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2011年7月24日 (日)

柏まつり 2011

7月23(土)、24(日)は柏まつりだった。

青森県の旧柏村との交流にちなんだ「柏ねぶた」で有名だが、自分にとって柏まつりといえば「おまつり広場」での食べ歩きである。ここでは、プロの露天商でなく、商工会議所やNPO、大学など、各種の団体が模擬店を連ねる。やきそばやフランクフルトといった定番を扱うところも多いが、ユニークなメニューもあって毎年の楽しみだ。

これまで、おまつり広場は駅前のデッキ下で開催されていたが、改修工事の影響か、今年は少し離れた通りを使って行われた。やはり祭りの模擬店は青空の下のほうが盛り上がる。

会場に向かう途中、柏市沼南商工会(旧沼南町商工会)青年部がプロデュースするご当地ヒーローに出会った。一瞬「デカレンジャー」に見えるが、手賀沼に本拠地を置く「テガレンジャー」だ。このネーミングセンスは素晴らしい。

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柏商工会議所青年部のブースで、流山ボンベイがカレーを提供していた。惜しまれつつ閉店した、柏の伝説的なカレー店、ボンベイ。その味を受け継ぐのは、戸塚にある横浜ボンベイ、そして通販専門だがこの流山ボンベイ、そして昨年柏に店舗型でオープンした柏ボンベイ。

流山ボンベイのカレーは食べたことがなかったので、この機会に食べてみよう、とカシミールカレーを買い求める。ライスではなく、パンと一緒に提供していた。

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ひとくち食べるとしゃっくりが出た。3口目でくしゃみが出た。これはまさにボンベイの辛さである。かつてのボンベイでは、食後にコーヒーのサービス、というより強制的に飲まされたのだが、これがまた地獄のように辛くて、ますますあの店への中毒症状を引き起こしていた。400円。

口の中がひりひりするので、甘いものでも食べよう、とグリーンカレーを食べる。

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どこのブースだったか忘れてしまったが、このグリーンカレーは毎年柏まつりに出てくる。確か、市内で実際にカレーを出している店舗の人が作っているとか以前聞いた。甘くてうまいのは知っているので、安心して食べる。400円。

北海道人会が出しているジンギスカンも毎年人気だ。景気良く羊の肉と野菜が盛りつけられて400円。

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毎年大人気で、もはやこの柏まつりの名物にもなっているのは、柏市母子寡婦福祉会のチヂミ。これを食べると柏まつりに来た実感がわいてくる。

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たくさんの女性たちが、その場でフライパンで焼きあげてできたてを提供する。300円。

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今年もうまかった。食べたあと、もう1枚買ってしまった。

テガレンジャーの公式サイト
http://www.geocities.jp/morningsea1127/

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2011年7月 9日 (土)

SDN48「誘惑のガーター」公演 帰ってきた花ちゃんひぃちゃん

SDN48の公演はデビュー直後に観たあと、小原春香が加入してから様子を見に行ったぐらいで、数えるほどしか参戦していなかった。

しかし、先日東京ドームシティ公演のさ中に発表された3期生がいよいよ劇場デビューするというので久しぶりに抽選に応募し、ありがたいごとに当選した。何しろ、この3期生は特別だ。7人の中に、戸島花・駒谷仁美というAKB48オリジナルメンバーが2人も入っているのだ。

2008年10月、2人が成田梨紗、大江朝美、中西里菜と劇場を卒業したA4thリバイバル公演の千秋楽は、AKBのひとつの歴史が刻まれた瞬間だった。それから2年半あまり、2人がまたこの劇場に立つ日が来ようとは。

今にして思えば、あれはひとつの歴史が終わった瞬間だったのと同時に、新たな歴史が始まった瞬間でもあったのだ。

2人は昨年12月の劇場5周年特別公演にもゲスト参加した。そのとき駒谷は「これからはSDN48のメンバーとして・・・」と冗談を言って浦野に超怒られていたが、そのウソホントになってしまった。

単独CMが決まったものの、いまいち波に乗れないSDNだが、この2人の加入は大きい。SDNプロパーのメンバーやそのファンは面白く思わないかもしれないが、やはりAKBあってのSDNである。宝塚で言うところの専科のように、AKBメンバーがその輝きをずっと保ちつづける場として機能してほしい。

緊張気味に自己紹介をする花ちゃんに対し、ひぃちゃんはあいかわらずのマイペース。しかしこれがなかなかいい。SDNはどこか悲壮感があり、後がないというか、最後のチャンスをつかもうとする空気が漂っている。それがSDNの魅力であることは否定しないが、エンターテインメントとしては少々重い。そこに、ひぃちゃんというテキトーな(あくまでキャラクターとしての話)存在が加わり、中和剤のような役目を果たしている。

最後のMCでは、2人とも涙まじりにあいさつしていた。そこでは、SDN1期、2期のメンバーへの敬意と感謝が謙虚に語られた。それを当然という人もいるだろう。しかし、本来、彼女たちは誰に気兼ねする必要もない。彼女らが、この劇場空間を作り、AKBを切り開いたのだ。大いばりする権利がある。だが、それをしない。あくまでSDN3期生としての分を超えないようにしている。その姿勢には感動した。

この日は野呂佳代が出演していたが、早く佐藤由加理や浦野一美、大堀恵との共演も見たいものだ。そこに小原春香やこの日も出ていた手束真知子が加わると、こりゃあもう立派な専科だ。これから面白くなりそうなSDN、少し真面目に通うことにしたい。そうそう、佐藤由加理と戸島花のMCコンビ芸を早く見たくて仕方がない。

考えてみると、SDNをちゃんと土曜の夜に観たのは初めてかも。それも公約どおりの遅めの時間の開演だ。もっと遅くてもいいぞ!

SDN48のホームページ
http://www.sdn48.co.jp/

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2011年7月 3日 (日)

伊丹~宝塚~京都~名古屋

いつもは遠征といっても実質1日で、日曜の朝には現地を発って昼過ぎには戻ることが多い。今回は久しぶりに2日間たっぷり回ってきたのでその行程をメモしておこう。

朝7時羽田発のANA便に搭乗。ふだんなら乗る前にANA FESTAでソバでも食べるところだが、ちょっと寝坊したのでギリギリになってしまい断念。

8時10分伊丹着。腹が減ったので空港内の「そば処 関亭」で「出し巻き定食」を食べる。
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モノレールから阪急電車に乗り継いで、宝塚に到着。
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駅から劇場までの「花のみち」は歩いているだけでワクワクしてくる。駅を降りたところからタカラヅカは始まっているのだ。
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宝塚大劇場内には2つの劇場(大劇場、バウホール)のほか、レストランやカフェテリア、お土産やグッズ、CD・DVDなどのショップ、宝塚のメイクや衣装で写真が撮れるスタジオなどがひしめいており、さながらテーマパークの様相。初めて行くときは早目に行くのがおススメだ。大劇場に近い「カフェテラス」でシフォンケーキをいただく。窓の外にオスカルとアンドレ像が見える。
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大劇場の中。
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「ファントム」終了後、こんどはJRで京都に向かう。荷物をコインロッカーに入れると15時半ごろになっていた。また腹が減ったので、ジェイアール京都伊勢丹のレストラン街でこの時間に開いている店に入りなんとなく京都っぽい定食を食べる。
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まだ結構時間に余裕がある。朝から暑かったので、風呂にでも入ろうと京都タワーホテルの地下3階にある「タワー浴場」へ。なんだかミクロマンの「タワー基地」を思い出させるネーミングだ。
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かなり施設が古く、ここだけ昭和40年代の雰囲気。ゴージャスなスーパー銭湯に慣れたナウなヤングにはお勧めできないが、タイムスリップ感を楽しみたいなら。

ひとっ風呂浴びてから京都劇場へ。終演は20時を過ぎる。新幹線で一路名古屋へ。駅近のホテルにチェックインし、栄方面に遊びに出る。夜中、また腹が減ったのでCoCo壱番屋が愛知県内限定で展開しているカレーラーメンの店「麺屋ここいち」でカレーラーメンを食う。週に一度はCoCo壱番屋のカレーを食ってる自分なので、これはかなりうまいと感じた。
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ホテルが快適すぎて、翌朝は予定より寝坊してしまった。あわてて名古屋市科学館へ向かう。6月10日に、ここに世界最大のドーム型スクリーンを持つプラネタリウムが登場し、話題を呼んでいるのだ。9時半から入場券を発売するというので、8時半には到着しなくてはと考えていたが、寝坊したため9時15分着。もう長蛇の列ができている。1時間半ほど並んで、夕方の部のチケットを購入できた。朝いちのチケットを買うためには何時ごろ行けばよかったのだろう。

チケットを入手した後、松坂屋のレストラン街にある「あつた蓬莱軒」へ。ここも長蛇の列なのは分かっていたので、開店11時の30分前には到着していたかったのだが、結局11時ギリギリに。仕事のときはともかく、遊びのときは寝坊はいかんと心から反省。第一ターンでは入れなかったので、やはり1時間ほど待って席に着く。食べたのはひつまぶし(うなぎ大盛り)。あまりうまいイメージがなかったが、久しぶりに食ったらかなりうまかった。

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食べ終わって急ぎ劇場へ。もうオープニングパフォーマンスが始まっていた。名古屋ミュージカル劇場では、タップダンスとハンドベルが同じフロアの左右で同時に進む。なぜかタップダンスのほうが人気で、ハンドベルは至極いいポジションで見られた。

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終演後、10分ほど歩いて科学館へ。ざっと展示を眺める。体験型の展示が多く、子供は楽しそうだ。

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プラネタリウムは、確かにスクリーンが巨大だ。これだけ巨大だと、没入感がとてつもない。これは素晴らしい設備である。だがソフトはあくまで教育的な内容。学芸員のような人が生で解説してくれるのでまさに今日この日の天体がどうなっているのかよくわかる。しかしこれほどの施設なのだから、もっとスペクタクルなことをしてもいいのではないか。2000年の冬、ニューヨークの自然史博物館にオープンしたばかりの地球宇宙ローズセンターに収容されたヘイデン・プラネタリウムを見たときは感動した。トム・ハンクスのナレーション(その後、何度か番組は入れ替わっている)で、英語もわからないのにメッセージが頭の中に伝わってきた。明示的な知識を与えることより、大きな感動を与えて自発的な学習意欲を刺激することに重きを置いているのだ。

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17時すぎに科学館を出て名古屋駅へ。時間があればコメダ珈琲でシロノワールでも食いたかったが、N700系に乗りたかったのですぐに乗車。家に着いたのは20時ちょうどだった。

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四季「夢から醒めた夢」♪私が夢ーのー

ピコ 岡村美南
マコ 勝田理沙
マコの母 織笠里佳子
メソ 藤原大輔
デビル 川原洋一郎
エンジェル 有賀光一
ヤクザ 野中万寿夫
暴走族 西尾健治
部長 菊池 正
老人 高橋征郎
老婦人 佐和由梨
夢の配達人 高井 治

「夢から醒めた夢」に冗談キャストが登場。なんと高井治が夢の配達人を演じるという。こりゃあ観なくてはなるまい。いや、観なくてどうする!というわけで、京都からその日のうちに名古屋へ移動。

高井治は、別にオペラ座の怪人のファントム役ばかりやっているわけではない。「壁抜け男」や「ジーザス・クライスト=スーパースター」で、独特の雰囲気を醸し出していた。歌がうまいだけでなく、実は「ヘンなオヤジ」を演じさせたら意外にいける人なのだ。

なので、この冗談キャストには大いに期待した。いったいどんな配達人になるのだろう。この役は、四季の中では珍しく、その役者の個性に合わせてある程度自由にキャラクターを設定できる。下村尊則、荒川務、北澤裕輔、味方隆司、そして道口瑞之と、それぞれに全く違った配達人像を作り上げてきた。

高井治の歌唱力は間違いなく歴代配達人の中で群を抜くはずだ。その歌声、ヘンな奴オーラ、そしてファントム役の経験。これらから想像されるのは、「エリザベート」のトート閣下のような、闇の世界を統べるオレ様配達人か。そうなったら面白いなあ。とか妄想しながらオープニングパフォーマンスを眺める。

そして開演、客席の中からすっと高井治が立ちあがる。

えっ!?

これは意表を突かれた。

なんというか、素材に味つけも料理もせずに出してきた感じだ。

要するに、高井治がそのまんま出てきちゃったのだ。

衣装は着てるけど、メイクぐらいしようよ、舞台なんだし。とでも言いたくなる。それどころか「おっちゃん、そんなとこ立ってたら怒られるで」と席に座らせたくなる。

いやあ、これはこれで面白いけど、配達人としてはどうなんだろう。これまでのミステリアスだったり、妙に爽やかだったり、ひょうひょうとしてたりするどの配達人とも違う。初めて出てきた「何もしない系」配達人。それでもきちんと世界観にはまっていたから、配達人という役の奥は深い。いや、むしろ「夢から醒めた夢」の懐が深いというべきか。

セリフ回しが妙に軽かったり、動きに軽やかさがなかったりと、まだ未完成な気もした。もししばらく演じてくれるなら、この配達人がどのように変化していくのか興味はある。

東京以来の岡村美南は、とってもピコになじんできた。保坂知寿のような芸達者なピコでも、吉沢梨絵のような如才ないピコでもないのだが、なんだか実に好感が持てるピコだ。歌声も透明感があって、耳にやさしい。しばらくは岡村ピコで定着していいのではないか。

マコは勝田理沙。まだマコ役としての経験は浅いが、幸薄そうな雰囲気がマコに合っている。苫田亜沙子は人の幸福まで奪いそうだからねえ。もちろんそこがいいんだけど。

この日は客の入りはいまいちで、後方は空席が目立ったが、舞台は熱気があって素晴らしかった。部長、暴走族、ヤクザの3人はトリオ漫才のように息がぴったりだったし、いつもはスベリ気味な川原デビルもがんがん笑いを取っていた。それに乗せられて、ピコ・マコものびやかにいい演技をしていたように思う。

佐野ファントムの調子次第では、短期限定になってしまう可能性もありそうな高井配達人。単なるレアな冗談キャストに終わることなく、持ち味を生かした新しい配達人像を提示してくれることを期待したい。

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「夢から醒めた夢」公式サイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/yume/


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2011年7月 2日 (土)

四季「オペラ座の怪人」関西ファントム対決のゆくえ

オペラ座の怪人 佐野正幸
クリスティーヌ・ダーエ 沼尾みゆき
ラウル・シャニュイ子爵 中井智彦
カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグ・ジリー 松田未莉亜
マダム・ジリー 原田真理
ムッシュー・アンドレ 増田守人
ムッシュー・フィルマン 平良交一
ウバルド・ピアンジ 橋元聖地

当初の予定では宝塚のあと、大阪でゆっくりとうまいものでも食おうと考えていたが、この前の週から京都の「オペラ座の怪人」に佐野正幸が登場。クリスティーヌには沼尾みゆきだ。ここはひとつ、東西ファントムの関西対決と勝手にしゃれこもうじゃないか。

佐野・沼尾の組み合わせは、自分が最初に佐野ファントムを観たとき以来。佐野ファントムは、どちらかというと子供っぽさを持ったファントムだ。そういう意味では昼間に観た宝塚のファントムに通じるものがある。しかしこの日はどうも声の調子が悪く、何度か声が出ず歌い方を変えてとりつくろっていた。2幕に入るとそれがひどくなり、これ途中で交代したほうがいいんじゃないか、と思えるほどだった。

長期間「美女と野獣」でビーストをこなし、休む間もなくファントムだから、調子が悪くなるのも当然だ。「その日に一番状態のいい俳優を使う」とかキレイごとを言っておきながら、披露した俳優が出ざるを得ない状況を生んでいるのはマネジメントの欠如というほかはない。運営には猛省を促したい。

いっぽうの沼尾みゆきは、クリスティーヌの中にいろいろ混じりこんでいた。グリンダ様とかグリンダ様とかグリンダ様とか。ただでさえその心情が読めないクリスティーヌなのに、ますますよく分からない人になってしまった。

結果的に昼間に見た「フレッシュな若いファントムとクリスティーヌ」と極めて対象的な「フクザツな大人のファントムとクリスティーヌ」の関係を見た形となった。

怪人の調子が悪かったせいもあったのだろうが、今ひとつ盛り上がりに欠けた公演だった。これは、脇を固める俳優陣にも関係しているかもしれない。ムッシュー・アンドレとムッシュー・フィルマンは演技が真面目すぎたように思う。この2人はもっと笑いを取りに行ってくれてもいい。そうしないと、どんどん空気が重くなってしまうからだ。

10月から東京公演も決まった。残念ながら宝塚ファントムの東京公演は8~9月なので、東京で再戦というわけにはいかないが、佐野怪人の調子が戻ったら東京に来る前にもう1度ぐらい観ておこう。

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「オペラ座の怪人」公式サイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/operaza/main.html

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宝塚花組公演「ファントム」

ファントム 蘭寿 とむ
クリスティーヌ・ダーエ 蘭乃 はな
ジェラルド・キャリエール 壮 一帆
フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵 愛音 羽麗
ジャン・クロード 夏美 よう
メルシエ 高翔 みず希
カルロッタ 桜 一花
アラン・ショレ 華形 ひかる
リシャール 望海 風斗
セルジョ 朝夏 まなと

(完全版は以下参照)
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/227/cast.html

これまで、タカラヅカは「逆転裁判」「相棒」「メイちゃんの執事」と、バウな作品ばかり観てきた。ハマってしまうと身と金がもたないので、距離を置いていたのだ。

なのにどうしてわざわざ大劇場まで花組の新トップお披露目公演を観にきたか。別にハッキリした理由があるわけでもないが、まあそろそろいいかな、という漠とした解禁感もあるし、最近四季は大型の新作もなくてわくわくする機会が減っているし、AKBはすっかりテレビの人になってしまって公演であまり見られなくなったし・・・ということで、エンターテイメントの需給バランスが悪くなってきているという事情もある。

あと、今回トップスターに就任した蘭寿とむは、以前「逆転裁判」で一度観ている。で、その蘭寿とむについて、下記のエントリーにも登場している、SKEチームKⅡの秦佐和子が番組内で大ファンであることを明かし、熱く語っていた。何せ番組が「週刊AKB」だったから、いったい視聴者の何人が蘭寿とむについて知っていたかは疑問だし、それで「じゃあ俺も宝塚観てみるか」とチケットを買ったコンバージョン率も極めて低いとは思うが、少なくとも俺にとってそれは宝塚解禁への福音に聞こえた。

てなわけで、2年半ぶりに宝塚大劇場へとやってきた。

演目が「ファントム」だったのも何かの縁だろう。アンドリュー・ロイド=ウェバーの「オペラ座の怪人」と同じガストン・ルルーの小説を原作としているが、あちらもこちらも相当脚色しているので、とても同じ作品とは思えない。それはほとんど「どちらの作品にも徳川家康と織田信長が出ている」というぐらいの共通性しかなくなっている。

アーサー・コピットの脚本、作詞・作曲モーリー・イェストンの「ファントム」は1991年に米国初演。日本では宝塚が2004年と2006年に上演している。

蘭寿とむ演じるファントムは、実に若い。ウェバー版のファントムには強く「幼児性」が感じられるが、それは前提としてそこそこ歳がいっている、と知っているからそう感じられるわけで、こちらのタカラヅカファントムは、もともと若いのだ。その言動も子供っぽく、なんというか、カワイイ怪人である。

相手役の蘭乃はなともども、歌い方がアレなので、それも手伝ってファントムとクリスティーヌはフレッシュさあふれる初々しいカップルに思えた。

また、登場人物の心情が明示的に語られるので、解釈余地の大きいウェバー番と比べ、すんなりと頭に入ってくる。ウェバー版、特に四季のオジサマファントムでは、登場人物たちの心情が屈折しすぎててわけわからなくなっているのだが、そのモヤモヤ感(が、いいのだけれど)はない。

そう考えていくと、なんとなく、これは「オペラ座の怪人 ビギンズ(もしくは、ファーストジェネレーション)」的な、若き日のファントムを描いた作品のようにも見えてくる。もちろん、原作は同じだから同じ時代を描いているのだが、作品の色合いがそういう雰囲気なのである。あんなにフレッシュだったファントムやクリスティーヌが、いずれドロドロした三角関係に浸かるのだ、と思うといたたまれない。

あえて四季で見慣れた「オペラ座の怪人」と比較すると、とにかくこちらは舞台に立つ人の数が圧倒的に多いので、より「オペラ座な雰囲気」はよく出ている。宝塚一流の、華やかさとにじみでるユーモアは原作のB級ホラーな雰囲気を完全に消し去り、家族で楽しめる、とまでは言わないが、あまり肩肘をはらずに劇の世界に遊ぶことができるファンタジーになっていた。

休憩30分を入れて3時間と、比較的長い作品なので、1度観ただけでは見逃していることも多いと思う。東京公演でぜひもう一度観てみたいと考えている。というわけでもう中毒の初期症状が。「スカイステージ」の契約も真剣に検討してたりして。

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「ファントム」特設サイト
http://kageki.hankyu.co.jp/phantom2011/

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2011年7月 1日 (金)

北区つかこうへい劇団解散公演「蒲田行進曲」

銀四郎 武田義晴
ヤス 相良長仁
小夏 木下智恵

北区つかこうへい劇団がいよいよその千秋楽を迎える。最後の演目は「蒲田行進曲」。北区にある滝野川会館で観てきた。

解散公演シリーズ、結局観たのは最初の「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」とこれだけで、飛龍伝やロマンスはチケットを確保しながら行けなかった。残念。

さて「蒲田」である。熱海(オーソドックス版)や飛龍伝が自分の中では上を行くが、世の中的にはつかこうへい作品の中で最もポピュラーと言ってさしつかえなかろう。

微妙な位置の映画スターである銀ちゃん、その彼女の小夏、そして小夏をお腹の赤ん坊ごと「押しつけられた」ヤス。3人の関係、銀ちゃんと小夏、銀ちゃんとヤス、そして小夏とヤス、それぞれが実に折り目正しく、じっくりと描かれているという構造的にも美しい作品だ。

つかこうへい作品に流れるものを「前向きのマゾヒズム」と称する向きがある。その言葉自体への好き嫌いはあるだろうが、言わんとすることは分かる。

映画版「蒲田行進曲」では、特にヤスの演技がまさしくそれだったが、原典である舞台を見ると、実は3人ともMであることがわかる。

MとMとMとの関係が、幸せなものになるわけがない。

話が突然それるけど、SKE48のメンバーが勝手に結成したサークルに「2次元同好会」というのがある。無類のアニメ好きで知られる松下唯を中心としたグループだ。先日、それを番組化する文化放送の企画で公開収録が行われ、松下唯、中西優香、古川愛李、秦佐和子という俺セレクションのようなメンバーが出演。当然見に行ったわけだが、そこでSとMの話になった。ゲストとして呼ばれた声優・森久保祥太郎が、「Sというのは、相手を攻撃するのではなく、『コレが欲しいんだろ?』相手の望むものを与えることに快感を覚える人のこと」と解説していた。それを思い出した。

話を戻すと、つまりこの3人の関係性では、望むものを与えてくれる人が誰もいない。3人とも、ずっと何かを求め続けるだけの悲しい関係なのだ。

だから蒲田行進曲の終盤は、とても悲しい。誰かが死ぬとか、誰かと別れるとか、そういう問題ではなく、人生の本質に絶望を感じさせる。

だがつか作品はどんなに悲しいラストを迎えても、観客が劇場を出た時、前に向かって歩きだせるように、エンターテイメントらしく、華やかに、カッコよく終わる。この日はアリスの「青い稲妻」で締めくくった。

94年からつか作品に出演しているベテラン、武田義晴の銀ちゃんと、劇団15期生というホープの相良長仁のヤスという組み合わせは、これからつか作品を日本演劇界がどう演じていくのか、その姿勢を示しているようで興味深い。木下智恵の小夏はいかにもつか作品のヒロインだし、吉田学やとめ貴志といった北区つかこうへい劇団を支えてきた熱い男たちの演技も心地よかった。

さて、7月3日をもって北区つかこうへい劇団は解散となり、一部の団員は新生「北区 AKT STAGE」へと移って活動を続ける。解散には賛否両論もあるだろうが、中の人たちが納得しているなら外野があれこれ言うことではない。18年間、500円や1000円といった金額で熱のこもった公演を続けてきたすばらしい劇団の面々に、心から感謝したい。北区も、時に役所としては問題になりそうなセリフも数多いつか作品を、18年もよく支えてきたものだ。ハコものではなくソフトを、というかけごえは全国の自治体で聞かれるが、それに成功した事例は数えるほどしかない。北区つかこうへい劇団は、間違いなくその成功事例だと言えるだろう。

本当にありがとう。

北区つかこうへい劇団のWEBサイト
http://www.tsuka.co.jp/index.html

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