四季「マンマ・ミーア!」 広島公演開幕 超絶かわいい濱田めぐみドナ
「濱田めぐみがマンマ・ミーア!でドナを演じる」
四季ファン、めぐ信者の間に激震が走ったこのニュース。行くか?広島。しかし連休に関西に行ったばかりで、エーゲ海に足をのばしている余裕はない。むしろギリシャ並みに財政が逼迫しているのだ。しかし「美女と野獣」東京公演以来のめぐ様信奉者である俺が、その姿を見ずに耐えられるだろうか。いや耐えられない(係り結び)。一応残席確認。ALSOKホールは巨大だが、初日はさすがにほとんど埋まっている。そして早々と「いざ広島」の名乗りをあげた全国のめぐ信者によって着実に空席が埋められていく。どうする俺。時間はないぞ!
迷っているところに、サムの衣装を着た阿久津陽一郎が現れた!
阿久津サムは俺の背中を押した!
しかし何もおこらなかった。
すると稽古着姿の江畑晶慧が現れた!
つうこんのいちげき!
俺はチケットを買った!ダメ人間度が5上がった!
というわけで、俺もこのクエストに参加することになった。
しかし、四季が事前の情報通りに開幕キャストをそろえてくる保証は全くない。このニュースも壮大な釣りである可能性が高い。そうだとしたら、動画まで公開し、かなり気合いの入った釣りである。上等。全力で釣られてやろうじゃないか。
無論、開幕キャストを確認してから行く、という手もある。もしこのブログが仕分け対象になったら、蓮舫議員に「初日に行く理由は何があるんでしょうか?二週目じゃダメなんでしょうか?」と詰め寄られるだろう。しかしダメなのだ。この劇団は、オープンの数日後にキャスト変更、なんてことを平気でやってのけるのだ。それで痛い目にもあっているのだ。
とかなんとか言いながら、やってきました2年ぶりの広島。前回来たあと、ぜひまた来たいとずっと思っていたので、どちらにしてもマンマ・ミーア!広島公演には足を運ぶ予定だった。それがちょっこし早くなっただけ、とブログには書いておこう。
席は二階の端のほうなので、細かいところまでは確認できなかったが、ミーハーな印象をメモしておきたい。キャストは下記のとおり。
ドナ・シェリダン | 濱田めぐみ |
ソフィ・シェリダン | 江畑晶慧 |
ターニャ | 八重沢真美 |
ロージー | 青山弥生 |
サム・カーマイケル | 阿久津陽一郎 |
ハリー・ブライト | 明戸信吾 |
ビル・オースティン | 野中万寿夫 |
スカイ | 田中彰孝 |
アリ | 木内志奈 |
リサ | 柏 円 |
エディ | 鎌滝健太 |
ペッパー | 大塚道人 |
まずはめぐ様ドナ。確かに若い。むちゃくちゃ若い。ソフィと並ぶととても親子には見えない。ちょっと頑張ったらソフィ役だっていけるんじゃね?というほど。
そしてキレイ、というよりカワイイ。かわいいおばさん、というのではなくて、普通にかわいいのだ。短めに切ったヘアースタイルで、なんだか田中麗奈ちゃんみたいに見える。くどいようだがそれぐらいかわいい。
キャラクターとしては、これまでのどのドナとも違う、「全力型」のドナだ。笑うときも、怒るときも、びっくりするときも、全力で感情をぶつけてくる。こんなに肩に力の入ったドナは初めて見た。無論これは演技に肩の力が入っているのではなく、肩に力が入った演技をしているのだろう。
そういうドナだからこそ「休憩が必要よ」というセリフや、「Super Trouper」の「私疲れていたの」という歌詞に説得力が出てくる。あれだけ全力でホテル経営も子育てもしていたら、そりゃ疲れもするだろう。思えば大阪公演千秋楽では、保坂知寿という女優の人生と、歌詞の内容がオーバーラップして胸が熱くなった。その感動には及ばないまでも、「Super Trouper」で思わず涙が浮かんだのは久しぶりだ。
歌い方も当然力の入ったもので、これは彼女の持ち味でもあるわけだが、ABBAの曲にはもっと軽やかな歌い方のほうが合っているかもしれない。しかし「The Winner Takes It All」は圧巻。歌いきったあと、一瞬魔女と王女様が見えたのは先入観だけが原因ではあるまい。
とにかく、このちっちゃくてキュートで力いっぱいなドナを見ていると、若いんじゃないかとかイメージが違うのではとか、そんな懸念は些細なことに思えてくる。毎週でも観たくなる、とてつもない魅力に満ちあふれている。ひいき目?そりゃそうですとも。
次に、めぐ様ドナ同様、びっくり仰天キャストの阿久津サム。現役でアイーダとラダメスを演じている二人なので、まるでアイーダの後日談を見ているようだ。もっとも、先日鈴木ほのかアムネリスと渡辺正ラダメスを見たときには、逆にマンマ・ミーア!の前日譚を見ているように感じた。まあやはり結ばれるべきはアイーダとラダメスだから、こっちのほうが妄想としては正当だ。
阿久津サムは、背が高く、ぬぼーっとして、何を考えているのかよく分らないサムである。しかし普通に真面目な演技をしているだけで、どことなく笑える空気を出せるのは、少なくともこの作品に関する限り大きな武器だ。そしてときどきクニャっと笑う。これがまた不気味でおかしい。どことなく「レベッカ」の山口祐一郎を思わせる。「別れるのは つらいけど~」という歌いだしが妙にカン高くて、これは「パイレート・クイーン」の山口祐一郎っぽかった。
と、なんだかつかみどころがなくてアイマイな印象しかないのだが、ひとつだけはっきりしていることがある。アンコールの、あの衣装がものすごく似合ってない。最近は荒川務にしても、渡辺正にしても、微妙にあの衣装が似合ってしまっていたが、あんなに似合わないのは芝清道のサム以来ではないか。もちろん、あの場面は思いっきり似合わない衣装で登場し、客を引かせて笑いを取るのが正解なのだから、作品的には似合わなくていいのである。と、考えると、これは芝サム以来のヒットか?と思えなくもない。東京公演の初日に見た芝サムは、本当にサマになっていなくて、それがこの作品の求めるサムにぴったりだった。「マンマ・ミーア!」の父親たちはカッコ悪くていいのである。そういえば、あのときスカイを演じていたのが阿久津陽一郎だった。この男の2幕最初のアレは、いま思い出しても悪夢を呼ぶほど気持ち悪かった。
そして江畑晶慧のソフィ。自分は彼女のソフィは初見だ。もちろんエルファバで何回も見ていて、好感を持っていた。ただ、エルフィーでは顔が緑なので、イマイチ素顔がわからない。パンフレットの写真はかなりカワイイし、交通安全キャンペーンに苫田亜沙子と参加したときの婦警姿は激萌えだったので、いちどソフィーを見たいとかねがね考えていた。また、四季のソフィーで自分が見ていないのは、今のところ彼女だけだ(と思う)。樋口麻美、木村花代、五十嵐可絵、吉沢梨絵、宮崎しょうこ、谷内 愛とすべて見てきた以上、江畑ソフィも見ずにはいられない。
しかし、舞台で見るとあのソフィーの髪型がかなり似合っていない。プログラムやWEBサイトにアップされている稽古着姿の写真はとってもかわいいのに、何とも残念だ。ふだんの髪型のままでいいではないか。前にこのブログで書いたとおり、海外のソフィはその女優さんに似合った髪型で舞台に出ている。日本だけ、あの外巻きヘアーを順守しなくてはいけない不平等契約でも行われているのだろうか。ソフィ髪型自由化を強く要求したい。
声はちょっと太いのだけれど、最初ちょっと違和感があったものの、物語が進んでいくとほとんど気にならなくなってくる。違和感といえば、これまで見たソフィはみなほっそりした人が多かったので、ぐっと肉感のあるソフィというのは初めてだ。だがそれがいい。ここは鈴木ほのかドナとの共演で、セクシーダイナマイツな親子として登場してほしい。
ほか、鎌滝健太のエディも初めて見た。最初はなんだかペッパーが2人いるようだったが、なかなか男前のいいエディになっていた。逆に、大塚道人のエディも見てみたいところだ。
舞台セットに目を向けると、非常に残念なことに、福岡公演同様、月がプロジェクター投影。これは前にも書いたけど、この作品において「月」は特別な意味を持っていると思う。それがあの月ではどうも言い尽くせないような気がしている。会場設備の関係だろうから仕方がないが…。あと、これまでの公演では一部通路がセリ上がる仕掛けがあったが、これがない。その影響なのか、「Name of the Game」のビルとソフィとのやりとりが短くなっていた。単にトチっただけかな?
ALSOKホールはとにかく大きいので、後ろのほうで見ていると音楽の迫力がない。やはりマンマ・ミーア!では冒頭でABBAの曲を全身に浴びることでその世界にすんなりと入っていけるので、これもやや残念だ。
この日は初日ということもあり、招待客とリピーターが客席のかなりの部分を占めていたせいだろうか、最初、江畑ソフィが非常にいい“間”でセリフを繰り出しているのになかなか笑いが起きず、ちょっとはらはらした。しかし青山ロージー・八重沢ターニャの名人芸が客席を一気に温めた。このあたりはさすがである。明戸ハリー、野中ビルも含め、最強すぎるベテラン勢がガッチリと脇を固めていることで、若いキャストものびのびと持ち味を発揮できていたように思う。濱田―阿久津、濱田―江畑といったアンサンブルもバッチリで、お互いの声を殺すことなくいいバランスで歌い上げていた。実に安心して見ていられる公演だったと言える。最後はもちろん大盛り上がり。やっぱりマンマ・ミーア!って楽しいと実感した。
めぐ様ドナを迎え、ますますこの舞台が好きになってきた。広島にはちょくちょく行けないかもしれないが、機会があれば再訪したい。そしてそのあとは静岡。静岡なら足を延ばすのもさほど大変ではない。そして仙台にもしばらく行ってないし……。んー今年はMM年になりそうだぜ。
2階の喫茶室が「TOHOカフェ」ってのがちょっとおかしい。
マンマ・ミーア!のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/mammamia/
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