四季「キャッツ」横浜公演 脱線トリオ、そろり発進
グリザベラ | 早水小夜子 |
ジェリーロラム=グリドルボーン | 秋 夢子 |
ジェニエニドッツ | 礒津ひろみ |
ランペルティーザ | 愛沢えりや |
ディミータ | 団 こと葉 |
ボンバルリーナ | 西村麗子 |
シラバブ | 谷口あかり |
タントミール | 高倉恵美 |
ジェミマ | 金平真弥 |
ヴィクトリア | 千堂百慧 |
カッサンドラ | 蒼井 蘭 |
オールドデュトロノミー | 種井静夫 |
アスパラガス=グロールタイガー/バストファージョーンズ | 村 俊英 |
マンカストラップ | 芝 清道 |
ラム・タム・タガー | 阿久津陽一郎 |
ミストフェリーズ | 松島勇気 |
マンゴジェリー | 川東優希 |
スキンブルシャンクス | 岸 佳宏 |
コリコパット | 入江航平 |
ランパスキャット | 桧山 憲 |
カーバケッティ | 松永隆志 |
ギルバート | 龍澤虎太郎 |
マキャヴィティ | 金久 烈 |
タンブルブルータス | 川野 翔 |
新しいキャッツシアターは、なんとなく五反田キャッツシアターの2階部分を取り外したような構造だ。東京公演ではロングランの中で2階に空席が目立つことも少なくなかったのでナイス判断なのではないか。また、2階席があると1階席の後方は天井が低くて圧迫感があったが、それがなくなって全体的に開放感がでた。これはいい。
まあ基本的には五反田シアターの雰囲気そのままで、椅子なども再利用されているようなので新鮮な感じはないが、コンパクトにまとまっていてどこからも舞台が近く、オール1階席のこの空間は大いに気に入った。ロビーも広々としている。
客席を取り囲むゴミの数々は五反田からもってきたものもあり、新しいものもある。開演前にはぐるりと回ってチェックしたいものだ。
演出も、細かい変更はいくつかあるようだが、特に「横浜」を感じさせる大きな仕掛けが2箇所ある。詳しくは言わないが、一幕にひとつ、二幕にひとつ。個人的には一幕のアレ、好きだなあ。
さてこの日は、開幕ということでなかなかの豪華キャストである。キャッツの進行役はマンカストラップ、ラム・タム・タガー、ミストフェリーズの3人だが、そこに芝、阿久津、松島と、顔面濃度200%の野郎共がずらりとそろった。3人とも、猫の濃いメイクがほとんど意味がないほど素顔がよく分かる。しかしこの3人の能力と存在感は折り紙つきだ。
もっとも、この3人はそれぞれ、いらんことをするキャストでもある。芝はリーダーたるマンカストラップなのに、ところどころで笑いを取りに走るし、阿久津は登場とともに何語かよくわからない奇声を発するし、松島はグリドルボーンに怪しい視線を投げかける。
だがこの日は、3人とも不審な動きをぐっと封印していた。マンカストラップは真面目だし、タガーはおとなしく出てくるし、松島も持ち前のバレエの技術で観客を魅了する。いったいみんなどうしたというのだ。別にもっとふざけろというつもりはないが、ヤツらが神妙にしていると、なんだか薄気味悪い。きっといずれ何かやらかそうと企んでいるに違いない。近所の悪ガキかよ。
この3人に、早水小夜子のグリザベラ、村俊英のアスパラガスという職人たちも加わり、見ていて実に安定感がある舞台となった。決して開幕当初にありがちなガチガチの固い雰囲気ではなく、みなどこか余裕を持って役を演じていたように見えた。別に緊張感がないというわけではなく、実力のある者たちだからこそなせる業だ。もともと、キャッツはもっと自由さがあっていい作品だと思う。ロンドンの猫たちはまさに野良猫だった。完成度の高さが日本の、というか四季のキャッツの魅力であることに異論はないが、このあたりで少し新しい方向性を模索するのもよいのではないか。
さて、開幕当初はシラバブに五所真理子の名前があった。夏の「エルコスの祈り」全国公演でたいそう気に入った女優さんなので、楽しみにしていたが劇場のキャストボードでは谷口あかりに変わっていた。ちょっと残念だ。まあ谷口あかりもこれはこれで好きなわけで、ルックス最強なシラバブは見ていて顔がにやけてくる。ルックスといえば金平真弥のジェミマのキレイなこと!思わず見とれてしまう。とはいえ、これならさぞやアムネリス王女様も美しいだろうなあ、と想像したくなるのはいたしかたのないところだ。
横浜でどのくらいの公演をするつもりか分からないが、キャパシティを考えればそれなりの期間は続けないと採算は取れないだろう。中華でも食いながら通うことにしよう。
「キャッツ」のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/cats/index.html
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コメント
ヤボオさん、こんにちは。
私も開幕豪華キャストに惹かれて、行ってまいりました。
ベテラン勢はさすがですね。早水さん村さんの歌に聴き入り、松島ミスト高倉タントのダンスにため息でした。
芝マンカスは五反田ラストはかなり弾けてましたが、今回は落ち着いた面倒見のいいリーダーでした。
阿久津タガーは初めてでしたが、新しいタイプですね。タガーとして変わったことをしている訳ではないのに、阿久津さんそのままのような気も…?
ヤボオさんのおっしゃるように、悪ガキ3人が遊び出したらどうなるのか楽しみです。3人がいつまでCATSにいてくれるかも気になるところですね。
投稿: 千尋 | 2009年11月15日 (日) 11時22分
同じキャストで前日観ました♪
終始安定感のある素晴らしい横浜キャッツでしたね!
この贅沢キャストがいつまで続くのでしょうか。
脱線トリオの企みを是非〃観たいものです(笑)
「横浜」を感じさせる2幕は「アレ」でいいのかな・・・?次回じっくり確認してきます。
五所さんはとっても好評ですね。特に男性陣に♪
金平アムネのデビューも待ち遠しいところ。
投稿: あおば | 2009年11月15日 (日) 14時38分
こんにちは(^ω^)
いつも楽しくブログ拝見しています♪
キャッツ。本当に豪華なキャストですよね!
私も横浜まで観に行きたい…!!
最近は観たい作品が東京上演のものばかりで…
観たくてうずうずしています。
関西に何かこないかしら。。
このブログを読んで、エルコス、観に行きました!
キャストは変わっていて、染谷さんという方になっていました。五所さんエルコス、観たかったー
投稿: ベル | 2009年11月15日 (日) 18時52分
千尋さんこんにちは。
そうですねえ、ロングランが続くにつれて「開幕の クソガキどもが 夢のあと」になってしまわないよう、安定したキャストの回転を望みたいところです。阿久津タガーは、あれでいいわけないんですが、結構好きです。
投稿: ヤボオ | 2009年11月15日 (日) 23時38分
あおばさんこんにちは。
脱線トリオにしようかてんぷくトリオにしようか小一時間悩みました。
次回はぜひ五所シラバブ目当てに行きたいと思います!
投稿: ヤボオ | 2009年11月15日 (日) 23時40分
ベルさんこんにちは。くだらないブログを読んでいただき恐縮です。
関西ではウィキッドと美女と野獣を上演していてうらやましいのですが、最近大阪・京都はキャストが長期間変わらない傾向にあるので、なかなか行くきっかけがつかめません。そうこうしているうちに、福岡で怪しい動きが・・・
投稿: ヤボオ | 2009年11月15日 (日) 23時42分
こんにちは!キャストに惹かれ、昨日突発しました。
キャッツって良い作品なんだなぁ〜って改めて感じました。バランスが素晴らしく良かったです。
やっぱ開幕キャストは、こうじゃなきゃ!!なんて邪な思いもありますが(笑)
ところでキャスト表デカすぎませんか?会場に着いてから、地図を渡されてもねぇ…今更ジロー(年がバレますね)
うーん、高齢者対策でしょうか?
投稿: らべたん | 2009年11月16日 (月) 12時36分
こんばんは。初日に遠征してきました。
客席に劇団のお歴々(?)がたくさんいらしたせいか、
ビシッとしたダンスで、キャッツ独特のお遊びは
ほとんどありませんでした。
でも、その分、作品そのものを楽しめた感じです。
それもこれも、この豪華キャストのおかげですよね。
(次回観劇までしばらく間が空くので、
こんな贅沢キャストは望めないでしょうね。)
テント時代しかなかった、マキャの登場場所が
復活したのはうれしかったです。
(どこかをばらすのは、野暮ですよね。)
五所シラバブは、メモリーでほんのわずか音が
下がり気味でしたが、
透き通った声で、かわいい子猫でした。
投稿: とみたま | 2009年11月16日 (月) 18時52分
らべたんさんこんにちは。
うーんあの地図はフシギですねえ。
横浜は四季の地元でもありますし、開幕のみならず、安定していいキャストが出てくれることを期待しましょう。
投稿: ヤボオ | 2009年11月17日 (火) 00時40分
とみたまさんこんにちは。
初日にご覧になったとは素晴らしい。この後キャストがどう動くのか予想もできませんが、五所ちゃんシラバブはなんとか見たいものです。
投稿: ヤボオ | 2009年11月17日 (火) 00時42分
同じ日に観てたんですね!お会いしたかった!
この日はほんとに安定したキャストで見応えのある舞台でした。ただ、タガー席を狙って娘を連れていったのに、阿久津タガーはとんでもない所から連れ出しました。しかも結構乱暴に。(バッグが吹っ飛んでました)以前の荒川タガーは紳士的でした。あ、でもタガーのキャラには合ってるのか。
全体には良かったのですが、もっと新鮮味が欲しかったかな。振付も一緒だし。これからしばらく続けるだろうから徐々に変えていってほしいものです。
投稿: たつとこはは | 2009年11月18日 (水) 13時06分
たつとこははさんこんにちは。
タガーのあのシーン、結構連れ出す側もいっぱいいっぱいなんじゃないでしょうか。さすが荒川氏はベテランの余裕ですね!
投稿: ヤボオ | 2009年11月19日 (木) 00時57分