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2009年1月12日 (月)

日本科学未来館ドームシアターガイア「バースデイ ~宇宙とわたしをつなぐもの~」

日本科学未来館のデジタルプラネタリウムを上映しているドームシアターガイアで立体映像の新プログラムが始まった。全天周の超高精細立体視映像システム“Atmos”と、500万個もの星を投影できる世界最大級のプラネタリウム“MEGASTAR-II cosmos”により、宇宙誕生の物語を描く壮大な映像作品だという。

全天周立体映像、といえば、85年のつくば万博の富士通パビリオンが上映した「ザ・ユニバース」の衝撃が忘れられない。赤青メガネ方式のモノクロ作品ながら、立体映像、ドーム型スクリーン、そしてコンピューターグラフィックスという3つの新鮮なテクノロジーによってこれまでに味わったことのない感覚を体験することができた。

その後、花博では偏光メガネ方式によるフルカラーの「ザ・ユニバース2」も上映されたが、前作ほどの衝撃度はなかった。立体やCGに慣れてしまったせいもあるのだろう。だが、今回未来間が投入した新映像システムは4096×4096というとんでもない高精彩画像を投影できるのだという。いよいよ1985年の衝撃を超える存在が登場するかもしれない、と期待が高まる。

そしてプラネタリウム界のカリスマ、大平貴之氏の手によるMEGASTAR-IIは世界で最も先進的なプラネタリウムとしてギネスブックにも登録されたほどのシステムであり、一度見たいと思っていた。これまで観たプラネタリウムで最も印象的だったのは、2000年にニューヨークの自然史博物館に直結した地球宇宙ローズセンター内の施設としてリニューアルオープンしたヘイデン・プラネタリウムをその年の12月に見たことだ。シリコングラフィックスのコンピューターでリアルタイム処理し、無数の星々を巨大なスクリーンに映し出すその仕組みは、トム・ハンクスのナレーションとあいまって実に感動的だった。あの感動を超えることができるかどうかも期待だ。

というわけで、3連休のよく晴れたお台場に朝からやってきた。科学未来間は仕事で何回か来たことがあるが、展示を見るのは初めてだ。まず入場券購入の列に並ぶ。新プログラム投入ということで、早めに来ようと思ったが、前日わくわくしてなかなか寝付けなかったために(コドモか)すっかり寝坊してしまい、列に並んだのは開館10分前の9時50分。すでに長蛇の列ができている。

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何とか入場券を買って、次は1階の別の場所にあるドームシアターガイアの予約券発行機に並ぶ。これは無料だ。並んでいるうちに、1回の定員が112席しかないことがわかる。万博やヘイデン・プラネタリウムのイメージがあったのでこりゃまたずいぶん小さいものだと驚く。それ以上に、こりゃすぐには見られないな、と覚悟する。この日の上映回数は7回あるが、午後は四季劇場に行くつもりなので午前中の回をはずすと夕方また来るしかなくなる。だが、何とか午前中2回目の11時30分からの上映にすべりこむことができた。自分が予約券を入手した段階で、この回の残りは10席ほどだったと思う。

とりあえず上映時刻まで時間があるので、常設展示を見て過ごす。

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アシモのショーや、しんかい6500を見ているうちにどんどんテンションが高まってくる。また、企画展示(別途有料)の「アマゾニア展」もせっかくなので覗いて見る。子供のころデパートでやっていた「大アマゾン展」のように大蛇でも見世物にしているのかと思ったら、環境破壊とアマゾンの自然について紹介した真面目な展示だった。

そしていよいよドームシアターの上映時間に。入り口で偏光メガネを借りる。東京ディズニーランドの「ミクロアドベンチャー」のようなカンタンなものではなく、壊すと高額な弁償をしなくてはいけなそうなしっかりした造りのメガネで、眼鏡をかけている上からも問題なく装着できる。

映像は20分少々のものだ。ずっと立体映像を上映し、最後の5分ほどでプラネタリウムの映像に切り替わる、という構成。この時はあらかじめ録音されたナレーション(ARATA)が流れていたが、科学館の職員が生声で解説する回もあるのだという。

さて映像の出来だが、素晴らしいのはやはり映像の細かさだ。天体や銀河の形成過程を見せてくれるのだが、ガスやちりが集まって次第に形になり・・・というくだりで、本当に目の前にあるちりを払いたくなるほどである。これほど細かい立体映像というのは、確かに見たことがない。

しかし、問題点としてはやはり偏光メガネ方式の弱点である、映像がどうにも暗くなってしまっている点だ。もっと明るい映像であれば、感動がさらに広がっただろうと思う。

シナリオも、しごくまじめなものではあるが、せっかくだからもう少しドラマチックに演出してもいいような気がする。ヘイデン・プラネタリウムを見たときは、英語がよく分からないにもかかわらず、トム・ハンクスのナレーションに妙に感動してしまった。

あと、これは今さらどうにもならないことだが、これだけのハードとソフトを投入しているのだから、施設自体、つまりスクリーンや客席を大きくしてほしいとつくづく感じた。意外にこういう見学がきっかけになって、子供が将来の夢を抱いたりするのだ。もっと自信をもって大きく造り、多くの子供たちを見学に招いてほしいものだと思う。

というわけで、ザ・ユニバースほどの衝撃には残念ながら至らなかったが、日本最高水準の技術を体験できる見学施設には、いちど足を運んでみる勝ちがあるだろう。

それにしても、偏光メガネ方式の画面の暗さは、何とかならないものだろうか?実はその弱点は1985年当時に指摘されており、つくば万博では住友館の「大地の詩」がそれを解決していた。この作品では、「2台のカメラで撮って2台の映写機で写す」ということにより、2つの映像を重ね合わせるために明るさが半分になってしまうことを回避していたのだ。あの立体映像は本当に美しく、今も記憶に鮮明だ。

現在、ハリウッドではさかんに立体映画が作られている。2008年も「センター・オブ・ジ・アース」などが上映された。しかしどうもやはり映像が暗く、また立体上映に対応していない映画館での上映用と2バージョン作ることを前提としているため、いまひとつ立体の面白さを出し切れていない。

つくば博から20年以上が経過しているが、いまだ「ザ・ユニバース」と「大地の唄」に映像技術が追いついていないのは、なんとももどかしい限りだ。

日本科学未来館のWEBサイト

http://www.miraikan.jst.go.jp/

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