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2012年12月31日 (月)

ニューヨーク小ネタ

厳寒の中、朝早くからチケッツには多くの人が並ぶ。
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デジタルサイネージに関しては日本は完全に遅れを取っていることを実感。タイムズスクエアのこの巨大サイネージは、ときどきカメラで道行く人を映し出している。俺もいる。
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ロックフェラーセンターのクリスマスツリー前は定番の記念撮影スポット
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今回はローミング対応したガラケーのほか、7インチタブレットと、キャリア解約したスマホを持参したので、ベライゾンのモバイルWifiルーターをレンタルした。筺体は小さく、電池も日本のXi端末より持ちがいいように感じた。少なくともミッドタウンではずっとLTEに接続されていたので写真のアップロードも早い。便利だった。
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ガラケーの安定感も捨てがたい。
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毎回、各種のプリントアウトを目立つクリアファイルに入れていくのだが、今回はこれ。
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2012年12月30日 (日)

Fuer zabruta(フエル サブルータ)

30日22時
Daryl Roth Theatre

2年前に観たFuer zaburutaは、当時間もなく終了するという話があったが、その後もロングランが続いている。どうやらワールドツアーは並行して行われているようだ。

「Villa Villa」の宙づりで世界的に有名になったアルゼンチン出身のパフォーマンス集団「De LaGuarda」。このショーでは宙づりに替わり、「水」を使った演出で観客を熱狂させている。厳寒のマンハッタンで、この独特な空間だけは異様な熱気に包まれている。

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非常に幻想的でもあるが、もちろんそれだけでは終わらない。今度こそニューヨークでの公演は終わるという情報もあるが、いずれはワールドツアーも日本に来るはずだ。観る機会があったら、ぜひこのアバンギャルドを突き抜けた異次元パフォーマンスを体験してほしい。

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The Book of Mormon(ブック・オブ・モルモン)

30日 19時
Eugene O'Neill Theatre

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昨年のトニー賞受賞作、「ブック・オブ・モルモン」は、いまだにブロードウェイで上演されているミュージカルの中でも、ぶっちぎりの人気を誇っている。実は昨年末もニューヨーク行きを検討していたのだが、2カ月前ほどにチケットを買おうとしたところ「半年先まで売り切れ」状態だった。今年はさすがにそんなこともないだろうと思ったら、7月ごろにアクセスしたところ売り切れ日が続出。あわてて押さえた。ニューヨーク行きを決意したら、ホテルより航空券より早く手配すべきものはブックオブモルモンのチケットである。

この作品は大ヒット作「アベニューQ」を創りあげたスタッフの手によるもので、テイストもかなり共通している。危険球勝負の笑いを次々とたたみかけてくる、あの手法だ。

ということは、当然英語力も必要になってくる。アベニューQのときは、俺の英語力ではせっかくの舞台が楽しめないに違いない、と敬遠し続け、結局昨年の来日公演で初めて観ることになった。しかし、ブックオブモルモンはあまりにも話題が大きいので、チケット購入に踏み切ったのだ。

幕が上がると、いきなり容赦ない爆笑シーンだ。序盤は英語が分からずとも、モルモン教のなんたるかを知っていれば(教義ではなく、その社会的なイメージだけでいい)十分におかしい。結末にいたるまでのストーリーもだいたい把握できる。

もっとも会場は1分に1回、場合によってはそれ以上のペースで爆笑に包まれる。残念ながら自分はその20分の1も理解できなかった。

だが自分の英語力のなさをなげくよりも、とにかくオモシロイ舞台を観ているんだ、という満足感が上回り、自分のように英語がニガテな人も臆せずトライするのがおすすめだ。くれぐれも、チケットはお早めに。

確かにぎりぎりの、攻撃的なギャグは多い。モルモン教に真剣に学んでいる人は怒りを覚えるかもしれない。それでも「アベニューQ」同様、終演後に残るのは誰かを攻撃してやった、という後味の悪い爽快感ではない。どこか温かな、安らかな気持ちにさせてくれる。

「差別」を主な題材にしたアベニューQには、最終的に「差別に反対してもなくならない。むしろ差別することも含めて、人間、そして社会をまるごと受け入れよう」という前向きなメッセージが、決して押し付けがましくない形で含まれている。

同じように、ブックオブモルモンは「宗教」について考える機会を提供する。モルモン教を否定するものでもなければ、宗教を否定するものでもない。むしろ、それがいかに楽しいものか、人を、社会を豊かにしてくれるものかを声高に歌い上げる。そして、そんなに楽しいものなのだから、宗教によって苦しんだり、争ったりするのはやめよう、とやさしく語りかけてくれる。その口調はあくまでシニカルではあるが。

もっとも、そのようにテーマについてあれこれ考える必要はもちろんない。ただ大笑いして、言葉が分からなくてもカッコいい音楽に身をゆだねれば、それで十分幸せな気持ちになれる。

いずれはこれも、ぜひ日本公演を実現してほしい。が、何年かかるか分からないので、むしろ英語を猛勉強したほうが早いかもしれない。

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Mary Poppins(メリーポピンズ)

30日 13時
New Amsterdam Theatre

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もう4回目になるメリーポピンズ。日本で上演されそうもないから、というだけでなく、この作品にはリピートさせる強烈な魅力にあふれている。

2年前に観たとき(3回目)、メリーポピンズにLaura Michelle Kelly、バートにGavin Leeと、ロンドン初演のオリジナルキャストが再登板していた。が、ちょうど自分が観たときはバート役がアンダーだった。

そのGabin Leeを今回はしっかりと観ることができた。CDでその声はさんざん聞いていたので、同じ歌声をライブで味わえたのは最高に幸せな気分だ。

心に残るメロディー、家族愛という普遍的なテーマ、そしてシンプルな物語。それを圧倒的な資金と労力で完成度の高いミュージカルに仕立てた功績は高く評価されるべきだ。しかし、その完成度の高さゆえに、日本での上演はなかなか期待しにくい状況にある。

四季もリトル・マーメイドなんぞ買ってる余裕があったらぜひこちらに手を伸ばしてほしいものだが、恐らくブロードウェーで失敗したリトル・マーメイドと、ディズニー&キャメロンマッキントッシュとい2大銭ゲバが絡み、しかも舞台装置などの製作コストも相当なものになりそうなこの作品とでは、権利の取得にかかるお金も桁ちがいなのだろう。

リトル・マーメイドの上演が、メリーポピンズの権利取得の条件になっていたのなら嬉しいが、今の四季の体力ではそうじゃぶじゃぶとお金を使えることもないだろうし。まだしばらくは、ブロードウェイに観に来るしかないだろう。ま、それを口実にまた来ますよ。

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チェルシー、ハイライン観光

この日の午前中は、現地に住む友人の案内で散歩&ブランチ。ユニオンスクエアから、ハイラインまで歩いた。

ユニオンスクエア。よく晴れて気持ちがいい。寒いけど
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巣箱からリスが顔をのぞかせていた
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ユニオンスクエアから西へ歩くとチェルシー。古い街並みが残っている
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おしゃれな街に変貌した、ミートパッキング・ディストリクトにあるチェルシーマーケット。そこで朝からロブスターをいただく。スシも一緒に
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廃線の高架鉄道跡を利用した公園、ハイラインへ
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古い建物にウホッな看板。この地区を象徴するひとこま
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2012年12月29日 (土)

Newsies(ニュージーズ)

29日 20時
NEDERLANDER Theatre

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今回の旅行の目玉といってもいい、ニュージーズ。前回ニューヨークに来たとき、レ・ミゼラブルツアー版を観たニュージャージーのペーパーミル・プレイハウスで昨年秋に短期間の公演を行い、そこで評価を得てブロードウェイで開幕。当初は期間限定という触れ込みだったが、すでに無期限ロングランに入った。ブロードウェイでも好評なのだろう。

原作は1992年公開の映画で、日本では未公開。DVDは購入できる。バットマンになる前のクリスチャン・ベイルや宇宙人と戦う大統領になる前のビル・プルマンらが出ている。すでにこの映画がミュージカルとして作られており、作曲はアラン・メンケン。リトル・マーメイドと美女と野獣の間に位置するわけで、彼のアブラののった時期に作られた楽曲の数々は素晴らしい。

ディズニーでは、美女と野獣以前から劇場進出が議論され、なかなか結論が出なかったと聞く。おそらくこの作品も、その議論に関係して制作されたものではないかと想像したくなる。

満を持して舞台化されたわけだが、「ライオンキング」や「美女と野獣」のように、莫大な予算をかけて作られた感じはない。「ターザン」は興行的に、「リトル・マーメイド」は作品として失敗したのを受け、ディズニーミュージカルもより手堅くスマッシュヒットをねらう制作体制を取り入れつつあるのだろう。

物語はこんな感じ。新聞配達の少年たちは新聞社から買い取り、それを売って生計を立てているが、ある日新聞社(ピュリッツアー率いるザ・ワールド)が希望小売価格そのままで卸値を上げたことから、それでは生活ができない、と少年たちが立ち上がりストライキに及ぶというものだ。映画版もさほど複雑な話ではないが、この舞台はさらに話を単純にしている。人物関係も少し変わっており、たとえば映画でビル・プルマンが演じた新聞記者は女性になって、彼女がヒロインの座に座っている。

ストーリーをシンプルにし、徹底してボーイズのカッコいい群舞を見せる。それがこの作品の明確なコンセプトだ。それぞれが強みを生かし、バレエのような動きやアクロバット、タップダンスに肉体美などなど、これでもかというほど「元気なオトコ」をアピールしてくる。

だから女性や、女性ならずとも男性が好きな人、あるいは男の群舞が好きという人にはおすすめ。自分はそのいずれでもないけど、理屈抜きに威勢の良さが舞台から伝わってくるので、観ていて実に楽しかった。眠くなりそうなシーンも少ない。でもとにかく男度200%なので、覚悟して行ったほうがいい。ミニスカートどころか、そもそも女性の登場人物が極めて少ないのだ。

すでに地元でリピーターを獲得している様子で、客席も大いに沸いていた。何度かショーストップになるほどだ。チケットの売れ行きを観る限り、入手困難というほどでもないが、まだしばらくロングランしてくれるのではないか、という期待も起こる。

ロビーではグッズショップが「News Stand」になっていたり、いわゆるスーベニア・プログラムが新聞のような体裁になっていてNewspaperならぬ「Newsies Paper」として販売されているなど、遊び心もいっぱい。いまブロードウェイで最も熱い作品のひとつと言えるだろう。

ひとつ面白かったのが、この日の昼に観た「アニー」といろいろ共通項があるということ。どちらも舞台はニューヨークであり、(さらに言えば、前日夜観たスパイダーマンもニューヨークだ)、アニーは貧しさの中でも前向きな姿勢を失わない少女たちが、ニュージーズでは貧しさの中でも強く生きようとする少年たちが主役。そしてどちらにも「ルーズベルト」氏が登場。アニーのルーズベルト大統領はフランクリン・ルーズベルトで間違いないが、ニュージーズのルーズベルト州知事は時代的にセオドア・ルーズベルトだろう。たぶん。この2作を同じ日に観られたのも、何かの縁かもしれない。

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Wolfgang’s Steakhouse(ウルフギャング・ステーキハウス)

せっかくアメリカにいるのだから、本場のビフテキでも食べようじゃないか、とウルフギャング・ステーキハウスのタイムズスクエア店へ。かつて老舗の名店ピーター・ルーガーで働いていた人が開店したウルフギャングは、支店も多い。このタイムズスクエア店は41丁目のニューヨーク・タイムズ本社ビルの1階にある。

この店の自慢はドライエイジドビーフ(熟成肉)のポーターハウスステーキ(Tボーンの中でも、テンダーロイン部分が大きいもの)をいただく。

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日本の高級なステーキは、うまみがあるぶん、「とろけるような味わい」を重視しているので、肉を食ってるぞーという手ごたえ、いや歯ごたえがない。しかしこのステーキはうまみがありながら、しっかり肉を食っているという充実感を与えてくれる。

高級店であることに間違いはないが、気取った感じはなく、店が新しいこともあり明るい内装でカジュアルなムードも漂うので、敷居は低いかも。

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Annie(アニー)

29日 14時
Palace Theatre

この日この時間は、期間限定のリバイバル公演「The Mystery of Edwin Drood(エドウィン・ドルードの謎)」を観る予定だった。でも、このあたりが一番時差ぼけで眠いタイミングだし、英検4級ではちょっときついな、ということで、現地入りしてから変更。泊まっているホテルのはす向かいの劇場ということもあり、急きょアニーを観ることに。

ちなみにエドウィン・ドルードの謎は1986年のトニー賞受賞作。チャールズ・ディケンズの未完の推理小説を原作に、途中で終わっていて犯人が分からないことを逆手に取り、観客に犯人を投票で決めさせて後半の展開を変えるという画期的なアイデアが話題を呼んだ。

で、アニーだ。主演で、ビリー・エリオットにも出演経験のあるLilla Crawfordの評判がよかったので楽しみにしていたが、この日はアンダーの子が出演。体調不良で休んでいたものの、最近復帰したと聞いて安心していたのだが、まあこういうこともある。

物語はおなじみの、生意気な小娘が因業爺さんをたぶらかしてまんまとその財産を手中に収めるというエビータも顔負けの自己実現ストーリー。アメリカ人が大好きな話だ。

アニーだけでなく、子供たちの演技が実に達者で、観ていて飽きさせない。海外の劇場に行って、一度も眠気を感じなかったのは久しぶりのことだ。

ひとつ面白かったのが、ルーズベルト大統領役の人が、なんだか財津一郎みたいな顔だな、と思っていたら、話し方や身のこなしまでそっくりだった。会議の席でいきなり「アメリカ経済はヒジョーにキビシーッ!」とか「ニューディールしてチョーダイ!」とか言いそうだった。財津一郎は日本語版アニーに出演しているので、きっとその舞台を観てリスペクトしたに違いない。なんてこともないだろうが。

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The Burger Joint(バーガージョイント)

マンハッタンで行列のできるグルメバーガーの店はいくつかあるが、そのうちのひとつがこの「バーガージョイント」。パーカー・メリディアンホテルの1階にあるが、ちょっと入り口が分かりにくい。ホテルの正面入り口を入り、左側に細ーい隠し通路のようなものがあるのでそこを入る。つきあたりにバーガーの電飾があるのでそれが目印だ。

かつては各国語のオーダー用紙が用意されていたようだが、今はラックがあるだけで紙はない。カウンターで注文するのだが、オーダー方法をかなり分かりやすい英語で書いた紙が大きく張り出されているので、それに従って注文する。

1)ハンバーガーか、チーズバーガーか
2)焼き方(ミディアムとか言っとくのが無難)
3)野菜や調味料など何をはさむか(レタス、トマト、オニオン、ピクルス、ケチャップ、マヨネーズ)→入れるものをぜんぶ列挙する

とりあえず一気に「「チーズバーガー、ミディアム、レタス、オニオン、マヨ」と言ってみたら、ちゃんと通じた。「他に何か?」と聞かれたので「フレンチフライ」とひとこと。

すると名前を聞かれるので、本名を言ってもいいし、米国人には聞き取りにくい名前だと思ったら適当な名前を言う。お金を払い、そのへんで適当に待っていると、名前を呼ばれて出来上がりを渡される。袋に入っているので、店内で食べてもいいし、持ち帰ってもいい。ただし、店内はとっても狭い。

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自分はホテルまで持ち帰ったので、すっかり冷めてしまったが、チーズバーガーもフライドポテトもすこぶるうまかった。


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Wicked behind the emerald curtain(ウィキッド バックステージツアー)

27日 14時
Gershwin Theatre

前回来たときにその存在を知ったウィキッドのバックステージツアー。しかし月に数回しか行われておらず、日程が合わなかった。今回はラッキーなことに滞在中の開催。参加しない手はない。

バックステージツアーといっても、実際に舞台に上がれるわけではない。ウィキッド出演経験のある2人のお兄さんが、劇場の構造や衣装についてハイテンションに説明してくれるのと、映像の上映がメインだ。

朝10時スタートで、9時半すぎから入場開始。行くと劇場ロビーの一角(行った人は分かると思うけど、トイレの手前にあるホール)に、数々の衣装が飾られている。写真撮影はもちろんOKだし、触ることもできるが、怒られそうだから触らない。

グリンダ様の衣裳。
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オズの住人の衣裳。
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一番人気はこれ、オリジナルのエルフィー、イディナ・メンゼルが着用した衣装だ。
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オペラ座の怪人にインスパイアされている、マダム・ネッサローズのタンス
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マスクいろいろ
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時間になると劇場の中へ誘導され、自由に座る。意外に参加者は多くて、200人近くいたんじゃないかと思う。

まず2人が登場して、漫談をスタート。ひとりはJerad Bortzさん。かつてアンサンブルで出演し、フィエロのアンダーも務めていたそうだ。もう一人の名前は確認できなかった。

非常にはきはきとした聞き取りやすい英語で(意味は分からない)、大いに会場を盛り上げる。まだ朝10時だというのに!なんばグランド花月では、土日は9時40分から第一部がスタートするのだが、そんな雰囲気だ。

ひとしきり話を聞いたあとに、2グループに分かれて1つのグループはさっきの衣装展示のスペースへ移動。もう1グループは劇場内に残り映像を観る。

衣装について、説明するBortzさん

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ディラモンド?先生も登場

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2つのグループが入れ替わり、全員が映像を観終わると今度は2人が劇場の構造を解説してくれる。吊り物をはずしたステージが見られるのはなかなか貴重。続いて質問コーナー。「グッドクエスチョン」を連発しながら、なごやかに質疑応答が進む。どんな質問にも真摯に、笑いをまじえて答えてくれる姿勢に大いに好感を持った。

トータル90分ほどで終了。その後ロビーで2人はずっと会話やサイン、写真撮影に応じていた。

また、売店も営業している。2人の話からは、たとえ英語がよく分からなくても「ウィキッドがいかに魅力的な作品か」がひしひしと伝わってくるので、自然とカスタマーロイヤリティーが上がるのだろう。多くの人がグッズを購入していた。自分は、いつもどうしようかなあと思って買わなかった「グリムリーブック」をつい買ってしまった。ウィキッドについてのさまざまな資料を集めた特集本のようなものだ。なぜいつも迷っていたかというと、高いこともあるが(50ドル)、非常に重いのだ。なにしろグリムリーだからね。でも買っちゃったので、荷物がまた増えることが決定。

このツアー、英語が分からなくても特に困ることはないので(指示が分からなかったり、強制的に話をさせられたりとか)はないので、英語の苦手な方も気軽に参加してはどうかと思う。それまで以上にウィキッドが好きになることは確実だ。

 

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2012年12月28日 (金)

Spider-Man Turn Off the Dark(スパイダーマン)

28日 20時
Foxwoods Theatre

2年前、貴重なプレビューを目にすることができた「Spider-Man Turn Off the Dark」。その後、不評を受けて演出のジュリー・テイモアが事実上の解雇。大幅な手直しをしてグランドオープンとなったわけだが、その正式公開版をやっと観ることができた。

まず、前回のエントリーはこちら。その続きとして書きます。
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2010/12/spider-man-turn.html

ここからネタバレになるので、予備知識なしで観たい人はブラウザーを閉じてください。

前回のエントリーを大雑把にまとめると、

・1幕は娯楽性重視で、空中戦がスゴい
・2幕は脚本重視で、ジュリー・テイモア節が炸裂
・ジュリー・テイモアがやりたかったことに、予算その他が追いつかなかった(推測)ために、2幕が中途半端なものになっていた

ということで、今後の希望としては

・ぜひ正式公開前に手直ししてほしい
・できれば、ジュリー・テイモアにもっと好きなようにやらせてみてほしい。それが無理なら、1幕のテイストを全編に広げて盛り上げてほしい

とえらそうに書いていた。

きょう観て、自分の希望はほとんどそのままかなえられていたことが分かった。演出は大幅手直し、そしてジュリー・テイモアが事実上解雇されたため、その手直しの方向性は後者、つまり全体が娯楽性重視となっていた。

プレビュー版では「真の敵」はグリーン・ゴブリンではなくアラクネだったわけだが、公開版ではアラクネはよく分からないチョイ役に甘んじ、悪役はあくまでグリーン・ゴブリンだ。プレビュー版で、装置トラブルで宙ぶらりんになったまま、客席に愛想を振りまいていたお茶目な悪役だが、その雰囲気を舞台上にも取り入れ、客をいじったり、くだらないギャグを言ったり(英語がよくわからなかったけど、みんな笑っていたからそうなんだろう)、と、なんだか遊園地のヒーローショーに出てくる怪人のようである。

そして、アラクネが出番を減らしたように、「分かりにくい」と不評だった部分はごっそり切り取られた。オタク青年が読んでいるコミックの物語を上演する、といういわば劇中劇という構造はきれいさっぱりなくなった。ここは、ちょっと残念である。後半、コミックを読んでいた青年たちが急襲されるシーンには驚きと感動があった。

でもそのシークエンスが消えると、全編にちりばめられた「超える」という演出上のキーワードがぼやけてしまう。二次元的な絵を立体化させて舞台装置にしたり、バンドのギタリストだけは舞台上にいて演奏をしていたり、ということだ。それによって、何かを隔てる壁を突き破ろうとしている、というメッセージを観客に届ける。それが上述の「劇中劇」という言葉の前の「劇」と後の「劇」が融合してしまう、という場面につながっているのだ。しかし新演出版では目指すべきゴールが見当たらず、ただの「ヘンな演出」に終わってしまっているのは何とも残念だ。

もちろん、この手直しは正しいものだ。ジュリー・テイモアに好きなだけやらせる、というのはビジネス上不可能だったのだろうし、終演後の満足そうな観客の表情を見たら、こうして正解だったことは手に取るように分かる。

だが、それにもかかわらず、釈然としないものは残る。自分の希望がかなっているのに、不満など感じてどうする、とは思う。だが、考えてみてほしい。こういう路線で行くなら、最初からジュリー・テイモアは要らなかったのだ。中途半端にテイモア節が残っているので、それが新演出になじまず浮いてしまっており、それらが目的を失って作品に巣くっている。これはもはやノイズでしかないのだ。

もちろん、プロデューサーとしては一から作り直すことも考えたろう。しかし、日程も予算もそれを許さなかったのは推して知るべしだ。結果的に、誰にとっても満足のいく形にならなかったのは、コスト高騰で新作が作りにくくなっている昨今、実にもったいない話ではある。

もちろん、新版になってよかった点も数多い。なので、これから観る人は先入観を持たず、思う存分楽しんでほしい。少なくとも話のタネにはなるので、一度は観てもいいのではないかと思う。

良かったのは、スパイダーマンもグリーン・ゴブリンに負けずお茶目なキャラクターに変わった。ちゃんと軽口を言いながら戦うあたりがいい。プレビューではあくまで「スパイダーマン」
だったのが、この正式公開版は「スパイディ」と呼びたくなる。そんな感じだ。

そうそう、この作品を観るのに一番適した席は、2階席の最前列である。前回観たときは上手側がいいと感じたが、新しい演出では下手側がやや有利かも、とも思った。もっともその席はほとんど「プレミアムシート」され、高くつくのだけれど。

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一瞬、目の前にスパイディが現れて糸を放って去っていった。糸を拾ってみた

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Tabata Noodle(たばたラーメン)

今回は吉野家がマンハッタンから撤退してしまったこともあり、新たな食事場所を確保する必要があった。とはいえ、毎日ゴーゴーカレーというわけにもいかない。

現在、ニューヨークはラーメンブームと日本のメディアがよく伝えている。確かに、その数は増えているようだ。その中の人気店のひとつ、たばたラーメンを訪れた。

ここのご主人はビルマの出身で、東京の田端で10年以上ラーメン店に勤めていたそうだ。店に入ると「いらっしゃいませー」の声が迎えてくれる。従業員はみな東洋人だが、日本語を解するのは店長だけのようだ。しかし、メニューには日本語があるので安心。しかも、そのメニューは写真つきで、日本人なら写真を見ればそれが何か説明不要なものばかり。ごく普通のラーメンやチャーハンなど、まさに日本のラーメン店そのものだ。

だが、ここの一番人気、店名を冠した「たばたラーメン」は、日本のラーメンとは異なるオリジナル。店長が東南アジア出身ということで、エスニックムードただよう一品だ。ココナッツミルクを使いクリーミーに仕上げたスープ、そこに少辛味をつけたものに麺が入っている。確かに日本の「ラーメン」とはイメージが違うが、これはうまい。香草と、とろとろの煮玉子も乗っている。

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たばたラーメンを体験してみるのもいいし、日本の味を楽しむのもいい。全般的にニューヨークのラーメンは「ちゃんとした料理」扱いのため日本の相場から見れば割高だが、たばたラーメンは10ドル(プラス消費税)と、今の円相場で考えればまあまあのお値段。これはリピート決定だ。

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New York City Ballet George Balanchine's The Nutcracker(くるみ割り人形)

28日 14時
David H. Koch Theater, Lincoln Center

せっかくだから今まで観たことのないものを観よう、と、クリスマス・スペクタキュラーと並びニューヨークの冬の風物詩として知られるニューヨーク・シティバレエ団のくるみ割り人形を観る。

開明的な作風で知られるニューヨークシティバレエ団の礎を築いたジョージ・バランシンの演出による。といっても自分はバレエにはとんと疎いので、観 ることが決まってからいろいろ調べたのであるが、ちゃんとしたバレエを劇場で観るのは初めてなので、いろいろ新鮮な驚きもあった。

分かってはいたけど、バレエにはセリフがない。だから英語の苦手な自分でも楽しい。これが実に基本的ながら、大きな発見である。これからは海外に行ったらバレエを観よう。

素人だから上手下手は分からないが、鍛え上げられたダンサーたちの躍動感と優雅さは見ていて本当に心地いい。特に二幕のお菓子の国のシーン は、次々とさまざまなお菓子が特徴的なダンスをしていくのだが、このバレエを見ず、曲のイメージだけで「ファンタジア」が生まれたわけではないのだろう、 と強く感じた。そしてその遺伝子が「美女と野獣」のBe Our Guestにもつながっている。そんな印象だ。

舞台装置や照明もミュージカル同様エンターテインメント性にあふれており、自分のようなバレエ食わず嫌いもきっとはまる楽しさである。

でも花のワルツを聴くと、どうしても殿馬一人の「秘打・花のワルツ」を思い出してしまうのは俺だけではない、ドカベン世代の悲しい性だろうと思う。

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2012 Radio City Christmas Spectacular(ラジオシティ クリスマス・スペクタキュラー 2012)

28日 11時

Radio City Music Hall

午前中から始まるショーは貴重なので、いきおい毎回のように観ることになるラジオシティ・ミュージックホールのクリスマス・スペクタキュラー。今年はロケッツ誕生85周年とかで、ロビーのあちこちにロケッツの昔の写真などが貼られていた。

といっても、基本的な構成は毎回同じような感じなので、今年は写真を撮るのにベストポジションはどこだろう、と考えて席を選択した。その結果、最前列最上手の見切れ席をチョイス。ロケッツは横に広がりすぎるため、その全体をフレームに収めるためには、ほぼ真横からねらうのがいいと思ったのだ。

結果的に、それは大正解だった。しかも見切れ席といいながら、障害物はまったくなく、ロケッツのお姉さんのキレイなおみ足を間近で拝めてしかも割安なのだからかなりお得な席である。

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というわけでこんなカットを撮ることができた。やっぱキレイだー。

構成は毎回同じ、といいながら、終盤のサンタエピソードは結構変わる。今回は、サンタゲームというのが登場。ロケッツのお姉さんがゲームのキャラクターに扮したり、冒頭にしか使わなかった3D眼鏡をここでも使ったり、となかなか楽しい趣向だった。そこに登場するお母さん役の人が「わたしゲームなんてパックマンしか知らないわよ!」と言うところで爆笑。

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2012年12月27日 (木)

EVITA(エビータ)

27日20時
MARQUIS THEATRE

2本目はエビータ。なんで今更エビータ?と思う方もいるかもしれないが、これには理由が2つある。

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1つは、リッキー・マーチンがチェ役で出演していること。チェという役は、四季の芝清道、映画のアントニオ・バンデラスを見て分かるように、アクが強ければ強いほどいい。Livin' la Vida Loca大ヒット当時世界中で流れていたPVで披露していた、声、顔、表情、動き、すべてがクドい彼なら、いいチェになるに違いない。

もう1つは、これがマリオット・マーキースホテル内にある劇場で上演されていること。いつもこのホテルに泊まりながら、劇場には行けずじまいだったので、一度泊まっているホテルの劇場に行く、という感覚を味わってみたかったのだ。外は洒落にならない寒さだが、部屋でシャワーを浴びてから、コートも着ずに薄着で劇場へ。温泉に入って浴衣で演芸場に行くような感じで、何ということもないが気持ちよかった。

もっとも、この劇場自体は初めてではない。前に来たのは実に90年代の話で、ひさしぶりに舞台に立って注目されたミュージカル界の超大御所、ジュリー・アンドリュース主演の「ビクター・ビクトリア」だった。自慢していい観劇歴のひとつである。

ところでリッキー・マーチンのチェは、バンデラスも踏襲していた、オリジナルキャストのダミ声っぽく歌う雰囲気を漂わせながらも、全体的にはむっちりモチモチとした、セクシーというよりいやらしい感じのチェ。リッキー・マーチンはゲイであることを公言しているが、どことなくガチムチな雰囲気が隠し味になっている。歌はさすがで、無論バンデラスの比じゃない。

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そしてリッキー同様、エビータを演じるエレナ・ロジャーが素晴らしかった。彼女はアルゼンチン・ブエノスアイレス出身の女優さんで、エビータロンドン公演で注目を集めた。ブロードウェーではこれが初仕事となる。小柄な体からあふれ出る抑えきれない野心が、ひしひしと伝わってきた。

エビータの演出に関しては、四季の現在のバージョンが非常に完成度が高いのだが、この公演では舞台装置をカサ・ロサーダのバルコニーの1点だけにし、ほかのシーンもその装置をうまく使って演じる。これはなかなか面白い趣向だ。

ひとつあれっ?と思ったのが、「Goodnight & Thank You(グッドナイト サンキュー 皆さん)」のあとすぐに「The Art of the Possible(エリートのゲーム)」に行ってしまった。つまり、「The Lady's Got Potential(飛躍に向かって)」がない。俺、寝落ちしてた?観た人いたら教えてください。あの曲好きなので、見たかったんだよな。

このEVITA、当初は1月後半のリッキー・マーチン降板後もロングランを続けるという話だった。しかし、どうやらリッキー様の降板と同時にクローズするもようである。

2012年のブロードウェイでは、ジーザス・クライスト=スーパースターも上演されたし、アンドリュー・ロイド=ウェバー卿の作品リバイバルが相次いでいる。ウェバー卿は一度はブロードウェイに拒否されてしまった「ラブ・ネバー・ダイ」を豪州演出版(ブルーレイ化されたもの)で再チャレンジすることを狙っているとも聞く。それとも関係しているのかもしれない。いずれにしても、ラブ・ネバー・ダイはぜひブロードウェイで観たい。ゴシックなムードの似合う作品ではないから、退廃的な雰囲気の劇場がいい。実現してほしいものだ。

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New York Marriott Marquis(マリオット・マーキース)

今回もホテルはタイムズスクエアにどんと構えるマリオット。高いけど、それはミッドタウンのホテル全般に言えること。ほぼ同じような価格帯のシェラトン・ヒルトン・マリオットの中で比べれば、やはり立地の良さでここを選びたい。

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このホテルでいいのは、部屋数が多いので昼前に行ってもチェックイン可能なことが多いこと(朝9時半に着くNH10便だと、到着は11時すぎになる)、部屋が広いこと、どのフロアも廊下は吹き抜けに面しているので安心感があること(ホテルによっては、廊下がダンジョンになっていて不安になる)などなど。欠点といえば、冷蔵庫も電気ポットもない点か。

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毎回タイムズスクエアに面した部屋に変えるかどうか聞かれるけど、いくらかかるか分からないので拒否。次回はいくらになるのか聞いてみよう。




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Wicked(ウィキッド)

27日14時
Gershwin Theatre

2年ぶりの年末ひとり合宿開始。9時半にJFK空港に到着、11時半にホテルにチェックインして14時からウィキッドだ。

2006年から隔年でニューヨークに来ているわけだが、必ずこの作品は観ているので、ガーシュイン劇場に来るのも4回目ということになる。

日本でもさんざん観たし、さすがに今回はウィキッドはパスしようと考えていた矢先、なんとAlli Mauzeyがグリンダに復帰だ。

Alli Mauzeyといえば、4年前に観たグリンダである。そのキュートなブロンドぶりと、鼓膜の裏側からくすぐり攻撃を仕掛けるアニメ声でいたく気に入った。

4年前のエントリー
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2008/12/wicked-76d7.html

そのときと同じ座席、最前列最下手を確保していざ劇場へ。

グリンダ様をいちばん間近に拝めるこの席は見切れ席で格安。いまだに人気の衰えないウィキッドは、1階席の大部分がプレミアムシートになっているのでなかなかいい席で観られないのだが、日本でさんざん観た人にとってはこういう席を利用するのも手だ。

Alli Mauzeyは相変わらずの暴走グリンダで、一言発するたびに観客が笑う。こっちの観客は日本に比べてリアクションが大きいのはご存じの通りだが、観客みんなのハートを鷲掴みにしているのがよく分かる。

この日のエルファバは、ツアー公演にも出演していたというJackie Burns。実に力強いボーカルがエルフィー向きで、しかも言葉をひとつひとつ丁寧に発音しているのに好感を持った。

2人とも実に元気がよく、ハイテンション。もともとこの作品は、特に1幕において、この勢いが重要な意味を持つ作品なのかもしれない。苫田亜沙子が決してキャラクター的にはグリンダ役とかぶる感じがしないのに、舞台で観るとしっくりくるのは、彼女のグリンダにはこの勢いがあるからだ。お上品ぶらずに、がつがつ前に出るタイプこそ、実はグリンダに向いている。今後の四季での上演がどうなるか分からないが、新グリンダの登場を心待ちにしたいものだ。

とりあえず、おんなじ席からおんなじような写真を撮ってみました
Wicked

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