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2012年12月29日 (土)

Newsies(ニュージーズ)

29日 20時
NEDERLANDER Theatre

20121230_122850

今回の旅行の目玉といってもいい、ニュージーズ。前回ニューヨークに来たとき、レ・ミゼラブルツアー版を観たニュージャージーのペーパーミル・プレイハウスで昨年秋に短期間の公演を行い、そこで評価を得てブロードウェイで開幕。当初は期間限定という触れ込みだったが、すでに無期限ロングランに入った。ブロードウェイでも好評なのだろう。

原作は1992年公開の映画で、日本では未公開。DVDは購入できる。バットマンになる前のクリスチャン・ベイルや宇宙人と戦う大統領になる前のビル・プルマンらが出ている。すでにこの映画がミュージカルとして作られており、作曲はアラン・メンケン。リトル・マーメイドと美女と野獣の間に位置するわけで、彼のアブラののった時期に作られた楽曲の数々は素晴らしい。

ディズニーでは、美女と野獣以前から劇場進出が議論され、なかなか結論が出なかったと聞く。おそらくこの作品も、その議論に関係して制作されたものではないかと想像したくなる。

満を持して舞台化されたわけだが、「ライオンキング」や「美女と野獣」のように、莫大な予算をかけて作られた感じはない。「ターザン」は興行的に、「リトル・マーメイド」は作品として失敗したのを受け、ディズニーミュージカルもより手堅くスマッシュヒットをねらう制作体制を取り入れつつあるのだろう。

物語はこんな感じ。新聞配達の少年たちは新聞社から買い取り、それを売って生計を立てているが、ある日新聞社(ピュリッツアー率いるザ・ワールド)が希望小売価格そのままで卸値を上げたことから、それでは生活ができない、と少年たちが立ち上がりストライキに及ぶというものだ。映画版もさほど複雑な話ではないが、この舞台はさらに話を単純にしている。人物関係も少し変わっており、たとえば映画でビル・プルマンが演じた新聞記者は女性になって、彼女がヒロインの座に座っている。

ストーリーをシンプルにし、徹底してボーイズのカッコいい群舞を見せる。それがこの作品の明確なコンセプトだ。それぞれが強みを生かし、バレエのような動きやアクロバット、タップダンスに肉体美などなど、これでもかというほど「元気なオトコ」をアピールしてくる。

だから女性や、女性ならずとも男性が好きな人、あるいは男の群舞が好きという人にはおすすめ。自分はそのいずれでもないけど、理屈抜きに威勢の良さが舞台から伝わってくるので、観ていて実に楽しかった。眠くなりそうなシーンも少ない。でもとにかく男度200%なので、覚悟して行ったほうがいい。ミニスカートどころか、そもそも女性の登場人物が極めて少ないのだ。

すでに地元でリピーターを獲得している様子で、客席も大いに沸いていた。何度かショーストップになるほどだ。チケットの売れ行きを観る限り、入手困難というほどでもないが、まだしばらくロングランしてくれるのではないか、という期待も起こる。

ロビーではグッズショップが「News Stand」になっていたり、いわゆるスーベニア・プログラムが新聞のような体裁になっていてNewspaperならぬ「Newsies Paper」として販売されているなど、遊び心もいっぱい。いまブロードウェイで最も熱い作品のひとつと言えるだろう。

ひとつ面白かったのが、この日の昼に観た「アニー」といろいろ共通項があるということ。どちらも舞台はニューヨークであり、(さらに言えば、前日夜観たスパイダーマンもニューヨークだ)、アニーは貧しさの中でも前向きな姿勢を失わない少女たちが、ニュージーズでは貧しさの中でも強く生きようとする少年たちが主役。そしてどちらにも「ルーズベルト」氏が登場。アニーのルーズベルト大統領はフランクリン・ルーズベルトで間違いないが、ニュージーズのルーズベルト州知事は時代的にセオドア・ルーズベルトだろう。たぶん。この2作を同じ日に観られたのも、何かの縁かもしれない。

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