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2009年10月17日 (土)

「マクロス クロスオーバーライブ」ミンメイ降臨

2009年は、「超時空要塞マクロス」の設定ではマクロスが進宙式を行った年である。これを記念して、マクロスシリーズの「超時空要塞マクロス」「マクロス7」「マクロスF」の劇中曲を歌うアーティストが結集したクロスオーバーライブが幕張メッセで開催された。

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マクロスFのライブ人気はとどまるところを知らず、チケットは入手困難だったが、職場の暗黒卿が首尾よく獲得してくれた。

今回の目玉は、何といっても初代マクロスヒロイン、リン・ミンメイを演じた、茨城県の生んだ銀河系最大のスーパーアイドル、飯島真理の参戦である。郷土に錦を飾る意味もあって、彼女は早々に茨城県民文化センターでコンサートを行っており、当時中学生だった自分も観に行きたかったが叶わなかった。あの夢がついに実現するのだ。いやがおうにも気合が入ってくる。

予定より少し遅れて開演。まずは「マクロスF」で銀河の妖精シェリル・ノームの歌を担当するMay'nが登場だ。私の歌を聴けええええええええええええっ!「ノーザンクロス」「射手座」で大盛り上がりのあと、11月公開の劇場版に登場する新曲「Pink Monsoon 」を披露。そして代役からチャンスをつかみ、スターの座を駆け上がっていく超時空シンデレラ、ランカ・リー=中島愛にバトンタッチ。まずは劇場版用の「そうだよ」から入り、「アナタノオト」でどくんどくん盛り上がってから「あの曲、歌っちゃうよ?」と「星間飛行」に突入。「キラッ☆」を連発し、会場はガリア4の第33海兵部隊状態に。

さらにMay'n再登場、「トライアングラー」のシェリル&ランカバージョン、そして2人がデュエットしたオープニング曲「ライオン」で会場の熱気は最高潮である。

その興奮冷めやらぬ間に、ステージに一人、飯島真理が登場した。

そりゃもう40代後半に差し掛かってるわけだから年齢は隠せないが、チャーミングな丸顔と透明感のある歌声は健在だ。

オリジナル曲3曲ほどを歌い、舞台袖に下がる。ミンメイの歌は歌わないのか?しかし、それもやむをえないのかもしれない。飯島はミンメイ役のイメージが強すぎることで悩み、マクロスと決別していた時期もある。渡米、結婚、離婚を経て、今では今回のライブに参加したように、マクロス関連の仕事にも顔を出すようになったとはいえ、当時の歌をそのまま歌うのは潔しとはしないのか。しかし俺はそれでもいい、と思った。このマクロスの祭典に、飯島が顔を見せる。それだけで歴史的なことだ、と、厳粛な気持ちで受け止めていた。

しかし、衣装を変えて再登場した飯島真理は、独自のアレンジを加えた「私の彼はパイロット」を歌ってくれた。原型をとどめていないほどのアレンジだが、問題ない。飯島の声で「私の彼はパイロット」を聞ける。そんな日がまた来るとは思わなかったから、嬉しかった。そしてピアノの弾き語りで、「0-G Love」アレンジバージョンを歌う。劇場版「愛・おぼえていますか」で、エンジンブロックに閉じ込められた一条輝との3日間を描く場面(シャワーシーンあり)での使われ方が印象的な一曲である。「シルバームーン・レッドムーン」と並ぶ、隠れた名曲だ。もうこうなってくると高揚感が押えきれない。続いてのナンバーは「シンデレラ」。飯島自身の作詞・作曲で、劇場版でゼントラーディに捕らわれたミンメイが口ずさむ曲だ。これはほぼオリジナル通り。さらに「ランナー」。テレビシリーズのエンディング曲で、通常はオープニングと同じ藤原誠が歌っているが、最終回の時に、ミンメイバージョンで放送された。これには中学3年生当時、テレビの前でビックリした記憶がある。そのミンメイバージョンのランナーを生歌で聞けるなんて!

「この曲は、私の中に潜むミンメイにささげたいと思います」と告げ、ピアノが耳に覚えのある旋律を奏で始めた。そう、「愛・おぼえていますか」だ。

「みんなも一緒に歌ってください」と聴衆に手を差し出す。その姿が、劇場版でミンメイがこの曲を歌うシーンの前奏で、左手を大きく差し出す姿にオーバーラップする。

この瞬間、確かにリン・ミンメイがそこにいた。

「不思議だ、この歌……ずっと昔に聴いたような気がする……」(ブリタイ)

俺の遺伝子に存在する、カールチューンが呼び覚まされていく。25年の時を越えて、俺にも文化がよみがえったのだ。

気付いたら周りの人も、俺も、大声で一緒に歌っていた。まるで、ミンメイの歌に感化されてマクロスの援護に回った7018アドクラス艦隊に所属するゼントラーディ人のようではないか。

「愛・おぼえていますか」、そしてマクロスシリーズ全体を貫くテーマを、全身で感じ取ることができた一瞬だった。

この感動に恍惚としていたところ、サプライズゲストとして、「超時空要塞マクロスⅡ LOVERS AGAIN」のイシュタル役、笠原弘子が登場。1曲だけ歌ってMCもなく引っ込んでいく。やはり外伝扱い(≒黒歴史)の「Ⅱ」は、笠原のキャリアとして触れられたくないのか。

ライブ後半は、「マクロス7」に登場するロックバンド「FIRE BOMBER」の熱気バサラ、ミレーヌ・ジーナスの歌を担当する福山芳樹とチエ・カジウラが盛り上げる。「7」は断片的にしか見ていなかったので、曲はほとんど知らなかったのだが、いずれ劣らぬ名曲ぞろいで、聴いていて楽しかった。さらにはスペシャルゲストとしてバサラとミレーヌの「声」を担当していた神奈延年(当時の名前は林延年)と櫻井智(同・桜井智)が登場。生櫻井智を見たのは初めてだ。「レモンエンジェル」のイベントに行こうと思ったことがあったが、結局実現しなかった。その夢も実現してしまった。すでに38歳、出産も経験しているというのに、あの可愛さとスタイルの良さは一体何なのだ。やはりアイドルって偉大だ。

アンコール1曲目はシェリル・ノーム&FIRE BOMBE。もともと「7」の歌で、「F」の中でも流れている「突撃ラブハート」だ。そして2曲目がリン・ミンメイ&ランカ・リーによる「天使の絵の具」。飯島真理の作詞・作曲のこの曲は、「愛・おぼえていますか」のエンディング曲であるのは言うまでもないが、俺にとっては高校1年のとき、文化祭のためにクラスで作った映画のエンディングでも勝手に使っていた曲である。カールチューンだけでなく、当時の記憶が鮮明に蘇ってきて、また別の感動が全身に満ちてきた。

最後は、マクロス・イヤーである今年を記念して「超時空アンセム」として飯島真理、FIRE BOMBER、May'n、中島愛が歌って発売した「息をしてる 感じている」(作詞作曲:飯島真理)を全員で。

3時間以上の長いライブだったが、非常に充実した体験となった。「マクロス」世代、「7」世代、「F」世代と、3つの時間軸の合同ライブのため、部分的にノれないパートがある人も多かったと思うが、それはいたしかたのないところだ。特に、「F」世代の人にとって、ミンメイは物語の中でもリアルでも教科書の中の人に過ぎない。それを演じた飯島真理が出てきて、マクロスと無縁のオリジナル曲や、大きくアレンジしたマクロスの曲を歌うのは、我慢ができなかったかもしれない。それは否定しない。

しかし、まさに1982年から84年にかけて、リアルタイムで「超時空要塞マクロス」を見ていた人間にとって、リン・ミンメイの存在は特別すぎるものだ。そして、もし飯島真理が演じていなければミンメイはこれほどの存在感を発揮しなかっただろうし、マクロスの人気もそれほどまでには至らなかった可能性が高い。飯島が存在したからこそ、マクロスのシリーズ化もなし得たのだ。そして、マクロスは宇宙船やロボットが飛び回るSFアニメと、アイドルの世界とを融合させ、新しいエンターテインメントを作り出した。当時、その未体験の感覚に自分たちは熱狂していたが、今となってはそれはアニメの世界ではごくアタリマエの話である。グローバルに広がる日本のコンテンツ産業を大きく方向付けた「マクロス」。その中心にいるのがミンメイなのだ。リン・ミンメイとはまさしく「プロトカルチャー」である。

幕張からの帰りの電車で携帯を見ていると、「愛・おぼえていますか」を作曲した加藤和彦の死を伝えるニュースが流れていた。藤原誠、羽田健太郎、長谷有洋、鈴置洋孝らに続き、また初代マクロスに大きくかかわった一人がこの世を去った。

時間は確実に流れている。しかし、その中で決して変わることなく、受け継がれていくものがある。それが何かを、「マクロス」は教えてくれる。そして今回のライブはその証明となった。今後も折に触れて、こうした企画を実現してほしいものだ。

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4000円という超時空価格のパンフレットと、会場で空から降ってきた星。

「マクロス」公式WEBサイト(大きい音出ます)
http://macross.jp/pc/index.html

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コメント

愛おぼえていますかって加藤さんが作曲したのですか。つくづくご冥福お祈りします。

学生時代どこかのファミレスで
この曲聞いたことあったような気がします。
勘違いかな。

あのころ毎日学校の帰りは
部室かファミレスでだべっていた
田舎の大学生でした。

80年代の物は
楽しかった思い出がたくさんあるカラか
ついつい今でも心躍ってしまいます。

投稿: もことんとん | 2009年10月19日 (月) 01時22分

もことんとんさんこんにちは。

80年代は景気が良かったせいか、もっと世の中に希望があったと思います。

この閉塞感を打ち破るためにも、このブログだけは常にノウテンキでありたいと思う次第です。

投稿: ヤボオ | 2009年10月20日 (火) 00時12分

おひさしぶりデス。『マクロス』懐かしい…!大好きで、LPは全部持ってました。特に『Miss DJ』は好きだったなあー。飯島真理さんのLPも持ってましたよ~!今でもミンメイの歌はそらで歌えます。それにしても、こんなイベントがあったとは。

投稿: ぽぽん | 2009年10月22日 (木) 21時51分

ぽぽんさんこんにちは。

Miss DJというと、ラジオのスタジオの写真にミンメイの絵が合成されていたジャケットですね。

LPのころは、曲を聴くでもなく、ジャケットを手にとってニヤニヤ笑うという楽しみがありました。CDやMP3では味わうことのできない感覚です。

投稿: ヤボオ | 2009年10月23日 (金) 00時14分

初コメです。よろしくおねがいします。
こちらのブログ、たいへん面白く
ちょくちょく拝見させていただいてます

今回のマクロス記事、
コメントせずにはいられないほど感動しました(涙)
感謝。(いつもなんですけどねw)

投稿: むぎ | 2009年10月26日 (月) 16時57分

むぎさんこんにちは。こんな思いつきで書いているブログを読んでいただき恐縮です。

今回の飯島真理登場については厳しい声も多いですが、やっぱり自分にとってリン・ミンメイ=飯島真理は特別すぎる存在です。時間を経たことでこんな感動を味わえるなら、年をとるのも悪くないと思いました。

投稿: ヤボオ | 2009年10月27日 (火) 00時43分

はじめまして!このブログを拝見するまで、こんなイベントがあったじたいも知りません。
それに、昔は飯島真理さんが、マクロスの話をされるのが嫌だったのも知りませんでした。
色々と調べていたら、マクロスの話ばかりをされるのを嫌って、海外で仕事をする様になったらしいのですが!

しかし、私もあの頃はマダ!
小学生でした。

時間が経つのも早いですね!
ちなみに、今年!コンサートがあったらしいですね!

でも、このブログも二年以上前の何ですね!
ホント!時間が経つのが早い。

投稿: 金本 | 2011年11月18日 (金) 07時36分

金本さんこんにちは。

来年1月にもコンサートがあるみたいですね。放送が終わって何年も人気を保っているのは本当にすごい!そうだ劇場版のブルーレイ買わなきゃ。

投稿: ヤボオ | 2011年11月20日 (日) 17時22分

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