« 2012年9月 | トップページ | 2012年12月 »

2012年11月25日 (日)

ジーザス・クライスト=スーパースター(ジャポネスクバージョン)お久しぶり?芝ユダ

ジーザス・クライスト 神永東吾
イスカリオテのユダ 芝 清道
マグダラのマリア 野村玲子
カヤパ 金本和起
アンナス 吉賀陶馬ワイス
司祭1 佐藤圭一
司祭2 清水大星
司祭3 真田 司
シモン 本城裕二
ペテロ 玉真義雄
ピラト 村 俊英
ヘロデ王 下村尊則

ジーザスは時々ふっと観たくなる演目のひとつだ。特にかつて「江戸版」とも言われた、この初演版演出であるジャポネスクバージョン。エルサレムバージョンも悪くはないが、やはり中毒性はこっちのバージョンのほうが強烈だ。

今回はエルサレム→ジャポネスクの順で上演されたが、エルサレム版の芝ジーザスはちょっとヘンだということを十分すぎるほど気付かされたので、今回はパス。そしてジャポネスクを楽しみにしていたが、芝はジーザスからユダに戻り、かわりに待望の新ジーザスが登場した。これはこれで楽しみである。

神永東吾ジーザスは、スマートな体型ときれいに伸びる高音がなかなか魅力的なジーザスだ。もっとも、どこか金田俊秀ジーザスを思い出させる面もある。そうなると、歌に関しては金田に一歩譲るのも事実だ。しかしこちらは表情に独特のムードがあるので、演技の面で凌駕するジーザスになってほしいとも思う。

芝は定位置のユダ役で、水を得た魚のようにのびのびと演じており、村ピラトは容赦なく見事な声を響かせ、下村ヘロデはもう誰も止められない勢いでエキセントリックに炸裂。このトリオは最強だ。

反面、野村マリアはダメだ。年齢の問題ではない。周りがいいだけに、歌えなさが悪目立ちしている。「役者ではなく作品を観ろ」と言われても、これでは作品どころじゃない。野村玲子は素晴らしい女優だと思うが、作品の足を引っ張るキャスティングに猛烈に異を唱えたい。

それにしても、やはりこの演出は秀逸だ。白塗りに隈取りメイクと70年代ロックの融合、大八車を使ったダイナミックな舞台装置。初演時はあまり評判がよくなかったというが、1970年代の日本にはエキセントリック過ぎたということだろう。まだA・L・ロイド=ウェバーもティム・ライスも、あえて言えば浅利慶太も若かった。そのギラギラした、中二病なアグレッシブさが舞台からあふれ出ている。アドレナリン出まくりで、観終わるとぐったり疲れるが異様に元気になる。

今の日本に足りないのはこれだ。この抑えきれない、何だかわからないものが脳髄の裏側から吹き上げてくる感覚。以前全国ツアーでも観たが、この作品こそ全国各地で上演し、閉塞感を突き破ってほしいものだ。

ジーザス・クライスト=スーパースターのウェブサイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/jesus/index.html

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年11月23日 (金)

坊っちゃん劇場「幕末ガール」五十嵐可絵は今日も愛媛に生きて歌っている

四国の地域文化発信を旗印に、わらび座が拠点として愛媛県は松山市の隣り、東温市に創設した「坊っちゃん劇場」。地元にちなんだオリジナルミュージカルを上演し続けており、実に俺好みな取り組みだ。前から行ってみたいと思っており、今年はじめ、松山に行く機会があったのでチケットも予約していた。が、前日急な腹痛に襲われ帰京を余儀なくされたため叶わなかった。

いつかリベンジを、と思っていたが、意外に早くその機会は訪れた。今年の春から始まった新演目は『幕末ガール』。シーボルトの娘として有名な産科医・楠本イネを題材にしたミュージカルという。それだけでも面白そうだが、何とその主役が「五十嵐可絵」。

可絵ちゃんキターーーーーーーッ!

と狂喜した割には開幕から半年もたってしまったが、やっと観ることができた。五十嵐可絵が誰か分からない?じゃあぐぐってくれ。ってのも不親切だから、一応説明しとくと、2001年に劇団四季に入団。『マンマ・ミーア!』のリサ役で、やけにキレのいい動きをすることから一部で(?)話題に。その後ソフィ役も務めたが、やはりリサの印象が強い。特に吉沢梨絵ソフィとの相性が抜群で、この2人のコンビは「2人のロッテ」で双子を演じるまでになる。さらに「赤毛のアン」では吉沢のアン、五十嵐のダイアナという組み合わせもあったのだが、これは未見。そのうち、吉沢と前後して四季を離れてしまった。

わらび座に行ったとは聞いていたが、「アトム」はそんなに観る気が起きなかった。しかし、行きたいと思っていた坊っちゃん劇場に、主役として可絵ちゃんが出ている。これは観るべきだろう。いや観ないでどうする!

坊っちゃん劇場では、1つの演目を1年間近くロングランする。基本的にキャストは連投だ。キツイ仕事ではあろうが、あのパワフルな可絵ちゃんなら大丈夫だろう。 ※「ちゃん付け」について異論は認めません。

ダイナミックな航海シーンから始まった「幕末ガール」。専用劇場を使った縦横無尽の演出に、地域の劇場ならではのほのぼのとした客いじり。美しい音楽にテンポのいい脚本。どれをとっても心地いい。

そして可絵ちゃんの演技。決してダンスシーンは多くはないが、キレのいい身のこなしは健在。つうかパワーアップしてる。歌は四季時代から変なビブラートなどかけない、直球勝負のすがすがしい歌いっぷりが持ち味だったが、そのままに、これもグレードアップしている。素晴らしい存在感で、東京から来た異常な観劇姿勢のマニアのみならず目が離せない。

四季を離れた役者が、その後必ずしも満足な活動を出来ているわけではない。その中で、可絵ちゃんは本当に素晴らしい舞台にめぐり会えたと思う。四季の華やかな舞台とは違うかもしれないが、ここには実に演劇的な空間であり、地元の人がふらりと訪れて観劇を楽しむ、という実に理想的なライブ空間だ。

それにしてもこんな素敵な舞台を毎日のように上演している劇場があるなんて、愛媛は最高だぜ。これだけの公演、そして劇場を維持するのに、3500円のチケットでは非常に苦しいに違いない。この劇場が出来たころ、一瞬、こうしたライブパフォーマンスでまちおこしにつなげようという動きが全国的にあった。だが、沖縄プロレスが今年幕を閉じてしまったように、うまく行っているところはほとんどない。坊っちゃん劇場、頑張ってほしい。こういう場が全国にあったら、もっと旅行は楽しくなるし、多くの人が旅に誘われるはずなのだ。

「幕末ガール」は来年3月までの予定。千秋楽前にもう一度ぐらい観ておきたいものだ。全国の可絵ちゃんファンは絶対見逃すなよ!あー楽しかった。

Unset

坊っちゃん劇場のウェブサイト
http://www.botchan.co.jp/index.html

| | コメント (2) | トラックバック (0)

Linキュン同盟!怒濤の3DAYS!!

松山に行って観るべきものといったら、坊っちゃん劇場ともうひとつ、愛媛の生んだアイドル、ひめキュンフルーツ缶を忘れてはなるまい。東京にもひんぱんに来ているが、やはり地元で観たいと思い機会をうかがっていた。しかし定期公演は発売と同時にいつも売り切れる。なので定期公演とは位置づけが違うが、博多のLinQとの合同ライブのチケットが確保できた。

いま西日本で勢いのあるアイドルといえばLinQとひめキュン。この同盟は最強過ぎだ。以前、ひめキュンが博多で合同ライブをしているが、今度はLinQが松山に乗り込んできた。

まずはLinQのライブ。以前博多で観たが、LinQは曲も良く、人数も多いので楽しいステージだ。

そして後半はひめキュンが登場。こちらも曲はオリジナル。しかも重低音の効いたかなりハードな曲だ。振付もそれに比例してかなりハード。それを5人とも隙のない動きでこなしていく。

これ、3曲も持たないんじゃないか?と思っていたが、どんどんハードな曲が続く。5人の動きは全くにぶらない。むしろテンションが上がって動きが大きくなってくる。MCも元気にこなしつつ、また歌い踊る。なんとも底なしの体力だ。

正直、動きだけで比較したらLinQはひめキュンの足元にも及ばない。AKBのやる気ないメンバーに爪のアカを煎じて飲ませたいレベルだ。これは人気が出るのもうなずける。

LinQはLinQでまた観たいとは思うが、ひめキュンは東京でも、そしてまた松山でも観よう!

ひめキュンフルーツ缶のウェブサイト
http://himekyun.jp/pc/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年11月11日 (日)

HKT48 チームH公演「手をつなぎながら」多田愛佳 in 博多

東京ドーム公演で発表された多田愛佳のHKT48移籍。指原の移籍にはあまり心が躍らなかったが、愛ちゃんが来るのはかなり胸熱だ。

自分が初めて秋葉原の劇場に足を運んだのは2008年の1月。それはチームB公演だった。そのとき強く印象に残った一人が多田で、以来ずっと注目していたメンバーの一人だ。個別握手にも並んだことがある。

博多の舞台に立った多田は、新たにお局キャラとしての境地を開こうとしていた。19歳でお局とは厳しい話だが、フレッシュ感が炸裂しているHKTの中で、フレッシュさではとうてい太刀打ちできないからこれも仕方ないのかもしれない。

まだ場内のコールも少ないが、自己紹介で声がかかると「すいませんねえ、気を使わせちゃって」とネタにする余裕も。

旧古森結衣ポジションなので、ユニットは「チョコの行方」。そのチョコの行方がこの日2人休みだったため、宮脇咲良と下野由貴が加わるという俺得な展開。しかしサポートメンバーはMCには参加しないため、多田愛佳・田中菜津美の2人でMC、という実に緊張感あふれる場面が展開された。予想どおり全く会話が膨らまず、気まずい空気が充満。しかし多田がそれを逆手に取って笑いに変えていたのでよかった。可愛げのないのがなつみかんの可愛さなのだが、必死に話を盛り上げようとする田中は初めて素直に可愛いと思った。

休演スライドは「ウィンブルドンへ連れて行って」でも発生し、宮脇と村重杏奈・兒玉 遥というこれまたスゴいメンバーに。村重のウィンブルドンは2回目だが、関東住みで2回も観ている人は少なかろう。

ところで、あの5人脱退事件以降、チームHのユニット構成はどうなっているかというと、どうも下記のようになったようだ。指原が入る場合のことはよく分からないので除いて考える。

『Glory days』
兒玉 遥、下野 由貴、村重 杏奈

『この胸のバーコード』
森保 まどか、穴井 千尋、中西 智代梨

『ウィンブルドンへ連れて行って』
宮脇 咲良、本村 碧唯、植木 南央

『雨のピアニスト』
松岡 菜摘、森保 まどか、熊沢 世莉奈

『チョコの行方』
田中 菜津美、多田 愛佳、植木 南央、若田部 遥

森保と植木は2ポジションをこなしている。森保は1期生公演で務めていた「この胸のバーコード」のセンターを奪回した形となった。菅本裕子は好きだったが、このユニットには合わないと思っていたのでこれはナイスキャストである。

相変わらずHKTのパフォーマンスははつらつとしていて気持ちがいい。そして観るたびに成長していて嬉しくなる。この日は、熊沢世莉奈の運動量が圧倒的なことに気付いた。それも無駄に振りが大きいのではなく、メリハリの効いた動きだ。せりーぬは今後注目だと思う。

菅本も古森もいない寂しさは確かにある。しかしそれを感じさせないほど、1人ひとりの魅力が高まっているHKT。しばらく博多通いはやめられそうにない。

HKT48のウェブサイト
http://www.hkt48.jp/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年11月 7日 (水)

勅使瓦武志はもっと注目されていい 四季「ウェストサイド物語」

ジェット団(The Jets)

リフ 岩崎晋也
トニー 阿久津陽一郎
アクション 西尾健治
A-ラブ 新庄真一
ベイビー・ジョーン 笹岡征矢
グラジェラ 団 こと葉
エニイ・ボディズ 木内志奈

シャーク団(The Sharks)

マリア 笠松はる
アニタ 増本 藍
ロザリア 生形理菜
ベルナルド 加藤敬二
チノ 斎藤准一郎

おとなたち(The Adults)

ドック 石波義人
シュランク 田代隆秀
クラプキ 石原義文
 

かなーりお久しぶりのウェストサイド物語。しかしこの作品のスタンダード感は、まるでつい最近観たかのような錯覚を覚えさせる。といって飽きもこない。名作の風格というやつだろう。

一番の感想は「あれ?阿久津陽一郎歌うまくなった?」だ。彼の歌声も久しぶりだから、それも錯覚だろうか?以前観たときは、「Something's Coming」なんて聞けたもんじゃなくて、いったいどういうメロディーか分からなかったほどだったのだが……。まあ、「Tonight」は笠松はるが遠慮しているむきもあったが、それはいたしかたあるまい。演技面でも、かつてのヘンな奴オーラが潜んで、なかなかの好青年になっていた。

笠松マリアもとてもしっとりとしたいい感じになっていたし、加藤ベルナルドは相変わらず凄みがあり、増本アニタもはまっていた。全体的に安定感のある布陣だ。

初めて観た岩崎リフは、アメリカ映画から飛び出てきたようなヤンキーで、いいリフだと感じた。まだまだ加藤ベルナルドの迫力には気圧されるものの、ギラギラしたリーダーとしての側面と、弱みとをバランスよく演じていたように思う。あと、木内エニイ・ボディズはなかなかキュートでよかった。それにしても加藤御大はあの年でよくあそこまで足が上がるものだ、といたく感心。

だがこの舞台、個人的にMVPは勅使瓦武志のグラッド・ハンドである。ここまで自由にやっちゃっていいのかと不安になるほど、うさんくさくて、おどおどしてて、最高だった。この人、もっと重要な役を任されてもいいと思うんだが、なんでこういうポジションなんだろう?

久しぶりといえば、オーケストラのちゃんとある四季の舞台も、ずいぶん久しぶりに観た感じがする。主に地方で観ていたからかもしれないが。迫力のないオーケストラなら、いっそテープでもいいんじゃないかと思うこともあるが、やはり舞台の質感が違って見えてくる。チケット代値下げのあおりか、ますますテープ主体になってきている四季だが、守るべき矜持は残してほしいものだ。

ところで、四季の新作は「リトル・マーメイド」と発表になった。4年前にブロードウェーで観て「ダメだこりゃ」と感じただけに、待望の大型新作がそれだと聞いたときはかなりガッカリした。

しかし、四季が持ってくるのはブロードウェー版とは全く異なる欧州ツアー版だという。観ていないから何とも言えないが、舞台写真など観る限り、確かに違う演出のようだ。舞台をデザインしたのは「メリー・ポピンズ」の人だとのことで、ちょっと期待は持てそうだ。ツアー版だからやや豪華さには欠けるかもしれないが、音楽的には「美女と野獣」より好きな作品なので、いい舞台になることを期待しながら開幕を待ちたい。それにしても、これこそ「海」でやならいでどうする!?

S20121107_201440

ウェストサイド物語のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/wss/

| | コメント (7) | トラックバック (0)

« 2012年9月 | トップページ | 2012年12月 »