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2012年1月14日 (土)

「モンティ・パイソンのスパマロット」日本人キャストで上演

アーサー王 ユースケ・サンタマリア
ランスロット卿 池田成志
ロビン卿 戸次重幸
デニス・ガラハット卿 賀来賢人
マルチ ムロ ツヨシ
バッツィ マギー
ベデヴィア卿 皆川猿時
湖の貴婦人 彩吹真央

あの「スパマロット」が日本上陸。それもツアーではなく、日本人キャストによる上演だ。

ブロードウェーでは4年半もロングランされていた。一流の役者が真剣にばかばかしいことに取り組んでいる、劇団☆新感線の「ネタもの」のような作品だと聞いていたので、旅行に行くたび、観ようかなア、と思いながらも、同時に高度な英語力がないと笑えない、とも聞いていたので遠慮していた。

2010年には韓国で現地キャストで上演されている。日本でもそういう形になるのかと期待していたが、ついに実現した。

演出を放送作家で、「勇者ヨシヒコと魔王の城」の成功が記憶に新しい福田雄一が担当するという。そして主演にユースケ・サンタマリア。なんとなく期待半分、不安半分な組み合わせだが、キャスト表に池田成志の名前がある以上、スルーする手はない。

結論がら言うと、実に楽しかった。最後まで集中が途切れることなく舞台にひきつけられ、何度も声を上げて笑った。大阪公演でもう1回観ようかとも思っている。

福田雄一は放送作家だから、セリフ回しやネタのつなぎ方がどうしても地上波のノリになるのは、評価の分かれるところかもしれない。「こんなのモンティ・パイソンじゃない!」「ブロードウェーでの笑いはこんなもんじゃなかった!」という人もいることだろう。しかし、自分はその評価は棚上げにして、そのまま楽しむことにした。

だって、分からないから。ブロードウェーでスルーしちゃったから。

ひょっとしたら、米国人がブロードウェー公演から感じる笑いのツボや、かつてイギリス人が「空飛ぶモンティ・パイソン」から感じていた笑いのツボを、そのままの距離感で現在の日本に当てはめれば日本の地上波ノリになるのかもしれないし、そうではないかもしれない。正直、分からないのだ。

もっとも、どうしても日本人には感覚的に分かりにくいギャグも多いので、その分日本人に分かりやすいギャグで埋めている、ということなら、自分は大いに評価したい。

ただひとつ言えるのは、やっぱりブロードウェーで観とけばよかったということ。もちろんほとんどその笑いは理解できなかっただろう。しかし、一流のスタッフとキャストが、最高の舞台で全力でバカバカしいことに取り組んでいる。その「現場」を感じ取ることは、自分の見学力をぐっと高めてくれたに違いない。

ユースケ・サンタマリアを舞台で観るのは、三谷幸喜の「恐れを知らぬ川上音二郎一座」以来だ。あのとき、ユースケは実に声の通りがよく、舞台向きの人だと感じたが、それは今回も実感した。アーサー王の役作りか、一段低い声を出していたが、それをずっとくずすことなく演技し、ギャグを繰り出していた。もっと多くの舞台で見たくなる。

池田成志はもう存在自体がこの作品にピッタリ。うさんくさくて、実力はあるのに安定感のない演技力も健在だ。マギーは名人芸級の間の取り方で、舞台全体をしっかりと支えるスタンドオフのようなポジションを果たしていた。

いろいろ文句も言いたい人も多いだろうが、何も考えず、素直に心を開いて楽しめば、こんなに面白い作品はない。劇中で、人生楽に生きよう、とみなが歌うシーンもある。文句を言わずに楽しむのが正解だろうと思う。

Spamalot

「モンティ・パイソンのスパマロット」のウェブサイト
http://www.spamalot.jp/

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ミュージカル「ボニー&クライド」 濱田めぐみ復活祭 

ボニー 濱田めぐみ
クライド 田代万里生
バック 岡田浩暉
ブランチ 白羽ゆり
テッド 中河内雅貴
ヘンリー 中山昇
シモンズ刑務所長 芝崎健太
クロウソン看守 戸室政勝
ジョンソン保安官代理 ヨウスケ・クロフォード
ファーガソン州知事 徳垣友子
アンジェラ 家塚敦子
クレア 保科由里子
エレノア 宇野まり絵
キャミー 明星真由美
ヘイマー特別捜査官 岸 祐二
牧師 つのだ☆ひろ
バド保安官代理 戸井勝海
ボニーの母 池田有希子
シュミット保安官 木場勝己

ついに濱田めぐみが舞台に帰ってきた。

四季退団後の初作品でいきなりの主演。しかも、昨年12月にブロードウェーでオープンしたばかりのホットな作品だ。日米で時間差がないということは、これがオリジナル演出だということだ。最近は演出までパッケージ化して輸出されるパターンが多いが、作品とスコアだけの権利を買った形である。

実は昨年末もニューヨークへの旅行を計画しており、この作品も向こうで見て、その違いを確かめようと考えていたのだが、諸般の事情で旅行をキャンセルしたのでそれは叶わなかった。

その作曲を手掛けたのはフランク・ワイルドホーン。日本では「ジキル&ハイド」「シラノ」が上演されている。「シラノ」は日本が初演となったし、日本とのパイプがあるクリエーターなんだろう。しかし、四季以外の翻訳上演がどうしても一部の作者に偏るのは、日本のプロモーターが海外ショービジネスとの付き合いが薄いことの裏返しなんじゃないだろうか。

この「ボニー&クライド」は、かつて映画・邦題「俺達に明日はない」で世界中に知られることになった米国禁酒法・大恐慌時代の実在の強盗カップルを描く物語である。

幕が上がると、いきなりめぐ様のソロから始まった。ああ、この声。待ち望んだミュージカル界の王女の帰還である。

その歌はまさに濱田めぐみ。きりっとした目力も健在だが、セリフ回しは四季の呪縛から逃れた今、だいぶ印象が異なる。四季の発声法では出てきにくい、あえて感情を込めずに言葉を発するような自然な表現も含め、その幅がぐんと広がっている。

アイーダ以降、肩に力の入った役が多かったために(「ブラックコメディ」は違ったけど)、余計にそう感じたのかもしれない。しかし、最初に自分が濱田めぐみを見たのは「美女と野獣」だったが、そのときは実に自然にベルを演じており、野村玲子や堀内敬子のベルとの違いが鮮明だった。そういう意味ではもともとの地の部分が戻ってきたのかもしれない。

伸び盛りの田代万里生、昨年「銀河英雄伝説」のミッターマイヤーを演じた中河内雅貴、大ベテラン・木場勝己に、ワンポイントで強烈な印象を残すつのだ☆ひろなど、共演陣もそれぞれの持ち味と実力を生かしたいい演技で、舞台の熱量を高めていた。

オリジナルの演出も、どうしても日本人には感覚的に分かりにくい米国の特殊な時代の空気を、うまく翻案して伝えることに成功していたと思う。

しかし、スタッフ・キャストとも非常にいい仕事をしていたのだが、いかんせん、作品自体がかなり地味である。

ボニーとクライドの物語、と聞くと、どうしても映画の刺激的な内容を期待してしまいがちだが、この作品はあえて2人をダーティー・ヒーローとしてではなく、等身大の視点で描くことに力を注いでいる。周囲の人たちの思いも丁寧に描く。それは作品のねらいとしてはいいけれど、エンターテインメントとしてはやや退屈だ。セリフも曲も内向的なものが多く、全体的に湿っぽい。さらに上演時間が休憩15分を含め3時間を超える。観終わったあとはだいぶ疲れが残る、というのが偽らざる感想だ。

演出家はかなり苦労して手を入れたのが伝わってくるのだが、いっそのことぐーんと短くしたかったのかも。2時間ちょっとに納めれば(実際、そのぐらいの物語である)、作品が伝えようとしていたメッセージもハッキリ伝わっただろうに。

狂信的なめぐ様信者としては、そのお姿を見られただけで十分満足なのだが、周囲の濱田めぐみを初めて見る観客に「どうだ、スゲーだろ!」と言いたくなるような作品ではなかったのはやや残念ではある。

次回作は同じ作曲家の「ジキル&ハイド」。主演は石丸幹二だ。なんつうか、日本の演劇界が人材も作品も枯渇しているのがバレバレになってきたが、もう開き直って、2人とも遠慮なく暴れまわってほしいものだ。

20120114_143108

「ボニー&クライド」のウェブサイト
http://www.bonikura.com/

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2012年1月 2日 (月)

新年ごあいさつ

今年の年賀状の写真は、悩んだ末これに決めました。
9月に訪れた、岩手県宮古市「みやこ秋まつり~復興祭~」の船山車、「宝船」です。

Miyako_resize

今年もよろしく、お願いいたします。

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