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2012年12月30日 (日)

The Book of Mormon(ブック・オブ・モルモン)

30日 19時
Eugene O'Neill Theatre

20121231_083246

昨年のトニー賞受賞作、「ブック・オブ・モルモン」は、いまだにブロードウェイで上演されているミュージカルの中でも、ぶっちぎりの人気を誇っている。実は昨年末もニューヨーク行きを検討していたのだが、2カ月前ほどにチケットを買おうとしたところ「半年先まで売り切れ」状態だった。今年はさすがにそんなこともないだろうと思ったら、7月ごろにアクセスしたところ売り切れ日が続出。あわてて押さえた。ニューヨーク行きを決意したら、ホテルより航空券より早く手配すべきものはブックオブモルモンのチケットである。

この作品は大ヒット作「アベニューQ」を創りあげたスタッフの手によるもので、テイストもかなり共通している。危険球勝負の笑いを次々とたたみかけてくる、あの手法だ。

ということは、当然英語力も必要になってくる。アベニューQのときは、俺の英語力ではせっかくの舞台が楽しめないに違いない、と敬遠し続け、結局昨年の来日公演で初めて観ることになった。しかし、ブックオブモルモンはあまりにも話題が大きいので、チケット購入に踏み切ったのだ。

幕が上がると、いきなり容赦ない爆笑シーンだ。序盤は英語が分からずとも、モルモン教のなんたるかを知っていれば(教義ではなく、その社会的なイメージだけでいい)十分におかしい。結末にいたるまでのストーリーもだいたい把握できる。

もっとも会場は1分に1回、場合によってはそれ以上のペースで爆笑に包まれる。残念ながら自分はその20分の1も理解できなかった。

だが自分の英語力のなさをなげくよりも、とにかくオモシロイ舞台を観ているんだ、という満足感が上回り、自分のように英語がニガテな人も臆せずトライするのがおすすめだ。くれぐれも、チケットはお早めに。

確かにぎりぎりの、攻撃的なギャグは多い。モルモン教に真剣に学んでいる人は怒りを覚えるかもしれない。それでも「アベニューQ」同様、終演後に残るのは誰かを攻撃してやった、という後味の悪い爽快感ではない。どこか温かな、安らかな気持ちにさせてくれる。

「差別」を主な題材にしたアベニューQには、最終的に「差別に反対してもなくならない。むしろ差別することも含めて、人間、そして社会をまるごと受け入れよう」という前向きなメッセージが、決して押し付けがましくない形で含まれている。

同じように、ブックオブモルモンは「宗教」について考える機会を提供する。モルモン教を否定するものでもなければ、宗教を否定するものでもない。むしろ、それがいかに楽しいものか、人を、社会を豊かにしてくれるものかを声高に歌い上げる。そして、そんなに楽しいものなのだから、宗教によって苦しんだり、争ったりするのはやめよう、とやさしく語りかけてくれる。その口調はあくまでシニカルではあるが。

もっとも、そのようにテーマについてあれこれ考える必要はもちろんない。ただ大笑いして、言葉が分からなくてもカッコいい音楽に身をゆだねれば、それで十分幸せな気持ちになれる。

いずれはこれも、ぜひ日本公演を実現してほしい。が、何年かかるか分からないので、むしろ英語を猛勉強したほうが早いかもしれない。

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コメント

制作スタッフはAvenue Qもそうですが、South ParkのParker/Stoneの二人組がメインですね。この二人、South Parkがブレイクした頃にOrgazmoという映画を作っているんですが、この映画もモルモンの宣教師が主人公だったりします。

サントラしか聞いてないんですが、South Parkでもおなじみの小学生が考えたような下ネタで散りばめられていていいですね。

1999年のSouth Parkの映画もミュージカルですがよくできていると思います。

投稿: kunedog | 2013年1月18日 (金) 23時38分

おかげでモルモン教にかなりくわしくなったよ。

投稿: ヤボオ | 2013年1月19日 (土) 00時49分

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