ニューヨーク2010のまとめ
さて、ぶじ日本に戻り、今回の東海岸紀行を振り返る。
日本からANAの直行便でニューヨークに行くと、朝9時半に到着するのでその日はまるまる使える。しかし帰る日は朝から空港に行くので、その日は帰るだけ。というわけで、3泊なら3日、4泊なら4日が観劇に充てられる日ということになる。
今回は4泊の日程だったので4日間。その期間で8本の舞台を観た。前回は4日で11本、前々回は3日で8本だったから、ペースとしては悪い。
しかし、今回は本数だけでは語れない貴重な体験をした。大雪のニューヨーク。マンハッタン全体がすっぽりと雪に覆われた状況なんて、めったに出くわすものではないだろう。実は以前、2月に仕事で行ったときも雪に降られたが、そのときとは比べ物にならない。
そして大雪によるキャンセルを通じて触れ合った、地域の劇場を支える素敵な人たち。本当に何度感謝の言葉を書いても書ききれない。
見学に行ったハーレムのゴスペルや歴史資産も素晴らしかったし、ハーレムがかつてのイメージから脱却しようしている現実も目の当たりにできた。学んだことは多い。
もともとの計画は4日で11本だったから、観られなかった3本、とくに「THE RIDE」を体験できなかったのは残念だったが、旅にアクシデントはつきもの。こういうことだってある。
それにJFK空港は1日半ほど閉鎖になっていた。来る日がずれていたら、来られなかった可能性だってある。それを考えたら、予定どおりに来られて、公演の危ぶまれたスパイダーマンも観られた自分は、大いに幸運だったと言っえる。
今回観られなかったものは、また次の機会に観ればいい。同じものでなくても、世の中には面白いものが無限にある。それを発見できるかどうかは自分次第だ。
雪のセントラルパークで、ソリ遊びにいそしむ子供たちを横目に、ひとり公園スキーに興じていたおじさん。スキー板やウェアを持ってニューヨークに観光に来る人もいないだろうから、近所に住んでいる人なのだろう。前夜しんしんと雪が降り積もるのを見て、普通なら「明日の仕事はどうなるだろう」とか「交通機関に影響が出そうだな」とか考えるところ、このスキー野郎は「よーし、明日はセントラルパークでスキーだ!」と思いついたのだ。
素晴らしい。自分もそういう、「いい大人にもなって」と言われるいい大人になりたい。
それにしても、今回の4日間は実にあっという間だった。
「なんだ、もう終わりか…。面白かったなあ」
というのは2010年最大のヒット作「ゲゲゲの女房」で、風間杜夫演じる水木しげるの父親が、人生の終焉ならぬ終演を迎えたときに漏らした言葉だ。今回の旅を振り返って、同じ言葉が頭をよぎる。
あ、俺はまだ死なないけどね。
最後にタイムズスクエア(雪の前日)の様子を。
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コメント
トニックウォーターにブランデーを(大量に)落とし、
富士山の氷を浮かべて、お気に入りのグラスでグイっと
飲みながら、一気にNY記を楽しみました。
自分の一番好きな時間を極上にして頂く内容で、
本当に心からワンダフル!を送らせて頂きます。
ELFご覧になったんですね。
見たかった一番の作品ですというのも、この映画が
大好きで、何度みたことか・・・。
雪のNYも想い出ですね。
僕はクリスマスシーズン、四季の「サウンドオブミュージック」を見ました。この年で見てよかったと思う作品でした。静岡キャッツでグリザベラをやっていた佐和さんの修道院長を見ながら泣いていました。
それにしても素晴らしいNY記でした。
投稿: マイク | 2011年1月 8日 (土) 23時41分
マイクさんこんにちは。
こんなへっぽこ旅行記を読んでいただき恐縮です。
富士の氷は、ニュージャージーの雪のごとく、冷たくて美味だったのではないかと思います。
佐和さんは実力のある名バイプレーヤーですよね。こういう方たちが劇団を支えているのだと感じます。
投稿: ヤボオ | 2011年1月 9日 (日) 23時46分