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2017年6月 9日 (金)

何度目の帝劇か? レ・ミゼラブル2017

ジャン・バルジャン 吉原光夫
ジャベール 岸 祐二
エポニーヌ 松原凜子
ファンテーヌ 知念里奈
コゼット 生田絵梨花
マリウス 海宝直人
テナルディエ 橋本じゅん
テナルディエの妻 鈴木ほのか
アンジョルラス 上原理生

前シーズンは結局持っていた日すべて行けず、チケットを無駄にしてしまったのでだいぶお久しぶりなレ・ミゼラブル。

今回のキャスト発表では衝撃を受けた。コゼットに生田絵梨花、テナルディエの妻に鈴木ほのか、そしてテナルディエに橋本じゅん!キャストを聞いてテンションが上がったのは何年ぶりだろう。福井晶一や吉原光夫の起用はもちろん嬉しかったが、ある意味それは順当といえば順当だった。むしろ堀内敬子と安達祐実がコゼットとして舞台に立った2000年キャストの衝撃に近い。

というわけでこの3人がそろう日に帝劇に足を運んだ。

まず生田コゼット。アイドルの起用には拒絶反応を示す人も多いだろうが、自分は言うまでもなくアイドル大好きなのでウェルカムだ。

それに、以前もこのブログで書いたけど、コゼットなんて可愛けりゃいいのである。異論は認める。

だってフルのソロナンバーもないし、芝居もだいたいバルジャンがカバーしてくれるから、さほど高い演技力も必要としない。一方、マリウスが一瞬で人生見失うレベルでベタ惚れするわけだから、可愛くないと説得力がない。だから可愛さがいちばん重要なのだ。まあ最初に観たコゼットが斉藤由貴だったという刷り込み効果もあるとは思うが。

どちらかというとこの舞台でのコゼットは振り回され役なので、ぽわーんとした表情の子のほうが合っていると思う。そういう意味では、生田のきりっとした表情はコゼット顔ではないかもしれない。

けど、とにかく可愛い。可愛さのレベルを測る尺度として、コゼット登場前にどれだけ目立てるか、というのがある。ご存知のように、レ・ミゼラブルではメインキャストもアンサンブルをこなしており、コゼットはコゼットとして出てくる前に、工場労働者や娼婦の役を演じている。ここで「あーいるいる」と気づかれてしまうレベルだったらそれはいいコゼット。もちろん芝居的にはそれじゃ駄目なんだけど、その隠しきれないぐらいの可愛さがあってこそ、マリウスを瞬殺できるのだ。

生田はもうどの場面でも「アイドル通ります!」ってオーラが出ていて、ラオウがヒリヒリしておるレベル。そうそうこれだよ!と序盤からニヤニヤしながら観ていた。

演技もメリハリの利いた表情で、吉原の濃いめのバルジャンと相性がぴったり。そして歌は、さすが乃木坂一の音楽家、音程はばっちりだ。ただ、やっぱり舞台をばりばりこなしている役者の中に入ると、どうしても声の細さは否めない。自分としては許容範囲だが、物足りないと思う人もいるだろう。

次に鈴木ほのかのマダム・テナルディエ。コゼット、ファンテーヌに続く3役目。もちろんコゼットもファンテーヌも見ている。そして、東宝でイマイチいい役につけなくて、もったいないなーと思ってたら突然四季のマンマ・ミーア!のドナに引き抜かれたときはぶったまげたものだ。

鈴木ほのかは決して歌や演技に派手さはないが、とても安定感があるし、美人なのにどんな役にも自然になじむ顔立ちなので、もっと多くの役を演じて欲しいものだ。日本で上演されるミュージカル作品は役そのものがやっぱり少ないのかなあ。ミス・サイゴンのエレンとか、役不足もいいとこだろ。

で、そのマダム・テナルディエだが、この役はこうあるべき、というイメージを持って、その輪郭をはっきりさせている雰囲気だった。見ようによってはデフォルメし過ぎ、と感じるかもしれない。個人的には、もっと自然に、鈴木ほのからしい、チャーミングなマダム・テナルディエでもいいかな、と思った。

そして橋本じゅんのテナルディエ。自分が橋本じゅんを最初に観たのは1995年の新感線「星の忍者」だった。その後海外に渡り、帰国していきなり「ドラゴンロック」シリーズの轟天として強烈な印象を残して新感線内の地位を確立させた。テレビなどの仕事も増え、今ではすっかり有名人だ。とにかく轟天が大好きな自分としては、舞台でも映像でも橋本じゅんが出てくるだけでうれしい。その橋本が、これまた大好きなテナルディエを演じる。これは最高すぎる。

轟天や「阿修羅城の瞳」の祓刀斎のイメージがあるから、ついギトギトの背油ノリノリなテナルディエを想像してしまっていたが、予想に反してマイルドなテナルディエだった。何というか、小物感が強い。どこか人の良ささえ感じてしまう。いや、これはこれでアリではないか。テナルディエは悪党は悪党だが、激動の社会をしなやかに力強く生きている、という側面もある。小悪党は小悪党なりにうまく立ち回り、隙あらば這い上がろう、としている、そんな逞しさを感じるテナルディエだ。アドリブもちょいちょい入っていて、今後も楽しみ。

というわけでこの3人はそれぞれに面白かった。今回の帝劇ではあと2回チケットを持っている。福井晶一の声も聴きたいし、やはり初登板のシンケンブルーも気になる。ただ、コゼットは3回とも生田絵梨花です。

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レ・ミゼラブルのウェブサイト

http://www.tohostage.com/lesmiserables/index.html

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