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2011年7月 2日 (土)

宝塚花組公演「ファントム」

ファントム 蘭寿 とむ
クリスティーヌ・ダーエ 蘭乃 はな
ジェラルド・キャリエール 壮 一帆
フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵 愛音 羽麗
ジャン・クロード 夏美 よう
メルシエ 高翔 みず希
カルロッタ 桜 一花
アラン・ショレ 華形 ひかる
リシャール 望海 風斗
セルジョ 朝夏 まなと

(完全版は以下参照)
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/227/cast.html

これまで、タカラヅカは「逆転裁判」「相棒」「メイちゃんの執事」と、バウな作品ばかり観てきた。ハマってしまうと身と金がもたないので、距離を置いていたのだ。

なのにどうしてわざわざ大劇場まで花組の新トップお披露目公演を観にきたか。別にハッキリした理由があるわけでもないが、まあそろそろいいかな、という漠とした解禁感もあるし、最近四季は大型の新作もなくてわくわくする機会が減っているし、AKBはすっかりテレビの人になってしまって公演であまり見られなくなったし・・・ということで、エンターテイメントの需給バランスが悪くなってきているという事情もある。

あと、今回トップスターに就任した蘭寿とむは、以前「逆転裁判」で一度観ている。で、その蘭寿とむについて、下記のエントリーにも登場している、SKEチームKⅡの秦佐和子が番組内で大ファンであることを明かし、熱く語っていた。何せ番組が「週刊AKB」だったから、いったい視聴者の何人が蘭寿とむについて知っていたかは疑問だし、それで「じゃあ俺も宝塚観てみるか」とチケットを買ったコンバージョン率も極めて低いとは思うが、少なくとも俺にとってそれは宝塚解禁への福音に聞こえた。

てなわけで、2年半ぶりに宝塚大劇場へとやってきた。

演目が「ファントム」だったのも何かの縁だろう。アンドリュー・ロイド=ウェバーの「オペラ座の怪人」と同じガストン・ルルーの小説を原作としているが、あちらもこちらも相当脚色しているので、とても同じ作品とは思えない。それはほとんど「どちらの作品にも徳川家康と織田信長が出ている」というぐらいの共通性しかなくなっている。

アーサー・コピットの脚本、作詞・作曲モーリー・イェストンの「ファントム」は1991年に米国初演。日本では宝塚が2004年と2006年に上演している。

蘭寿とむ演じるファントムは、実に若い。ウェバー版のファントムには強く「幼児性」が感じられるが、それは前提としてそこそこ歳がいっている、と知っているからそう感じられるわけで、こちらのタカラヅカファントムは、もともと若いのだ。その言動も子供っぽく、なんというか、カワイイ怪人である。

相手役の蘭乃はなともども、歌い方がアレなので、それも手伝ってファントムとクリスティーヌはフレッシュさあふれる初々しいカップルに思えた。

また、登場人物の心情が明示的に語られるので、解釈余地の大きいウェバー番と比べ、すんなりと頭に入ってくる。ウェバー版、特に四季のオジサマファントムでは、登場人物たちの心情が屈折しすぎててわけわからなくなっているのだが、そのモヤモヤ感(が、いいのだけれど)はない。

そう考えていくと、なんとなく、これは「オペラ座の怪人 ビギンズ(もしくは、ファーストジェネレーション)」的な、若き日のファントムを描いた作品のようにも見えてくる。もちろん、原作は同じだから同じ時代を描いているのだが、作品の色合いがそういう雰囲気なのである。あんなにフレッシュだったファントムやクリスティーヌが、いずれドロドロした三角関係に浸かるのだ、と思うといたたまれない。

あえて四季で見慣れた「オペラ座の怪人」と比較すると、とにかくこちらは舞台に立つ人の数が圧倒的に多いので、より「オペラ座な雰囲気」はよく出ている。宝塚一流の、華やかさとにじみでるユーモアは原作のB級ホラーな雰囲気を完全に消し去り、家族で楽しめる、とまでは言わないが、あまり肩肘をはらずに劇の世界に遊ぶことができるファンタジーになっていた。

休憩30分を入れて3時間と、比較的長い作品なので、1度観ただけでは見逃していることも多いと思う。東京公演でぜひもう一度観てみたいと考えている。というわけでもう中毒の初期症状が。「スカイステージ」の契約も真剣に検討してたりして。

201107021056000

「ファントム」特設サイト
http://kageki.hankyu.co.jp/phantom2011/

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コメント

怒涛の観劇ウィークエンドだったんですね。

ファントム、大沢たかお版を観て
ストーリーがすごく良かったので
東京公演を観る予定です。

『ハウ・トゥー・サクシード』の感想も聞きたかったな~

投稿: | 2011年7月 4日 (月) 13時17分

↑コメントに名前入れ忘れました

音月桂がちょっとスキです

投稿: の。の | 2011年7月 4日 (月) 13時36分

の。のさんこんにちは。

そうか、大沢ファントムもこの作品だったんですね。見ておけばよかった。

今回梅田は通過してしまいましたが、機会あれば「ハウ・トゥー・サクシード」も見てみたいです。

投稿: ヤボオ | 2011年7月 5日 (火) 00時30分

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