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2015年3月 1日 (日)

ビリー・エリオット ミュージカルライブ

昨年12月から全国で順次公開されてきた「ビリー・エリオット」のライブビューイング。昨年9月にロンドンから衛星中継したときの映像をコンテンツ化したものだ。

きほんライブ原理主義者なので、こうした映画館で舞台を観る、というのはあっていいというかもっと機会が増えたらいいとは思いつつも、個人的にはあんまり行こうという気にならない。でも以前ライブで観た舞台となれば話は別。実はハロー!プロジェクトやAKB48のコンサートも、実際に行ったものはDVD・ブルーレイを買うけど行かなかったものは買ってない。

自分がこの作品を観たのは2010年末。大雪で遭難しかけた翌日だ。懐かしいなあ。

http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2010/12/billy-elliot-39.html

上のエントリーでも書いたけど、原作の映画「リトル・ダンサー(邦題)」は、炭鉱の労働争議を描いてはいるけど、全体的には静かなタッチで、田舎の少年が都会に出るまでのしみじみした物語、といった印象だった。しかし舞台はがらりと印象が異なり、労働争議はガチムチなタッチで力強く描かれ、ダンスシーンはより激しく、コメディー要素がふんだんに盛り込まれ、と圧倒的な情報量で迫るエンターテインメント色の濃いものになっている。

今回、映像化された特別上演では、ロンドン初演時のビリーが2幕のハイライトとなる「白鳥の湖」の場面で、成長したビリー役で登場。当時の演技を観たわけではなくても、こうした演出にはテンションが上がる。

この場面は本当に美しく、舞台史に残る名場面だと思う。ただ自分はこの曲が流れると「熱海殺人事件」で木村伝兵衛が電話に向かって怒鳴ってる姿ば浮かんでしまうのだけれど。

映像だと伝わってくる熱量はライブには及ぶべくもないが、その分カメラワークで様々なアングルから堪能できるのがいい。特にこの「白鳥の湖」は実に3D的な演出なので、この場面の魅力を存分に味わうことができた。

しかしこの舞台、なぜ日本公演が実現しないんだろう?エルトン・ジョン作曲ということで、ライセンス料が高いんだろうか?韓国では早々と韓国人キャストでの公演を行っている。もっともロングランするには常時3~4人のビリー役をそろえる必要があるので、日本の男性バレエ人口を考えると難しいのかもしれないが。

硬派な社会派ドラマの要素を背景に、父と子の関係、少年の旅立ちを描くという日本でもウケる要素は満載だ。時間が経っても色あせる作品ではないと思うので、いつか上演してほしいものだ。

ビリー・エリオット ミュージカルライブのウェブサイト
http://littledancer-m.com/

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