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2009年3月29日 (日)

AKB48 チームA5th公演「恋愛禁止条例」まとめてエントリー

昨年10月19日に始まったチームAの5th公演。それなりに観てはいるのだが、なかなかエントリーを上げるキッカケがなかった。しかし、そうこうしているうちにのぞフィスに続き、まいまいまで卒業してしまった。ここでまとめて記録しておくことにしよう。

劇場公演は現在完全メール抽選制で、ハズレが続くとモチベーションが次第に下がっていく。この日は行きたい!という日に当たらないと、確かに心が折れる。自分は新参だったからなのか幸いにもかなりいい確率で当たっていたが、このA5の開始と前後して当たらなくなってきた。ファンの数もそれだけ増えてきたということなのだろう。

初日はあえなく敗退。しかし、「メン☆ドル」の撮影期間と重なり、初日にもかかわらず小嶋陽菜、高橋みなみ、峯岸みなみのノースリーブス(no3b)が休むという異常事態に。ならば俺もこの3人が戻るまでA5は見ないことにしよう、と心に誓い、ネット配信も一度見たきりでガマンしていた。だが、気になることにA4thリバイバル公演「ただいま恋愛中」では休みがちだった大島麻衣と篠田麻里子の出席率がすこぶるいい。ということは、no3b復帰後は、入れ違いにこの2人が出なくなるのでは・・・。

その予想は当たり、結局A5thでメンバーが全員そろった状態というのは川崎希卒業までの期間で数えるほどしかなく、自分はついぞそれを目撃することができなかった。まあもともと16人そろわない状態でスタートしたこともあり、「チームA+研究生」が前提の公演ではあるが。

ともあれ、見学したA5thの全記録。

<1回目>

(チームAメンバー)
板野友美、川崎希、北原里英、佐藤亜美菜、佐藤由加理、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、宮崎美穂
(研究生メンバー)
内田眞由美、瓜屋茜、小原春香、高城亜樹、近野莉菜、中塚智実、野中美郷、藤本紗羅
(休演)
大島麻衣、小嶋陽菜、篠田麻里子、高橋みなみ、峯岸みなみ

実はこの公演、メール抽選応募時点では「メン☆ドル」主役の小嶋を残し高橋、峯岸の劇場復帰が発表されていた。しかもこの日は俺の戸籍上の誕生日。そしてありがたいことにメールも当選。いやっほうと小躍りして喜んでいたら、前日になって2人が休演になってしまった。心の中で何かがボキッと折れる音がした。

しかしせっかく当たったのだ、キャンセルするという選択肢は俺にはない。ついに初めて目の当たりにしたA5thのセットリスト。ファーストインプレッションは――何というか、印象が薄い公演だ。

宮崎美穂のソロ(後で分かったことだが、たかみなのアンダー)で始まるオープニングは意外ではあったが、「ただいま恋愛中」のようにぐっとステージに観客を引き込むような吸引力はない。アップテンポで盛り上がる曲も少なく、全体曲では後半まで出てこない。ユニット曲は佳作ぞろいだが、「おしべとめしべと夜の蝶々」のようなインパクトのある曲はない。なんというか、全体的に「薄い」のである。アイドル路線の王道を行く、女の子らしさ全開がチームAのカラーだが、それがどうも伝わってこない。

メンバーも約半分が研究生、佐藤由加理はまだ体調が全開せず、途中曲からの参加だったが、MCではゆかりん一人で持っていたような感じだ。しかし、この日出演したチームAオリジナルメンバーはどちらかというと薄味のグループであり、昇格組はまだどことなく研究生の殻が取れない。そんなわけで、この公演は研究生公演にあっちゃんが参加している、という感触だった。

しかしこの時点で、小原春香と高城亜樹はすぐ昇格させていいように感じた。

<2回目>

(チームAメンバー)
川崎希、北原里英、佐藤亜美菜、佐藤由加理、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
石田晴香、内田眞由美、瓜屋茜、小原春香、高城亜樹、中塚智実、野中美郷
(休演)
板野友美、大島麻衣、小嶋陽菜、篠田麻里子、前田敦子

その後no3bも合流し、年末年始には全員集合公演もあったが、旅行で応募を見送ったり、応募したが落選だったりで観覧できず。少し間を置いたが念願のWみなみオンステージだ。入れ違いにあっちゃんが休んでしまったが。

やはりたかみなが出ると舞台の熱量が全く違う。そしてみいちゃん。みいはどの曲でも常に表情を自分の解釈で作り、いわば演技をしながら歌っているのが素晴らしいのだが、この公演、特に前半の全体曲で、彼女は満面の笑みを浮かべていた。これまで見たこともないような120%の笑顔だ。

その表情を見て、ようやく自分はこのセットリストの目ざすものに気が付いた。やはりこの公演はチームAならではのものだ。チームAの持つ圧倒的なオーラをあえてストレートに出すのではなく、弱めの曲で、少し引いた形で表現しているのだ。

もしこのセットリストをチームA以外がやったなら、本当にただの印象の薄い公演になってしまう。しかしチームAなら違ってくる。ものすごい美人が、ばっちりメイクやファッションを決めるのではなく、さりげないおしゃれをしているような、そういう都会的な雰囲気をかもし出すことができる。

だから、みいはチームAの持つ女の子オーラを全開にしてこの公演に臨んでいるのだ。おとなしめの曲で薄められてちょうどよくなることを計算に入れて。やはりみいちゃんはすげえや、と感心することしきりだった。

<3回目>藤江れいな生誕祭

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(チームAメンバー)
板野友美、川崎希、北原里英、小嶋陽菜、佐藤亜美菜、佐藤由加理、高城亜樹、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
内田眞由美、瓜屋茜、野中美郷
(休演)
大島麻衣、篠田麻里子

そうこうしているうちに本当にあきちゃがチームAに昇格してしまった。小原春香も前後してチームBへ。春ちゃんがAの舞台から姿を消したのはちょっとさびしい。

さて、この日の休演はまいまいと麻里子様の2名だけ。ようやくチームAの全貌が見えてきた。この日はキャンセル待ちだったが、抽選入場対象外(つまり立ち見)で入場できた。藤江れいなの生誕イベントでは、まいまいからの手紙が読み上げられ、感動を呼んだ。そしてその後、れいにゃんが実にしっかりと抱負を述べていて感心した。MCの弱い子、という印象があったからだ。後で知ったことだが、まいまいがMCについていろいろアドバイスをしていたようである。感心といえば、あみなの仕切りもソツがなく、とても良かった。彼女はA昇格からMCを意識して頑張っているのがうかがえたが、A5thに入って飛躍的に良くなってきたようだ。この日も公演中のMCコーナーで、ひまわり1stの「僕とジュリエットとジェットコースター」が「僕とジュリエットとJC」と書かれているのを見て「僕とジュリエットと女子中学生」という曲だと信じ込み「こりゃあ頑張らなきゃなあ」と思った、という話はかなりウケていた。勘違いしただけでも話はオチるが、「女子中学生」という言葉に反応するのが実にあみならしかった。

<4回目>
(チームAメンバー)
板野友美、川崎希、北原里英、小嶋陽菜、佐藤亜美菜、佐藤由加理、篠田麻里子、高城亜樹、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
内田眞由美、野中美郷
(休演)
大島麻衣

いよいよ休演が1人にまで絞られた。そしてやっとA5thの麻里子様にお目通り。最強のキレイさは言うまでもないが、そのすっとぼけたMCが本当にいい味を出している。MCといえば、内田眞由美と峯岸みなみの抗争アングルがこの日からスタートした。みいちゃんがMCの中で「キッズ・ウォー」の井上真央の役をやって、机を蹴り飛ばしたい、と言ったのに対し、以前からキッズ・ウォー時代の井上真央に似ているとして研究生公演でモノマネなど披露していたうっちーが「蹴飛ばしていたのは机ではなくて椅子」と食いつき、そこからバトルに発展した。その後の公演でもこの2人はよくぶつかっているらしい。内田眞由美は計算してMCのできる子であり、みいちゃんもそれを見込んで敵役に選んだのだろう。

<5回目>川崎希卒業公演

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(チームAメンバー)
川崎希、北原里英、小嶋陽菜、佐藤亜美菜、佐藤由加理、高城亜樹、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
内田眞由美、瓜屋茜、近野莉菜、野中美郷
(休演)
板野友美、大島麻衣、篠田麻里子

結局チームA全員がそろった状態を見ることができないまま、のぞフィス卒業を迎えてしまった。この日も3名が休演。結局「小嶋陽菜、大島麻衣、川崎希」という正規メンバーの「ハート型ウイルス」はついぞ見ることができなかった。その曲中のセリフは、大島か小嶋、またはそのアンダーが担当しているが、この日は小嶋が川崎に促し、のぞフィスが担当。「ぜったいありえない!そう思ってたけど、私、あなたのことが好きみたい!」で会場が大いに沸いた。

最後のセレモニーでは、全員が手作りした卒業証書を佐藤由加理が読み上げる。なかなか感動的な場面だった。そして休演だった板野・大島も私服姿で登場。麻里子は大阪で仕事のため駆けつけることはできなかったが、その直前の公演に、当初の予定を変更して海外から帰国した足で強行参加したのは、最後にのぞフィスと同じステージに立とうとしたからなのだろう。

全体的には、のぞフィスらしい、暖かくてほんわかした雰囲気で進んだ卒業公演だった。

<6回目>
(チームAメンバー)
大島麻衣、北原里英、佐藤亜美菜、佐藤由加理、篠田麻里子、高城亜樹、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
石田晴香、内田眞由美、近野莉菜、野中美郷、松井咲子
(休演)
板野友美、小嶋陽菜

やっと大島麻衣を出演を見ることができ、バラバラにではあるが一応全員コンプリートとあいなった。大島・篠田がそろうのは本当に貴重だ。A4R以来のまいまいは、やはり存在感が大きい。ひまわり組のころは、テレビでの露出が多いわりに劇場での声援は他の人気メンバーと同じぐらい、という感じだったが、新しいファンが増えているのかひときわ大きい声援を獲得していた。まいまいは、客のいじり方というか、コミュニケーションのとり方が非常にうまい。バラエティー番組での如才なさはご存知の通りだが、やはり彼女はこうしたライブ・エンターテイメントで力を発揮するタイプなのではないか。

この日から、川崎希ポジションに7期研究生の松井咲子が登場。上遠野瑞穂と並ぶ7期研究生の美人顔代表だ。この日の昼公演(自分が見たのは夜公演)で麻里子様に「せんたん子」(『さき』だから)という微妙なアダ名を付けられてしまったが、この夜公演ではまいまいに「せんたんこだったら、ちんすこうのほうが良くない?」とさらに訳のわからないネーミングをされ、「もう原型がないんですけど~」と困っている様子が何とも可愛い。ちなみにこの春に高校卒業なので、研究生の中では年長さん。

<7回目>大島麻衣ラスト公演

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(チームAメンバー)
板野友美、大島麻衣、北原里英、小嶋陽菜、佐藤亜美菜、佐藤由加理、高城亜樹、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
瓜屋茜、野中美郷、松井咲子
(休演)
篠田麻里子

やっと5thで初めて見られたと思ったらもう卒業である。4月のコンサートには出演するので、正確には卒業公演でなく、劇場公演の卒業、ということだ。残念ながら麻里子様はお休みで、この日も現役正規メンバー全員集合とはならなかった。

AKBで最も一般的な知名度が高く、オリジナルメンバーとしてその貢献度は計り知れないまいまいの卒業だが、A4R千秋楽の5人卒業の時のようなピリピリした雰囲気はなかった。まいまいも普段どおりに、自然体で、客席いじりまくりの楽しい公演だった。

「ハート型ウイルス」のセリフはもちろんまいまい。セリフをアレンジして「ぜったいありえない!そう思ってたけど、私、本当に3年間楽しかった。みんなのことが好き!」と叫ぶ。言うまでもなく客席はヒートアップだ。

MCでは、藤江れいなが学校で指揮者を務めたことがある、と話したところ「じゃあやって見せてよ。お客さんが、『会いたかった』歌ってくれるから」と、前代未聞の観客への無茶振り。まいまいでなくてはできない芸当だ。

最後の曲のあと、「桜の花びらたち」を歌う。その曲の中で、藤江れいなから預かった(この時点で21時を過ぎていたため、藤江は舞台袖に下がった)手紙を高橋みなみが読み、プレゼントを手渡す。いまいちたかみなとの呼吸が合わないあたりが、なんともチームAらしい。そしてオリジナルメンバーである峯岸、小嶋、板野、 前田、佐藤由加理、高橋の順で花束を渡す。そしてそのまま曲が終了し、まいまいからごあいさつ。寒い中お台場でイベントをしたことなど、苦労話を交えながら、この3年3カ月の充実ぶりを振り返った。最後は「ソロになっても、応援よろしく!」と力強く。

まいまいは自身もキレイだし話もうまいけど、周りの人間をうまく立てることができる稀有なアイドルだと思う。だからこれだけテレビの世界でも重宝されているわけだが、AKBにおいてもその才能は極めて大きかったのではないか?確かに公演に出ることは少なかったが、やはりその穴は小さくない。AKB全体が今後どう影響を受けるのか。いい方向に傾くことを期待しつつ見守っていきたい。

抽選に当たりにくくなった、とか言いながらも、考えてみると節目の公演にかなり参加できており、自分は幸せ者だ。いつも感謝、である。

AKB48の公式ウェブサイト

http://www.akb48.co.jp/

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2009年3月22日 (日)

劇団☆新感線2009春興行「いのうえ歌舞伎・壊(PUNK) 蜉蝣峠」

作・宮藤官九郎
演出・いのうえひでのり

闇太郎 古田新太
天晴 堤 真一
お泪 高岡早紀
銀之助 勝地 涼
サルキジ、おるい 木村 了
がめ吉 梶原 善
流石先生 粟根まこと
お寸 高田聖子
立派の親分 橋本じゅん
お菓子、やみ太郎 右近健一
善兵衛、アンパンの旦那ほか 逆木圭一郎
牛角ほか 河野まさと
お蓮ほか 村木よし子
うずらの親分ほか インディ高橋
お葉ほか 山本カナコ
ぶた彦ほか 礒野慎吾
関東取締出役・吉田ほか 吉田メタル
やみ太、女郎ほか 中谷さとみ
お光、女郎ほか 保坂エマ
蟹衛門ほか 村木 仁
平太ほか 少路勇介
猪公ほか 川原正嗣
十始末ほか 前田 悟
流しの太鼓たたき 教祖イコマノリユキ

「いのうえ歌舞伎」を宮藤官九郎が書く。2006年の「メタル マクベス」でもすさまじい火花を散らした新感線+宮藤のタッグ。あのときはシェイクスピアという巨人を介して真正面からぶつかった2人だが、今度は「いのうえ歌舞伎」という新感線のホームグラウンドに宮藤が乗り込む格好だ。

2005年の「吉原御免状」以来、本公演の柱である「いのうえ歌舞伎」を「いのうえ歌舞伎第二章」としてさまざまな試みを続けている新感線だが、今回は座付き作家の中島かずきでなく宮藤が書くわけだから、これはまた大きな挑戦だ。

いのうえ歌舞伎というより、ギャグ満載の「ネタもの」のようにコントタッチで始まった舞台。しかし、その舞台にはこれまでのいのうえ歌舞伎にはない、血なまぐさい匂いが漂う。中心的な場面となる「ろまん街」は、まるで「座頭市」に出てくる宿場町のように死と絶望が満ちていた。

そこで描かれるのは、宮藤官九郎いわく「説得力のある嘘とリアリティのない真実」だという。それを背負い込んで生きる男・闇太郎を古田新太が演じる。闇太郎には過去の記憶がなく、今の現実にもこだわりがない。ただただ未来を信じて生きようとする。そこに、過去の執着を捨て切れず、今を否定し、野心に生きようとする男・天晴を演じる堤真一と、今を固定するために百回を超える結婚式を繰り返す男・立派の親分を演じる橋本じゅんがからむ。この男3人に、一癖も二癖もある老若男女がかかわってくるその構造はかなり複雑だ。キャラクター同士がどういう角度で交わっているのかを読み解くのは困難を極める。

正直なところ、まだ自分はその解が見つけられていない。だが、もう考えるのはやめた。それぞれの登場人物の生き様をじっと眺めているうちに、そのキャラクターが背負ったものがうすぼんやりと、さながら「かげろう」のように見えてくる。それでいいような気がしている。

これは中島かずき版いのうえ歌舞伎とは対極的だ。中島版では、キャラクターの対立や連携の構図が極めて明確であり、その構図をくるくると展開させて観客を楽しませる。

これに対し、今回サブタイトルには「いのうえ歌舞伎・壊(PUNK)」という文句が掲げられた。

宮藤は、「メタル マクベス」のパンフレットの中で、「自分はパンクバンドの人なので、メタルには思い入れがない」と言っていた。パンクとメタルとの違い、これが中島かずきと宮藤官九郎の違いになぞらえられそうだ。ハードロックの進化系として、さまざまな理論やこだわりによって築き上げられたヘヴィメタルと、そうした音楽だけでなく、時代や社会への反抗がベースにあるパンク。これまでのいのうえ歌舞伎は、まさしくメタルだった。精緻に計算された美しい脚本をベースに繰り広げられる、安心感をもって観ることができる、それがいのうえ歌舞伎だった。しかし今回のいのうえ歌舞伎はパンクである。観客に安心して観ることを許さない、アンチテーゼに満ちた極めて不安定な世界。それがこの「蜉蝣峠」である。

宮藤のパンクな感覚、人や社会の汚さ、残酷さに目を背けず、それでも前向きに生きていこうとするその姿勢を、虚構の面白さを徹底的に追求するいのうえ演出が覆い隠したり隠さなかったり、それにはらはらしているうちについついのめりこんでしまう、そんな作品だ。

ネタもの一番、歌舞伎は二番、という邪道な新感線ファンとしては、暗さ、重さに耐え切れないところも正直ある。観ておくべき作品ではあるが、こういう血なまぐさいテイストが苦手な人は、無理して観なくてもいいんじゃないか、という気がしないでもない。

いのうえ歌舞伎第二章の冒険は今後も続いていくだろう。でもネタものもよろしくお願いしたい。そういえば、なんで「犬顔家の一族」のDVDは出ないんだろう。確かにいろいろやばいネタ満載ではあったが、ぜひとも手に入れたいものである。

Kagerou

「蜉蝣峠」公式サイト

http://www.kageroutouge.com/

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2009年3月21日 (土)

映画「ワルキューレ」

最近はすっかりサイエントロジーの人というイメージがついてしまっているトム・クルーズ。しかし彼の演技力は本当に素晴らしいと思う。

そのトム・クルーズが、実際にあったヒトラー暗殺計画の首謀者を演じる。そして監督は「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガー。これは期待しないほうが無理というものだろう。

そしてその期待通り、久しぶりに骨のある男の映画を観た、という確かな手ごたえを感じさせてくれる映画だった。実話に基づいているだけに、過度にエピソードを盛り込むことは避け、この世紀の暗殺計画について、その発端から終了までを目一杯の緊迫感で描いている。

この映画には、余計な味付けのない、レアのステーキを一気に食らう快感がある。しかしそれは味付けをしていないのではなく、素材のうまみを、最小限の調味料だけで最大限に引き出しているのだ。だから自分もつべこべ言わない。

ただ一言、男なら迷わず見るべき傑作。

Valkyrie

映画「ワルキューレ」公式サイト

http://www.valkyrie-movie.net/

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映画「釣りキチ三平」

ドラゴンボールだ、ヤッターマンだと騒いでいるが、この春、「実写化」で何といっても注目なのはこの「釣りキチ三平」だろう。

原作が好きということもあるが、最大のポイントは一平じいさんを渡瀬恒彦が演じる、という点だ。

原作の三平一平は、その風貌から一見好々爺のようだが、実はなかなかダンディーで、ちょっとお茶目な側面もあるという魅力的な人物である。そして三平に向けるまなざしは優しいが、家族を次々に亡くした三平に対し、決して人の同情に甘えるなと諭す厳しさもある。そして全国の釣り師があこがれる和竿づくりの名人。とにかく、どこまでもカッコいいキャラクターなのだ。

そのイメージからすれば、渡瀬恒彦というキャスティングはばっちりだ。「タクシードライバーの推理日誌」の夜明日出夫も、最近はすっかりいいおじさんになってしまったが、シリーズ開始当初は、常に美女につきまとわれる色男だった。渡瀬なら、厳しさ、優しさ、チャーミングさを全て表現できるだろう。そう期待していた。

そしてスクリーンの三平一平は、全くもって期待どおりだった。冒頭から味のある表情と印象的なセリフで、見事に一平名人が実体化している。脚本、監督、俳優すべてがこの役に対しぶれのない共通認識を持っているからこそできた業だろう。

さて、この映画のテーマは原作と同じ、自然の中でのびやかに生きることの素晴らしさ。そして三平という決して幸福な星のもとに生まれたわけではないが、常に明るく前向きに生きる少年と、それを見守る一平という二人の人物の魅力に誘われてかかわってくる人物たちの人間模様を描くことだ。

全編の秋田ロケは、そのテーマの前半部分を理屈ぬきに実現した。そして後半については、やや原作よりも三平と一平、そして鮎川魚紳をやや子供っぽく描き、この「3人の子供」と、対極的な存在である愛子というオリジナルキャラクターによって、より鮮明に描き出していた。

ストーリーとしては、他愛のない、と言っていいほどシンプルなものだ。しかし、脚本、演出、俳優の演技が一体となって作り出した完成度の高さは、なんともいえない心地よさを観る者に与えてくれる。昨年「おくりびと」を観たときにも書いたが、滝田洋二郎という監督は特にお気に入りというわけではないのに、常にその作品を劇場で観てしまう、そしてそれなりに満足感を与えてくれる、フシギな縁のある監督さんである。

Sanpei

映画「釣りキチ三平」公式サイト

http://www.san-pei.com/

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映画「ヤッターマン」

かなり早い段階からプロモーションがスタートし、もはや食傷気味になってきたところでやっと公開された実写版ヤッターマン。

タイムボカンシリーズは好きだけど、特段ヤッターマンに思い入れもないので当初はさほど興味はなかったが、深田恭子のドロンジョというナイスなキャスティングが発表されてからは大いに興味がわいていた。恭子りんのエッチなコスプレ姿が観られるというだけで、劇場に足を運ぶ理由は十分すぎるほどだ。そこに、「櫻の園―さくらのその―」の初日舞台あいさつで見てだいぶ気に入っている福田沙紀がヤッターマン2号というおまけつきだ。こりゃあ楽しみである。

その恭子りんのコスプレは期待以上の出来で、ドロンジョ姿もいいが、他にもいろんな衣装で楽しませてくれる。そして胸の谷間は常に全開。そして恭子りんだけでなく、三池崇史監督は観客のツボをよくお分かりのようで、福田沙紀や、オリジナルキャラクターの翔子を演じる岡本杏理にも、微妙にエロな演出をほどこしている。こりゃあ実に教育によくない映画だ。

なので十分に満足した。「天才ドロンボー」の恭子りんのふしぎなおどりと調子を外した歌声だけでも、この映画は観る価値がある。

実際のところ、なかなか面白かった。クライマックスの戦闘シーンがちょっとダレた以外はテンポもいい。本編の演技はかなりアレで、特に福田沙紀は相変わらずやる気が感じられず(だがそこがいい)、アクションシーンも全体的に真剣さがなくユルユルだけれど、CGの出来の良さで救われている感じだ。実写版ドラゴンボールのエントリーで「本編の出来の悪さをポストプロダクションで救うことはできない」と言ったけれど、さっそくその認識を改めなくてはいけないようだ。

Ytm

映画「ヤッターマン」公式サイト

http://www.yatterman-movie.com/

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2009年3月15日 (日)

残念映画「DRAGONBALL EVOLUTION」

とっても残念な映画、実写版ドラゴンボール。

でもそれは、世間で言われるように「原作と違いすぎ」「馬鹿映画を超えたトンデモ映画」といった理由ではない。

自分が感じているのは、この映画はうまく作れば大傑作、とはいかなくても、自分の大好きな映画にはなったのに――という残念さだ。

もともと自分は漫画や小説を映像化した場合、それは違う作品として見ることにしている。メディア・イズ・メッセージ。メディアが変わればコンテンツが変わるのは至極当たり前のことだ。

だからといって、原作に忠実たらんとする姿勢を否定するわけではない。同じ世界観を別のメディアで再現する、というのは、それはそれで新しい価値を作り出す行為だからだ。

本作は、事前に「別物として見るべき」という噂が先行していた。だが実際に見てみると、この映画は驚くほどドラゴンボールである。

原作初期の、ドラゴンボール争奪戦を面白おかしく描く、という雰囲気がとてもよく出ている。登場人物も、チョウ・ユンファ演じる武天老師は強さとスケベさが同居したハマリ役だし、ブルマやヤムチャも漫画のイメージをうまく実体化していたと思う。チチは原作の雰囲気とはずいぶん違うが、悟空に対し一歩も引かない強い女性、という面はまさしくチチだ。悟空はもっと原作の素朴な感じが欲しかった気もするが、米国人が吹き替え版で見たアニメ版の悟空は、意外とあんな雰囲気なのかもしれない。

時代錯誤の日本や中国のような街や人も出てくるが、もともとドラゴンボールの世界は無国籍的、無時代感覚的なのだから、違和感はない。悟空が高校に通っているのは変だろう、という人もいるだろうが、悟空の息子・悟飯はオレンジスターハイスクールに通っているから、学校がドラゴンボールの世界観と全く相容れないわけではない。

原作序盤の様々なエピソードを、87分という短い時間にまとめあげるためにだいぶ無理はしているが、破綻しているとまでは言い切れない。むしろ、そこはうまく構成したと言える。

なのに、この映画は面白くなかった。

コレといった明確な理由があるわけではない。映画は総合性の芸術だし、数百人、時には数千人という人が協力して作り上げるものだ。自然にうまくいく確率のほうが低い。あえて原因を探ろうとすると、脚本はエピソードを詰め込むことには成功したが、セリフ回しやシーンの展開にはかなり荒削りなところがあり、洗練されていない。演出は、ポストプロダクトのCGの使い方は非常にうまいが、肝心の本編でのやりとりが迫力に欠けている。スター・ウォーズのエピソード1~3のように、CGの中に人間の演技をはめこんだ映画ならまだしも、やはり生身の演技の出来の悪さをCGでごまかすことはできないのだと実感した。

一時、この映画はクオリティーが低いためお蔵入りになるのではないかと噂された。想像するに、メキシコで行われた本編ロケが、うまくいかなかったのではないか。脚本家も監督もその実力を十分に発揮することができずに終わってしまったように思う。狙いはいいのに、全てが中途半端に終わっているからだ。制作予算や期間も、現場で自由にできたのはかなり限られたものだったのではないだろうか。だとすれば、それはプロジェクトマネジメントの失敗だ。

もし、狙い通りのものになれば、原作の雰囲気を押えつつも意外性を持った、観終わったあとに何も残らない見事な馬鹿映画になったかもしれない。連載開始から最終回までジャンプで読み続けた原作ファンであり、馬鹿映画の大好きな自分にとって、これ以上の幸せはない。

だからこの映画の出来の悪さは本当に残念だ。日本人キャスト・スタッフで作り直せ、という声も上がっているようだが、自分はむしろ同じスタッフ、同じキャストで、失敗した点をリカバーしてもう一度作りなおして欲しいぐらいだ。

日本人が映画化すれば違うものになった、というのは確かにそうだろう。しかし、日本映画界はそのチャレンジをしなかった。だからハリウッドがやったのだ。文句を言える筋合いではない。残念というなら、その日本映画界の現状こそ残念というべきだ。自分たち観客ももっと積極的に日本映画に足を運び、意見を述べ、大いに盛り上げていかなくてはいけないだろう。

Dbe

この映画について「ベスト・キッド」っぽい、という意見があるが、同意だ。どうしてもドラゴンボールとして観ることに抵抗がある人は、ベスト・キッド5として鑑賞したらどうか。悟飯(初代)と悟空の修行はまさしくノリユキ・パット・モリタとラルフ・マッチオを思い出させるし、チチ役のジェイミー・チャンは「ベスト・キッド2」のタムリン・トミタを彷彿とさせる。まあこの映画に抵抗のある人は、ベスト・キッドシリーズにも抵抗あるだろうからダメか。

「DRAGONBALL EVOLUTION」公式サイト
http://movies.foxjapan.com/dragonball/

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2009年3月10日 (火)

四季「春のめざめ」キャスト発表   か

5月2日の開幕へ向け、準備も着々と進んでいるのかどうかは分からないが、とにかく本日「春のめざめ」制作発表が行われた。動画中継もあったようだが、会見映像はすでにyoutubeにアップされ、公式サイトに貼り付けられている

今回は若手を中心に制作を進めていこうという姿勢の現われか、代表は登場せずに劇団専務と「演出補」を務める横山清崇、宇垣あかね、由水南、そして音楽監督のキンバリー・グリッグスビーというメンバーで会見。俳優が演出補ってことは、四季には演出プロパーの人材がいないのか?という疑問はさておき、若い世代に任せていくのは歓迎だ。

今回の会見では俳優がナンバーを披露するシーンもあったようで、その動画ももちろん見られる。注目は何と言っても「誰がベンドラを演じるのか?」だ。

で、動画再生。「MAMA WHO BORE ME」でベンドラのソロパートを歌っているのは……

……

……。分からん。

ネットに上がっている情報をいろいろ探ると、どうもこないだ京都の「夢から醒めた夢」でパレスチナの子を演じていた「林 香純」らしい。年齢的にも若そう。ちっちゃい子は岸本美香だよね?

男優陣は、いきなり三雲肇が登場。後半のソロで出てきたのは誰だろう、と思ったらライオネル役などを務めた柿澤勇人らしい。

パフォーマンスの出来はスルーしていいだろう。まだ開幕まで2カ月ある、ということ以上に、この舞台はシンプルなステージとシンプルな衣装、マイクの使い方など小技の効いた演出、そして若者の感情をストレートに表現するピュアなロック、といった要素の微妙なバランスの上に成り立つ繊細な作品であり、それらを徹底的にスタイリッシュに洗練させているのが魅力である。評価は実際のステージを観るまで分からない。

日本語歌詞は、毎回いろいろ言われるが、聞いているうちに慣れるんじゃないかと思う。確かに日本語訳するとこっ恥ずかしい内容ではあるが、もともとこの舞台はこっ恥ずかしい話なのだ。

肝心のキャスティングをどう見るか。これも難しい。正直、林香純が演じたパレスチナの子供はあまり印象がない。昔は夢から醒めた夢を見ると、かわいそうな子供たちの中に「おおっ」という若手女優が必ずいたものだが、最近はそういう経験がない。それだけ今の四季には娘役が不在ということだ(はい、ここでいろんな人を思い出さない!)。とりあえず、この動画だけでは何とも言いようがない。まあルックスだけで言えば、宇垣あかねが一番可愛かったように思うが・・・

男優陣は、三雲も柿澤もこの舞台に合っていると思った。確か、このナンバーは主役であるメルヒオールは参加してなかったような気がするが、柿澤メルヒオールならばっちりイメージ通りだ。三雲も雰囲気はいいけど、さすがにセリフの多いこの役では日本語の発音がきついだろう。

集合写真もニュース系のサイトにちらほら出ているが、そこには厂原時也や伊藤綾祐の顔も見える。やっぱりメルヒオールの本命は厂原か?こちらもイメージ通りすぎてつまらないぐらいぴったりだ。

そういうわけで、男優に関しては全く不安がない。女優については不安が払拭できない。何しろあっちであんなにプリティーなベンドラ見ちゃってるから、ハードルがとてつもなく上がっているのだ。残り2カ月でどうなるものでもないだろうが、林がいい演技を見せるのか、それとも全く別のベンドラが出てくるのか、不安に期待を上塗りして初日を待ってみたい。

 

*みかん星人さんがブログ記者として会見に参加されたようです。リンクを貼らせていただきます。
http://mikanseijin.moe-nifty.com/logbook/2009/03/post-c93a.html

 

「春のめざめ」観劇エントリー
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2008/12/spring-awakenin.html

四季公式サイト 動画レポート
http://www.shiki.gr.jp/navi02/news/005510.html

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2009年3月 7日 (土)

AKB48「10年桜」新曲発売恒例握手会

もはや一般用語化した「AKB商法」。運営側も悪びれずに堂々とドーピングをしている。まあ、同じようなことはどのアイドルも多かれ少なかれやっているわけで、AKBだけが責められたものでもあるまい。それにAKB恒例の握手会は、いっとき数人のメンバーに対し順に握手していく、という一般的な方法も導入されたが、主流なのは「個別握手会」と称する、メンバー一人を指定して握手できるというもの。普通の握手会は「がんばってください!」と「ありがとうございます!」を同時に言って終わり、というぐらいの時間だが、この方法だと短くても15秒〜30秒ぐらいの会話が可能だ。AKBがあくまでこの効率の悪いイベント形態にこだわるのは、あくまで「会いに行けるアイドル」というコンセプトを守ろうとする姿勢と評価できる。また、個別握手会の場合人気メンバーの前には長蛇の列ができるが、そうでもないメンバーの前には誰もいない、というシビアな状況が生まれる。それもまたAKBらしさでもあると考えているのだろう。もっとも裏ではスタッフが「○○(メンバー名)、○○、○○の方、どうぞ〜」とまるで白タクの呼びかけさながらに声をかけ、列を途切れなくさせているのだが。

昔からのAKBファン、メンバーとより深くコンタクトできることを誇りに感じている人たちにとって、個別握手は欠かせないイベントなのだと思う。しかし「アイドルは遠きにありて思うもの」という世代の人間にとって、数十秒とはいえ、アイドルと話すのってものすごいプレッシャーだ。こう声をかけたらこう反応が来て・・・と、男子中学生が女子に声をかけるような、「ときめきメモリアル」の回答を選ぶような、無用というかほとんど無駄なシミュレーションを脳内で繰り返して臨むことになる。それだけに、握手を終えるとひと仕事終わったような充実感が残る。

だからライトなファンなら、2〜3人、あるいは1人と握手しただけでも十分に満足してしまう。AKB運営側は、今回そこに目をつけ、更なる売り上げ拡大策、新たなドーピング手法を打ち出してきた。

それは、握手会に加え「特別公演」と称する無料の公演を行い、劇場でCDを購入すれば抽選でそこに参加できる、というもの。その特別公演の内容も「ひまわり組2nd公演リバイバル」「チームB4th研究生公演」といった、プレミアムを払ってでも観たいものをそろえてきた。言うまでもなく、CD1枚で1回の抽選。つまり買えば買うほど当選率が上がりますよという、射幸心煽りまくりのデンジャラスなビジネスモデルだが、今回も公取の問題にはならなかったようだ。

この目論見は的中し、ほとんどの購入者が一回の限度枚数である5枚を購入。結果、平日から前作「大声ダイヤモンド」をはるかに上回るペースで販売数が伸びた。もちろん、AKB自体の人気が加速度的に上がっていることも事実だが――。

そのため、劇場での販売は土日の握手会当日を待たず品薄状態に。それでこの土日は1人1枚の枚数制限となった。

自分はと言えば、通信販売ですでに4枚購入してある。これに付いている引換券を持っていけばCD購入者と同じように握手券と特別公演抽選券が手に入る。しかも1人1枚ではなく、4枚ちゃんともらえるという。これは通販で買っておいて助かった。

だが、その引き換えは購入者と同じように早朝から並ばなくてはいけない、というので、公演の入場が完全メール抽選に以降して以来、久しぶりに「並び」を体験することにした。

秋葉原到着は朝7時50分。すでに作られていた長蛇の列の最後尾につくとスタッフから「割り込み防止券(整理券のようなものだが、これを持っていてもそのまま列にいなくてはいけない)」が配られた。すでに1000番をちょっと超えていた。

そこから発売開始の10時まで、ずっと並んでいなくてはいけない。比較的気温は高いとはいえ、日陰とビル風で体感温度は相当に寒い。「デトロイト・メタル・シティ」や「バクマン」の最新刊などを読んで、テンションを上げて耐えしのぐ。何やってんだ社会人。

10時を回ったが、列はいっこうに動かない。ひとつの大きな列を作っているのではなく、列を分割して、あちこちに分散して配置しているからだ。ネットで様子を伺うと、どうやら100人さばくのに10分かかっているようだ。そうなると1000番台の自分が買えるまでにはさらに1時間半以上かかるということか。

ほぼ計算どおり、ドン・キホーテ8階のAKB劇場にたどり着けたのは11時40分。そこで握手権と抽選券を4枚ずつ受け取り、さっそく握手会へ参加。

4枚どう使おうか考えたが、高橋みなみ・峯岸みなみは外せないので、あとの2枚でまだイベントで会ったことのないメンバーに会おう、ということにした。最終的に、小野恵令奈・篠田麻里子と会うことができた。最近髪を切って昔(俺が劇場に通う前の)の髪型に戻った麻里子様は、近くで見るとあまりにキレイで失神するかと思った。しかも、パーフェクト・ビューティーながら気取らずファンに対しまっすぐ視線を向けて話しかけてくる姿勢に感動して卒倒しそうになった。

そして、どちらかというと自分にとって握手よりも比重の高かった「ひまわり組2ndリバイバル特別公演」には、残念ながら落選。この日の抽選券発行数は約4000で、劇場のキャパは250だから、単純競争率は16倍。そこに4枚の抽選券で参加したわけだから、当選確率は25%といったところ。落選する確率は当選の3倍もあるので、落ちてももやむをえない数字だが、手が届かないほどでもないだけに正直無念だという気持ちはある。しかしこの日、引き換えでなくCDを購入しようとした人の多くは、何時間も並んでいたのに結局変えずに終わってしまったようだし、自分ももう少し遅く来ていたら引き換えはできない状況だった。それを考えると自分などは相当にめぐまれていたほうで、むしろありがたいという気持ちを持つべきだろう。そして、やはりあの寒空の中何時間も待たせて、それでCD1枚売らないというのはやはり問題があると思う。

つうわけで、またCDが増えちゃったよ。新曲出すたびにCDが4〜5枚単位で増えていくのって、どこか何かが間違っているような気がしないでもないが、たぶん気のせいだろうなあ。

このCDは2バージョンあり、今回のイベントに参加するためには写真に4枚写っている「劇場版」を入手する必要があった。真ん中に写っているのが全国のCDショップで買える「通常版」で、これを入手することで参加できるまた別の握手会が・・・

AKB48のWEBサイト

http://www.akb48.co.jp/

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2009年3月 1日 (日)

四季「ウィキッド」めぐみゆき&豪華アンサンブル

グリンダ 沼尾みゆき
エルファバ 濱田めぐみ
ネッサローズ 小粥真由美
マダム・モリブル 武 木綿子
フィエロ 北澤裕輔
ボック 金田 暢彦
ディラモンド教授 前田貞一郎
オズの魔法使い 飯野おさみ
男性アンサンブル 清川 晶、町田兼一、玉城 任、
丹下博喜、成田蔵人、白倉一成、
賀山祐介、田中宣宗、三宅克典
女性アンサンブル 長島 祥、間尾 茜、真家瑠美子、
あべゆき、今井美範、有美ミシェール、
花田菜美子、伊藤典子、増山美保

久しぶりに濱田めぐみ&沼尾みゆきのコンビが観たいと思い、四季劇場「海」へ。だが注目ポイントはもう一つある。アンサンブルだ。

女性アンサンブルには、一度はエルファバ役に抜擢されながら、またアンサンブルに戻ってしまった今井美範。再起の日を目指して準備に余念がないといったところか。男性アンサンブルにはフィエロにキャスティングされているもののまだ出番のない玉城任。こちらも、デビューへ向けてアンサンブルをこなしながら作品の空気をその身に馴染ませているのだろうか。

そしてもう一人、女性アンサンブルに真家瑠美子がいることを見逃してはいけない。この報を聞いて、こりゃ観に行かなきゃと思った。本来なら京都の「夢から醒めた夢」で主役・ピコを演じていてもおかしくない真家がなぜここにいるのか。答えはひとつしかあるまい。エルファバ候補と、フィエロ候補がいる以上、そこに「グリンダ候補」がいてもおかしくはない。真家グリンダ!そうか、その手があったか!想像するだけで心躍るキャストではないか。絶対実現してほしい。

オリジナルキャストの濱田・沼尾と、シャドーキャビネットのように次のメインキャストをねらう役者が共演するという、マニアックな豪華キャストの舞台となった。

さて久しぶりの濱田エルファバは一時声の調子を悪くしていたらしいが、この日は絶好調で力強くエルファバを演じ、歌っていた。濱田エルファバの演技はときどきそのトーンが変わっており、彼女がさまざまな試みをしていることが伺えるが、なんとなく最初のバージョンに戻ったような気がする。

沼尾グリンダは疲労がたまっているのか、ピーク時に比べるとやや声に力がなかった。しかしそこは声楽家、うまくごまかして違和感を感じさせない。笑いの間の取り方はあいかわらずちょっとずれてたりするものの(だがそれがいい)、さすが濱田との息はピッタリで、仲の良さがリアルに伝わってくる。「For Good」は久しぶりにしみじみとした感動に包まれた。

今井のアンサンブルはこれまで何度も観ているが、端正な顔立ちと目ヂカラが発するオーラはひときわ目立っている。アイーダや試験的に演じたエルファバの評判は今ひとつだったようだが、やはり一度は彼女のエルファバを見てみたいものだ。

玉城任はスカイ役ぐらいしか印象がなく、それもさほど強烈な印象でもないのだが、舞台に出ていると自然と目を引く華やかさがある。もっとも猿のマスクをかぶってしまうシーンが多いため、素顔をさらしている時間は限られているが。

そして真家は、あのキラキラ~☆な瞳が目印になって、どんな衣装を着ていてもすぐに彼女と分かる。たとえエメラルドシティのサングラスをしていてもだ。行ける、絶対行けるぞグリンダ役!

やはり主役級を一度でも演じた人は、特別な存在感を身に着けるのだろうか?もちろん贔屓目もあるだろうが、この3人はアンサンブルを演じながらも大いに光っていた。本当は瑠美ちゃんばっかり見ていたんだろうと言われると否定はできないが。

そうそう、久しぶりといえば小粥ネッサローズ。総督になってからの演技になにやら凄みが増していて非常に良かった。

最近、特に平日などは客席がややものさびしいことも多いようだが、この日はチケットは全て売り切れ。やはりウィキッドはこうでなくてはいけない。千秋楽もそう遠くはないと思うが、新キャストはそれまでに間に合うだろうか?間に合わなくてもいい。また遠征の口実ができるというものだ。定額給付金の使い道はそれに決定だな。

「ウィキッド」WEBサイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/wicked/index.html

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