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2014年12月30日 (火)

Jersey Boys (ジャージーボーイズ)

12/30 19:00
August Wilson Theatre

昨日ラミン・カリムルーが突然休演したレ・ミゼラブル。そんなこともあろうかと今日の夜の回も押さえておいた。

これは買うときに、昼はラミン休演だけど夜は出る、と確認して買ったから大丈夫、と劇場へ行ったところ、昼は出たけど夜は休む、という掲示が。そりゃあないぜラミン・・・。

だがそんなこともあろうかと、この時間帯の別の作品も押さえておいた。

戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ――シャア・アズナブル

そう、遠征は戦い。時間との勝負。ラミン・カリムルーのバルジャンが観られないのは涙が出るほど残念だが、残念がっている余裕なんてないのである。

というわけでこの遠征最後の作品は「ジャージー・ボーイズ」に。映画化もされたし、2014年の 掉尾を飾るには相応しい作品と言えよう

じつはジャージーボーイズ、今更ながら初見である。

2006年のトニー賞を総なめにして、マンマ・ミーア!以降大量生産され、そのほとんどが消えてなくなっている既存のアーティストの楽曲を使ったいわゆるジュークボックス・ミュージカルの中で、数少ない成功を納めた作品だ。

これまでこの作品を素通りしてきたのは、フォー・シーズンズなんて世代じゃないし、というのがひとつと、けっこうな英語力を必要とするという2つの理由から。もちろん後者のほうが大きかった。

しかし、ご存じのようにクリント・イーストウッドが映画にしてくれた。それで予習も可能になったので劇場に足を運んだのだ。だが、あの映画を観たのは単なる「予習」ではなく、実に感動的な体験だった。作品としてのテンポがいい。深刻なエピソードについても、あくまでドキュメンタリータッチではなく、エンターテインメント枠組みを外さないように描いている。それらによって、とても「心地いい」映画になっていた。

そうなると、その心地よさが映画独自のものなのか、もともとの舞台にあった要素なのか、というところを知りたくなるのが人情というものである。

舞台が始まると、映画同様、とてもいいテンポで話が進んでいく。シリアスな場面でも笑いを織り交ぜ、決して観客を不安にさせずに物語を展開していくのも同じだ。なるほど、映画はそうした舞台の印象をそのまま映像に持って行ったわけか。

だが、舞台より映画はぐっと情感に訴えかけるものになっていた。逆に、舞台はライブの迫力で押し切っている部分もある。これは、どちらが優れているというよりも、舞台と映像、それぞれの特性を生かした結果だろう。

舞台では、とにかく楽曲披露ごとに大いに盛り上がり、歓声が飛ぶ。クライマックスの「君の瞳に恋してる」ではもちろんショーストップ。その瞬間、劇場の観客はコンサートの観客という役を演じる。これはライブでしかできない演出であり、この作品の大きな魅力を構成している。

映画ではその熱狂は望めない。その部分を埋めるために、脚本をブラッシュアップし、観客にどう感動を伝えるか緻密な計算で作品を構成していく。もちろん、もともとの作品に素養がなければその作業は進まない。映画より先にこの舞台を観ると、ほとんどの人が「いやー盛り上がって楽しかったなあ」という感想を持つはずだが、その先に、磨いて輝かせられる要素を見出したクリント・イーストウッドのプロデュース力はさすがという他はない。改めて、映画人としての彼の存在に強い敬意を抱く。

舞台と映画の両方に接すれば、舞台の熱狂を思い出しながら、映像で何度も繰り返しこの作品を味わうことができる。なんとも贅沢な楽しみ方だ。帰りの飛行機の映画プログラムに入っていたので、さっそく実践してみようと思う。

アプローチは違えど、舞台も映像も、方向性としては同じところに向かっている。紆余曲折や挫折、悲劇があっても、人はそれを乗り越えられる、という、ある意味とてもシンプルな人間賛歌。それを説教っぽくなく、軽やかな音楽にのせてさらっと、スマートに歌い上げる。だからラミン・カリムルーのバルジャンが観られなくたって、気にすることはないのだ(←引きずってる)。

そういえば、4年前、大雪のために新演出のレ・ミゼラブルを観られない事態になったとき、助けてくれたのはニュージャージーの劇場の人たちだった。今度のミゼラブルな状況も、ジャージーな作品に救われたわけか。観劇って、旅って、人生って面白い。

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Jersey Boysのウェブサイト
http://www.jerseyboysinfo.com/

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THE HALAL GUYS

最近、日本でもハラルフードが注目を集めているが、ニューヨークの街角でもその屋台は多い。

その中で最も人気があり、いつも行列ができているのがヒルトンホテルそばに出ている「THE HALAL GUYS」だ。

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並んでいても、オペレーションが確立しているのでさほど待つことはない。基本はライスの上にチキンが乗ったもの、羊肉が乗ったもの、そのミックスだ。そして中東風コロッケのような「ファラフェル」を乗せたものもある。値段はすべて7ドルだった。

ドクターペッパーのボトルを買っても9ドル。何もかも高いマンハッタンでこの値段は魅力だ。

ホテルに持ち帰ってあけてみると、ライスが見えないほど肉を敷き詰めてあり、なかなかのボリューム。2人で食べてもいいぐらいだ。

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味もあまり癖がなくてとてもおいしい。ヨーグルトのような白いソースと、唐辛子の赤いソースがついてくる。白いソースはたっぷりかけるとおいしいが、赤いソースはうかつにかけると即死するレベルの辛さだった。

ミッドタウンに泊まる際、夕食を軽く済ませたいときはおすすめの一品だ。



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IF/THEN

12/30 14:00
Richard Rodgers Theatre

イディナ・メンゼルがいかにすごい人であるか、日本人は本当にわかってない。

「アナと雪の女王」のおかげで知名度はぐんと向上したが、Yahoo!ニュースの見出しで「アナ雪歌手」とか紹介されているのを観るといったんプリントアウトして八つ裂きにしたくなる。

紅白歌合戦によってその認識が変わることを期待したいが、この話もちょっと微妙だ。なんか「松たか子の替わり」みたいになってるのが気に入らない。もちろん松たか子は舞台で何度も観てるし、演技はもちろんのこと、歌の実力があることも知っている。女優としての比較ならいい勝負かもしれないが、ミュージカルという場で比較したら、これはもう比較にならない。いま、現役ばりばりのブロードウェイ女優で、その名前だけで人が呼べるのは彼女ぐらいだ。

「RENT」は彼女が出演しているときにニューヨークに行っているのだが、観ていなかった。そして「ウィキッド」のときはすでに彼女は降板していた。このとき、ウエストエンドのオープニングに出演しているので、今思うとそのときはニューヨークでなくロンドンに行くべきだったなあ、と後悔。

そのイディナ・メンゼルをやっとライブで観られる。「RENT」でも「ウィキッド」でも、CD(RENTは映画でも)でしか聴いたことのない彼女の歌をついに聴けるのだ。

作品は完全オリジナルなので、予習不可。タイトルからすると、もし自分の人生で、別の選択をしていたら・・・という、何だか「ガラスの仮面」の演劇コンクールで劇団一角獣が上演した「運命」ような話か?まあ理解できずとも彼女の歌声さえ聴ければよしとしよう。

幕が上がり、イディナが舞台に登場。「Hi, It's me」の一言だけで拍手が起こる。異様な雰囲気だが、イディナ様の信者としては自分も歓声を上げたいところ。

正直、話はさっぱり分からなかった。すみません。英語力の問題です。

どうも同じ登場人物たちの間で2つの物語が進行している(らしい)のだが、英語が理解できず付いていけなかったので、途中でジョジョ第二部のカーズのように「考えるのをやめた」。

開き直ったところ、逆に楽しくなってきた。細かいストーリーは分からないが、甘々のラブストーリーの中に、ゲイのことや開発の問題など、ニューヨークの「今」を盛り込み、リアルさを感じさせる構成、シンプルながら大きな鏡の効果的に利用した舞台セット、そして「ネクスト・トゥ・ノーマル」でトニー賞に輝いたトム・キットによる音楽は、自然に耳に入ってくる軽やかさで、この物語の「日常感」を演出している。ちなみにこの作品の脚本&演出も、「ネクスト・トゥ・ノーマル」のブライアン・ヨーキーとマイケル・グリフだ。話がこれほど分からなくても、ちっとも眠くならないし、感動もする。これは作品の持つ力だろう。とか英語わかんない奴が偉そうに言うなよ、って感じですが。

脚本は緻密に構成されているが、同時に、イディナ・メンゼルの魅力を200%引き出すために作られていることも間違いない。とにかくモテモテ。なんだか「SEX and The City」に古き良き時代の少女漫画の主人公が成長して紛れ込んだような。

作品自体、決しておざなりに作られたものではなく、別の女優が演じても十分に見応えのあるものとして完成されているのだが、ことイディナ・メンゼルが出ている限りは、もうすべての視線が彼女に集中する、まるで新宿コマ劇場の「北島三郎 新春特別公演」のようだ。でもエンターテイメントなのだから、それでいいんじゃないか?

生イディナ様の歌は、CDで慣れ親しんだウィキッドの「Defying Gravity」のような歌い上げるナンバーでは鳥肌が立つし、日常生活の演技の中でさらっと歌うときにもその歌声に耳が自然と傾く魅力にあふれている。そして演技の面では、映画RENTのモーリーンで見せていたような、ちょっとした表情で笑いを誘う、コメディエンヌの才能も片鱗を見せつつ、細かい芝居で飽きさせない。こりゃ眠くならないわけだよ。

観終わったあとには、とにかくイディナ・メンゼルを堪能した、という満足感でいっぱい。RENTやウィキッドのぶんも取り返した感あり。でもちゃんと作品への敬意もきちんと残る。単なるイディナ様のワンマンショーで終わらせない、ブロードウェイの面目躍如だ。

何しろ、イディナ演じるエリザベスの旧友、ルーカスを演じている男性、すごーく見たことあるよな、と思って幕間にPlayBillを開いたら、アンソニー・ラップじゃん!RENTのオリジナルキャストで、日本のツアー公演にも出演している。そしてやはりエリザベスの友人、ケイトを演じているのは「カラーパープル」でトニー賞主演女優賞を獲得したラシャンズだ。名前に特徴があるので演劇系のニュースサイトでよく名前を見かけている。こんな実力キャスト&スタッフが結集した豪華な作品でもあるのだ。

しかし、アンソニー・ラップが出ることぐらいは予習しとけよ、と反省。RENTの来日公演ではとてつもなく感動しただけに(http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2009/08/post-4.html)誠に遺憾に存じます。

ところでイディナ様、2015年はワールドツアーでの来日も決定(だから紅白出演も快諾したのだろう)した。東京公演の会場は日本武道館だ。あの会場が満席になるのなら、日本でもイディナ・メンゼルが正当に評価されるようになった、と見ていい。すでに自分のチケットは確保済み。今度は日本でイディナ様に会えると思うと、今から「The Wizard and I」でも歌いだしたい気分だぜ。

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IF/THENのウェブサイト
http://www.ifthenthemusical.com/

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Hansel and Gretel (ヘンゼルとグレーテル)

12/30 11:00~
Lincoln Center

海外に来ると、ふだん国内では行かない美術館や博物館に行ってしまうものだが、そんな感覚で前回ニューヨーク・シティバレエを観たところなかなか勉強になった。なので「騙されたと思って食べてみて計画(by チームBII)」を継続し、今回は同じリンカーン・センターのメトロポリタン・オペラだ。

前回の『くるみ割り人形』同様、こちらでもクリスマスシーズンの家族向け演目として『ヘンゼルとグレーテル』を上演中。国内で、バレエよりは少しは観ているオペラだけど、正直、苦手意識もあるだけに、子供向けぐらいがちょうどいい。もちろん子供向けでも出演者は本物の実力者たちだし。

一度入ってみたかった、メトロポリタン・オペラの劇場。すべての座席の前に、字幕表示機が装備されている!

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これがオペラ専用劇場の実力か!この設備はいいなあ。日本でもBunkamuraとか東京芸術劇場とか設置すればいいのに。海外ミュージカルのツアー公演でも活躍しそうだ。

オペラ『ヘンゼルとグレーテル』を作曲したエンゲルベルト・フンパーディンクはワーグナーに強く影響されたと言われており、なるほど自分の乏しいオペラ経験の中でも何度か聴いたワーグナー作品を思い出させる。何となく『銀河英雄伝説』を思い出しながらゆったりと味わう。ミュージカルとは比べ物にならないでかい編成のオーケストラの音に身を委ねていると、たとえ音楽には素人でも、次第に気持ちよくなってくる。1幕のヘンゼルとグレーテルが、そしてその父と母が話し合う場面は正直眠くなってしまったが、二幕で2人が森に出ると、緊張感も出てきて引き込まれてくる。

メトロポリタン・オペラのヘンゼルとグレーテルでもっとも有名な場面は、眠ったグレーテルが見る14人の天使の夢で、なぜか天使たちは巨大なお面をかぶったコック姿、そして魚の顔をした執事も出てくるところだ。
これは写真で観ても異様だが、ライブで観るとまた格別の面白さである。

『ヘンゼルとグレーテル』は本当は怖いグリム童話なわけで、残酷なくだりもあるが、オペラではきわめておだやかな話に書き換えられている。だから安心して家族で来られるわけだ。

リンカーン・センターの噴水といえば「glee」第2シーズンの最終回でグリー部のメンバーが上にのぼってぐるぐる回っていたのを思い出すが、あれ本当にやると怒られるみたいで、誰かが上に立つと速攻で警備員に笛を吹かれていた。

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メトロポリタン・オペラのウェブサイト
http://www.metopera.org/

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2014年12月29日 (月)

Aladdin (アラジン)

12/29 19:00
New Amserdam Theatre

今回は作品よりも役者が目当て、という正常ではない観劇姿勢が多い中、作品的なハイライトは間違いなくこれ「アラジン」だ。

今年3月にブロードウェイで始まったが、早くも来年には日本で四季が上演する。四季にとってはポスト浅利体制になっての最初の大博打。そしてウィキッド以来の、久々の超大作となる。

ディズニーにとってもこの作品への意気込みは大きいだろう。何しろ、この10年ほどディズニーミュージカルは大きな成功を納められていない。リトル・マーメイドが失敗作に終わり、ターザンは興行的にこけ、良かったのはあまり金をかけずに作った「ニュージーズ」が意外なスマッシュヒットとなってツアーに回っていることぐらい。そしてこの間、ディズニーのフラッグシップ劇場であるニュー・アムステルダム劇場はメリー・ポピンズが占拠していた。もちろんこれもディズニーミュージカルではあるけれど、キャメロン・マッキントッシュとのコラボレーションなので、ディズニーとしてはビジネス的なうまみは少なかっただろう。

そこに投入されたアラジン。実は開幕してから漏れ聞こえてくる評価は、あまり芳しいものではなかった。しかし自分の目で確かめないことには何も言えない。

というわけで、通算6回目のニュー・アムステルダム劇場。トイレの位置はもちろん、どのあたりが空調が弱いとか、そんなことまで分かるようになってきた。

Playbillを観ると、ジーニー役がトニー賞授賞式でやんやの大喝采をあびていたジェイムス・モンロー・アイグルハートではない。シャワルマといい、レ・ミゼラブルのラミン・カリムルーといい、きょうはこういう日だなあと諦める。アイグルハートで持っている、とも聞いているだけに残念だが、おかげで作品そのものを冷静に評価できるじゃないか、とポジティブに。

日本での開幕を楽しみにしている人が多いだろうから詳細には書かないけど(ただの手抜き?)、全体の印象としては、予想以上に「ジーニー役がすべて」の作品だった。

この日ジーニーを演じたマイケル・ジェームズ・スコットも相当な実力者で、これで2番手、ってどんだけブロードウェイの層厚いんだよ。しかしそのぐらいの層の厚さがなくては、ロングランできない作品だ。

できるのか?四季で。それが正直な感想。

いや、もちろん四季には多くの実力者がいる。でも、たぶんこの作品で必要な「実力」は、これまで四季が重きを置いてこなかった能力だ。端的に言うと母音法のジーニーなんて、(今の段階では)想像できない。「母音法は早口でも意味が分かるようにするためのものだ」という人もいるかもしれないけど、ここで伝えるのは意味じゃない。ノリだ。

さらに、下の写真を見て欲しい。ロゴの下に何て書いてある?

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「NEW MUSICAL COMEDY」だ。

四季にもコメディはあるって?「ブラックコメディ」?「解ってたまるか」?うん、違うよね。大丈夫かなあ?

事前に聞いた評判なんてやはり当てにならず、十分に面白い作品だったので、四季の公演も成功して欲しい。だからこその不安だが、開幕したら「意外にいけるじゃん!」と思わせてくれることを期待したい。

ただ、四季にとっては経営体制の刷新に限らず、人材の育成や外部からの人材登用など、作品の根幹にかかわる部分で大きな変化が要求される作品になることは間違いない。そこまで計算しての投入なら、その覚悟に俺は賭けたい。

もっとも試されるのは四季だけではない。自分たち、観客も試されることになる。

場内は大いに盛り上がっていたが、それはジーニーの力だけによるものではない。ジーニーのセリフや動きに、いちいち大きなリアクションで反応する観客がいてこそのものだ。

これはお国柄だから仕方ないが、どうしても日本の観客は反応が薄い。「キャッツ」のスキンブルシャンクスのナンバーのように、みんな一斉に拍手するとか、そういうお決まりの作法でしか盛り上げることができない。自分も含めて。

でも、この作品はそれじゃダメだ。全員がそろって、ではなく、観客それぞれが「俺はウケてるぜ!」と舞台に向かってアピールしないと、多分場内の熱気は高まらない。「え?ここ笑っていいの?」と周りの反応をうかがっているうちに、どんどんジーニーは先に行ってしまう。勇気を持って笑おう。歓声を上げよう。もちろん、周りに「俺はこの作品の見方を知ってるよー」と言うのではない(そんな観客が多いのも日本の特徴)。あくまで舞台上の、役者に向かって元気玉を届けるような思いで。

そして、これは「マンマ・ミーア!」や「ウィキッド」で顕著だけど、リピーターが支える形になると、笑わせる場面でも反応が薄くなる。仕方ないといえば仕方ないのだが、無理してでも笑わないと、ジーニーの魔力は下がるばかりだ。そして観客に無理をさせないためにも、四季の俳優には一層の力が求められる。正のスパイラルを起こすために、自分たち観る側も相当がんばらないといけない。「なんで客ががんばらなきゃいけないんだ」というのは正論だが、とりあえず俺は少しがんばろうと思う。

四季が発表したジーニー役候補は、道口瑞之と瀧山久志。いま四季で一番笑いが取れる芸達者といえば、やはり道口だ。そして四季プロパーではない瀧山の起用。この2人ならちょっとやってくれそうな期待感はある。この2人を選んだということは、四季がこの作品を上演するにあたっての課題を、きっちりと認識している証拠でもある。第3、第4のジーニーも早期投入が必要だろうが、まずはこの2人のジーニー、早く見てみたいものだ。

そうそう、この日のアラジン・ジャスミンはオープニングキャストのままだったが、Courtney Reedは写真で見るよりずっと可愛い感じで、露出の多い衣装にニヤニヤしながらいやらしい視線を投げかけてきた。ジャスミン候補は岡本瑞恵と三井 莉穂。岡本ソフィは好きだから、こちらもちょっと楽しみだ。結局それかよ。はい、そうです。

アラジンのウェブサイト
http://www.aladdinthemusical.com/

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Dallas BBQ

前回はステーキを食ったが、今回はどうしようかな、と考えていたところ、「地球の歩き方」に、ニューヨークではステーキと並んでバーベキューも人気だという。

というわけで、42丁目、ニュー・アムステルダム劇場のはす向かいにある「ダラスBBQ」の店へ。TGIフライデーズみたいな、どどーんとアメリカンな料理が出てくる店だ。

これが一番人気のBABY BACK RIB。見た目どおりの、甘くて、辛くて、大味なアメリカ料理だ。いいねえ。

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コーラを頼むととんでもないサイズのグラスが。でも「びっくりドンキー」でこういうのは慣れてるからびっくりしないぜ!

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DALLAS BBQのウェブサイト
http://www.dallasbbq.com/

ちなみに、ダラスに店はありません。

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Les Miserables (レ・ミゼラブル)

さて、レ・ミゼラブルである。お目当てはもちろん、ラミン・カリムルー様のバルジャンだ。

でも、月曜マチネの追加公演なので、ちょっといやーな予感はしていた。

配られたPlaybillに紙が挟んであったので、目をやると

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休演だった。あゝ無常。

しかし、こんなこともあろうかと、明日のチケットも取ってある。限られた期間で同じ演目を2回観るのはもったいないが、仕方あるまい。

ちなみにスタンバイのAaron Walpoleはきれいに出る高音が魅力。なのでBring him homeは素晴らしかった。

ただ、体型が10周年コンサートのフィナーレでイギリス代表として出てきたPhilip Cavillをさらに丸っこくした感じで、どうにもルックスの印象がバルジャンっぽくない。

とにかく、明日また再チャレンジだ。

それにしても、レ・ミゼラブル新演出は、4年前のニュージャージーのときといい、直前に福井の降板劇があった昨年の日本公演といい、そう簡単に観られないのだなあ。

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Peanut Butter & Co.

ここもウエストビレッジにある店。アメリカ人のソウルフードとも言える、ピーナツバターを使ったサンドイッチの専門店だ。店内で食べるのも、テイクアウトも可能。

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いちばん人気は「THE ELVIS」という。ピーナツバターとバナナをはさんだもので、かのエルビス・プレスリーが好んで食べたというメニューだ。

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食べてみると、ピーナツバターがそんなに甘くなくてなかなか美味。ちなみに買うときに「ベーコンとトッピングするか?(+1ドルだったかな)」と聞かれたので、即答で「ノーべーコン」と言ったが、あちらでは甘いソースとベーコンという組み合わせはアリのようだった。

Peanut Butter & Co. のウェブサイト
http://ilovepeanutbutter.com/sandwichshop

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Mamoun's Falafel Restaurant

この日の昼食は、ニューヨーク大学に近く、学生たちも多いウエストビレッジで。近年ニューヨークの物価はどんどん上がっているが、日本でも学生街は値段が20年前のまま、なんてことがよくある。ここもそう。

1971年創業の「Mamoun's Falafel Restaurant」は、中東のコロッケのような「ファラフェル」をはじめ、ケバブなどを売っている店。持ち帰りか店内で立ち食いする。

映画「アベンジャーズ」のラストで、アイアンマンやキャプテンアメリカ、ソーたちが気まずい雰囲気で食べていた「シャワルマ」を覚えているだろうか。あのシャワルマをぜひ食いたいと思い、友人に頼んで「ここならありそうだ」という店に連れてきてもらったのだ。まさにあの映画に出てきたような、およそ世界を救うヒーローたちが入るような雰囲気ではなく、大衆的すぎる感じが心地いい。

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メニューを見ると、「SHAWARMA」がある!喜びいさんで注文すると、きょうは材料がないのでできない、という。残念。

かわりにチキンケバブを頼む。これがすこぶるうまかった。プレートで頼むと量もかなりのもの。堪能した。

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この店、ぜひまた来たい。次こそシャワルマを!

Mamoun's Falafel Restaurantのウェブサイト
http://www.mamouns.com/

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Green Market

ちょっと観光ネタ。ユニオンスクエアで週4回開かれている、ニューヨーク市内や近郊農家などが集まるグリーンマーケットにやってきた。日によって店の数が異なり、この日は少なかったが、テレビの旅行番組に出てくるようなマーケットの光景に、自分がおしゃれな旅行者になった錯覚を抱いて楽しむ。

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日本の品種を輸入したものは大人気。日本ほど丹精込めて育てないので完成度は低いが、こういうクールジャパンは誇らしい。農産物そのものではなく、品種と、育て方のノウハウをセットにして輸出する、というのはありだな。

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名物(?)のホットアップルサイダーはリンゴ果汁に、ジンジャーか何かをいろいろまぜたもの。味はちょっと微妙だが、生姜湯みたいなもので、体が温まる。

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青汁のようなものを売っている店で猫草も売っていた。飾られている写真の猫の名前がグリンダ様。

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9/11 Memorial Museum

9/11テロ事件のあと、ニューヨークに来るのはこれで6回目。しかし、グラウンド・ゼロ近辺に行ったことはなかった。正直、怖かったし、観光で行くのもためらわれた。

しかし今年、ミュージアムがオープン。この機会に行くべきだろうな、と初めて足を踏み入れた。

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よくテレビなどでも紹介されている、ビル跡地に作られた2つの巨大な噴水を見ながら、真新しいミュージアムへと向かう。全米から観光客が集まっているこのシーズンなので、チケットは時間指定でネット予約しておいた。Eチケットをプリントアウトして持参。

X線の荷物検査を経て入場。あまり厳しくはない印象だった。

米国では博物館の設計が十分に研究されていて、子供などにも興味を持ってもらえるにはどういう空間を作ればいいのか、そのノウハウが蓄積されている。同時に、今回のような負の遺産を、精神的なショックを受けずに伝えていくための工夫も多い。

このミュージアムは、そうしうた知見と、最新のテクノロジーを最大限に盛り込んだ施設になっているので、そうしたミュージアムの設計に興味がある人には参考になると思う。

展示されているのは、熱で変形した鉄骨や、命を救った階段など、当時の記憶を間接的に伝えるものが多く、また残っているビルの土台をそのまま見せたり、といった印象的な展示もある。自分はカメラを向ける気にならなかったが、撮影も許されている。

当時のニュース映像などを見ると事件を思い出してショックを受けてしまう人にも配慮し、そうした直接的に記憶をよみがえらせるような展示は、エリアを分けて入り口にその旨を明記し、さらにスタッフを立たせて「この中にはこういう展示があります」と説明したうえで入場させるようにしていた。

他の博物館と同様、ミュージアムショップがあり、そこには鶴の折り方の説明を添えた折り紙も売られていた。

早すぎる再開発や、抑え気味だが多少イデオロギーと関連づけた展示など、批判もあるかもしれないが、負の遺産をどう次の世代に伝えていくか、学ぶところは多い。当時の記憶を呼び覚ましたくない、という人は無理に行かなくていいと思うが、少しでも関心があるなら、行っておくべき場所だと感じた。

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館内の案内アプリもあって、事前にダウンロードしておくと、ロバート・デニーロによる解説を聴きながら回ることができる。日本語版もある(もちろんデニーロではないが)。ヘッドホンが必須となるが、音声だけでなく、文字でも表示できるので、英語が苦手で展示物の解説が読めない、という自分のような者にはとても役に立った。

11月にオープンした、全米一の高さを誇るワン・ワールドトレードセンター。複雑な思いで見上げる人も多い。

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9/11 Memorial Museumのウェブサイト
http://www.911memorial.org/




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2014年12月28日 (日)

The Phantom of the Opera (オペラ座の怪人)

12/28 20:00
Majestic Theatre

かなーり久しぶりにマンハッタンの怪人。いつ以来だろう?と考えてみたところ、たぶん初めてニューヨークに来たとき以来じゃないか。それは確か1996年末だから、実に18年ぶりである。

実は毎回「観ようかな」と思うのだが、滞在日数が限られているからどうしても新作や期間限定公演を優先してしまうため、お流れになっているのだ。

しかし今回は違う。意欲満々でチケットを確保した。何故ならノーム・ルイスがファントムを演じているからだ。

ノーム・ルイスを初めて観たのは2006年。久しぶりにブロードウェイに帰ってきた「レ・ミゼラブル」リバイバル公演だ。彼のジャベールはなかなかの評判を呼んでおり、楽しみにして劇場へ向かったのだが、なるほど演技と歌声に深みがあり、その心の葛藤がにじみ出ているような、魅力的なジャベールだった。その後、彼はレ・ミゼラブル25周年コンサートのジャベールにも抜擢されているので、いかに評価が高かったかはお分かりいただけよう。

そして2年後、再び彼の姿を見るチャンスがあった。失敗作に終わった「リトル・マーメイド」でトリトン王を演じていたのである。ところが、この時はトリトン王がアンダーで、再会は叶わなかった。

というわけで、ノーム・ルイスがファントムを演じるというニュースが流れてから、もういてもたってもいられなくなっていたのだが、何とかこのホリデーシーズンまで続投を続けてくれた。何とも有難い話である。

ちなみに、ノーム・ルイスのファントムデビューと同時に、シエラ・ボーゲスがクリスティーヌ役に復帰。シエラ・ボーゲスはオペラ座の怪人25周年コンサートでクリスティーヌを演じている。そして「リトル・マーメイド」のアリエル役をほぼ完投したことでも知られる。つまりノーム・ルイスとは久々の「親子共演」だったわけだ。

残念ながらシエラ・ボーゲスの登板は期間限定だったため、今回は見られなかったがいたしかたない。昨年、ラミン・カリムルーやレア・サロンガと一緒に来日したときに見ているからよしとしよう。

さてその念願のノーム・ルイスのファントムはどうだったか。

もうね、言葉がありませんよ。ファントムってこういう役だったんだと深く思い知らされました。

登場からいきなりハイテンションで、「激情の怪人」という印象。演出は同じでも、演じる人によって当然異なってくるファントム。我儘な芸術家のようだったり、闇を統べる帝王のようだったり、マッド・サイエンティストのようだったり。ノーム・ルイスのファントムは、強く幼児性を感じさせるものだった。実は、前回(といってもずいぶん前だけど)、ブロードウェイで観た怪人もそうだった。そのとき、自分にはこのファントムの解釈がいちばんしっくり来るな、と生意気にも感じた記憶がある。(そういうどうでもいい記憶はきちんと残る)

歌声もステキだが、ノーム・ルイスの魅力はやはり演技にあると思う。その演技、序盤からずっとやや抑え気味だった。激情型なのに抑え気味、とは矛盾しているかもしれないが、そう感じたのである。

なるほど、こういう感じで最後まで行くのか、と思っていたら、違った。

最後の最後、あのクリスティーヌとのキスシーンから、突然フルスロットルになった。それまで貯めていたエネルギーを一気に放出したのだ。

幼児性を感じさせるファントムだと、あのキスシーンはとても重要な意味を持ってくる。数秒間の中で、ファントムは子供から男になり、そして大人になる、という2段階変身をするのだ。

しかし、ノーム・ルイスのファントムは、子供から男になり、男から大人になり、そのうえでまた子供になる、という「3段階変身」を見せた。これには圧倒された。

最後の「Christine, I love you」があんなに感動的に響いたのは、これまで何十回とこの作品を観てきて初めてのことだ。正直、ちょっと涙出た。これは年のせいかな?

ノーム・ルイスの怪人、ぜひともまた観たいものだ。

あと、ちょっと蛇足な話。カルロッタ役のMichelle McoNNEllもとても良かった。若い感じだな、と思ったらこれがブロードウェイデビューとか。

このエントリー(http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2006/01/post_2c96.html)でちょっと書いてるけど、自分はカルロッタという役が結構、というかかなり好きなんである。カルロッタは、単にお高くとまった大女優ではない。実力があり、少し性格に難があってもオペラに取り組む姿勢は真摯なものがある。すぐに拗ねたりするところは、面倒くさいというより、ちょっとかわいい。カルロッタが嫌な人にしか見えないときもあるが、その上演回は失敗だと言っていい。

そもそも「ドン・ファンの勝利」でなぜピアンジだけが殺され、カルロッタは殺されなかったのか。どちらかというと、直接クリスティーヌをいじめていたカルロッタのほうが怪人のデスノートでは上位に書かれてしかるべきだ。

これは実は単純な話だ。ドン・ファンの勝利の上演に際して怪人は何と言っていたか。ピアンジには「せめて痩せろ」。カルロッタには「演技を真面目にやれ」。その指示に従えなかったピアンジは殺され、従ったカルロッタは生き延びたのだ。芸術に関しては怪人は非常にドライで、シンプルな思考を持っている。

ドン・ファンの勝利の中で、カルロッタはソロもないアンサンブルの役を、実に真面目に、そして楽しそうに演じている。ああ、この人いろいろ言ってるけど、本当はオペラが大好きなんだな、と伝わってくるお気に入りのシーンだ。こんどオペラ座の怪人を観る機会があったら、ぜひこのときのカルロッタに注目してほしい。

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The Phamtom of the Operaのウェブサイト
http://www.thephantomoftheopera.com/

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Here Lies Love(ヒア・ライズ・ラブ)

12/28 17:00
The Public Theater

かつてフィリピンを牛耳っていたマルコス大統領の妻、イメルダ夫人。歴史的な悪女として世界的に有名になった人物だ。その人生には多くのクリエイターが刺激を受けるようで、多くの小説や舞台の題材となってきた。

現在、パブリックシアターで上演されている「Here Lies Love」も彼女を描いた作品だ。トーキングヘッズの元メンバーで、坂本龍一とともに「ラストエンペラー」の音楽を手掛けたデビッド・バーンがファットボーイ・スリムとコラボして創り上げたコンセプトアルバム「ヒア・ライズ・ラブ」を舞台化したもの。2013年の初演が高い評価を受け、再演となった。フィリピンの台風被災者支援のチャリティー公演も行っている。

これを観るために、地下鉄に乗って8丁目へ。パブリック・シアターに入るのは初めてだが、その前は何度も通り過ぎている。この向いにブルーマンの劇場があり、いい目印になっているからだ。

この日4本目ではあるが、居眠りなんかしない。いや、できない。何しろこの作品の上演には、座席がない。

オールスタンディングの空間に、バブル期のディスコのお立ち台のように舞台がしつらえてあり、その上で俳優たちが演技する。

そしてDJがマシンガントークを繰り広げながら、ノリノリの音楽をかけて進行していく。雰囲気は完全にクラブだ(行ったことないけど)。

そして出演俳優はほぼオールアジア系。これは快挙というか、きわめて珍しいことらしい。

ホール内に入ると、開演前から大音量で音楽がかかり、こりゃバーも欲しいな、と思ったらちゃんと用意されている。一杯飲みながら開演を待てるわけだ。俺は飲めないけど。

始まると、お立ち台はスタッフの手によって人力で移動し、その度ごとに観客たちは右へ左へと移動する。これはしかもお立ち台は人力で移動し、そのたびに観客はスタッフの指示に従って右へ左へと移動する。デ・ラ・グアルダの「フエルサブルータ」(2回観た。このときこのとき )と同じシステムだ。

そしてそこには大きな意味がある。観客たちはイメルダ夫人を見守る傍観者、ときに熱狂して国の行く末を大きく変える民衆の役を与えられているのだ。

これは、ちょうど「エビータ」の劇団四季による上演(2005年の新演出)と同じ手法だ。

その手法だけでなく、この作品の物語はエビータに通じる点が多い。もともと女性が権力を握っていく話だからどうしても似てしまうが、ニノイ・アキノがマガルディとチェを足したような感じで登場したりもする。別にパクっているわけではないが、かなり意識しているのが伝わってくる。

この作品、音楽が実にいい。ワールドミュージックに造詣の深いデビッド・バーンの手による曲は、どこかアジアンなテイストで、同じアジア人である自分の心の琴線に触れる。ゼントラーディー人の遺伝子に組み込まれたプロトカルチャーの記憶が、リン・ミンメイの歌によって呼び覚まされていくようだ。

その曲が、ファットボーイ・スリムの手によってダンスミュージックにアレンジされている。外側はノリノリのクラブサウンドだけど、中身はアジアン。この味わいが絶妙である。

上演時間は90分。会場内を右往左往しながら楽しんでいるうちに、あっという間に終わってしまう。面白かったー。この単純に「面白かった」と言わせる作品に、久しぶりに出会った気がする。

この作品を特徴づけるクラブ風の演出は、イメルダ夫人の極彩色の半生(注、彼女はまだ現役バリバリの政治家です)を描くのにはぴったりと言える。だが、意図したものかどうかわからないが、それ以外の感想もある。

自分もそうだけど、アジア系の人たちだけで欧米発のカルチャーにどっぷり浸かっていると、そこには自然と「違和感」が生じる。別にいい、悪いの話ではないし、今の日本のカルチャーの大部分はそうなわけだが、これは現実としてある。欧米人だけのアニメイベントに違和感を感じるのと一緒だ。

人は、そしてその集団は、時として傍から見ると「変な行動」を取るときがある。それは本人たちには分からない。しかも、その「変な行動」は、国を変えるほどのパワーを発揮する。このクラブ演出が感じさせる「違和感」は、それを強烈に思い起こさせるのだ。

あと、これはいつものことだけど、この観劇終了後の充実感は、この再演でイメルダ役に抜擢されたJaygee Macapugayがとっても魅力的だったのと無関係ではない。ずっと「ジュリアナ東京みたいだなー」と思っていたら、フィナーレでワンレンボディコン姿で登場し、思わずのけぞった。

ああ、これまた観たいなあ。来日公演やってくれないかな?日本人による翻訳公演でもいいけど、できればJaygeeの姿を見たいです。

ちなみに「Here Lies Love」は、イメルダ夫人がかつて自分の墓標にはそう刻むよう命じた、とされている言葉だ。

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ヒア・ライズ・ラブのウェブサイト
http://herelieslove.com/

Jaygee Macapugayのツイッター
https://twitter.com/jaygeemacapugay

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The River(ザ・リバー)

12/28 15:00

Circle in the Square

ヒュー・ジャックマンが「美女と野獣」などに出演していたことはよく知られているが、最近もちょくちょくブロードウェイに顔を出している。2011年のホリデーシーズンにはワンマンショーをやっていたし、今年のトニー賞では司会を務め、そのエンターテイナーっぷりをいかんなく発揮していた。

映画の宣伝で来日したときも、サービス精神にあふれた受け答えで好感度を高めている。「レ・ミゼラブル」のときはプロモーションで一度来日したあと、皇太子殿下を招いての試写会のために再びやってきて紳士なふるまいを見せていた。

そんなヒュー・ジャックマンがこの年末にも舞台に立つという。これは観ない手はない。

彼はもともとこっちの人だったわけだが、近年、ハリウッドスターがストレートプレイやミュージカルに出演する機会は増加しており、今年はトム・ハンクスもブロードウェイデビューを飾った。そして年明けからは世界のケン・ワタナベが「王様と私」に出演する。

ミーハーな自分としてはついチケットに手が伸びるところで、2008年には「エクウス」でダニエル・ラドクリフの全裸姿を見ているし、2010年にはあのアル・パチーノの「ベニスの商人」を観た。

「エクウス」
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2008/12/equus-8b35.html

「ベニスの商人」
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2010/12/the-merchant-of.html

今回もヒュー・ジャックマンを直に見られるというだけでチケットを取ってしまったが、その演目はやや重い。ミュージカルではなく、ストレートプレイ。英国出身の気鋭の劇作家にして、映画界からも熱い注目を注がれているジェズ・バターワースの「ザ・リバー」は、イギリスでは2012年に上演され、話題となった作品だ。

登場人物は3人だけで、上演時間も1時間25分と短い。その物語は難解で、ミステリーとも、サイコ・サスペンスとも、不条理劇とも取れるものだという。

ただでさえ英語の壁があるのに、そこに分かりにくさが加わってはお手上げだ。観るのやめようかとも思ったが、何事も経験である。年明けには東京でも岡本健一主演で上演されるといから復習はできそうだ。そして調べたら、予習の道も開けた。脚本がペーパーバックとして売られていたのである。さっそくアマゾンで注文。

到着したのは薄い本(そっちの薄い本ではない)だった。しかも脚本だから長い文章もなく、読みやすい。これなら楽勝、と思って読み始めたが、楽勝なのは最初だけで、どんどん「?」なやりとりが出てくる。セリフもどんどん長くなる。詩のような抽象的な表現も多くなり、さらには詩そのものも多用されている。英検4級の実力をいかんなく発揮して辞書を引きながら繰り返し読むが、さっぱり分からない。

というわけで「どうせ日本語で観ても訳わからないだろう。だったら英語で観ても同じだ」と開き直って劇場へ。

このサークル・イン・ザ・スクエア」は、今はなき青山円形劇場のような作り。大きさもちょうどそんなもの。きわめて演劇的な空間だ。ちなみにこの劇場は「ウィキッド」がロングランされている大劇場、ガーシュイン劇場と同じ建物の地下にある。青山劇場と青山円形劇場のような関係だと思ってくれればいい。

中に入ると、コンパクトな空間にぎっしりと席が並び、その中央に舞台がしつらえられ、観客は3方向から見つめる形になる。最前列と舞台の間は数十センチ。AKB劇場の最前と舞台との距離よりも近い。

実に演劇的な空間。もうそこにいるだけでテンションが上がってくる。

やがて開演。脚本を読んで想像していたとおり、流れる川の音に乗せて、静かに男女3人の物語が始まる。軽口をたたく場面では笑いも起き、意外に重い雰囲気にはならない。そこにはヒュー・ジャックマンのパーソナリティーも影響しているのだろう。

そして、その明るいキャラクターが、物語が進んで展開がナゾめいてくると、別の効果を発揮してくる。だんだん「訳の分からないヤツ」に見えてきて、それがいっそうナゾな雰囲気を深めていくのだ。ハリウッドスターのオーラと、鍛え上げられた筋肉隆々のボディーを身にまといながら、淡々としたセリフと「静」の演技だけで観客にアピールする。そこに凄まじい気迫すら感じられる。

全体像が把握できないまま、時折笑いも交えながらセリフのやりとりだけが延々と続く雰囲気は、どこか「スルース(探偵)」にも似てるな、などと感じながら観ていた。

確かに難解で、けっきょく最後まで訳がわからなかったのだが、脚本を読んだときに全く気付かなかった、ある要素が用意されていた。これは驚いた。それが今回の公演での演出なのか、もとからそうなのかは分からない。しかし、これによって、演劇というものが脚本だけに規定されるものではないことを改めて理解した。

ヒュー・ジャックマンという役者の深みを目の当たりにして、ますますファンになってしまったが、この「ザ・リバー」という作品にも大いに関心が出てきた。2月の岡本健一の舞台、観に行こうっと。南沢奈央も出るしね!

この「サークル・イン・ザ・スクエア」という空間も最高だった。久しぶりにまた演劇らしい演劇を観たくなった、というのも南沢奈央の次ぐらいに2月の舞台を観に行きたくなった理由のひとつだ。

そして同じ建物にあるガーシュイン劇場では、ブロードウェイの中でも一、二を争うキャパシティーを誇る空間を、ウィキッドが10年以上も埋め続けている。この2つの劇場の関係性がまた素晴らしい。

一方で、多くの名作を生み出してきた青山劇場と青山円形劇場は、年明けに閉館が決まっている。

1972年オープンの劇場で、21世紀最大のヒット作を上演し、同じ建物にある実験空間にハリウッドスターが出演する国と、1985年オープンの劇場を「老朽化したから」と閉鎖する国。

その違いは、資本のことだけではあるまい。われわれ観客を含めた演劇、エンターテイメントにかかわるすべての人に突き付けられた課題として、大いに考え直す必要がある。

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ザ・リバーのウェブサイト
http://theriveronbroadway.com/

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The ILLUSIONISTS(ザ・イリュージョニスト)

12/28 11:00
MARQUIS THEATRE

一度、米国でマジックショーを観てみたいものだと思っていたが、ちょうど泊まっているMrriott Marquis併設のシアターで上演されていたのでチケットを予約した。この劇場は3回目。一度目は、さんざん自慢しているけどジュリー・アンドリュースが出演した「ビクター・ビクトリア」。2回目は2012年の「エビータ」。リッキー・マーチンがチェを演じたやつだ。

「エビータ」
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2012/12/evita-52ec.html

このThe ILLUSIONISTは、それぞれ技も個性も異なる7人のマジシャンたちをそろえてユニット化し、世界各地で公演を続けているもの。人気は高く、今回の公演も発売週の売上は相当なものになったとPlayBillが伝えていた。欧米ではマジックショーはエンターテイメントの大きなジャンルのひとつだ。

それにしてもマジックショーなんて観るのは、90年代に東京国際フォーラムでデビット・河童―フィールドを観て以来だ。わくわくして開演を待つ。するといわゆる「前説」が始まった。今後、同じ構成を観る人もいるかもしれないので詳しくは書かないが、この前説からいきなり面白い。そして幕が上がると、7人が音楽に乗って入れ代り立ち代り次々に技を披露する。この前説からオープニングの流れで一気に引き込まれた。

続いてそれぞれのソロタイムに。ずっと観客と喋りながら技を見せる人、音楽に乗ってパフォーマンスする人など演出も全く異なる。客いじりあり、胴体切断あり、CGなどのテクノロジーあり、命がけの脱出ショーあり、カードを使った細かいマジックあり、とにかく飽きさせない。

7人はそれぞれ著名な実力あるマジシャンだが、このユニットでは「The Manipulator」「The Warrior」「The Trickster」といったようにコードネームが与えられている。古きよき時代の刑事物や「ザ・ハングマン」などを観て育った世代には、これだけでわくわく感倍増である。構成が実にうまい。

マジックは、基本的な技を鍛錬によって継承しつつ、錯覚や数々の演出を取り入れ、新たな感動を作り出していくエンターテイメントだ。その「見せ方」の工夫は無限大。そこには演劇やミュージカル、コンサートなど、他のライブエンターテイメントにも生かせる知恵と技とが凝縮されている。このマジックが、日本であまり大きなジャンルにならないのは何故だろうか?そこに、日本という国におけるエンターテイメントに対する考え方の違いがあるような気がしてならない。

そこはちょっと時間をかけて考えてみよう。とりあえず、今後は積極的にマジックを観に行こうと決心した。

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ザ・イリュージョニストのウェブサイト

http://www.theillusionistslive.com/

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2014 Radio City Christmas Spectacular(ラジオシティ クリスマス・スペクタキュラー 2014)

12/28 9:00
Radio City Music Hall

ニューヨーク2日目、きょうは体力の限界に挑む日だ。1日に5本もの舞台を観る予定である。

1本目は恒例、ラジオシティ・ミュージックホールのクリスマス・スペクタキュラーだ。季節感あふれるショウは何度観ても楽しい、というのは言い訳で、当然ロケッツのお姉さん目当て。

ちなみに4回目。

2012年
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2012/12/2012-radio-city.html

2010年
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2010/12/2010-radio-city.html

2006年
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2006/12/2006_radio_city_aa21.html

基本的な構成はほぼ同じだが、少しずつ変化もある。その微妙な変化を見つけつつ、麗しいお姉様たちをニヤニヤ笑いながら眺めるのがこのショウの正しい鑑賞方法だ。

2年前のときは、後半のクリスマスプレゼントのくだりが、立体映像を使ったものになっていたが、それはなくなっていた(冒頭にも立体映像があるが、それは継続)。それにしても、くるみ割り人形のときのあの可愛くないぬいぐるみ、いつまで使い続けるんだろう。

今回は、ショウの内容よりもチケット面で大きな変化があった。昨年からなのかもしれないが、Eチケットの導入である。

ブロードウェイのショウはだいたいチケットマスターかテレチャージが扱っているが(日本のように複数のエージェントが扱うのではなく、どちらかが独占)、テレチャージが数年前からPDFのEチケット化を進めているのに対し、チケットマスターではその導入が遅れていた。テレチャージは舞台が中心だが、チケットマスターはスポーツやコンサートがメインなので、そのあたりの違いだろう。

しかし、チケットマスターも公演によってEチケットの導入を始めたようで、この公演も対象となっていた。

これまではチケット受け取り→入場列に並ぶ、という手順だったが、何しろ人が多いので大混雑している。受け取りが省略できるだけでもありがたい。入場列は劇場の外に作られ、それなりに長い時間待たなくてはいけない。じゃあぎりぎりに行けばいいんじゃないかと思うかもしれないが、それだと開演に間に合わない恐れがある。実際、始まってからもどんどん人は入ってくる。

このショウは撮影OK。とはいえ周囲の迷惑にならないようにするのは当然のマナーなので、カメラ構えっぱなしというわけにはいかない。

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日本でこのショウがあったら、ロケッツ目当てのカメラ小僧たちで前列ぎっしりになりそうだが、お国柄だろうか、オタクとリア充の生息地がきっちりしているのか、あまりそういう人も見当たらない。春にスプリング・スペクタキュラーというショウを上演するそうだから、ロケッツ人気はそれなりにあるのだろうが、運営側もあおったりはしないのだ。ロケッツ総選挙とか、やってほしくないものだ。

自分が観た第1部の開演は朝9時。ショーを観る時間じゃないよな。なんばグランド花月の土日公演は9:45開演なので、9:30には前説が始まるが、もっと早い。NGKで朝いちばんの回を観たとき、海原やすよ・ともこが「人が笑う時間じゃないでしょ」と話していたが、本当にその通りだと思った。

ラジオシティ クリスマス・スペクタキュラーのウェブサイト
http://www.radiocitychristmas.com/

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2014年12月27日 (土)

NIPPORI (日暮里)

前回、とてもおいしくいただいた「ラーメン 田端」。その新店がオープンしたというので足を向けてみた。

その名も「NIPPORI」。

もうそれだけで嬉しくなるネーミングだ。ニューヨークで人気の店が、渋谷とか麻布とかじゃなくて、田端とか日暮里とか、最高。

(前回のエントリー)
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2012/12/tabata-noodle-0.html

「田端」はそのまんま日本のラーメン店、街の中華といった雰囲気だったが、いまニューヨークでブームになっているラーメンの店は、ちょっとおしゃれな若者向けのカジュアルレストラン、といった感じが多いようだ。NIPPORIはそっちのカテゴリーである。

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店に入ると、日本語を話さないスタッフも「いらっしゃいませー」「ありがとうございましたー」と元気よくあいさつ。いい雰囲気だ。日本人のスタッフも常時いる模様で、気軽に話しかけてくる。

メニューも、ラーメンだけでなく、寿司や天ぷらなどが並ぶ。値段も他の店同様、ちょっと高め。もっともニューヨークは何でも高い。

表の看板に「今日のおすすめ」が書いてあったのだが、何と!レバ刺しがあるではないですか。

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もう日本では食えなくなったレバ刺し。うひょー食べたい!と思ったが、ここは海外である。カキで当たった話とか、さんざん聞いている。

でも、食べたい。いや、食べんでどうする!というわけでチャレンジャーに。

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出てきたレバ刺しは、最初解凍が十分ではなくちょっとシャリシャリしていたが、味はりっぱなもの。生臭くもなく、ニンニクも添えられている。いやーうまい!

日暮里ラーメンも食べてみた。これは田端ラーメンと同じ、ミャンマー出身の主人が考案した、ココナッツミルクの入ったアジアンテイストのラーメン。これがとってもおいしくて、また食べたいとずっと思っていた。

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海外で生ものはリスク大きすぎるが、レバ刺しが食べたくなったら「日暮里」へどうぞ。責任はとりませんけど。でも俺はまた来てしまうと思う。

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「日暮里」と書かれたシャツはお客さんが作成したものだそうで、非売品。ほしかった。暗くてちょっとわかりずらいが、その左にあるオリジナルTシャツは12ドルで販売中。

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The Book of Mormon (ブック・オブ・モルモン)

12/27 20:00
Eugene O'Neill Theatre

2本目はブック・オブ・モルモンである。2012年末のひとり合宿では、最も印象の強かった作品だ。

そのときのエントリーはこちら
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2012/12/the-book-of-mor.html

2011年にトニー賞総なめにした人気作で、2012年になってもその人気は衰えずチケット確保に苦労したが、それから2年経ってもまだその勢いは圧倒的。ホリデーシーズンということもあり1階席のかなりの部分をプレミアムシートに指定し、400ドル以上の高額で販売していた。とてもそんな値段では買えないので、3カ月ほど前にノーマル席を購入しておいた。

21世紀に入ってからのブロードウェイでは、ウィキッド、マンマ・ミーアに続く大ヒットと言えるのではないだろうか。

幕が上がってからフィナーレまで、ノンストップの爆笑ヒットパレード。英語が分からなくても十分に可笑しさが伝わるマジック。もちろん分かればもっと面白いはずだ。かなり下品だし、モルモン教徒の方には一部の人を除いて不興を買うのは確実だが、なんとなく人間賛歌になっているあたりは、さすがというか、ギリギリの線で踏みとどまっている。

笑いについては多くの人が挙げているので今更強調するまでもないのだが、この作品、実は音楽もいいのである。陽気で小気味いいナンバーの数々が毒のあるネタをまろやかに仕立ててくれている。

手掛けたのは、いまブロードウェイで最も人気のある作曲家、ロバート・ロペスだ。今はアベニューQの実績よりも、みんなの大好きな「アナと雪の女王」の作曲を手掛けている人だといえば分かりやすいだろう。あの作品がなぜこんなにヒットしたのかについては数多くの評論家の先生たちが分析なさっているが、ロバート・ロペスやイディナ・メンゼルの功績を挙げる人がいなくて残念だ。

曲がいい作品は何度観ても飽きない。しばらくロングランは続くだろうから、これからも来るたびに足を運びたい公演だ。そのためにもヒアリング能力鍛えなきゃな。

それにしてもこのユジーン・オニールシアターは2009年までやはりトニー賞受賞作の「Spring Awakening(春のめざめ)」を上演してたし、持ってる劇場だ。実験的な作品をかけるのにちょうどぴったりの規模でもある。Spring Awakening観たときのエントリーはこちら。懐かしい→ http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2008/12/spring-awakenin.html

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The Book of Mormonのウェブサイト
http://bookofmormonbroadway.com

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Matilda the Musical (マチルダ)

12/27 14:00
Shubert Theatre

さて、2年に一度の年末ひとり強化合宿。1本目は「マチルダ」である。「チャーリーとチョコレート工場」で知られるロアルド・ダールの児童文学をかの有名なロイヤルシェイクスピアカンパニーが舞台化したものだ。好評を博して2011年からウエストエンドでロングラン開始、大ヒット作となった。

前回(2012年)来たとき、すでに2013年にブロードウェイでの開幕が発表されており、注目を集めていた。トニー賞の大本命かな、と思っていたがフタを開けてみれば「キンキー・ブーツ」の総取り。やはりロンドン発の作品に賞を出すのは、ブロードウェイ関係者にとってA.L.ウェバー&キャメロン・マッキントッシュによっていいようにやられていた80年代~90年代を思い出させるのだろうか?

原作は児童文学とはいえ、「チャーリーとチョコレート工場」の映画を見ても分かるように、そのシニカルな語り口は多分に大人の読者を意識している。「マチルダは小さな大天才」というタイトルで日本語訳も出ており、今回の遠征にあたり予習しておいた。他愛のないストーリーながら、翻訳もうまいのか、なかなか引き込まれる話だった。

ちなみに96年にダニー・デビートの手により映画化されている。それを観ようと思ったのだが、DVDが出ていないので断念、原作を読むことにした。児童文学に久しぶりに触れたのはちょっと楽しかった。

さてミュージカル版「マチルダ」だが、まずその魅力は何と言っても元気な少年少女たちのすがすがしい演技につきる。そして、面白いことに大人のアンサンブルも何人かまじっている。これはこの作品が子供だけをターゲットにしているものではないことを示すとともに、大人の観客を照れることなく児童文学の世界に引っ張り込むナビゲーターの役割を果たしている。

基本、笑わせる場面が多いのだが、大声で叫ぶパターンが多すぎて、個人的にはやや乗り切れなかった。どうもイギリス人の攻撃的なユーモアセンスが悪い方向に出てしまった感がある。

宣伝の写真にも使われている、ブランコを使ったシーンなど、とてもよい演出も随所に観られただけに、そっちに力を入れて欲しかった。

原作の、マチルダやミス・ハニーの魅力は十分に出ていたと思うが、底流にある彼女たちの不幸が、演技からあまり伝わってこなかったのも気になる。もっとも、それは自分の英語力のなさに依るところが大きいのだろうが。

全体的にどうもウス味に感じられてしまったのは、楽曲があまり強く印象に残らないせいもあるかもしれない。CDを買ってきたので、何度か聴きこんで再検証したい。

ちょっと物足りない感想にはなってしまったが、この作品の世界観が好きな人は絶対に足を運ぶべきだと思うし、到着してすぐだったので疲れでこちらの受容する力も弱かった可能性がある。観て苦にならない作品であることは間違いないので、機会があったらまた観てみよう。そのうちワールドツアーも来るかもしれないし。

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Matilda the Musicalのウェブサイト
http://www.matildathemusical.com/

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Go Go Curry ふたたび

2008年以来、久しぶりのゴーゴーカレー。

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(前回のエントリー)
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2008/12/gogo-curry-c3fc.html

らっきょうを頼んでみたところ、そのまま皿に乗せられた。トッピング感覚のようだ。

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2014年12月20日 (土)

ニューヨーク2014

2年ぶりのニューヨーク。暖かくて何より。

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マリオット・マーキースに、先日ニュースになっていた4Kデジタルサイネージが掲げられていた。三菱電機製。とにかく高精細で、静止画を表示しているときはペイントにしか見えない。そう思わせて動かす、といったコンテンツ作成のセンスが問われる。

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