« 四季「春のめざめ」谷口ベンドラ いいんじゃなーい? | トップページ | お台場で実物大ガンダムを見学 »

2009年6月27日 (土)

映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」

「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」

でもすいません、逃げます。

これほどの圧倒的な作品について、感想めいたものを述べられるほど俺は自信家じゃない。そして、それだけの知識も分析力も表現力もない。全然足りない。俺は今まで何をやってきたんだ、というぐらい、無力感を痛切に感じる。ただただ、すごかった。面白かった。楽しかった。そんなコドモみたいな言葉しか出ない。それが恥ずかしくて、結局沈黙するしかない。

「LCLの中」

途中、かなり救いのない展開にもなるが、この映画を観ている間、自分は妙な心地よさを感じていた。劇中、碇シンジがエントリープラグの中にいるとなぜか落ち着く、と口にするが、まさにその感覚だ。なぜかと言うと、ここには庵野秀明総監督が幼少のころから体験してきた、昭和40年代から平成20年代までのありとあらゆるアニメーションや特撮その他のポップカルチャーが生み出してきた文脈・文法を、これでもかとばかりに詰め込んでいるからだ。さながら日本オタク文化のアカシック・レコードである。もちろんそれらを知らなくてもこの映画を楽しむのに何の支障もないし、自分も2~3割ぐらいしか分かってないと思う。しかし、多少なりとも分かっている身にとっては、感動や興奮よりも、どこかホームタウンにいるような安心感が先に立つ。LCLの満たされたエントリープラグの中にいるように、これまで自分が愛し、自分を育んできたものに包みこまれているようだ。

「ありがとう」

いま、とにかく自分の中にあるのは感謝の言葉だ。もちろん、庵野総監督を始め、この作品を生み出してくれたスタッフ・キャストへの感謝もある。が、それだけじゃない。この日本に生まれてきたこと、そしてこの時代を生きられたことへの感謝。海外でも注目されることは間違いないだろうし、エヴァンゲリオンが今後歴史に残るものになることも確実だ。だがやはりこの映画を一番楽しめるのはこの国で、この時代を生きている自分たちにほかならない。だから本当に感謝したい。

「ポップカルチャーの域を超え、神話に近い存在に」

この「新劇場版」がエヴァの作りなおしにとどまらないことは、今回の「破」を見てみんなが納得したことだろう。庵野総監督らは、日本の40年間のポップカルチャーの集大成を作ろうとしているのだ。そこにできるものは、もはやポップカルチャーではないだろう。ジョージ・ルーカスがスター・ウォーズを「新たな神話を作る」としているのと同じレベルに立っている。今年、来年にはすぐに出来ないであろう続編が今から楽しみになるのも、スター・ウォーズと同様である。

とにもかくにも、エヴァを見たことがある人ならすぐに劇場に直行、見たことがない人はテレビシリーズと「序」を復習した上で劇場へ行くべし。日本の誇るエンターテインメントが、そこにある。

新キャラクターの真希波・マリ・イラストリアス。坂本真綾って偉大だわ

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」公式ウェブサイト
http://www.evangelion.co.jp/index.html

|

« 四季「春のめざめ」谷口ベンドラ いいんじゃなーい? | トップページ | お台場で実物大ガンダムを見学 »

コメント

自分も見に行ってきました。「序」は個人的には「メカの新設定いいねー」って感じでしたが、「破」は本当に見てよかったと思いました。

ワンダースワンとか(おそらく「帰ってきたウルトラマン」つながりでの)マットビークルとか随所に仕掛けがあったけど、さらに詳細はブルーレイで確認するしかないんだろうなぁ。また見に行くって手もありますが、、、

私が見に行った映画館では香港から遠征しに来た強者が結構いて隣席の人もそうだったんですが、あの歌が流れるあのシーンでは周りが憔悴しているなか、ポカーンとしてました。あれは、日本人でないとなかなか分からないですよねぇ。私自身、見ながら心の中で絶叫していました。

あのままだとただのトラウマ映画になるのが、きっちり救いと希望をきっちり計算して描いたのがこの作品の凄いところなのかなぁと思っています。

投稿: kunedog | 2009年6月28日 (日) 02時57分

うむ、面白かった。

ハリウッドその他の海外のプロダクションがアニメ映画を作ろうと思っても、向こう100年日本には勝てない、と感じさせる一作だな。

まあ個人的にはアスカの露出(いろんな意味で)が多かったので満足。

投稿: ヤボオ | 2009年6月28日 (日) 21時13分

なんというかこう……圧倒されて帰って来ました。
1度では消化しきれずレイトショーでもっかい見てきてやっとこ腑に落ちた、という感じで。

個人的にはミサトの携帯の着信音がツボでした。
あれって新マンのコール音だっけ??

んでもってだなあ……レイトだからしょうがないのかも知れんがエンドクレジットで席を立った人が。なんてもったいないことを……。

投稿: ほしよ | 2009年7月 5日 (日) 01時43分

ほしよさんこんにちは。

いやあ、本当にすごい作品でした。アニメーション映画でここまで圧倒されたのは「幻魔大戦」以来?いや、「愛・おぼえていますか」以来?いやいや「劇場版パトレイバー」以来でしょうか。なんだかとっても幸せな気分でした。

わたしももう1回観に行く予定です。

あの着信音、キューティーハニー実写版でも使ってましたよね。よっぽど庵野監督気に入ってるんでしょうか。

投稿: ヤボオ | 2009年7月 5日 (日) 22時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/98342/45473145

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」:

« 四季「春のめざめ」谷口ベンドラ いいんじゃなーい? | トップページ | お台場で実物大ガンダムを見学 »