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2011年1月15日 (土)

アプローズ~映画「イヴの総て」より~

マーゴ・チャニング 前田美波里
イヴ・ハリントン 上田亜希子
ハワード・ベネディクト 倉石 功
ビル・サンプソン 石原慎一
ドウェイン・フォックス 佐野瑞樹
バズ・リチャーズ 越智則英
カレン・リチャーズ 平田朝音
ボニー 澪乃せいら

吉沢梨絵がブログで呼びかけていたので、ミュージカル「アプローズ」を観にティアラこうとう(江東区公会堂区)へ出かけた。吉沢梨絵の命令には従わなければいけない。

1970年ブロードウェー主演、1972年劇団四季による日本初演の名作だが、自分は初めて観た。その曲は、この2年ほど四季の「ソング&ダンス 55ステップス」でいやというほど聴いていたが。初演の越路吹雪からこの役を受け継いで演じた前田美波里が、近年になってまたこの作品に取り組み、旬を過ぎようとしている大女優マーゴを演じている。そしてその座をおびやかす新人女優・イヴに四季OGの上田亜希子。自分にとっては、四季時代の彼女は「コーラスライン」のマギー役の印象が強い。そんなにたくさん観た舞台ではないし、マギーは決して目立つ役でもないのだが、上田マギーの記憶は不思議と比較的はっきりしているのだ。

さて、まずとにかく前田美波里がすごい。何をいまさら、と言われるかもしれないが、もちろん彼女がすごい人であることは知っている。しかし、初めてそのすごさを身をもって体験した、ということだ。

考えてみると、前田美波里という人については昔からテレビ番組や、映画「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」で知っていたし、舞台でも「マンマ・ミーア!」ターニャ役や「レ・ミゼラブル」のテナルディエ夫人役で見ていた。ターニャもテナルディエ夫人も同じ役を演じる他の役者とは段違いの存在感で、この人の実力は底知れないと感じていたが、やはり主役を演じたときの女優オーラは圧倒的である。

今年でおん年62歳になるというが、その年齢は全く感じさせない。演技も歌もダイナミックで、舞台全体、劇場全体にその全身から発せられるパワーが充満していた。こういう実力のある人が、都心のど真ん中ではない、扱いとしては地方劇場に属するステージに堂々と立ったり、四季や東宝でわき役をこなしているのだから、日本のエンターテインメント界もずいぶんとぜいたくなものだ。

対する上田亜希子が演じるイブは、純粋で聡明な人物かと思いきや、次第にそのしたたかな本性を見せていく役どころだが、最後までどこかいい奴か悪い奴か見定めきれないところを感じさせるあたりが良かった。美人だし。

映画は1950年代の作品で、今もって傑作の呼び声高くファンの多い「イヴの総て」。サスペンスタッチではあるが、現代のドロドロギスギスしたサスペンスに慣れきった目で見れば、かわいらしいぐらいのものである。「女ってこえー」と思わせるのは確かだが、男女問わず、上昇志向を持った人ならあのぐらいするだろ、という感じもしないではない。

そしてきょうの舞台を観る限り、そのサスペンス性はより薄く感じられた。その理由として、イヴよりもマーゴに重点を置いていること、そのマーゴを演じる前田美波里の、なんともいえない人間的な魅力がにじみでていること、などもあるが、何といってもこのミュージカル「アプローズ」では、野心や愛憎よりも、舞台への情熱、光と影とが乱反射する演劇界にかける人々の思いが前面に出ているからだ。

つまり、この作品はどこか「コーラスライン」へとつながる道を含んでおり、ストレスもあるけど、やっぱり演劇っていいよね、と感じさせる前向きで明るいメッセージが観客の心には残る。

本当に楽しい舞台だった。

ところで、ひょっとしたらこの日も吉沢梨絵が来ているかも、と思いちょっと客席を探したが(痛っ)、発見できなかった。代わりに望月龍平がいた。ちっ。ぼちぼち舞台に戻りつつあるが、ブログによれば3月に何かやらかしてくれるみたいなので期待している。またあの男のCMソング聞きたいなあ。

公演のウェブサイト
http://www.puremarry.com/applause.html

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コメント

事象、おつかれさまです。
相変わらずの守備範囲の広さ、恐縮です。地方公演までは
なかな手がまわりません、私は。

吉沢さんの消息を知れたのはうれしかったです。ビハさんも、あい変わらずのみりょくですね。

二人にこれからも期待です。
あ、もたろん望月くんもね。

投稿: ヨシボウ | 2011年1月22日 (土) 20時25分

ヨシボウさんこんにちは。

地方ったって23区内ですし、むしろ私の住んでいる千葉県からは近いので助かりました。

最近、自治体が勢いで作っちゃった劇場も、がんばっていいコンテンツを作ってるので嬉しいです。

投稿: ヤボオ | 2011年1月23日 (日) 01時18分

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