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2008年12月28日 (日)

Shrek The Musical(シュレック)

28日14時~16時30分
Broadway Theatre

Shrek

11月からプレビュー公演を行っていたとはいえ、今月14日にグランドオープンしたばかり、というホットさの「シュレック」。おなじみのドリームワークスによるCGアニメーション映画を基にした新作ミュージカルだ。

14日のPlaybill電子版トップ記事は、「エルファバやヤング・フランケンシュタインのモンスターたちがブロードウェーにまた新たな緑の仲間を迎えた」という書き出しでグランドオープンの模様を伝えていた(http://www.playbill.com/news/article/124260.html)。ヤング・フランケンシュタインはもうすぐクローズしてしまうが。前回来たときに観た「グリンチ」しかり、ミュージカルと緑色は深い縁がありそうだ。

実を言うとさほどこの映画のファンでもなく、パート3は観てもいない。USJの「シュレック 4-D アドベンチャー」も未体験だ。しかしあれをどうやって舞台にしたのか興味はある。DVDボックスを購入し、予習もバッチリの状態で臨む。

場内に入ると、森をイメージしたちょっとチープなカキワリがステージ飾っている。若干嫌な予感はしたものの、ホリデーシーズンでわんさか来ている子供たちは大喜びだ。

全体的なストーリーは、最初の映画作品と同じ。だからストーリーを予習するためにDVDを見よう、という人は1だけ観ておけば問題ない。

映画シュレックは、ディズニー作品へのアンチテーゼとして、数々のファンタジーを揶揄した毒のあるギャグが満載されていることで知られる。そして、ディズニーキャラクターではありえないお下劣さも特徴だ。

その2つとも、このミュージカル版にしっかりと受け継がれている。さらに、映画ではハリウッド映画のパロディーも頻繁に登場するが、そこはほとんどない。その代わり、ブロードウエーミュージカルのパロディーが続々と登場する。もともと、映画シュレックが「美女と野獣」のパロディーになっているわけだが、それ以外にも、そのまんまやん!というものから、あれ?ひょっとして今のは…というものまで、全編に散りばめられているので、ミュージカル好きにはおすすめだ。

それらは大人が見ても十分楽しいところだし、一方でシンプルな物語と巨大なドラゴンなどの大仕掛けは、子供たちを引き付ける。親子それぞれに楽しんでもらいたい、という姿勢が明確だ。

特殊メークのシュレックは全く違和感がなく、トニー賞ノミネート経験もある実力派、Brian d'Arcy Jamesの渋い演技は「下品で怖くて気は優しくて力持ち」というキャラクターの魅力を十分に引き出している。相棒のしゃべるロバ、ドンキーに扮したDaniel Breakerは、ほとんど素顔丸出しでエディ・マーフィーにも山寺宏一にも負けない芸達者ぶりを全身で表現している。フィオナ姫はこの作品のもう一人の主役。若くて美人な女優さんではなく(失敬)、ちょっとクセがあってやや薹が立った感のあるSutton Fosterを起用したのが大成功だ。ついこないだまで「Young Frankenstein」にも出ていた売れっ子ミュージカル女優。かつてはレ・ミゼラブルでエポニーヌを演じたこともあるのだとか。「あなたのイメージとはちょっと違う」お姫様を、輪郭を際立たせたメリハリのある演技で力強く表現している。大量に出演するファンタジーの国の住人たちも、みないい味を出している。ピノキオの情けなさは出色の出来だ。

音楽は、映画とは作曲家が異なるオリジナルだ。全体を通じて、ポップなというか、ゴキゲンな(死語)ナンバーが続く。

ゴキゲンなノリと毒のある笑い、といえば、もうすぐ惜しまれつつクローズドになる「ヘアスプレー」と、どことなく作品の雰囲気が似ている。気軽に見られる、という点でも一緒だ。トニー賞獲得以来、ヘアスプレーが維持してきたブロードウェーにおけるポジション(気軽に観られて楽しく、英語がニガ手でもOKなノリのいい作品だがお子様向けというわけではない、という希望に応える)を受け継ぐ作品として期待が持てそうだ。

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