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2011年7月 3日 (日)

四季「夢から醒めた夢」♪私が夢ーのー

ピコ 岡村美南
マコ 勝田理沙
マコの母 織笠里佳子
メソ 藤原大輔
デビル 川原洋一郎
エンジェル 有賀光一
ヤクザ 野中万寿夫
暴走族 西尾健治
部長 菊池 正
老人 高橋征郎
老婦人 佐和由梨
夢の配達人 高井 治

「夢から醒めた夢」に冗談キャストが登場。なんと高井治が夢の配達人を演じるという。こりゃあ観なくてはなるまい。いや、観なくてどうする!というわけで、京都からその日のうちに名古屋へ移動。

高井治は、別にオペラ座の怪人のファントム役ばかりやっているわけではない。「壁抜け男」や「ジーザス・クライスト=スーパースター」で、独特の雰囲気を醸し出していた。歌がうまいだけでなく、実は「ヘンなオヤジ」を演じさせたら意外にいける人なのだ。

なので、この冗談キャストには大いに期待した。いったいどんな配達人になるのだろう。この役は、四季の中では珍しく、その役者の個性に合わせてある程度自由にキャラクターを設定できる。下村尊則、荒川務、北澤裕輔、味方隆司、そして道口瑞之と、それぞれに全く違った配達人像を作り上げてきた。

高井治の歌唱力は間違いなく歴代配達人の中で群を抜くはずだ。その歌声、ヘンな奴オーラ、そしてファントム役の経験。これらから想像されるのは、「エリザベート」のトート閣下のような、闇の世界を統べるオレ様配達人か。そうなったら面白いなあ。とか妄想しながらオープニングパフォーマンスを眺める。

そして開演、客席の中からすっと高井治が立ちあがる。

えっ!?

これは意表を突かれた。

なんというか、素材に味つけも料理もせずに出してきた感じだ。

要するに、高井治がそのまんま出てきちゃったのだ。

衣装は着てるけど、メイクぐらいしようよ、舞台なんだし。とでも言いたくなる。それどころか「おっちゃん、そんなとこ立ってたら怒られるで」と席に座らせたくなる。

いやあ、これはこれで面白いけど、配達人としてはどうなんだろう。これまでのミステリアスだったり、妙に爽やかだったり、ひょうひょうとしてたりするどの配達人とも違う。初めて出てきた「何もしない系」配達人。それでもきちんと世界観にはまっていたから、配達人という役の奥は深い。いや、むしろ「夢から醒めた夢」の懐が深いというべきか。

セリフ回しが妙に軽かったり、動きに軽やかさがなかったりと、まだ未完成な気もした。もししばらく演じてくれるなら、この配達人がどのように変化していくのか興味はある。

東京以来の岡村美南は、とってもピコになじんできた。保坂知寿のような芸達者なピコでも、吉沢梨絵のような如才ないピコでもないのだが、なんだか実に好感が持てるピコだ。歌声も透明感があって、耳にやさしい。しばらくは岡村ピコで定着していいのではないか。

マコは勝田理沙。まだマコ役としての経験は浅いが、幸薄そうな雰囲気がマコに合っている。苫田亜沙子は人の幸福まで奪いそうだからねえ。もちろんそこがいいんだけど。

この日は客の入りはいまいちで、後方は空席が目立ったが、舞台は熱気があって素晴らしかった。部長、暴走族、ヤクザの3人はトリオ漫才のように息がぴったりだったし、いつもはスベリ気味な川原デビルもがんがん笑いを取っていた。それに乗せられて、ピコ・マコものびやかにいい演技をしていたように思う。

佐野ファントムの調子次第では、短期限定になってしまう可能性もありそうな高井配達人。単なるレアな冗談キャストに終わることなく、持ち味を生かした新しい配達人像を提示してくれることを期待したい。

201107031524000


「夢から醒めた夢」公式サイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/yume/


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コメント

こんにちは。

高井配達人見たいんですが名古屋に行く予定がないんですよね.....
「何もしない系」ですか!
それはそれで面白そうですが。
レアキャストにならず、定着するといいですね。

因みに、「ミステリアス」、「ひょうひょうといている」配達人は分かるのですが、「妙に爽やか」なのはどの配達人でしょう.....?

投稿: まひる | 2011年7月 5日 (火) 15時04分

まひるさんこんにちは。

高井配達人、一度は見ておくといいかもしれません。二度はどうかわかりませんが。

配達人の印象はみなさん異なる感じ方をされていると思うので、ご想像にお任せします・・・

投稿: ヤボオ | 2011年7月 5日 (火) 23時19分

いつも状況が浮かんでくるような楽しいレポありがとうございます。私は四季観劇歴が二年なので道口配達人しか観たことないですが、ジーザスであまりに凄まじい存在感を放っていた下村さんの配達人を観てみたかったです。高井さんんも生で拝見したことないのでまだ気になってませんが、オペラ座の怪人東京公演を楽しみしてます。

ピコも同様に岡村さんしか観劇したことないですが、岡村さんには私もとても好感持ちました。

投稿: ともこ | 2011年7月15日 (金) 22時31分

ともこさんこんにちは。テキトウなことばかり書いていてあいすみません。

私も下村配達人久しぶりに見たいですねえ。
配達人は本当に個性が出るのでもっと多くの人に演じてほしいです。

投稿: ヤボオ | 2011年7月16日 (土) 23時20分

こんにちは。
高井配達人が「何もしない系」とは面白い表現ですね。
確かにおっしゃる通りかも。

セリフが軽い・・と感じたのは私も同じです。
ただ、15日に観た時は(1日に観た時より)
改善されていました。
セリフの声を意図的に低くすることで、
多少重みが加わっていました。

が。
ピコ・マコに話しかける時は、優しく語りかけようと
しているせいか、語尾に♪でもついていそうな感じで、
1日とは別の意味で軽く感じました。
ドヤ顔も板についてきた感じ。

でも、そのドヤ顔、巷のおじさんがしているみたいで、
どこかかわいらしく感じてしまいました。
やはり「何もしない系」という表現が適切なのかも。
言い得て妙ですね。

投稿: とみたま | 2011年7月18日 (月) 17時38分

とみたまさんこんにちは。

ほう、語尾に♪のついた配達人というのはナカナカに魅力的ですね。いい情報ありがとうございます。

まだ登板が続くようなら、ぜひもう一度見たくなってきました!

投稿: ヤボオ | 2011年7月18日 (月) 23時51分

こんばんは。度々失礼します。
イベントに釣られて今日も観てきたので、
その後の配達人のご報告を。

セリフがさらに低音になって、抑揚もつき、
確実に進化しています。
語尾の「~ね♪」もほぼ改善されてました。

先日のイベントでセリフが苦手と
おっしゃっていましたが、さすがプロですね。

でも、ドヤ顔はまだ何となく照れがある感じ。
出来れば何もしていない時に口角を下げて
むすっとした表情(多分緊張されているのでしょうが)
で突っ立っているのも改善されるといいのですが。

こちらが慣れてきているせいもあるのでしょうが、
だんだん配達人らしくなってきた高井さん、
最初は冗談キャストかと思っていましたが、
もっと馴染んでくれば、持ち役の一つになるかも?

投稿: とみたま | 2011年7月21日 (木) 23時58分

とみたまさんこんにちは。

そうですか、なかなかイイ味になっているようですね。ぜひあの妙な存在感を生かし、いろいろな舞台に登場してほしいものです。

もう1回ぐらい見たくなってきました!

投稿: ヤボオ | 2011年7月24日 (日) 20時20分

こんにちは。昨日は通りがかりで偶然ここにお邪魔し、「おひさま」の房子さんのことで同感だと言わせてもらいました。そのほかのレポを見せていただきましたが、なかなか良いセンスの方だと関心しました。      四季の「夢から覚めた夢」、10年ほど前に芝の劇場で見ました。今あなたのレポ見せていただいてこんな見方もできるのか、と。ほんとうにフアンなんですね。  「ファントム」は映画の「オペラ座の怪人」にすっかり魅せられてしまいましたので、(渋谷の大きな映画館は音響もすばらしかった)四季も見たいと思ったのですが見ないでいます。また、お邪魔します。よろしくね。

投稿: 松本の | 2011年8月28日 (日) 15時38分

松本のさんこんにちは。

あほなブログを読んでいただき恐縮です。センスも仙豆もないですが、ときどき更新しておりますので馬鹿な人間もいるものだと思いたくなったらまたお立ち寄りください。

投稿: ヤボオ | 2011年8月30日 (火) 23時52分

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