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2011年7月 2日 (土)

四季「オペラ座の怪人」関西ファントム対決のゆくえ

オペラ座の怪人 佐野正幸
クリスティーヌ・ダーエ 沼尾みゆき
ラウル・シャニュイ子爵 中井智彦
カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグ・ジリー 松田未莉亜
マダム・ジリー 原田真理
ムッシュー・アンドレ 増田守人
ムッシュー・フィルマン 平良交一
ウバルド・ピアンジ 橋元聖地

当初の予定では宝塚のあと、大阪でゆっくりとうまいものでも食おうと考えていたが、この前の週から京都の「オペラ座の怪人」に佐野正幸が登場。クリスティーヌには沼尾みゆきだ。ここはひとつ、東西ファントムの関西対決と勝手にしゃれこもうじゃないか。

佐野・沼尾の組み合わせは、自分が最初に佐野ファントムを観たとき以来。佐野ファントムは、どちらかというと子供っぽさを持ったファントムだ。そういう意味では昼間に観た宝塚のファントムに通じるものがある。しかしこの日はどうも声の調子が悪く、何度か声が出ず歌い方を変えてとりつくろっていた。2幕に入るとそれがひどくなり、これ途中で交代したほうがいいんじゃないか、と思えるほどだった。

長期間「美女と野獣」でビーストをこなし、休む間もなくファントムだから、調子が悪くなるのも当然だ。「その日に一番状態のいい俳優を使う」とかキレイごとを言っておきながら、披露した俳優が出ざるを得ない状況を生んでいるのはマネジメントの欠如というほかはない。運営には猛省を促したい。

いっぽうの沼尾みゆきは、クリスティーヌの中にいろいろ混じりこんでいた。グリンダ様とかグリンダ様とかグリンダ様とか。ただでさえその心情が読めないクリスティーヌなのに、ますますよく分からない人になってしまった。

結果的に昼間に見た「フレッシュな若いファントムとクリスティーヌ」と極めて対象的な「フクザツな大人のファントムとクリスティーヌ」の関係を見た形となった。

怪人の調子が悪かったせいもあったのだろうが、今ひとつ盛り上がりに欠けた公演だった。これは、脇を固める俳優陣にも関係しているかもしれない。ムッシュー・アンドレとムッシュー・フィルマンは演技が真面目すぎたように思う。この2人はもっと笑いを取りに行ってくれてもいい。そうしないと、どんどん空気が重くなってしまうからだ。

10月から東京公演も決まった。残念ながら宝塚ファントムの東京公演は8~9月なので、東京で再戦というわけにはいかないが、佐野怪人の調子が戻ったら東京に来る前にもう1度ぐらい観ておこう。

201107021710000

「オペラ座の怪人」公式サイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/operaza/main.html

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