ。とりあえず事態の深刻さを理解してもらおう、と僅かに露出しているチケットをさし示す。

“OH NO!”

一瞬「マカロニほうれん荘」のクマの顔が頭のなかをよぎった。

“Go to the counter!”

はい、すいません。でもこの紙は…

“NO NO NO!”

これ以上英語も機械の使い方を知らない東洋人に触らせるのは危険と判断したのだろう。すごすごとカウンター待ちの列に並ぶ。予約番号を記載した用紙が別なあったので問題なく搭乗券を入手。

ただ、帰国したらブリティッシュ・エアウェイズから高額な機械修繕費請求書が届いているかもしれない。

babord

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MAMMA MIA!

mammamia

エロスの像からホテルとは逆に30秒歩いたところにあるPRINCE OF WALES THEATREでMAMMA MIA!を鑑賞。

観光客も非常に多く、いまだに人気の公演でなかなかいい席が取れなかったが、同僚の力で最前列を確保。持つべきものは、だ。ありがたい。

派手なストーリーはないが緻密に構成を計算した脚本、巧みな演出、印象的な照明、そしてABBAの音楽。どれを取っても一流だが、やはりこの作品のヒットはそれらをまとめ上げるプロデュース力の勝利だろう。もちろん、既存のアーティストの楽曲と世界観でミュージカルを創るという新たな手法を編み出したことも含めてである。

この作品の場合、輸出に際しては音楽はもちろん脚本、演出、照明から音響に至るまでパッケージ化してライセンス契約しているので、基本的には劇団四季のものと同じだ。

たが、決定的に違うのはオリジナルのほうがクドい笑わせ方をする、ということだ。汐留で最初に四季版を観たときに「関西系のお笑いだなあ」と思った記憶があるが、もはやこれは「関西系」なんていう生易しい表現の域を越えている。吉本新喜劇そのものの、攻撃的で下品な笑いの取り方だ。さらに女優は老いも若きも(?)日本公演よりぐっと露出度の高い衣裳でセクシービームを放ちまくり、野郎共はつかこうへい作品のように意味もなく服を脱ぎたがる。

ここまでやったらABBA関係者は怒るんじゃないか、というぐらいに弾け飛んでいるわけだが、それでいて舞台を破壊してはいない。これも計算された大胆さであると考えるなら、やはりプロデュースの見事さを改めて感じずにはいられない。

米国出張の際、ブロードウェーで観てこようとも思ったが、ぐっと我慢して良かった。やはりこの作品はこちらが本場だし、「恋のウォータールー」をロンドンで聞くのもオツなものである。四季は日本公演に際して「すべての人が幸福になれるミュージカル」というコピーを掲げていたが、それとはまた別の幸福感で満たされたフィナーレだった。 

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同僚と再会

こちらに赴任している同僚に再会。年次的には後輩だが、仕事についてはいつもご指導をいただいているので、人間的には先輩だ。

今回もいきなり意味不明の理由でイギリスに乗り込んできた迷惑千万な自分の相手をしてくれた。すまん。

cake

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ル・メリディアン・ピカデリー

ル・メリディアン・ピカデリー

本日の宿はル・メリディアン・ピカデリー。

エロスの像から歩いて30秒というアクセスの良さが魅力だ。部屋も広くてキレイ。

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ロンドン市街地

ロンドン市街地

ピカデリー・サーカスにそびえる「エロスの像」。

この真前にはかつて「ロンドンそごう」があったが、乱脈経営が問題になったあと閉鎖になってしまった。

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ヒースローから市街地へ

この数年ヒースロー空港はだいぶ模様がえしている。市街地への交通にも、空港とパディントン駅を15分でむすぶヒースロー・エクスプレスが登場した。

ただ今回は行動の最初の拠点を繁華街のど真ん中、ピカデリー・サーカスに置いた関係で従来どおり地下鉄を利用。ピカデリーサーカス駅まで約45分だ。

piccadillyline

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英国モバイル環境

今回、先日の米国出張の際購入したドコモのローミング携帯N900iGを持参している。

特にイギリスの場合、ドコモが20%出資している第三世代携帯キャリア、3G UKがあるので着陸した瞬間にFOMAがバリ3だ。

国際テレビ電話もOKである。

また、jigブラウザが正常に使えるかどうか試してみたところ正常に起動した。これでブログも確認できるというものだ。ただ、海外パケット定額制の適用外ということを忘れると、月末にはクローン携帯の存在を疑うはめになる。

米国出張の際は、最初レンタルで使おうと思ったら制限がありすぎて急遽購入に切り替えたこと、第三世代サービスを実施していないことなどから、いまひとつ便利さを実感できなかったが、今回はかなりいい所まで来ている、という感触だ。

これでiモード以外のデータ通信利用への対応と、パケット定額の適用ができれば、応用範囲は飛躍的に広がりそうだ。

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ヒースロー空港到着

飛行機は予定より早く到着したものの、入国審査で一時間近く待たされる。

何はともあれ、七年ぶり四回目の英国上陸を果たした。

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2005年5月 3日 (火)

ひとつ出かけてみるか。ヒマだからな!

今年に入ってから、「キャッツ」「オペラ座の怪人」「エビータ」という、A・L・ウェバーの3作品を東京で観ることができた。また東京では昨年は7月、9月に「ジーザス・クライスト=スーパースター」も上演された。

これら4作品が間を置かずにひとつの年で上演される、というのはもはやウエストエンドでもブロードウェーでも起こりえない話だ。「キャッツ」は両都市ともロングランが終了しているし、エビータはあまり上演されない。そういう意味で、まさに昨年から今年にかけて、A・L・ウェバーチャンピオン祭りだったのである。

しかし、こうなると自分としてはもう1本、観たい作品がある。

「STARLIGHT EXPRESS」だ。

この作品の名前を言うだけで失笑を買うこともあるが、それは日本公演のイメージがあるからだろう。2回の日本公演は、それぞれ代々木体育館、横浜アリーナという巨大な会場を使った大イベントとして行われた。 だが、本来この作品はウェバーが自分の息子のために書いた作品とも言われ、基本的にはファミリーミュージカルの域を出ない小品なのだ。それをあんな大きな会場で上演したら、妙なことになるのは当然である。

ロンドンでロングランしていたときの会場は、ビクトリア・ステーションにほど近いアポロ・ビクトリアシアター。ごく普通の劇場である。その劇場の中に無理矢理レースのコースを造り、観客の目と鼻の先をハイスピードで役者が駆け抜けるという仕掛けだった。スペクタクルというよりも、「花やしき」のジェットコースターのような、ややチープなスリリングさが痛快だったのである。

そして、音楽的には子供をイメージして書いただけあって、実に分かりやすく、明快なメロディが続く。あまり音楽に造詣の深くない自分には馴染みやすい作品といえる。どれも楽しい曲ばかりで、CDを聞いた数はウェバー作品の中では一番多いのではないか。

この「STARLIGHT EXPRESS」を観ずして、自分の中のA・L・ウェバーチャンピオン祭りは終わらない。 だが、今現在この作品をロングランしているのはドイツのボッフムだけである。ドイツには足を踏み入れたことがないので、どうせ行くならいろいろと観て周りたい。それには長期の休暇が必要だ。

そうして二の足を踏んでいたところに朗報。現在、ツアー版が英国内を周っているのだという。一体どうやってあの作品をツアーで回すのかと思ったら、レースのシーンを立体映像を流すという仕組みにしているのだそうだ。それはいくらなんでも邪道では、という気もするが、話の種に、というかブログのネタに観ておいてもいいだろう。ゴールデンウイークの予定もないことだし。 この時期にどこで上演しているか調べた。

エジンバラ。

スコットランドの首都だ。

行ったことはないが、ロンドンから飛行機で1時間ほどで行けるようだ。行けない距離じゃない。

というわけで、これから行くことにした。

なお、道中の模様はモブログでアップしていく予定だが、ココログのバグが発生していて、写真を送ると極大化されてしまう。なので、このシリーズは写真がでかい。さらに、PCは持って行かないのでちゃんと表示されているかも確認できない。問題があったら帰ってきてから直すのでどうかご容赦を。

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2005年3月 2日 (水)

たてもの探訪

仕事でホワイトハウスの近くまで来た。

確かに白い建物だった。

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