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2009年11月29日 (日)

ブルーマン 東京公演 千秋楽

ブルーマン東京公演がちょうど2年間ロングランし、千秋楽を迎えた。その最終公演に参加。初日と千秋楽、両方を観られたのはブルーマンファン冥利に尽きる。

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通算何回観たんだろう。エントリーは上げていないが、6~7回といったところか。2年間も公演していたわりには、少ないかもしれない。理由を無理に探せば、ステージには全く不満がないものの、やはりブルーマンはアスター・プレイスのあの劇場で観るもの、という考えが頭のどこかにあるせいかもしれない。

別に俺は何もかも「本場」で観ることにこだわるわけではない。ミュージカルにしたって、作品によっては日本の公演のほうがブロードウェーやウエストエンドを超えているものもあると思う。しかし、ブルーマンに限って言えば、やはりこの公演のために建てられたインボイス劇場は広すぎる。ブルーマンの技と笑いは、オフ・ブロードウェーの狭く、怪しげな空間で極大化するのだ。それは、昨年末、東京公演続行中にもかかわらずニューヨークで観たときに確信した。

とはいえ、ブルーマンを電車で観に行ける。その幸せを十二分に感じられた2年間だった。

入場時には記念のポストカードと大入り袋が配られた。売店を覗くと、舞台でブルーマンが「制作する」アート作品を販売していた。一点8000円。うーん、今の逼迫した財政状況を考えると…でも買っちまった。

いつもと同じように、いや、観客のノリがいつもよりちょっとだけいい雰囲気の中、公演が進む。そして最後のカーテンコールには、「ありがとう また会う日まで」というメッセージが表示され、計713公演、47万人を動員したブルーマン東京公演は幕を閉じた。

終演後のロビーも、いつも以上の大賑わい。それでもなんとか写真を撮る。名残惜しかったが、感傷的になるのも嫌なので、この写真を撮ってからすぐ足早に会場を後にした。

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けやき坂のイルミネーションを眺めながら六本木駅に向かいつつ、もう来週からブルーマンはこの街にいないのだ、と思うと、やはりちょっと感傷的になってしまった。

アジア地域でのロングランを実現したことで、今後ワールドツアーなども企画されるだろうし、日本でまたブルーマンを観られる日はそう遠くないかもしれない。それまでは、がんばってお金を貯めて、アメリカに会いに行くとしよう。

サンキュー、ブルーマン。また会おう!

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玄関に飾ってみました

ブルーマン東京公演ホームページ
http://blueman.jp/main.html

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東宝「パイレート・クィーン」山口祐一郎が青年?海賊

グレイス・オマリー 保坂知寿
グレイスの恋人・ティアナン 山口祐一郎
女王エリザベス一世 涼風真世
グレイスの父・族長ドゥブダラ 今井清隆
エリザベスの側近・ビンガム卿 石川 禅
グレイスの夫・ドーナル 宮川 浩

保坂知寿、山口祐一郎、今井清隆、石川 禅。この4人がそろい踏みと聞けば劇場に自然と足が向く。そんなわけで、28日に開幕した「パイレート・クィーン」の2日目の公演を観るために久しぶりの帝劇へ。

保坂・山口コンビの共演って、一体何年ぶりなんだろう。ひょっとしたら自分もその昔「ジーザス・クライスト=スーパースター」あたりで見ているのかもしれないが、たぶん初めてだ。

劇場に入ると、イングランドと独立前のアイルランド旗がプロジェクターで投影されている。プロジェクターが古いのかピントが合っておらず、どうもシャビーな雰囲気だ。いやあな予感がしたが、幕が上がり、海賊船の出航前のシーンが始まると、帝劇の盆をうまく使った船の表現、シンプルだが奥行きを感じさせる照明、そして明快なメロディーとで、船出の高揚感をかもし出し劇場を満たす。ぐっと引き込まれるオープニングだ。

16世紀のアイルランドを舞台に、イギリス女王エリザベス一世と対峙し自治を獲得した実在の女性、グレイス・オマリーをモデルにした、恋あり冒険ありのエンターテインメント性の強いミュージカルである。ストーリーは分かりやすく、ややあっさりしているが、その分娯楽要素を盛り込もうとしているのだろう。

ただ、そのわりにはシビレるほどのエンターテインメント性があるわけでもなく、全体的に薄味ではある。そこを全編にわたってふんだんに取り入れられているアイリッシュダンスと、役者の個性で埋めている印象だ。テンポよく展開するし、眠くなるシーンもないので、気軽に舞台を楽しみたいときにはうってつけの作品だ。

さて、保坂知寿はいきなり娘役として登場。設定は10代か。しかしこれが驚くほど違和感がない。これぞ女優だ。復帰第一作の「デュエット」もまずまずだったが、やはり彼女にはグランド・ミュージカルの舞台が似合う。大掛かりなセットと大勢のアンサンブルに囲まれて、実にのびのびと、いきいきと演じ、歌っている。それがさらに年齢を超越させるのだ。

そしてグレイスは母になり、「海賊の女王」としてリーダーシップを発揮するようになり、と成長を遂げていくが、その成長につれて演技を少しずつ変えていく。改めて保坂の実力を目の当たりにした気分だ。

一方の山口祐一郎。これが何と「青年」海賊という役どころである。長髪の若作りしたメイクで登場し、若さを表現しようとしているのか、変にカン高い声で歌い始める。この時点で、笑いをかみ殺している観客多数(推定)。そして保坂と異なり、冒頭で見せた若作り演技を最後まで貫く。途中から演技を変えるようなこざかしいマネはしないのだ。いよっ、男だね、山口祐一郎!だから、最後まで観客は半笑い状態で見守らなくてはいけない。しかも、途中いらぬ小芝居をして笑いを取りに来る。観客だけでなく、共演者も笑いをこらえるのに必死だ。

しかし、ソロナンバーになるとさすが山口。全身から感じられる違和感をものともせず、観客を引き込む歌声は圧巻だ。そして保坂とのデュエットも息はぴったり。これを待ち望んでいたのだ。

笑いといえば、石川禅も持ち味である巧まざるユーモアセンスを発揮し、本来憎まれ役であるべきビンガム卿を実にチャーミングに演じている。この人の実力は本当に日本のミュージカル界の宝だ。

今井清隆も、貫禄ある海賊の長でありながら娘への愛情を隠せないいい人ぶりをアピールするし、涼風真世もどちらかというと女王の威厳よりかわいらしさが前に出てしまう。最大の悪役である宮川浩も、どこか情けなくて憎めない。

こういう面々が、作品の印象を実にやわらかく、あたたかなものにしている。ポスターには「スペクタクル・ミュージカル・アドベンチャー」というふるったキャッチコピーが踊るが、そういうイメージで気合を入れて観劇に臨むと肩透かしをくらってしまうかもしれない。軽い口あたりの作品の中で、個性ある俳優たちがのびのびとその実力を発揮している。そういう舞台だと思って、ふらっと劇場を訪れるのがおススメだ。

ロビーに展示されていた船のセットの模型。

「パイレート・クィーン」ホームページ
http://www.tohostage.com/piratequeen/index.html

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2009年11月22日 (日)

四季「ソング&ダンス 55ステップス」アリエル花代のありえないキュートさ

「ソング&ダンス 55ステップス」福岡公演が19日から始まった。ヴォーカルパートは開けてびっくりの豪華な顔ぶれ。男性陣に金森 勝、高井 治、福井晶一、女性陣に井上智恵、鈴木ほのか、木村花代ときたもんだ。豪華というより、キャスティングしたの俺だろ、というぐらい個人的に好きな役者が並んでいる。こりゃあ行かないわけにはいかない。福岡が俺を呼んでいる。数日前に預金残高を見て愕然としたほど財政はひっ迫しているが、AKB武道館コンサートのDVDボックス購入を先送りして費用を捻出し、2月の「ミス・サイゴン」以来久しぶりの福岡へ。

この日、福岡は意外なほど寒かった。現地の人の話では、その前の週まで今年は冬が本当に来るのか疑いたくなるほどの陽気だったという。そして劇場に着くころには雨が降ってきた。

福岡シティ劇場に入り、エスカレーターを上がる。まずはこの日の顔ぶれを再確認して悦に入ってやろう、と思いキャストボードの前へ。

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今年の正月、この公演に一瞬だけ登場した木村花代が、ポジションを「娘役パート」に変えて復活だ。このトリオはいい。鉄板過ぎる。ぜひなんらかの作品で共演してほしい組み合わせだ。

そして男性陣に視線を移すと……

 

Σ( ゚ Д ゚ )

 

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(つд⊂)ゴシゴシ

 

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 ゚  ゚  ( Д )

 

何と福井晶一が渡辺正に変わっている。福井がいなくなるだけでも大打撃なのに、よりにもよってこの男だ。いったい何があったのだ。「雨男」「雨女」のように、渡辺正運が極端にいい(悪い?)人がいるのだろうか。

……俺か?

俺が連れてきちまったのか?

だとしたら福岡のみなさんごめんなさい。せめて一緒に東京に連れて帰ります。いや、それをしたら海劇場で泣く人がいるからだめだ。

というわけで、本日のキャストはこう。

ヴォーカルパート 金森 勝、高井 治、渡辺 正、井上智恵、鈴木ほのか、
木村花代
ダンスパート 鎌滝健太、斎藤准一郎、君島龍矢、徳永義満、萩原隆匡、
花島佑介、朱 涛、新庄真一、前田順弘、
加藤久美子、駅田郁美、徳江みさほ、須田綾乃、
柴田厚子、井上佳奈、小菅 舞、原田麦子、今 彩乃、泉 春花

どーんとモチベーションが下がった状態で開演。舞台上の花代様のお姿を見ているうちに、なんとかテンションも上がってきた。

男性陣では、金森勝(キム スンラ)が初見だ。あれだけ舞台の上で見ている役者さんだが、素顔を見るのは初めてのような気がする。いつもライオンや猫や、隈取り状態だったからね。どことなく矢島健一を思わせる風貌だ。作品に強烈なアクセントを加える独特の高い声には、荒川務の甘い響きとは正反対の鋭さがある。「エビータ」のナンバー「飛躍に向かって」を聞きながら、金森チェはアリだなあ、と感じた。もともと「ジーザス・クライスト=スーパースター」のユダと共通点の多い役である。ユダをあれほど印象深く演じた彼のチェを見てみたいと思うのは自然な話だ。

そして何といっても木村花代の娘役。「ソング&ダンス」では、いつもこのパートが物足りないと感じていたから(趣味の問題だけど)、これは嬉しい。

「ライオンキング」の「シャドーランド」をソウフルフルに歌い上げたかと思えば、なつかしや「マンマ・ミーア!」の「I have a dream」を娘度200%で熱唱。贔屓目だけど、まだまだソフィ役いけるじゃないか!そのあと「Slipping Through my fingers」でほのか様とのデュエットも実現。うーん美人親子だ。声の相性もいい。ぜひ次のマンマ・ミーア!はこのコンビで。

そしてとてつもなく楽しみにしていた「リトル・マーメイド」の「Part of your world」。ちょっとセクシーめの緑のドレスで登場し、深海から地上の世界を夢見る、人魚アリエルの思いを情感たっぷりに歌う花代さまのキュートなこと!この大好きな曲を彼女が歌うだけで幸せいっぱいだが、期待どおりのパフォーマンスだ。ずっと繰り返し聞いていたかったほどである。

ディズニーのアニメーションとしては、「リトル・マーメイド」は「美女と野獣」に負けず劣らず好きである。ヒロインだけに限って言うなら、理屈っぽいベルよりだんぜんノウテンキなアリエルだ。こうなると、ぜひミュージカル版「リトル・マーメイド」での花代アリエルを見たいと思うのが人情だが、正直なところあの作品は凡作だ。日本に輸入されることはないだろう。

二幕はちょっと出番が少なくて残念だったが、「名も知らぬ人」はさすがに歌いこんでいるだけあって聞きごたえ十分。あと、「メモリー」でちょこっとだけ登場する花代シラバブは貴重だ。

 

さて問題の渡辺正。何度かこのブログでも言及しているように、別にこの役者は嫌いじゃない。むしろ、使い方次第で実に味のあるいい存在感を発揮できる逸材だと思う。しかしその起用法が、いつもファンに喧嘩を売るような形で登場するので、どうも悪いイメージがついてしまう。そういう意味ではこの男も被害者である。

彼の「ソング&ダンス」は名古屋で見ているが、今回パートが変わったことで「キャッツ」ラム・タム・タガーのナンバーを歌った。これが実に珍妙でおかしかった。何というか、忘年会の余興でハッスルしてる課長さんみたいなのだ。見ている側も、ノッてあげたいけどいかんともしがたい感じで、微妙な反応になってしまう。つい、島本和彦の出世作「炎の転校生」(1984年)で、全校集会でマイケル・ジャクソンのものまねをして生徒の不興を買った技北先生を思い出した。

これ↓

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まあ、前回見たときもさほど悪い印象はなかったし、それなりに彼の持ち味は出せていると思う。だが「名も知らぬ人」はその前にアレキサンダーズ・ラグライムバンドでダンスを披露した鎌滝健太にそのまま歌わせろよ、って感じだったし、福井晶一の「スーパースター」は余計に金を払ってでも聞きたかったのが本音である。

それにしても今回の劇団四季のやり方にはほとほとあきれ果てた。やっていいことと悪いことがある。開幕の1~2週いい役者をそろえる、というのは今に始まったことではないが、たった2.5日で看板役者を引っ込めてしまうとは。全国公演のチケット売り出しに合わせたタチの悪いプロモーションと見られても仕方がない。その気はなかったとしても、李下に冠を正さず、と言うではないか。いったい四季の羞恥心はどこを向いているのか。

ところで、バトンの金メダリスト泉春花は、このまま全国に突入するのか?終了後、燃え尽きて退団したりしないでほしい。ぜひまたほかの作品での活躍を見たいものだ。つうてもバトンが生かせる役とほかにないしなあ。史上初の女ヘロデ?ないない。

「ソング&ダンス 55ステップス」ホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/songdance55/index.html

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福岡で食べたもの

ひさしぶりの福岡。この街に来る楽しみといえば何といっても食べものだ。

<昼食>

博多の昼飯を食うときはたいていここ。稚加榮のランチだ。

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これだけ出てきて1260円という安さが人気を呼んでおり、開店前から列ができる。自分も開店少し前に店に着いたが、食べ終わって11時半すぎに出てきたらもう30分待ちになっていた。

ひさしぶりに、イカの活けづくりも頼んだ。この日は1パイ2500円。動く様子を動画で。

稚加榮のホームページ

http://www.chikae.co.jp/ryotei/

<夕食>

ひさしぶりにもつ鍋が食べたくなった。博多に来ると、関東で食べるもつ鍋はニセモノだということがはっきり分かる。それほどうまいのだ。

前回は超人気店「やま中」に行ったが、今回は満席とのことだったので、中州川端にある「川端」本店へ。最近博多駅前に2号店も出した人気の店だ。

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もつ鍋は1人前1000円(2人前から)。一人でも2人前食べなくてはいけないが、ぜんぜん大丈夫な量だ。

まずセンマイ刺(700円)と酢モツ(400円)を頼む。センマイは結構な量。

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鍋が出てきた。ここはしょうゆ味だけで勝負している。

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濃厚なみそ味もうまいが、しょうゆ味だとモツのうまさをストレートに堪能できる。2人前ぺろりと食べてしまった。

せっかくだからもつ鍋の動画も。

「川端」の情報

http://rp.gnavi.co.jp/sb/3008419/

(博多店)

http://r.gnavi.co.jp/f477800/

<おやつ>

佐賀の竹下製菓が販売している九州ローカルアイス「ブラックモンブラン」。バニラアイスをチョコクランチで包んだものだ。

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2009年11月14日 (土)

侍戦隊シンケンジャーショー「スーパーシンケンジャー見参! 真侍技之幕(特別公演)」

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まさか2週連続で東京ドームシティ・シアターGロッソに来ることになろうとは。しかしこの日はシンケンジャーショーの特別公演、つまり番組撮影を終了した、変身前の役者たちが登場する「素顔の戦士たち」出演公演の初日である。これは見逃せない。

なぜ見逃せないかというと、俳優が出演ということは、当然シンケンイエロー・花織ことはを演じるアイドリング11号、森田涼花(すうちゃん)が出るということだからだ。ちなみに「すうちゃん」は「すーちゃん」と書くと、AKB48チーム研究生から新生チームBへ昇格予定の佐藤すみれになってしまうので要注意。だがすーちゃんはすーちゃんでこれまた大いに気に入っており、選抜メンバー以外では一番好きなほどだ。もうわけわかんない。

素顔の戦士公演を見るのは、2004年の「特捜戦隊デカレンジャーショー」以来だ。

Gロッソに到着すると、以前来たときと同様、シンケンレッドがお出迎え。殿、お疲れ様です!

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観覧したのは特別公演初日の1回目。客席はさぞかしアイドリング!!!ファンで占められていることだろうと思ったらそんなことはなく、普通に家族連れが中心だった。むしろ、シンケンレッド・松坂桃李やシンケンブルー・相葉弘樹目当ての腐女子のみなさんのほうが目立った。アイドルヲタはこういうときの結束が弱い。我ながら駄目だなあと思う。いや、もっと別の次元で反省すべきだろうというご批判もあろうが、もうこの年になるとどうでもよくなってくる。

オープニングと同時に、いきなり素顔の5人がどーんと出てくると、客席は大盛り上がりだ。シンケンジャーのモチーフが時代劇ということもあり、まさに大衆演劇のような感覚だ。これはこれで楽しい。

ショーとしては、派手なアクションがぎっしりと詰め込まれた高密度なショーで、これは春にGロッソのオープン時に見た第一シーズンのショーと同様だ。しかし今回は役者が出演する関係もあり、さらに密度が高まっていたように思う。ほとんどストーリーはそっちのけで、アクションと役者の素顔をこれでもかと見せる舞台だ。上演時間の30分は、本当にまたたく間である。

素顔の戦士たち公演の場合、変身をどう表現するかがポイントになるが、昨年までの野外ステージと異なり、様々な演出が可能になった。中でも、今回はシンケンジャーならではの小道具を使った演出があり、これには思わず膝を打った。

すうちゃんは最初は下手側から出てくるが、あとは比較的上手側にいることが多かったように思う。すうちゃん目当ての人は上手側に座るのがいいだろう。

ショー終了後にはかんたんなカーテンコールらしきものも。初日ということもあり、役者がひとことずつ感想を述べた。やはり人気は戦隊史上もっともクールなレッドと、戦隊史上もっとも暑苦しいブルーだ。特にブルーの相葉弘樹はテニスの王子様ミュージカルに出演していたこともあり、そっち系の人にも人気だ。ブルーそのままのいっぱいいっぱいな様子であいさつし、観客を沸かせていた。また番組でも、この舞台でもずっとクールさを顔に貼り付けていたレッドも、このときだけは笑顔であいさつ。そうすると本当に普通のおにいさんだが、締めのひとことだけは「最後は丈瑠で」と殿様の顔に戻り、きっちり舞台をまとめていた。

Gロッソができて初めての素顔の戦士公演だが、以前のように早朝から並ばなくてよくなったのは本当に助かる。が、そのかわりチケットは発売とともに即日完売で、うっかりしていると買い逃してしまう。現在、12月までの週末に特別公演が予定されているが、ぜひ1、2月にも実施してほしいものだ。そのときは、今回は声だけの出演となったシンケンゴールドや腑破十臓も登場してくれるとありがたい。さすがに伊吹吾郎は出てくれないだろうが。

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シアターGロッソのウェブサイト
http://www.tokyo-dome.co.jp/g-rosso/

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四季「キャッツ」横浜公演 脱線トリオ、そろり発進

グリザベラ 早水小夜子
ジェリーロラム=グリドルボーン 秋 夢子
ジェニエニドッツ 礒津ひろみ
ランペルティーザ 愛沢えりや
ディミータ 団 こと葉
ボンバルリーナ 西村麗子
シラバブ 谷口あかり
タントミール 高倉恵美
ジェミマ 金平真弥
ヴィクトリア 千堂百慧
カッサンドラ 蒼井 蘭
オールドデュトロノミー 種井静夫
アスパラガス=グロールタイガー/バストファージョーンズ 村 俊英
マンカストラップ 芝 清道
ラム・タム・タガー 阿久津陽一郎
ミストフェリーズ 松島勇気
マンゴジェリー 川東優希
スキンブルシャンクス 岸 佳宏
コリコパット 入江航平
ランパスキャット 桧山 憲
カーバケッティ 松永隆志
ギルバート 龍澤虎太郎
マキャヴィティ 金久 烈
タンブルブルータス 川野 翔

新しいキャッツシアターは、なんとなく五反田キャッツシアターの2階部分を取り外したような構造だ。東京公演ではロングランの中で2階に空席が目立つことも少なくなかったのでナイス判断なのではないか。また、2階席があると1階席の後方は天井が低くて圧迫感があったが、それがなくなって全体的に開放感がでた。これはいい。

まあ基本的には五反田シアターの雰囲気そのままで、椅子なども再利用されているようなので新鮮な感じはないが、コンパクトにまとまっていてどこからも舞台が近く、オール1階席のこの空間は大いに気に入った。ロビーも広々としている。

客席を取り囲むゴミの数々は五反田からもってきたものもあり、新しいものもある。開演前にはぐるりと回ってチェックしたいものだ。

演出も、細かい変更はいくつかあるようだが、特に「横浜」を感じさせる大きな仕掛けが2箇所ある。詳しくは言わないが、一幕にひとつ、二幕にひとつ。個人的には一幕のアレ、好きだなあ。

さてこの日は、開幕ということでなかなかの豪華キャストである。キャッツの進行役はマンカストラップ、ラム・タム・タガー、ミストフェリーズの3人だが、そこに芝、阿久津、松島と、顔面濃度200%の野郎共がずらりとそろった。3人とも、猫の濃いメイクがほとんど意味がないほど素顔がよく分かる。しかしこの3人の能力と存在感は折り紙つきだ。

もっとも、この3人はそれぞれ、いらんことをするキャストでもある。芝はリーダーたるマンカストラップなのに、ところどころで笑いを取りに走るし、阿久津は登場とともに何語かよくわからない奇声を発するし、松島はグリドルボーンに怪しい視線を投げかける。

だがこの日は、3人とも不審な動きをぐっと封印していた。マンカストラップは真面目だし、タガーはおとなしく出てくるし、松島も持ち前のバレエの技術で観客を魅了する。いったいみんなどうしたというのだ。別にもっとふざけろというつもりはないが、ヤツらが神妙にしていると、なんだか薄気味悪い。きっといずれ何かやらかそうと企んでいるに違いない。近所の悪ガキかよ。

この3人に、早水小夜子のグリザベラ、村俊英のアスパラガスという職人たちも加わり、見ていて実に安定感がある舞台となった。決して開幕当初にありがちなガチガチの固い雰囲気ではなく、みなどこか余裕を持って役を演じていたように見えた。別に緊張感がないというわけではなく、実力のある者たちだからこそなせる業だ。もともと、キャッツはもっと自由さがあっていい作品だと思う。ロンドンの猫たちはまさに野良猫だった。完成度の高さが日本の、というか四季のキャッツの魅力であることに異論はないが、このあたりで少し新しい方向性を模索するのもよいのではないか。

さて、開幕当初はシラバブに五所真理子の名前があった。夏の「エルコスの祈り」全国公演でたいそう気に入った女優さんなので、楽しみにしていたが劇場のキャストボードでは谷口あかりに変わっていた。ちょっと残念だ。まあ谷口あかりもこれはこれで好きなわけで、ルックス最強なシラバブは見ていて顔がにやけてくる。ルックスといえば金平真弥のジェミマのキレイなこと!思わず見とれてしまう。とはいえ、これならさぞやアムネリス王女様も美しいだろうなあ、と想像したくなるのはいたしかたのないところだ。

横浜でどのくらいの公演をするつもりか分からないが、キャパシティを考えればそれなりの期間は続けないと採算は取れないだろう。中華でも食いながら通うことにしよう。

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「キャッツ」のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/cats/index.html

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2009年11月 8日 (日)

AKB歌劇団「∞・Infinity」

AKB48と広井王子がタッグを組んだ、その名も「AKB歌劇団」。東京ドームシティ・シアターGロッソを舞台に約10日間ほどの公演が行われ、8日、千秋楽を迎えた。

この企画はかなり早い段階で発表されており、楽しみにしていた。広井王子といえば、ゲーム「サクラ大戦」の生みの親である。恋愛シミュレーションと戦略シミュレーションを融合させた画期的なゲームシステムには俺も見事にはまった。藤島康介のキャラクターやあかほりさとるの脚本、そして田中公平の音楽もそれぞれ絶妙で、斬新さと完成度の高さを兼ね備えた、ゲームの域を超えた素晴らしいエンターテインメントだった。その後サクラ大戦は広井自身の手で「サクラ大戦歌謡ショウ」として舞台化もされた。いろいろなインタビューを読むと、彼の舞台への思いはかなり熱いもので、そしてそこから新しいエンターテインメントを生み出そうとしている姿勢には、かねがね共感していた。これは面白くなりそうだ、と直感した。

しかしその企画発表あたりからAKB人気が急上昇してきたこともあり、なかなか実現されなかった。広井王子のブログを読むと、かなりのすったもんだもあったようだ。ともあれ、こうして公演ができたことはめでたい。

250年の時を経て再会した、バンパイア・ルカとその恋人の魂が転生した女子高生・麻里亜。ルカとの記憶は失っていた麻里亜だったが、次第にその愛を取り戻す。しかし、自らもバンパイアとなってルカと共に永遠を生きることには、家族やクラスメートたちを思いためらう麻里亜。そして、ルカの命を狙うバンパイアハンターの影が2人に忍び寄る――。

こう見ると、とてもありきたりな話のように思える。実際、ラストシーンまではしごく平凡な展開である。だが、クライマックスで交わされるルカと麻里亜のやりとりに愕然とする。再演もあるかもしれないし、恐らく発売されるであろうDVDで観る人もいるかもしれないから詳しくは書かないが、ここで初めて、観客はこの演劇のタイトル「∞・Infinity」の意味を知る。なんとなく物語の設定としか考えていなかった、250年の重みを感じ取り、そして目の前で展開している物語が、250年に留まらない、無限の時間の流れの中の一コマを切り取ったものに過ぎないと気付かされる。この衝撃はすさまじい。広井王子の面目躍如である。

そして確かにラストまでの展開は平凡だが、そこにはこれでもかというぐらい、AKBのナンバーが盛り込まれ、楽しませてくれる。短い公演時間ながら「歌と芝居の歌謡ショー」の構成になっているのだ。前半はAKBのナンバーを楽しみ、クライマックスではその演技に心を打たれる。

曲の使い方もいい。広井自身のセレクトによるものだというが、彼はその構成にあたり「マンマ・ミーア!」のようなカタログ・ミュージカルの手法を意識したという。ファンならより楽しいが、そうでなくても楽しむことができる、というのがその鉄則だ。そのルールは見事に守られていた。

クライマックス以外では、冒頭の病室のシーンが印象的だ。ベッドに横たわる麻里亜の傍らにそっとたたずむルカ。その光景はまるで「ガラスの仮面」で、北島マヤを陰謀に陥れた乙部のりえを、姫川亜弓がコテンパンにやっつけた「カーミラの肖像」のオープニングのようだ。

これ↓

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そういえば、このシーンで姫川亜弓演じる吸血鬼にキスされる少女の名もマリア。そしてその吸血鬼の名前はミラルカ。吸血鬼でありながら、どこか物悲しく、観客の同情を集めるというそのキャラクターといい、共通する部分が多い。偶然かもしれないが、偶然でないとしても、別にストーリーをパクっているわけではない。広井王子がこっそり脚本に忍ばせた隠しコマンドのようなものだろう。

さらに、ルカのキャラクターはどこか「エリザベート」のトート閣下とダブる。立場を超えて純粋な愛を貫こうとしながら、実に不器用で、スネたり苛立ったりと感情を隠さないあたりが、だ。

マンマ・ミーア!にエリザベートにガラスの仮面。故意にせよ偶然にせよ、次々とさまざまな舞台を連想させるところからも、広井王子の舞台への愛情が伝わってくるというものだ。

さて、この舞台の配役はダブルキャスト。ルカと麻里亜は秋元才加・高橋みなみペアと、宮澤佐江・柏木由紀ペアによって演じられる。自分が行った日はマチネ宮澤・柏木ペアで、ソワレ秋元・高橋ペア。で、両方観てきたわけだ。

2公演を見比べ、どちらが良かったかと言われればこれはもう、確実に秋元・高橋ペアである。

先に宮澤・柏木ペアを見たが、もちろん悪くはない。宮澤演じるルカは実にキュートで、少年のあどけなさ、純真さを全身から感じさせる。そして柏木の麻里亜は演技が実に自然で、本当にどこにでもいる女子高生(実際にはこんなカワイイ女子高生はそんなにいない)が、大きな事件に巻き込まれているように見えて、ハラハラしてくる。

だが何というのだろう、どうしてもアイドルのイベント、という枠を脱しきれなかった印象がある。「歌と芝居の歌謡ショー」としては百点満点の出来だから、AKBファンとしては全く不満はない。素晴らしいと思う。しかし、ミュージカルファンとしては、やや物足りない印象が残る。もちろん、それが望み過ぎだということは分かっている。

しかし、秋元・高橋ペアは違う。アイドルのイベント、という枠を、のっけから軽々と超えてしまった。細かい演技力で言ったら、このペアが宮澤・柏木ペアより勝っているとは必ずしも言えない。しかし、演技力というより、「芝居力」とでもいうべきものが、この2人にはある。秋元も高橋も、役の雰囲気を色濃く伝える独特の空気感を持っているのだ。そしてその2人が交わるとき、圧倒的な「芝居感」があのだだっ広いGロッソのステージを埋め尽くす。冒頭の病室のシーンから、まさに視線がクギづけである。

秋元のけれん味あふれる演技は、見ていて楽しく、ちっとも嫌味にならない。これは秋元のキャラクターのなせる業だ。宮澤のルカを東宝版エリザベートの初演に例えるなら内野聖陽のトート閣下であるのに対し、秋元ルカは完璧に山口祐一郎トート。スケールの大きさと、傲慢ながら憎めない雰囲気がソックリである。

高橋みなみは、いつもの「たかみな」を完全に封印。吸血鬼との突然の出会いに戸惑い、次第に心を奪われていく少女を危うさたっぷりに演じる。押えても押えきれない、周囲の人たちをみな元気にしてしまう、ポジティブすぎるたかみなオーラを無理やり押さえ込んだことで、ちょっとした刺激にもはじけ飛んでしまいそうなデンジャラスな雰囲気が図らずも生み出されていたのが面白かった。

主役以外のメンバーは全公演シングルキャストで出演を果たした。出番は多くはないが、みな頑張って個性を発揮していたように思う。ダンス部のキレ者上級生を演じた米沢瑠美が特に光っていた。また、ルカに仕えるメイドを演じた仲谷明香と田名部生来が実に良かった。二人ともチームBではちょっと微妙な立ち位置にいるが、こういうコスプレっぽい衣装が実に映える。

一方で、もったいないと思ったのが、広井王子がブログで吐露しているように、製作費の少なさが舞台にありありとにじみ出てしまった点だ。あまりにもしょぼい舞台セットを、音を立ててガラガラとスタッフが動かしているのはあまりにも興ざめである。また、準備期間の短さも作品に大きく影響している。もっと時間をかけられれば、物語の構成を含め、もっと面白いものになったに違いない。これは、広井王子自身が最も歯がゆく感じているところだろう。

もし、十分な製作費と時間があったなら、2006年の「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」を超えるステージ・エンターテインメントの誕生になったかもしれない、と思うと、いっそう残念さが増してくる。ぜひ、広井王子にはこれに懲りず、またAKB歌劇団をプロデュースしてほしいものだ。そのときにはもちろん、AKB側もきっちり協力体制を取ってくれることが必須となる。今回のように、稽古時間はおろか、チケットを発売した本公演まで「スケジュールの都合で」キャンセルして払い戻す、なんていう、前代未聞の不祥事をしでかすようでは甚だ心もとない。これについては秋元康に猛省を求めたいところだ。

終演後、メンバーたちは劇場出口で観客ひとりひとりに写真を渡して見送る。主役のところには当然長い列ができるので、マチネ終了時にはそれ以外のキャストのところに並ぼう、と思い迷わず内田眞由美のところに。ソワレももう一度うっちーのところに行こうと思っていたが、あの演技を見てしまったら秋元才加のもとに駆け寄らずにはいられない。こちらの言葉にきちんと反応して、ハイテンションで応じてくれるさやかは本当にナイスガイ、じゃなかった、最高のレディーである。

公式サイト内 AKB歌劇団のページ
http://www.akb48.co.jp/akb48_kagekidan/index.html

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