« 「マクロス クロスオーバーライブ」ミンメイ降臨 | トップページ | AKB歌劇団「∞・Infinity」 »

2009年10月24日 (土)

四季「アイーダ」金田ラダメス颯爽と登場

アイーダ 濱田めぐみ
アムネリス 五東由衣
ラダメス 金田俊秀
メレブ 中嶋 徹
ゾーザー 飯野 おさみ
アモナスロ 川原 洋一郎
ファラオ 前田 貞一郎
ネヘブカ 松本 昌子

開幕から3週間、早くもキャストが動き出した東京アイーダ。待望の新ラダメス登場だ。

金田俊秀といえば、韓国出身の若手成長株。「キャッツ」のラム・タム・タガーや「エビータ」のチェなど、重要な役を次々こなし、「ジーザス・クライスト=スーパースター」ではジーザス役に。自分はこのジーザス役をひたちなかで見ており、カッコよく、伸びのある歌声には大いに好感を持った記憶がある。

その金田ラダメス、冒頭から大いに存在感を発揮する。鼻筋の通った濃い目の顔は、エジプトの青年将校という役どころにぴったりだ。「勝利ほほえむ」をはつらつと歌うその姿には若さと、未来への希望が満ち溢れている。「♪心躍る 我らの夢~」という歌詞がばっちり似合っている。大国を支える誇りに満ちた若き提督。銀河英雄伝説で言うならばウォルフガング・ミッターマイヤーかナイトハルト・ミュラーか、といったところだ。これはいい。

だが、そうした男性的な歌い方が、アイーダへの思いを込めたロマンチックな歌では、ぐっと甘い声になる。このため、アイーダとのデュエットになると、力強い濱田めぐみの歌声に負けてしまう。だからだろうか、どうも全体的にはやや印象が薄いという感じも残る。たとえ悪目立ちでも、自分のカラーを出している渡辺正のほうが、少なくとも印象には残る。

そして「この父親にしてこの息子あり」では、再び若さを爆発させる魅力的なラダメスに戻る。この親子ゲンカは、実に見ごたえがあった。野心と、自由への渇望とが、お互いにむき出しでぶつかり合う。これは今までに観たゾーザー・ラダメスの組み合わせの中では最高である。

こう考えると、金田俊秀という役者は、すでに実績のあるジーザス・クライスト=スーパースターや、「ウェストサイド物語」のような、男くさい作品に合っているのかもしれない。想像だけど、いいリフやトニーになりそうだ。彼のチェは未見だが、大いに見たくなってきた。

またラダメスは、これまで彼が演じてきた役に比べセリフ部分が多い。そうなると、日本語の発音が心配されるが、問題になるレベルではなかった。彼が海外出身だということを知らなければ、話し方がちょっと変わっているな、と感じるぐらいだと思う。若いころの田村正和のような、どこかスカした感じの喋り方だ。これが青年将校のはつらつとした雰囲気とまるでミスマッチで、ちょっと面白い。

ただ、やはりセリフに気持ちが乗りきってない、という場面も散見された。日本語のセリフを話すのに頭脳のメモリ容量を相当食われているのだろう。たとえ発音が不自然でも、気持ちが乗っていれば観客には伝わる。「ウィキッド」のフィエロを演じた李涛がそうだったように。だから金田も多少の発音など気にせず、堂々と演技をしてほしいと思う。

金田ラダメスの第一印象はこんなところだ。ぜひ「勝利ほほえむ」「この父親にしてこの息子あり」で見せた、男っぽさと若さを前面に出した青年提督の顔を全体に貫いてほしいところだが、観る人によっては、甘い歌声のほうに軸足を置くことを望むかもしれない。どっちに動くのか、あるいはまた別の方向に行くのか。楽しみに見守りたいと思う。

さて3週足らずでお役御免になってしまった渡辺正はどうなるのだろう。初日に出すのはどうかとは思うが、ある意味面白いラダメスで、個人的には時々出てほしいものだ。それに周りのアイーダ観劇者の声を聞いたところ、渡辺ラダメスは男性にはおおむね好評のようである。うーん、しかし出てくるとまた叩かれるだろうしなあ。ここはひとつ、渡辺正にはゾーザーを演じてもらってはどうだろう。金田ラダメスとのコンビなら、なかなかいい親子ゲンカが見られそうである。

次はいよいよ、新アムネリス誕生か?こちらも大いに期待したいところだ。

四季「アイーダ」のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/aida/index.html

|

« 「マクロス クロスオーバーライブ」ミンメイ降臨 | トップページ | AKB歌劇団「∞・Infinity」 »

コメント

度々失礼いたします。

ゾーザーとラダメスの場面いいですよね。
金田ラダメスになって、飯野さんがとても気持ち良さそうに演じてらっしゃると思います。

ヤポオさんの記事を読んで、私の気のせいではないかも?と嬉しくなりました。

投稿: 千尋 | 2009年10月25日 (日) 09時04分

金田さんラダメスのデビューの日に行きました。
実は・・・渡辺さん目当てで行ったので、ビックリ( ̄○ ̄;)!
でも、すっごくステキな声だったので、金田さんで観られて良かったです♪

金田さんラダメスと渡辺さんゾーザー、凄く観たいです!

投稿: ayu | 2009年10月25日 (日) 13時51分

申し訳ありません!
お名前間違えてしまいました。
大変失礼いたしました。

投稿: 千尋 | 2009年10月25日 (日) 14時05分

やっぱり、好きなんだから、渡辺正。

ヤボオさんも彼のとりこですね。

さて、冗談はさておいても、3週間でのキャストチェンジというのは、どういう理由なのでしょう?
渡辺ラダメスにいまさら駄目を出したのではないでしょうし、金田ラダメスが初日に間に合わなかったと見るのが順当でしょうね。

私としては久しぶりの阿久津ラダメスを見たいです

投稿: よしぼう | 2009年10月25日 (日) 21時31分

ものすごくお久しぶりです。自分のニックネームがなんだったか思い出すのに時間がかかりました。

日本を離れ、四季を観る機会もなくなってしまったので、今まで以上にこちらのブログを楽しく読ませていただいております。

金田さんのラダメス、格好いいんでしょうね~。ジーザスの時もデビューから回を重ねるごとに良くなっていったので、これからが楽しみですね。

私は先日こちらのウェストサイド物語を観てきました。ヤボオさんがスターライトエクスプレスを観劇したシアターだったと思います。
歌は良かった反面、四季のまとまりやダンスのレベルの高さを改めて実感しました。

寒くなりますが、お体に気をつけてお過ごしください。今後も観劇やグルメレポ楽しみにしてます!

投稿: サーディ | 2009年10月25日 (日) 22時09分

千尋さんこんにちは。

「父に従え」はホント良かったです。世代間闘争といえば、スカイとか見たいかも。

名前はそっちのほうがかわいいので、今後そう名乗ろうかと思います。

投稿: ヤボオ | 2009年10月25日 (日) 23時06分

ayuさんこんにちは。

渡辺正ラダメス、しぶとくまた出てくると思いますので見るチャンスはあるのではないでしょうか。

面白い役者なので、次に何を演じるのか楽しみです。また物議醸すとは思いますが。

投稿: ヤボオ | 2009年10月25日 (日) 23時08分

よしぼうさんこんにちは。

うーん、そうですね。ファンの声に耳を傾ける劇団ではないでしょうから、やはりそう見るのが妥当でしょう。

となると、渡辺先生もちと気の毒ですな。また意外な役で登場して騒ぎを起こしてほしいものです。

投稿: ヤボオ | 2009年10月25日 (日) 23時11分

サーディさんこんにちは。お久しぶりです!

海外生活、体調いかがですか?寒いと思いますが、お気をつけください。

スターライトエクスプレスを見た劇場というと、エジンバラプレイハウスかな?ロンドンのアポロビクトリアはウィキッド絶賛上演中ですもんね。

海劇場でスターライトエクスプレスやってくれないかなあ。

投稿: ヤボオ | 2009年10月25日 (日) 23時16分

ラダメス見たさに
私も土曜日行って参りました。

それにしても
濱田さん
前回以上に気持ち入ってましたね。
愛しているわ
と言った後の、はにかみぶりとか
何度も幕が開いて出てきたときも
金田さんに抱きついていて、
なんだか昨日は可愛い感じがしました。

ナベダスの時は
確かお姫様抱っこされるの拒否していたのに。
ちょっと笑えました。
濱田さんも女の子なのね。


期待していった私ですが
期待以上に金田さんのパワフルボイスは
キヨミチを彷彿とさせてくれました。


勝利めーざしてぇー♪の時は
つい
いやーンと
にやけてしまいましたよ。

幕間に娘に電話したら
「そういうときはねママ、目を閉じていれば芝さんに感じるから目を閉じていれば」
と言われ
我が娘の行く末少し恐ろしくなりましたわ。
まだ小学生なのに
そんな芸当がすでに出来たとは・・・・・。

投稿: もことんとん | 2009年10月26日 (月) 00時26分

初めまして。
いつも鋭い切り口に感心して
拝見させていただいておりました。

来週(・・というかもう今週ですね)遠征するので
ラダメスがどなたかが気になります。

開幕2日目に観劇したのですが、
渡辺さんがノドに大きな負担が
かかりそうな発声をしていらしたので、
長期連投は難しいのではないかと思っていました。
(私には歌っていると言うよりも、
精一杯がなっているようにしか聞こえませんでした。)

渡辺さんの歌を聴くのはつらいです。
高音は上がりきってないことが多かったし。

というわけで、未見ですが、
金田ラダメスを期待したいのですが、
どうなることでしょうか?
ドキドキしています。

投稿: とみたま | 2009年10月26日 (月) 00時51分

もことんとんさんこんにちは。

めぐ様上り調子ですね。どんどん気合が入ってきているように思います。

そうなると、交代が近いのか?と心配にもなりますが。

投稿: ヤボオ | 2009年10月27日 (火) 00時37分

とみたまさんこんにちは。こんなへろへろなブログを読んでいただき恐縮です。

渡辺正はあの状態で何カ月もサム役を続けましたから、喉は異常に強いのではないかと思います。むしろ金田ラダメスのほうがどれだけ続くか心配ですが、しばらくは2人体制で行くんですかね。

投稿: ヤボオ | 2009年10月27日 (火) 00時39分

本日待望の新ラダメス観て参りました! 若き将軍という印象も強く、二人の女性から愛される理由も父子対決もギラギラしていて、男ラダメスを堪能してきました! きっと先週より数段ラダメスっぷりが増しているのだろうと思います。(皆サマのコメントより…) そのスパイスの影響でしょうか全てパワーアップを感じました! 『神が愛するヌビア』が素晴らしすぎて涙が止まらず放心状態…休憩に出遅れ危うく2幕冒頭に間に合わなくなるところでした。アムネリスもネヘブカもステキでした。ゾーザーも健在というより敵?!に合わせて更に悪党になってました。デュエットもうっとりでした♪ まだまだ良くなりそうで益々期待できそう!そしてめぐ様のままで!
長々失礼しました(>_<)

投稿: らいもん | 2009年10月29日 (木) 00時06分

らいもんさんこんにちは。

舞台は生ものですから、いいときもあれば悪いときもありますが、できればいいときの率が上がってくれるとありがたいものです。

新劇場ができると、また打率が下がる気も・・・。

投稿: ヤボオ | 2009年10月29日 (木) 00時37分

こんにちは。
昨日観てまいりました、金田ラダメス。
歌い始めたその瞬間から彼の虜になってしまいました。
ヤバイです‥かなり持っていかれました。
これは代表様の策略か、渡辺氏の功績なのか‥。

「迷いつつ」「星のさだめ」はやはり名曲でした。抱きしめる・抱き寄せるってこういうことなんですよね。
「父に従え」も惚れ惚れと観てました(笑)

椅子に座りなおすことなく堪能できましたが、いつまで続くかが問題です。罰当番のような週には当たりたくないと、帰りの常磐線で公演スケジュールを凝視してしまいました。
長々とすみません。

投稿: らべたん | 2009年10月30日 (金) 10時22分

らべたんさんこんにちは。

この様子だと、金田ラダメスはどんどん良くなっているみたいですね。またしばらくしたら観にいきたいと思います。と言っていると交代したりますが。まあ、罰当番は罰当番で、いろいろ楽しみ方はあるというものです。

投稿: ヤボオ | 2009年10月30日 (金) 23時23分

こんばんは。
初めまして。たっちんと申します。
更新、いつも楽しみにしてます。

アイーダ、観たいです!!!!!
でもなかなか観にいけず・・・。
金田ラダメス好評のようですね。
私的には渡辺ラダメスがとっても観てみたかったです。
(ちなみに我が家では渡辺さんのことを「わっくん」と呼んでいます。あっくんと言えば初代ラダメスですね)

私周りに四季のこと詳しい人が居ないので
ここはとっても楽しいです。
またちょくちょく来ますのでよろしくお願いします。

今からアイーダのCD聞こっと(○゚ε゚○)

投稿: たっちん | 2009年11月 6日 (金) 18時27分

たっちんさんこんにちは。初めまして。

渡辺ラダメスは未見であれば一度は見ておいても、と思います。二度はいいですが。

アイーダは曲がステキなのでCDを聴いているうちについまた観たくなってきてしまいます。

投稿: ヤボオ | 2009年11月 7日 (土) 03時11分

こんにちわ。いや~、こんなに早く金田ラダメス登場とは!観たいです。彼の「ジーザス」は、凄く、綺麗だなと思った印象があります。
来月、四季ファンではない友人を誘って行くのですが、キャストはどうなるかな?楽しみです。
私は「ドリーミング」を観てきました。キャストが良かったですね。ここで言われていた通りです。「めざめ」組が印象に残りました。光川さんと白木さんの歌も迫力あったり、大徳さんは可愛かった。沼尾さんはまさに「グリンダ」様でした。
今度は「コーラスライン」にいく予定です。荒川ボビーが好きなんですが、無理だろうな。

投稿: ろん | 2009年11月 9日 (月) 11時30分

ろんさんこんにちは。

荒川氏はウェストサイド終わったばかりですし、休ませてあげましょう!まあアニタからアイーダへ早替わりの人もいますが、そこは年れ…(自粛)。

投稿: ヤボオ | 2009年11月10日 (火) 01時07分

12月11日。初アイーダ観劇。(以前もご挨拶しました、四季暦26年のマイクです)。
先月コーラスラインを見て、マイクを見ながら、“飯野さんの持ち役だったな~”と思いながら、品川マンカス以来、約10年ぶりにロマンスグレーの飯野さんを拝見できて感激でした。もっともっと踊って欲しかったですけど。。。 福岡まで渡辺氏を連れいていって下さったので、今日は出演しないと思っていたのですが、当たり前ですが、帰京されたので、彼も連れて来てしまったのですね(涙)。 生き埋めにされるような恋を彼にするか??という隣の女性の観客の毒舌に、現実に戻されました。ゲネプロで愛蓮を落とされたという五東さん(昔、動員活動で、自筆、”後藤”で葉書きをくれてました) の皇女役が見事でした。 その昔の猫のチレットでは、おばさんに見えたのに。。。。   楽しんだようで消化不良なのは、役者云々よりも、アイーダという作品自体だと思ったのが今日の感想でした。

投稿: マイク | 2009年12月11日 (金) 22時43分

マイクさんこんにちは。

確かに、以前は俳優さんから電話や手紙が来ましたよね。びっくりしたものです。

そういう動員活動の言いだしっぺといわれている沢木順氏も一瞬ゾーザーを演じていたのですが、残念ながら未見です。飯野ゾーザーに劣らないシブい魅力だったのではと想像しています。

アイーダは薄味なので、私も最初物足りなく感じました。音楽がステキなので、CDを聞いているうちにまた観たくなってリピートするようになったクチです。

投稿: ヤボオ | 2009年12月12日 (土) 00時45分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 四季「アイーダ」金田ラダメス颯爽と登場:

« 「マクロス クロスオーバーライブ」ミンメイ降臨 | トップページ | AKB歌劇団「∞・Infinity」 »