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2008年11月29日 (土)

人造人間「学天則」@大阪市立科学館

今年7月、大阪市立科学館の展示リニューアルオープンの目玉として公開された、東洋初のロボット、人造人間「学天則」(復元)を見学してきた。夏からずっと見たかったのだが、ようやくその機会が訪れた。

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「学天則」は1928年に京都で行われた博覧会に出品された。その製作者は、大阪毎日新聞の論説委員であり、生物学者だった西村真琴。この学天則はその動力源に圧縮空気を用いることで、なめらかな動きや表情の変化を実現したことで、世界的にも注目されたという。

この空気を使う、という点がまさに生物学者たる西村の哲学を現している。このあたりについては、「帝都物語」の第4巻で荒俣宏がこのように解説している。

空気を使うことを教えてくれたのは、西村博士が述べたように、生物それ自体の生命機構であった。生物は空気、水、食物を原動力とし、それを蓄積力に変えて身体各所に保存する。

同様にして、彼の人造人間も電気を原動力とし、圧搾空気を蓄積力に転化するのだ。この圧縮空気をゴム管に送り込み、出し入れを自由に操作することで、生物と同じように自然な動作を行えるのだ。

(荒俣宏「帝都物語」第4巻 27「学天則の生い立ち」より)

そして学天則の容貌は、世界の5つの民族(ヨーロッパ人、インド人、アジア人、アフリカ人、ネイティブ・インディアン)の特徴を合成したものになっているのだという。これも西村の「人間とは何か」についての深い考察に裏付けられたものだろう。

科学と哲学が未分化だった最後の時代に作られた、最先端の存在、それが「学天則」である。そうした偉大な発明がこうして再現され、展示されるのは素晴らしいことだ。

「学天則」については「帝都物語」で知った、という人も多いことだろう。言うまでもなく自分もそうだ。映画版では、西村博士の役を、彼の実子である西村晃が演じた。悪役から水戸黄門まで自在に演じる名優であることに加え、やはり父の役を演じるということで、特別な思いもあったのだろう。この物語では、人造人間である学天則が、人の心に取り付いて地下鉄工事を妨害する鬼を退治するために大活躍するが、戦いを終えた学天則に向ける暖かい眼差しは感動的だった。ついでに言うと、その娘役を安永亜衣が演じたが、豪華かつクセのある俳優陣がずらりと並ぶ中で、唯一のほっとさせるキャラクターだった。

さて、復元された学天則は、学芸員たちが現存する乏しい資料をもとに、その要望や仕組みを忠実に再現したものだ。一種異様な雰囲気だが、なんとも味のある存在感は、恐らく当時のままなのだろう。

この再現された学天則の基本動作は、瞑想にふけり、何かしらのインスピレーションを感じて(手に持った「霊感燈」が光る)おもむろに目を開き、何事かを書き付ける、というもの。全体で3分ほどだ。

その模様を、ビデオに納めてきたのでハイビジョン画質でアップしておく。

学天則は大阪市立科学館の入り口入ってすぐ左側にある。エントランスホールにあるので、展示の入場券を買わなくても見られてしまうが、展示もさまざまな実験を楽しむことができるので(もちろん子供向けではあるが、大人も結構楽しい)ぜひ見て回ろう。

注意が必要なのは、学天則が動くのは、毎正時に1回のみ、ということだ。動く様子を見たい場合は、展示を見学する前にするか後にするか、決めておくといいだろう。

大阪市立科学館のWEBサイト
http://www.sci-museum.jp/

紹介ページ
http://www.sci-museum.jp/server_sci/promot/press_p.html

Wikipediaによる解説
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E5%AD%B8%E5%A4%A9%E5%89%87&oldid=21683195

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