映画「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」
いくらなんでもこの邦題はないだろう、と思ったらやっぱり原題は「EVERY LITTLE STEP」だった。そっちのほうがずっといいのに。マーケティングのために妙な邦題がつくのは珍しくないが、こういうさほどヒットするとは思えない映画にまでなあ…
という愚痴はさておき、ブロードウェーミュージカルの代表作、「コーラスライン」再演のために行われた8カ月に及ぶオーディションの様子をカメラに収めたドキュメンタリー映画を観てきた。
ブロードウェーとハリウッドのもたれあいは最近見るに耐えないが、これはちょっと面白い試みだ。何しろ「コーラスライン」はもともとショーに出演するダンサーたちが悩みや過去を語るバックステージものだ。そのバックステージもののバックステージを描こうというのである。
「コーラスライン」本編で語られるダンサーたちのセリフと、実際のオーディションの風景、さらに「コーラスライン」の生みの親であるマイケル・ベネットが、作品を書くにあたり多くのダンサーたちにインタビューしている様子の録音、という3つの異なる次元のコンテンツがオーバーラップしながら進んでいく。この複雑な構成によって、ドキュメンタリーながら飽きさせない構成になっている。
そうした作品なので、「コーラスライン」の裏側を描く、というよりも、「コーラスライン」をより深く理解するための副読本のような映画になっている。正直、「コーラスライン」を観たことがない人はこの映画を観てもサッパリだろう。だが一度あの舞台を観た人なら、見入ってしまうことうけあいだ。
オーディションの風景そのものもすこぶる面白かった。ショービジネス界で成功するためには整形も厭わないヴァル役を得るために、本当に豊胸手術をしてしまった女優がいたり、シーラ役の候補がシーラ顔負けの強気キャラだったり、コニー役を射止めた日本人・高良結香は、米国に住んでからの年月が浅いということで最初審査員の印象が悪かったり、と本当にコーラスラインそのままのドラマが繰り広げられる。
それにしても、これ観てたらぜひブロードウェーで「コーラスライン」を観たくなってきた。この映画で描かれている再演は先日終了してしまったが、またリバイバルされることを期待したい。
「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」WEBサイト
http://www.broadway-movie.jp/
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コメント
やっぱり同じこと考えますね~。
来年8月、オーチャードホールで来日公演です♪
投稿: charu | 2008年11月14日 (金) 15時40分
charuさんこんにちは。
おおっナイス情報ありがとうございます。ブロードウェーでは今度はウエストサイド物語がリバイバルされるみたいだし、ある意味コンテンツ不足??
投稿: ヤボオ | 2008年11月14日 (金) 23時13分