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2011年5月28日 (土)

四季「ジーザス・クライスト=スーパースター ジャポネスクバージョン」エルサレム・メタル・シティ

ジーザス・クライスト 芝 清道
イスカリオテのユダ 金森 勝
マグダラのマリア 高木美果
カヤパ 金本和起
アンナス 阿川建一郎
司祭1 平山信二
司祭2 内海雅智
司祭3 真田 司
シモン 本城裕二
ペテロ 飯田達郎
ピラト 村 俊英
ヘロデ王 下村尊則

早く観なくては、と思っているうちにジーザス・ジャポネスクバージョンが間もなく千秋楽。こりゃいかんと慌ててチケットを確保した。

先月観たエルサレム版はおっさんな感じが前面に出て、いまいちロック・オペラになりきれていなかったが、ジャポネスク版ではどうなるだろうか?実は結構期待して席に着いた。

1985年だったか、水戸で初めて劇団四季を観たのもこのジャポネスク版だった。当時は「江戸版」などと呼んでいたが。田舎の高校生にはアバンギャルドすぎた作品だったが、いまだにこの演出には斬新さを感じる。

まず舞台に跳び出てきた金森ユダ。彼のジャポネスク版ユダを見るのは初めてではないが、隈取が彼特有の鋭い視線を強調している。エルサレムのときのようなおっさんな雰囲気ではない。そうそう、これだ、これが金森ユダのロックなカタチなんだ。歌声も演技も、熱量が3割増しに思える。隅取ってすげー。

続いて登場、芝ジーザス。俺は動揺、いや、混乱した。

……なぜここにクラウザーさんが?

金森ユダの鬼気迫る演技が、魔界からクラウザーさんを呼び寄せたのか?

前回はこっちだったけど
Oniisan

今回はまさにこっちである。
Dmc2011

だがこれはいい。聖人が魔界から来ちゃいかんだろ、とか、細かいことはこの際気にしない。

エルサレムのとき、というよりこの作品本来のジーザスは、冒頭から表情に迷いがある。若さ故の悩みだ。しかしこのジーザスには、迷いというより怒りがある。その声に相手を威圧する、言い知れない力がある。

もちろんこのジーザスも悩んではいる。しかし、いつものジーザスはカリスマになる手前で逡巡しているのに対し、このジーザスはカリスマになってから悩んでいる。そこが違う。そして芝の声もまさしくロックになっている。こっちはメタルだぜ!

かつて「ライオンキング」で、最初おっとりしていた芝ムファサが、金森スカーを前にしていきなり武闘派のムファサに変わったときがあった。舞台をアフリカから中東に移して、ふたたび2人がギラギラした火花を散らし始めた。

その熱い火花に呼応して、もうひとりのスカーが覚醒した。村俊英のピラトだ。村ピラトはぐっと抑えた演技と歌声で実に多くのことを語る。素晴らしいキャスティングである。しかし、ジーザスとユダに触発されたか、いきなりリミッター解禁。村俊英の本気を前にして、誰が太刀打ちできようか。いつも控えめに語っていたピラトの心情、ジーザスの器の大きさを知っているからこそ、それを許すことで自らの鼎の軽重を測ろうとしながら、できれば直接手を下すのは避けたいという本音も見え隠れするという、複雑なピラトの心の動きを熱く歌い上げる。

この膨大な熱量が、とうとう3人目のスカーにまで伝導した。そう、下村尊則のヘロデ王だ。ヘロデ王は、この作品で唯一笑いを取っていい役であり、このシーンは演出家が奇抜さによって腕を見せなくてはいけない。この数年、下村はヘロデ王を完璧に、いや完璧以上にこなしてきた。下村ヘロデはすごい。そんなことはみんな知っている。しかしこの日のヘロデは、いつもよりさらにぶっとんでいた。変人というより、あっちの世界にイッちゃってた。久しぶりにカタルシス感じまくりの3分間である。

芝ジーザス、金森ユダ、村ピラト、下村ヘロデ王。名前を挙げるだけで汗ばむような、濃すぎる面々。それが相乗効果によって、4倍というより4乗の濃さになっている。濃い、濃すぎるよ。カルピスの原液をコーラで割って飲むぐらい濃いよ。彼らが織りなす、男と男と男と男の、ギトギトした四角関係。観終わったあと、黒烏龍茶でも飲みたい気分になった。

なんだかスゴいものを観ちまった気分だ。エルサレム版ではなく、最初からこのジャポネスク版でロングランしてもよかったんじゃないか。作品の本質をひんまげてはいるかもしれないが、ある意味世界に誇れるカルテットの誕生だと思う。

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「ジーザス・クライスト=スーパースター」公式サイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/jesus/

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2011年5月22日 (日)

「レ・ミゼラブル」帝劇100周年記念キャスト

ジャン・バルジャン 今井 清隆
ジャベール 鹿賀 丈史
エポニーヌ 島田 歌穂
ファンテーヌ 岩崎 宏美
コゼット 神田沙也加
マリウス 石川 禅
テナルディエ 斎藤 晴彦
テナルディエの妻 鳳 蘭
アンジョルラス 岡 幸二郎
司 教 林 アキラ

帝劇100周年記念キャスト、というより、現行の演出での上演が最後になるから、ということかもしれないが、旧キャストがズラリと顔をそろえたスペシャルキャスト上演の回に参戦した。

顔ぶれとしては、2005年の記念キャスト回に近い。今回は鳳蘭のマダム・テナルディエもおり、さらに林アキラの司教様まで加わった。

1987年の帝劇では(当時大学1年生)、プリンシパルキャスト総出演の時に見たので、そのときの布陣にかなり重なる。違っているのはバルジャンが滝田栄、マリウスが野口五郎、コゼットが斉藤由貴、アンジョルラスが内田直哉だった。

24年も経過して、また同じ出演者で観られるなんて。舞台ってほんとうに面白い。自分が24年で年齢と体重以外何の成長もしていないことも同時に思い知るのだが。

しかし、単なる懐かしキャストに終わらないのがこの役者たちの素晴らしいところである。

鹿賀丈史は、2005年に見たときは、初演のときと異なり、少し人間味を前に出したジャベールだった。しかし、今回は初演のジャベールに近い、冷徹で非情なジャベールを演じていた。怖いジャベールの復活は素直に嬉しかった。

それに、驚くべきはその歌声で、2005年のとき、あるいは2009年の「ミュージカル シラノ」などに比べて、ずっと声が出ていた。この公演に向け、相当なボイストレーニングを積んだのだと思う。還暦にしてなお真摯に役に向き合う姿勢には脱帽だ。

石川禅は、さすがに見た目は冗談みたいになってきたが、依然包容力のある魅力的なマリウスだ。「何だよふざけて~」のあの表情は、禅スペシャルとも言いたくなる彼にしかできない演技だ。

そして、現役時代よりさらに研ぎ澄まされたエポニーヌを見せてくれる島田歌穂。この2人を前にしては、神田沙也加のコゼットはいささか分が悪い。神田沙也加自体は決して悪くないし、劇団☆新感線の「薔薇とサムライ Goemon Rock OverDrive」ではその存在感に感心した。だが相手は2人のベテランの名人芸である。ここはひとつ、斉藤由貴コゼットの復活を観たかったものだ。今なお、自分の中での最高のコゼットは斉藤由貴である。

岩崎宏美のファンティーヌはあいかわらずこの役と一体化した完成度。いまだこの役は彼女のもの、という印象が強い。斎藤晴彦は、現役時代よりセリフが聞き取りやすくなっていた。彼はもう70歳!さすが筋金入りの舞台役者というべきか。

そして実に初演で観たとき以来の鳳蘭。豪快なマダム・テナルディエは健在だった。マダム・テナルディエについては自分の中で鳳蘭と前田美波里が同率首位。最初に見たから印象が強いのかもしれないが、やはり初演キャストがいかに強力であったかを改めて感じずにはいられない。

林アキラ司教も久しぶりだが、歌声は以前のままで感激した。これも、日本のレ・ミゼラブルには欠かせない存在なのである。

おそらく、こうした記念キャストを観るのもこれが最後になるのではないか。寂しい気もするが、彼らが築きあげてきた歴史があってこそ、新しいレ・ミゼラブルも幕を開けることができるのだ。彼ら偉大な先達への敬意を胸に、レ・ミゼラブルの新生を期待しつつ待ちたい。

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レ・ミゼラブル 公式ウェブサイト
http://www.tohostage.com/lesmiserables/index.html


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2011年5月21日 (土)

NMB48 2nd Stage「青春ガールズ」

SKE48に続き、大阪・なんばに誕生したNMB48。今年の元旦から公演を行っており、大阪に行けそうな日はマメに抽選に応募していたのだが、一向に当たらない。やっと当たって行くことができたが、1st Stageの「誰かのために」は残念ながらその数日前に千秋楽を迎えてしまった。「誰かのために」はチームAの3rd Stageなので、ひまわり新規である自分はライブで観ていない。だからぜひ観たかったのだが…。

SKEの場合、公演が始まってしばらくは、ありがたいことに抽選にも比較的当たっていた。SとKⅡと連続して当たったこともある。しかしNMBは結成してすぐ入手困難な状況になったわけだ。劇場オープン前から関西ローカルを中心にメディアで露出する機会が多かったこともあるだろうが、AKBの勢いがそれだけ加速しているということか。

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NMB劇場は、大阪に行ったらかなりの確率で訪れる「なんばグランド花月」の向かいにある。実は今年も何度か行っているが、そのたび、この向かい側のNMB劇場にたむろする人たちを「ああ、俺もあっちに入りたいなア」と指を咥えて眺めていたものである。

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この日は18時開演。当選メールには18時までにチケットを買うようにとあったが、これでは間に合わないだろうと思って電話してみると、丁寧な受け答えで17時30分までに買うように言われた。ぎりぎりになってしまったのだが、17時30分を過ぎるともう入場列が動き始めるので、やはり開演1時間前にはチケットは購入し、入場列(入場順抽選はなく、整理番号順)に並んだほうがよさそうだ。全員の入場が終わってから開演までの間に、トイレに行く時間はある。

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チケットを買うと、おなじみのリストバンドが巻かれる。入場時、念入りにチェックされる。

入場すると座席数は233席とのことだったが、立ち見席がなくすべて椅子席だからか、ずいぶん広く感じた。そして柱もなく、傾斜もあって実に見やすい。AKB、SKEの本拠地と比べてもダントツにいい環境である。

この日の出演メンバーは、

小笠原茉由、沖田彩華(研)、門脇佳奈子、岸野里香、木下春奈、小谷里歩、近藤里奈、篠原栞那、上西恵、白間美瑠、福本愛菜、松田栞、森彩華、山岸奈津美(研)、山田菜々、吉田朱里

つまり、人気2トップである山本彩と渡辺美優紀がいない。代わって研究生の2人が出ていた。

しかし実はNMBメンバーについては全く予備知識がなかったので、その2人の名前を知ったのも公演後の話。なので先入観なく楽しむことができた。

で、青春ガールズだ。K2nd、B3rdと受け継がれてきた公演だが、これもセットリストとして観るのは初めてだ。

青春ガールズは、全体曲も表題曲と「転がる石になれ」が有名だが、「Blue rose」「禁じられた2人」「雨の動物園」と続くユニット曲の印象が強い公演である。

いいテンポで進む公演を見ながら、僭越にもメンバーは全体的に小粒だな、と感じていた。2トップがいないこともあるだろうが、SKEを最初に見たときと比較しても、松井玲奈のような図抜けて可愛いメンバーや、高井つき奈のような目の離せない存在、松下唯のような個性的なキャラも見当たらなかった。

しかし、それがとんでもない誤解であり、見当違いであったことに気付いたのは、MCパートが始まってからだ。

MCでは、どのメンバーも(おそらく意識的に)関西弁まるだしで喋る。その会話の応酬たるや、まさにプロのレベルである。まあ有料でライブをやっているのだからプロなのだが、AKBのぐだぐだなMC(それはそれでAKBらしくてよいのだが)に比べたら、天と地ほどの違いがある。

ひとことひとことが面白いだけでなく、突っ込むタイミングや、前に出るタイミングなど、全員が完璧に把握している。そのうえ、観客までいじる。実はAKBでちゃんと観客いじりができるのは、大島麻衣しかいなかった。つまり今は誰もいない。その技術を、NMBのメンバーはこともなげにやってのけている。

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の大阪編で、両さんが「大阪弁はリズムだ!」と指摘していたが、恐るべき会話コミュニケーション能力だ。大阪によく行くようになってから、電車の中や飲食店の中での普通の会話ですら面白いのに気付いて、しかもその話をしているのが中学生だったりして驚愕したものだが、改めてその力をまざまざと見せつけられた。

とにかく、NMBのMCは、スゴい。これを見るだけで、大阪に行く価値がある。

なかなか当たらないけどね。

とりあえず気になったメンバーは、小笠原茉由、門脇佳奈子、山田菜々あたりか。2トップを見逃していることもあり、今後も抽選に応募し続けることになるだろう。その前に、TDCホールかな?

NMB48の公式サイト
http://www.nmb48.com/

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