四季「ウィキッド」濱田・沼尾のコンビ芸
グリンダ | 沼尾みゆき |
エルファバ | 濱田めぐみ |
ネッサローズ | 山本貴永 |
マダム・モリブル | 八重沢真美 |
フィエロ | 北澤裕輔 |
ボック | 伊藤綾祐 |
ディラモンド教授 | 前田貞一郎 |
オズの魔法使い | 飯野おさみ |
男性アンサンブル | 清川 晶、町田兼一、齊藤 翔、 斎藤准一郎、田井 啓、奈良坂潤紀、 賀山祐介、清原卓海、三宅克典 |
女性アンサンブル | 服部ゆう、長島 祥、真家瑠美子、 宇垣あかね、光川 愛、小澤真琴、 荒木美保、伊藤典子、羽田三美 |
ついこの前に濱田・沼尾コンビを観たように思ったが、調べたらもう半年も前の話だった。それならばまた観たくなってもいたしかたないというものではないか。大手を振って四季劇場「海」へ。
沼尾グリンダ様はかなりの連投が続いているが、疲れを感じさせない好調ぶりだ。この人の喉の強さは底なしだ。さすがオペラ歌手、といいたいところだが、それが自身の努力によるものであることはファンならみんな知っている。
そして濱田エルフィーも絶好調だ。安定感と存在感はもちろんだが、彼女がすばらしいのは、その演技、自分なりのエルファバ像をどんどん変化させている点だ。
特に、新しいエルファバ役が出てくると、大きく変化するように思える。樋口麻美のエルファバが出てきた後は、樋口エルフィーの持ち味である威勢の良さが演技のどこかに入るようになった。そして今回は、江畑晶慧のエルファバから強く感じるフレッシュさを取り込んでいた。一幕のシズ大学のシーンでは、女子大生というより、女子高生のような可愛らしさが炸裂していた。JKめぐ――こ、これは萌える……。
濱田めぐみは、まるで戦った相手の技を自分のものとする北斗神拳の伝承者のようだ。別にパクっているわけではなく、自分の演技を変えることを恐れない覚悟を持っているのだろう。実に頭の下がる思いである。
そんなわけで、グリンダ様の忠実なるしもべである自分も、今回はめぐみ様にすっかり傾倒していた。ま、よくあることですよ。
江畑の急成長ぶりは目を見張るものがあるが、やはり濱田・樋口のエルファバにはまだまだ及ばない。そして、濱田・樋口の実力差はほとんどなく、あとは趣味の問題という気がする。しかし、グリンダとの相性、という点で見れば、やはり濱田・沼尾のコンビに勝るものはない。意外にこの作品ではちょこちょこ許されるアドリブ(とはいかないまでも、ちょっとしたアレンジ)も、息がぴったりで見ていて楽しい。この作品では、2人の仲の良さが印象深いほどラストの感動も強くなる。この日の「For Good」は、格別の味わいだった。
いよいよ千秋楽も近づいてきた。このままオリジナルコンビで突っ走るのか?それとも新キャストが登場するのか?大阪公演も発売になり、大詰めを迎えたウィキッド東京公演。最後まで目が離せない。
「ウィキッド」のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/wicked/index.html
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コメント
初めまして。四季ファン関係のblogを辿って来ました。
緻密な分析とオタク的な主観が絶妙に入り混じる数々の批評、大変勉強にさせてもらっております。
自分も最近久しぶりに濱田さんのエルファバを観ましたが、
圧倒的なパワーで描かれる草書の美のような印象を受けましたね。
もはや細部に良い意味で拘らず、己の中に存在するエルファバを自由奔放に羽ばたかせているとでもいいましょうか…
四季歴が浅いので、かねてから絶賛されている濱田アイーダを未だ観たことは無いのですが、
このままだと何処まで行けてしまうのかと、末恐ろしくも楽しみです。
まだまだ言いたいこともあるのですが、初めてなのに余り長々と連ねるのも何なのでこれくらいにしておきますw
またちょくちょくお邪魔させて頂きますね♪
投稿: Jun | 2009年7月27日 (月) 00時44分
こんばんは。
ウィキッドはオリキャスコンビしか観ていない私です。最近はお二人のソロも楽しみですが、PopularやFor Goodに惹かれます。
前回は見逃した北澤さん。優しいフィエロですね。
S&D直後の李フィエロは俺様オーラ?があって面白かったのですが、また違うタイプのフィエロでいいかなと。
東京公演のラストは誰になるんでしょうね?寂しいけど、楽週に行くので楽しみです。
投稿: 千尋 | 2009年7月27日 (月) 01時02分
Junさんこんにちは。初めまして。こんな適当ブログを読んでいただいて恐縮です。
分析なんてたいそうなものはしてませんし、もちろんオタクでもありません。自分はオタクではないというのがオタクの証拠らしいです。私には当てはまりませんが。
濱田アイーダ登場してほしいです。最初ぐらいは出てくれるかな?むしろ時期的にラダメスが不安だったりしますが。
投稿: ヤボオ | 2009年7月28日 (火) 01時29分
千尋さんこんにちは。
なかなかあの2人のコンビネーションに匹敵する組み合わせは出てこないかもしれません。
フィエロって比較的幅のひろい役のような気がするので、もっと他の人のも見たいんですよね。幻の阿久津フィエロとか・・・
大阪にも通っちまいそうです。
投稿: ヤボオ | 2009年7月28日 (火) 01時31分
こんばんは、何度か読ませていただいております。
文章が面白すぎて時々横隔膜がちぎれそうになります(汗)
さてさてさて
今日(8月7日)、木村花代さんがウィキッド・グリンダ
役で華々しく復帰をいたしておりました!
たまたま観に行っていたのですが、ブランクはどこ吹く風、
沼尾グリンダに追いつけ追い越せの圧倒的歌唱力で
最後はこの時期にしてはあまりないオール・スタンディング
オベーションになりました!
夢醒めピコマコ、ソフィ等等でお世話に?なったキャスト
さんなので復帰は本当に嬉しいです。
投稿: a | 2009年8月 9日 (日) 02時08分
aさんこんにちは。こんなばかばかしいブログを読んでいただき、恐悦至極であります。
なんと初回をご覧になりましたか!素晴らしいですね!出てきていきなりあれだけの演技を見せられると、さすがプロだわーと感心します。まあ、みんなプロなんですが。
木村花代グリンダは、大阪ではスタンダードになるかもですね。「自分は花代グリンダの初回を観たんだ!」と大いに自慢してください。
投稿: ヤボオ | 2009年8月10日 (月) 00時41分