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2008年11月29日 (土)

人造人間「学天則」@大阪市立科学館

今年7月、大阪市立科学館の展示リニューアルオープンの目玉として公開された、東洋初のロボット、人造人間「学天則」(復元)を見学してきた。夏からずっと見たかったのだが、ようやくその機会が訪れた。

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「学天則」は1928年に京都で行われた博覧会に出品された。その製作者は、大阪毎日新聞の論説委員であり、生物学者だった西村真琴。この学天則はその動力源に圧縮空気を用いることで、なめらかな動きや表情の変化を実現したことで、世界的にも注目されたという。

この空気を使う、という点がまさに生物学者たる西村の哲学を現している。このあたりについては、「帝都物語」の第4巻で荒俣宏がこのように解説している。

空気を使うことを教えてくれたのは、西村博士が述べたように、生物それ自体の生命機構であった。生物は空気、水、食物を原動力とし、それを蓄積力に変えて身体各所に保存する。

同様にして、彼の人造人間も電気を原動力とし、圧搾空気を蓄積力に転化するのだ。この圧縮空気をゴム管に送り込み、出し入れを自由に操作することで、生物と同じように自然な動作を行えるのだ。

(荒俣宏「帝都物語」第4巻 27「学天則の生い立ち」より)

そして学天則の容貌は、世界の5つの民族(ヨーロッパ人、インド人、アジア人、アフリカ人、ネイティブ・インディアン)の特徴を合成したものになっているのだという。これも西村の「人間とは何か」についての深い考察に裏付けられたものだろう。

科学と哲学が未分化だった最後の時代に作られた、最先端の存在、それが「学天則」である。そうした偉大な発明がこうして再現され、展示されるのは素晴らしいことだ。

「学天則」については「帝都物語」で知った、という人も多いことだろう。言うまでもなく自分もそうだ。映画版では、西村博士の役を、彼の実子である西村晃が演じた。悪役から水戸黄門まで自在に演じる名優であることに加え、やはり父の役を演じるということで、特別な思いもあったのだろう。この物語では、人造人間である学天則が、人の心に取り付いて地下鉄工事を妨害する鬼を退治するために大活躍するが、戦いを終えた学天則に向ける暖かい眼差しは感動的だった。ついでに言うと、その娘役を安永亜衣が演じたが、豪華かつクセのある俳優陣がずらりと並ぶ中で、唯一のほっとさせるキャラクターだった。

さて、復元された学天則は、学芸員たちが現存する乏しい資料をもとに、その要望や仕組みを忠実に再現したものだ。一種異様な雰囲気だが、なんとも味のある存在感は、恐らく当時のままなのだろう。

この再現された学天則の基本動作は、瞑想にふけり、何かしらのインスピレーションを感じて(手に持った「霊感燈」が光る)おもむろに目を開き、何事かを書き付ける、というもの。全体で3分ほどだ。

その模様を、ビデオに納めてきたのでハイビジョン画質でアップしておく。

学天則は大阪市立科学館の入り口入ってすぐ左側にある。エントランスホールにあるので、展示の入場券を買わなくても見られてしまうが、展示もさまざまな実験を楽しむことができるので(もちろん子供向けではあるが、大人も結構楽しい)ぜひ見て回ろう。

注意が必要なのは、学天則が動くのは、毎正時に1回のみ、ということだ。動く様子を見たい場合は、展示を見学する前にするか後にするか、決めておくといいだろう。

大阪市立科学館のWEBサイト
http://www.sci-museum.jp/

紹介ページ
http://www.sci-museum.jp/server_sci/promot/press_p.html

Wikipediaによる解説
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E5%AD%B8%E5%A4%A9%E5%89%87&oldid=21683195

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2008年11月23日 (日)

AKB48コンサート「まさか、このコンサートの音源は流出しないよね?」

NHKホールで行われた、メンバー総出演+SKE48によるコンサート。この夏以降ファンの数は加速度的に増えているようで、日比谷野音のときよりさらにチケットは取りにくくなった。そういえば最近劇場公演の入場抽選も次第に門が狭くなってきた。もっと気合を入れて臨まないと、ついていけなくなりそうだ。

コンサートのタイトルは、「大声ダイヤモンド」の音源がリリース前に流出してアップされる事件が起きたことをネタにしたものだが、それが示す通り、このコンサートのMCでは普通なら触れないと思われる話題に言及するシーンが続出。これがAKBらしいといえばAKBらしいし、秋元康がAKBプロジェクトで何をしようとしているかがそこから垣間見える。

注意事項などを伝える開演前の影アナは、劇場ではメンバーが交代で務めている。この日も同じようにチャイムが流れたので、誰が影アナをするんだろうと耳をそばだてていると、野太い男性の声が。劇場支配人だった。「え~」というがっかり感が客席に流れる。それも計算のうちで、影アナの中でも「高まっていないのにMIXを打つのも禁止です」など大いにふざけていた。「録音、録画、撮影などはYouTubeやニコニコ動画、銀行などにアップされる危険があるのでご遠慮ください」と、あえて「銀行」を加えるあたり、かなり2ちゃんねるの「地下アイドル板」を意識している。秋元自身が言うように、AKBはネットアイドルであり、スタッフは常に2ちゃんねるの動きをウォッチしているようだ。

始まったあとのMCでも、秋元才加からは「このタイトルも思いつきだけど、AKBの運営は常に思いつき。18歳未満お断りの公演を始めることになって、みんなあんなことやこんなこと、ストリップとか期待してるかもしれませんが、そういうのありませんから!」と運営批判やらエッチな話題やらが飛び出すし、宮澤佐江は「前にゆり組、ばら組っていうのがありましたよね?」と立ち消えになった企画のことを持ち出すし、野呂佳代に至ってはチームBが声優として参加した麻雀ゲーム「萌える麻雀 もえじゃん!」について「ぜんぜん売れてないんだって?もう正月の福袋に入れちゃえば?」とタイアップ商品にケチをつける始末。そして途中のMCでは「AKB意識調査」の結果を大島優子が読み上げたが、その問題の中には「本当はモーニング娘。に入りたかった」「できれば他のチームに移籍したい」など、実際には結果が発表されなかったものの、スレスレのネタが並ぶ。ときどき予期しない爆弾発言が飛び出してしまうのが劇場公演の面白さだが、その雰囲気をこういう大ホールでも再現しよう、という試みなのだろう。

さて、この日は先日のチームA4thリバイバル公演「ただいま恋愛中」の千秋楽で卒業となった、大江朝美、駒谷仁美、戸島花、中西里菜、成田梨紗の5人のファイナル・ステージでもある。そのセレモニーも、決してコンサート全体の雰囲気を壊すことなく、しかし大いに感動的に演出され、好感の持てる形になっていた。

トータル2時間50分弱の長丁場、そのひとつひとつをセットリストごとに追ってみたい。

Dreamin' girls(全員)
意表をつくアカペラ曲でのスタート。日比谷のユニット曲からのスタートに比べれば、大正解のスタートだ。

ビバ! ハリケーン(全員)
1曲目に続き、ひまわり組1stからの曲。この曲の振り付けは難易度が高く、秋元才加はあまりにもできなくて泣いたという。しかしDVDで観ると、その難しいダンスを峯岸みなみは嬉々として軽くこなしている。だから今回もみいちゃんに注目してみたが、やはりその動きは他のメンバーとレベルが違う。峯岸のすごさを再認識した。

夢を死なせるわけに行かない(全員)
ここでひまわり2ndの表題曲に。ひまわり組を3曲も続けてくるとは面白い構成だ。

クラスメイト(大江朝美、駒谷仁美、戸島花、中西里菜、成田梨紗)
最近、SKEが始まったことで聴く機会も増えたチームA1st公演の「クラスメイト」。それを今回卒業するメンバーたちが、思いをこめて歌う。戸島はこの曲が一番好きだったのだそうだ。

Bye Bye Bye(小嶋陽菜、高橋みなみ、峯岸みなみ)
ユニットメドレーがスタート。まずはドラマのためにずっと劇場公演を休んでいる3人が、ひまわり2ndで本人たちが担当していたユニット曲を歌う。このあとからはシャッフルメンバーで歌っているので、この曲だけシャッフルなし、ということは、やはりスケジュールの関係で練習できなかったということなのだろう。でもどうせならノースリーブスとして「Relax!」歌わせちゃえばよかったのに。いやペルソナとして「3seconds」でもいいぞ!

Bird(板野友美、北原里英、指原莉乃)
ここからシャッフルユニット。まずはA3rdから、高橋みなみがセンターを務めたこの曲を板野が歌う。昇格組2人を従えての堂々としたともちんがカッコ良かった。ひまわり2nd~A4thリバイバル序盤のころに比べ、最近ともちんの存在感がぐっと増してきたように思う。

僕とジュリエットとジェットコースター(小野恵令奈、早野薫、藤江れいな)
ひまわり1stの、どちらかというと大人っぽい曲をどちらかといと子供っぽい3人で。シャッフルの面白さは「この曲をこの人が歌ったらどうなるか?」であり、その妙味を十分に生かした編成に、だんだん観客も引き込まれてくる。ただ次の曲の途中まで、大画面の映像がなかったため、客席のあちこちで「誰?誰?」という声が飛び交っていた。

パジャマドライブ(前田敦子、梅田彩佳、小林香菜)
ユニット曲ながらチームB3rdの表題曲である「パジャマドライブ」。その渡辺麻友ポジションをあっちゃんが務める。キターッって感じのナイス人選だ。考えてみるとAの2ndをBが2ndとして上演したときは、あっちゃんポジションにまゆゆが入っていたわけで、今回はその逆を行ったというわけか。かなのパジャマ姿もぐっとくる。

嘆きのフィギュア(宮崎美穂、中田ちさと、奥真奈美、仁藤萌乃)
日比谷のときの「ガラスのI LOVE YOU」に続き、萌乃の可愛さに悶絶。奥ちゃんのフィギュア衣装が似合いすぎてて倒れそうになる。

君はペガサス(佐藤亜美菜、増田有華、浦野一美、高城亜樹)
K3rdのカッコいい曲をちょっと意外な組み合わせで。亜美菜の声がアニメ声だけじゃなく、よく響く力強い声だということを改めて感じた。研究生から唯一、6期生の高城亜樹が参加。高い身長と可愛い顔は遠くの席からもよく目立つ。

てもでもの涙(大島麻衣、篠田麻里子)
B3rdの2人ユニット曲。大人っぽい曲を本当の大人が歌ったらどうなるか、という試みだが、これは見事にはまった。ぜひA公演でやってほしいぐらいの素晴らしいパフォーマンスである。

ガラスのI LOVE YOU(川崎希、大島優子、倉持明日香、宮澤佐江)
日比谷に続いて登場、A2ndのかわいらしさ全開の曲を、あまり普段かわいい系のイメージのない4人で歌う。少し恥ずかしそうにしつつも、かわいさ炸裂の歌とダンスを見せる優子が最高だった。

となりのバナナ(多田愛佳、渡辺麻友)
曲間に日替わりでセリフのやりとりがあるため、ひまわり2ndのひとつの楽しみだったこの曲。いったい誰が出てくるのかと思ったら、らぶたんにまゆゆという仲良し(実はライバルらしい)コンビ。これはある意味、今回のシャッフルの中で最も意外な組み合わせと言えるかもしれない。というのも、この曲は「天然系」と「妹系」の2人の組み合わせが基本だ。ところが、フタを開けたら妹系が二人出てきちゃった、っていう展開。両方が突っ込みのオードリーみたいだ。

曲間のセリフはこんな感じ。

まゆ「らぶたんって大人っぽいのか子供っぽいのかわかんないよね」
らぶ「えーっ。でもまゆゆってCGなんでしょ?」
まゆ「CGじゃないです!人間ですよ!。でもらぶたん、CGって何の略か知ってる?」
らぶ「……じゃあまゆゆ、NHKって何の略か知ってる?」
まゆ「らぶたんってホントに負けず嫌いなんだから!」

説明しよう。CGネタは、これも2ちゃんねる発。AKBのレギュラー番組「AKB1じ59ふん!(現「AKBINGO!」)」が始まった当初、渡辺は前列に座りながらほとんど言葉を発することなくニコニコ笑っていたため、2ちゃんねるの地下アイドル板に「AKB1じ59ふんのまゆゆってCGなの?」というスレが立ってしまった。そこから拾ったネタである。AKBファンは2ちゃんねるを見ていることが前提、ということになっているようだ。

ごめんねジュエル(柏木由紀、仲川遥香、仲谷明香、平嶋夏海)
チームK4th曲をチームBメンバーで。こういうはつらつとした曲はBメンバーの得意とするところだ。バックダンサーに回ってしまったBメンバーには少し気の毒な構成だったが。

鏡の中のジャンヌダルク(秋元才加、佐藤夏希、成瀬理沙、野呂佳代、松原夏海)
今度はチームB3rd曲をチームKメンバーで。もともとKっぽい凛とした曲なので違和感ゼロ。そして才加の衣装は似合いすぎて怖いぐらいだった。明日からでもKのレパートリーに加えても問題なさそう。

おしべとめしべと夜の蝶々(大堀恵、河西智美)
K4thの奇曲をシャッフルなしで。日比谷のとき、大堀はスクール水着のコスプレだったが、今回は公演時の衣装のままだ。ヒネリなくくるのかと思ったら、セリフの中で河西が「ところでめーたん、1万枚行ったの?」と発言。これは言うまでも泣く、大堀のソロデビュー曲「甘い股関節」が1万枚売れなかったらAKB卒業、という企画についてのコメントだ。すでに集計期間は終わっているのだが、番組発の企画のため、結果は放送まで待て、ということになり、現在ファンはその結果が分からずやきもきしている状態。「さんざん協力を呼びかけておきながらファン軽視だ」との声が上がっていた。さすがにこの話題は今回のコンサートではスルーかと思われたがここで出してくるとは。うまいやり方である。

甘い股関節(大堀恵=大堀めしべ)
前の曲の終わり、二人は怪しく身を寄せ合うが、そこで河西が大堀の衣装を剥ぎ取る。中から出てきたのは、武田久美子ばりの貝の水着だ。そのいでたちでソロデビュー曲を熱唱。いったいこの人どこまで行っちゃうんだろう。

初日(チームB)
もはやBのテーマソングになった感のあるこの曲。何度聴いてもいい曲だし、会場も大いに盛り上がる。

水夫は嵐に夢を見る(チームB)
同じくB3rdの曲。公演ではラス前に歌われる力強い曲だ。ちょっとKっぽい。

メロスの道(チームK)
それを受ける形で、KがK4thの曲を歌う。これまた力の入った、Kの真骨頂である。

転がる石になれ(チームK)
ここでKのテーマソング登場。いつもなら最高にヒートアップするところだが、同じような曲調の歌が2曲続いたあとだったために、いまひとつ盛り上がりきれなkった。

Dear My teacher(チームA)
もうこの曲は完全にAのテーマ曲扱いだ。日比谷野音では最初に歌われた。人気の高い曲だが、どうも高井麻巳子結婚の衝撃がいまだ癒えない世代にとっては、いまひとつ共感しにくい曲である。

僕の太陽 (チームA)
ひまわり1stの表題曲をここで持ってきたのはいいが、なぜチームA公演の曲ではないのかやや疑問。このあとにA5thの曲をA、K、B全員で歌っているのでバランスを取ったのだろうか?

スカート、ひらり(SKE48)
ここでSKE登場。制服ではなく、真っ白なTシャツ姿で舞台上を動き回るSKEは、この2カ月で日比谷野音の時とは比べ物にならないほど進化している。それにしても松井珠理奈の強力なオーラは大ホールで、遠くの席から見てもひときわ光っている。

SKE48(SKE48)
AKBが秋葉原の名物を歌い上げる「AKB48」を、そのまま名古屋に置き換えた曲「AKE48」。「会員番号の唄」とか、こういうのを作らせたら秋元康は日本一だ。

ロマンス、イラネ(全員)
全員でシングル曲、そしてひまわり2ndの最初の曲でもある「ロマンス、イラネ」を。AKBにとって大きな飛躍の年となった2008年は、ここから始まったのだ。

ひこうき雲(全員)
実はまだ見ていない、A5th公演から。この曲では途中メンバーがスカーフをくるくる振り回す場面があり、そこで観客も一緒にまわせるように、と劇場では専用スカーフを500円で販売している。このコンサート会場でも当然販売していた。うまい商売である。

BINGO!(全員)
やはり一番盛り上がるのはこの曲か。A4th、そしてひまわり1stでも歌われた人気の曲でとりあえずいったんコンサート終了。

会いたかった(全員)
アンコール突入。昨年の紅白歌合戦で、AKBを全国のお茶の間に知らしめたこの曲を、ふたたびNHKホールで熱唱だ。考えてみれば自分もこの曲でAKBに転んだんだっけ。

AKB参上!(全員)
これもA5thから。チームごとでなく、AKB全体のテーマ曲を作ろう、という意図だろうか。曲調はKっぽい。

桜の花びらたち(全員)
今年、リバイバルとして「桜の花びらたち2008」を発売したが、制作サイドとしては紅白の記憶さめやらぬうちにここでドカンとAKBをメジャーにしたかったのだろうと思う。しかしそれほどの効果もなく、さらにポスター特典問題で「AKB商法」というありがたくない言葉が生まれてしまい、レコード会社とももめて縁を切ることになり、とさんざんな結果に。しかし、一方でファンの数はじりじりと増えてきたのだから面白いものだ。あくまでテレビ的な文脈ではないところからスターを育てていこうというのがAKBのもともとのコンセプトなのだろうから、そういう意味では「桜の花びらたり2008」が不発に終わったのも結果オーライなのかもしれない。

青空のそばにいて(全員)
ダブルアンコール突入。
卒業の5人がそろいの白い衣装に着替えて、彼女らをセンターに全員でA1stの曲を歌う。最近、SKEやAのDVDでこの曲に触れ、とても美しい旋律だと感じていたので、このような形で歌われたのは嬉しかった。曲間で、5人がそれぞれにあいさつ。BGMがあることで、あまりしんみりさせず、そしてコンサートの流れを切らずに、しかし大きな感動を呼ぶ場面を造り出すことに成功した。これは構成の勝利だろう。5人のメンバーのコメントも、感情的ながらも笑いや宣伝を交え、重苦しい雰囲気にならずに済んだのがよかった。

大声ダイヤモンド(全員、SKE48)
涙で声をつまらせながらも、高橋みなみが研究生やSKEを呼びいれ、拡大フルメンバーで最新シングル曲を披露。いつ歌うのかと思っていたが、最後の最後に使ってきた。販売方法にいろいろ問題はあったが、チャート3位を獲得した記念すべき曲だ。次のステップへの意気込みを高らかに歌って終わりにするのも悪くはないだろう。

 

全体的に、日比谷の時に比べると様々な仕掛けが工夫されており、楽しいコンサートになった。ややチームAの存在感が薄かったような気がするが、それはAKBの現状そのままなのだろう。ただ研究生の出番が少なかったので、特に小原春香は可愛そうだった。ガンバレ姫!

File

前回、売り切れで入手できず悔しい思いをした「AKBINGO!」特製クリアファイル。今回は無事にゲットしたぜ。5人の卒業生は入っている。9月29日に突然卒業した井上奈瑠は残念ながら入っていない。あと、中田ちさともまだ入っていない。だから50人。

AKB48のWEBサイト
http://www.akb48.co.jp/

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2008年11月22日 (土)

SKE48@AKB48劇場公演「Partyが始まるよ」

10月に名古屋に誕生したSKE48が、秋葉原のAKB48シアターで公演を行う。なるほど、AKBの横展開戦略ではこういうことも可能になるのか。今後博多や大阪にも広がってくると、それぞれの公演地を入れ替える週なども出てくるんだろう。

そういうわけで名古屋の初演以来、2回目のSKE観覧だ。前回はほとんど視界の取れない立ち見だったが、その後WEBや雑誌の掲載などでなんとかおおよそ顔と名前が一致してきた。その確認作業をしようと思っていたが、幕が上がると……あれ、人数多くね?

なんと1st選抜に漏れた7人も参加してフルメンバー公演だ。くうう、やることがにくいぜ。

初日には見られなかったこの7人、なかなか個性的だ。佐藤実絵子と並ぶミニマム身長・森紗雪の「ここだよ~」には和んだ。柴木愛子はアニソン歌手が目標らしいが、その声はアニメ声なんてレベルではなく完全な声優声。養成所にでも通っているのか。その声で「応援してくれないと、シバッキーだぞ?」とやられた日には、もうその場でへたりこんでしまうほどだ。ほかにも「かなかな」の平松可奈子、稲垣ほなみに尾関きはる、佐藤聖羅に前川愛佳……みなアンダーにしておくには惜しいキャラクターぞろいだ。早くも卒業が決まってしまった鈴木きららの席に座るのは誰か。実に楽しみになってきた。

その鈴木きららは、24日のSUNSHINE STUDIO公演を最後にSKEを去る。存在感のある子だっただけに残念だ。大スターの若いころのような顔をしているので、その将来を嘱望されてどこかの引き抜きにあったのか。そうであればいいが、このまま消えてしまうのはもったいない。この日の公演では、ちょっと緊張の糸が切れていた様子で、それもまた残念だった。

このAKBシアターに戻ってきた形となった、もとAKB研究生の出口陽と中西優香。出口は最初の自己紹介MCから号泣だった。思いがあふれてきたのが伝わって、感動した。そして中西は淡々としていたが「ただいま、って言っていいですか?」という言葉にこめられた思いの強さは出口にも負けていないだろう。研究生のまとめ役として慕われていた中西だが、SKEに参加してもチームBの浦野一美のように前へ前へ出ることなく(シンディの場合はあれでいい)、SKE内での自分のポジションを見極めてその役割を粛々とこなしている感じの中西は本当にカッコいい。こうした人材の流動化も横展開の効果といえるだろう。

号泣、といえば松井玲奈も自己紹介で号泣。戸島花にあこがれ、その戸島と同じポジションを任され、そしてこの日その戸島が立っていた舞台に立てたことが本当に嬉しかったのだという。

アンコールでは「大声ダイヤモンド」を披露。この曲はやはり松井珠理奈あってのもの、であり、そういう意味では本物(?)の大声ダイヤモンドを見た、という感触があった。

きらら卒業は残念だが、次第にみなキャラクターを出してきて、さらに研究生が個性派ぞろいということで、ますます目が離せなくなってきたSKE。こうなりゃまた名古屋に行かないとな。

SKE48のWEBサイト
http://www.ske48.co.jp/

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2008年11月 9日 (日)

東京ディズニーランド「クリスマス・ファンタジー」2008開幕  生まれ変わったキャッスルショー

毎年「もうそんな季節か」と思わずにはいられない、東京ディズニーランドのクリスマス・ファンタジーが7日開幕した。

今年の目玉は、何といっても2年連続で開催が見送られていたシンデレラ城前で行われる「キャッスルショー」の復活だ。新アトラクションの建設には積極的でも、ショーを軽視する姿勢は「ハコモノ重視」と批判されても仕方ない、と勝手に憤慨していたが、今回の決断には拍手を送ろう。

これは観ねばなるまい、と急激に寒くなった東京ディズニーリゾートへ。

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入場規制がかかる気配もなかったので、午後からのんびり入場。「ジュビレーション!」をちょっとだけ眺めながら、中央鑑賞エリアの入場抽選に臨む。数年前から、キャッスルショーの観覧席は全席抽選となった。外れてしまうと、といってもたいがいはずれるのだが、遠巻きにショーを眺めるしかない。

抽選会場はスペースマウンテン横のトゥモローランド・ホール。抽選は機械で行われる。キャストのひとに人数を聞かれたりしなくて済むので気が楽だ。ちゃちゃっと抽選してさくさくっと退場しよう。

しかし、俺のパスポートのバーコードをなかなか読み取ってくれない。弱っているとすぐにキャストが飛んできた。早期撤退に失敗。結局キャストの見守る中で人数を「1人」と入力し、「確認」ボタンを押すと・・・

「おめでとうございます!」の文字が。隣で「機械に弱い、しかもヲタ」という眼差しをディズニースマイルで隠していたキャストからも「おめでとうございます!」と声をかけられ、素直に喜ぶ。ひょっとして1人だと当たりやすいのか?そんなこともないだろうが。まずは、感謝でいっぱいだ。

ショーの時間まで適当にパーク内を回ろうと思ったが、さすがにイベント開幕最初の週末、スタンバイは軒並み長時間だ。仕方ないのでいったんパークを出て、イクスピアリで時間をつぶし、暗くなって再入場。

今回は、ステージのつくりが従来とだいぶ異なる。シンデレラ城の前に作られたステージだけでなく、そこから花道が延びて、客席の真ん中にもステージがある。分かりやすく言えば「ハロー!プロジェクト」のコンサート(特にワンダフルハーツ)方式だ。もっと分かりやすく言うと、ストリップ劇場方式だ。それでも分からない人のために、中央鑑賞エリア入場券に印刷された座席配置図を掲載しておく。

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ご覧のように、メインステージはシュモクザメとかプラナリアの頭のような格好をしており、この略図にはないがその尻尾の先にもうひとつのステージがある、という格好だ。

仮にハロコンにならってこのステージをセンターステージ、と呼ぶ。このセンターステージにはスノーボード競技でおなじみの「ハーフパイプ」がしつらえてある。そのため、かなりでかい。高さもある。そのために何が起きるかというと、中央後ろよりの座席からは、メインステージがあまり見えないという現象が起きる。逆に、前よりの座席の人たちはセンターステージで起きていることが見えない。

つまり今回は座席の位置によって、見えるショーの内容が変わってくる、ということだ。全体が見えないのは不満という人も多いだろうが、個人的にはこういう仕掛けはわりと好きだ。観るたびに見えるものが異なる「キャッツ」のような作品を見慣れているからなのか、劇場内に柱があって視界が大幅にさえぎられるというとんでもない造りのAKB48シアターに行きつけているからなのかは不明だ。

さて、そうこうするうちにショーが始まる。自分はIブロック左側だったので、やはりメインステージはあまり見えない。カメラを頭より上に出すのは販促なので、ちょうど自分の目線で撮った写真がこれ。

Stage

そのかわり、センターステージはびっくりするほど近く、手に取るように見える。ハーフパイプでは、ローラースケートに加え、BMXの華麗な妙技が披露される。動画でどうぞ。

今回の主役はコイツ。「スノーマウス」というのだそうだ。

Yukinezumi

「雪の世界」を訪れたミッキーやミニーたちが、このスノーマウスほか、雪の世界の仲間たちと交流する、というストーリーである。

いつものメンバーの活躍はこちらの動画で。

25分のショーは本当にあっという間で、すぐに終わってしまうのは例年の通りだ。

しかし、ショーのテイストは、例年とは大幅に変わった。

まずは、上で述べたようにセンターステージの導入による、ダイナミックなステージング。

次に、これまではどちらかというと絵本のような、ほのぼのとしたストーリーを展開するものだった。だが今回はストーリーは最低限にとどめ、曲とダンスで紡いでいく、という、文字通りのショーらしい内容だ。

そしてその音楽はほとんどがポップな曲調で、ダンサーの衣装もストリート系のカジュアルなものが目立つ。このあたりは、ディズニーが最近ヒットさせた「ハイスクール・ミュージカル」の影響が見て取れる。

最後に、クリスマスキャッスルショーの名物、「人間クリスマスツリー」が、ない。

だから、昔ながらの「ディズニーランドのクリスマスショー」、つまりクリスマスのおごそかなムードをふまえた心温まるファンタジー、を期待して行くと、見事に裏切られる。これは賛否両論分かれるだろう。かなり思い切った賭けに出たものだ。

個人的な評価としては「心意気を買う」といったところだ。伝統を超え、新しいショーを創っていこうとするのは素晴らしいことだ。斬新なステージングも、そしてダンサーたちがどんどん客席に飛び出していくという、参加型のミュージカルのような演出も大好きだ。ついでに言えば、自分は「ハイスクール・ミュージカル」のファンでもあるので、ポップな曲調が続くのも悪くない。四季の「ソング&ダンス」で加藤敬二が舞台で使用するのを断念したほど難しいBMXをショーに取り入れたのも面白い。

だが、こういうステージの全体が見渡せないショーでは、「どこを見ても満足がいく」というものでなくてはならない。目の前で見るものに対し少しでも満足がいかないと、つい「全体が見えていればもっと面白いのに」と感じてしまうからだ。そのハードルの高さを考えると、もうひと頑張り欲しかったかもしれない。

こう考えてみると、3年のブランクを経てキャッスルショーが「復活」したのではなく、新しいクリスマスショーへの挑戦が始まったととらえるべきだろう。ぜひ、来年以降も継続して、その挑戦を続けて欲しい。

さて、この期間は「エレクトリカルパレード・ドリームライツ」もクリスマスバージョンに。大きく変わるわけではなく、曲や衣装、セリフの一部が変わるだけだが、気分はいつも以上に盛り上がる。そのちょっとだけ変わっている模様はこちら。

東京ディズニーランド「クリスマス・ファンタジー」特設ページ
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/xmas2008/tdl/index.html

(参考)
2005年のクリスマス
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2005/12/_.html

2004年のクリスマス
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2004/12/post_a8cc.html

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2008年11月 8日 (土)

映画「櫻の園―さくらのその―」初日舞台あいさつ

1990年に著しく高い評価を得た映画「櫻の園」。それを同じ中原俊監督が再度映画化し話題を呼んでいる「櫻の園―さくらのその―」が初日を迎えた。舞台あいさつがあるというので、大島優子(チームK)目当てにマリオンへ足を運ぶ。

1990年、自分はこの映画を新宿の小さな映画館で見ている。当時は自分もフレッシュな大学生だったものだ。舞台はやや保守的な校風の名門女子高・桜華学園の演劇部。創立記念日の恒例行事としてチェーホフの「櫻の園」を上演する日の朝の数時間のみにスポットを当て、その中で部員それぞれの悩みや心情を描いていくという実験的な性格の強い意欲作だった。その印象の鮮烈さは今なお記憶に深く刻み込まれている。

今回の映画は、そのリメイクではない。舞台は同じ桜華学園の演劇部、そして創立記念日にチェーホフの「櫻の園」を上演する少女たちの物語、という設定は同じだが、ストーリーは全く異なる。そして前作の、中原自身が「演劇的な手法」と称する、時間の省略や場所の移動が少ない実験的なアプローチは封印され、ストレートな青春群像劇として生まれ変わった。

しかし、映画の随所に前作を思い出させるセリフや設定、セットや小道具などが登場し、傑作の呼び声高い1990年版「櫻の園」へのオマージュをささげる。そのなぞり方が絶妙で、前作を観た人間にとっては非常に心地よくストーリーが進んでいく。この映画は、結局前作を懐かしむために作られたのか。それならそれで文句はない。

だが後半、ストーリー的には予測できたものの、テイストが突然スポ根風になって愕然とする。まるで前作を否定するかのうような、意表を突く展開だ。

それでも最後は、ふたたび前作の印象的なシーンを思わせる場面が続き、そして前作同様、「櫻の園」の上演前で映画は終わる。

この2008年版「櫻の園」には、1990年版「櫻の園」に対する否定とリスペクトが、共存しているのだ。

中原監督は、なぜそんなことをしたのだろう。

まこと勝手な想像ではあるけれど、中原監督としては前作の評価が高ければ高いほど、こそばゆい感覚があったのではないか。確かに鮮烈ではあったが、前作は映画的な手法を大きく逸脱して作られた。それを評価されるのは、映画人としての矜持を鑑みるに、やや複雑な思いがあったのではないだろうか。「ドカベン」で、八艘飛びでホームを奪い無敗の明訓高校を破った弁慶高校の義経は、その後自分のプレーを「あれは野球じゃない」と悔やんでいたという(「スーパースターズ編」第1巻)。同じような気持ちを中原監督も抱いていたのではないか。

だから、今回は驚くほどの正攻法で、映画的な時間の流れの中で、美しい日本の四季を舞台として、再度同じテーマに取り組んだのだと思う。しかし、前作は決して実験的な手法のみが評価されたのではない。つみきみほや中島ひろ子といった、天才肌の若手女優の演技にも助けられたが、静かに心を打つ珠玉の名場面がぎっしり詰まった密度の濃さが高い評価につながっていったのだ。それらについては、オマージュという形でこの映画の重要な核として残しているのである。

恐らく、本作の出来は、決して前作のような評価を得るものではないだろう。しかし、そんなことは分かりきっている、とばかりに、ベテラン監督が微塵のてらいもなく、決して「天才肌」ではない若手女優とともに取り組んだ青春映画。その姿勢のすがすがしさは、そのまま映画のメッセージとして伝わってくる。

もっとも、前作を観ずにこの映画だけ観たとき、どこまで感動を呼ぶかは自分にはよく分からない。最終的にはこの映画への評価はそこで決まるべきだと思う。

上映後、舞台あいさつが行われ、メインの出演者たちが作品についてコメントした。われらが大島優子は、「この映画をスクリーンで観たとき、桜がとってもきれいだな、と印象に残りました。ぜひそれを思い出しながら、周りのみんなに『櫻の園よかったよ』って伝えてくれたら嬉しいです」と語った。一見ノウテンキに見えるコメントだが、ロケに使われたリアルな桜は、この映画が実験的手法ではなく、正攻法で撮られた映画であることを象徴的に示す重要なアイテムだ。さすが優子、本質を見抜いている。演技の面でも、百面相ともいえる豊かな表情を駆使し、大きな存在感を発揮していた。

舞台あいさつというと、普通は役者と監督がゆるい話をしてなんとなく終わるものだが、この日は演出として、先生役の菊川怜がひとりひとりにこの映画からの「卒業証書」を渡すというイベントがあった。読み上げられるコメントも一人一人異なっておりなかなか感動的で、実はちょっと泣きそうになったのは内緒だ。

映画に登場する制服のレプリカ。53000円。高いなあ、と感じたのは、もし安かったら真剣に購入を検討していただろう、ということだ。

「櫻の園―さくらのその―」WEBサイト
http://www.sakuranosono-movie.jp/

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映画「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」

いくらなんでもこの邦題はないだろう、と思ったらやっぱり原題は「EVERY LITTLE STEP」だった。そっちのほうがずっといいのに。マーケティングのために妙な邦題がつくのは珍しくないが、こういうさほどヒットするとは思えない映画にまでなあ…

という愚痴はさておき、ブロードウェーミュージカルの代表作、「コーラスライン」再演のために行われた8カ月に及ぶオーディションの様子をカメラに収めたドキュメンタリー映画を観てきた。

ブロードウェーとハリウッドのもたれあいは最近見るに耐えないが、これはちょっと面白い試みだ。何しろ「コーラスライン」はもともとショーに出演するダンサーたちが悩みや過去を語るバックステージものだ。そのバックステージもののバックステージを描こうというのである。

「コーラスライン」本編で語られるダンサーたちのセリフと、実際のオーディションの風景、さらに「コーラスライン」の生みの親であるマイケル・ベネットが、作品を書くにあたり多くのダンサーたちにインタビューしている様子の録音、という3つの異なる次元のコンテンツがオーバーラップしながら進んでいく。この複雑な構成によって、ドキュメンタリーながら飽きさせない構成になっている。

そうした作品なので、「コーラスライン」の裏側を描く、というよりも、「コーラスライン」をより深く理解するための副読本のような映画になっている。正直、「コーラスライン」を観たことがない人はこの映画を観てもサッパリだろう。だが一度あの舞台を観た人なら、見入ってしまうことうけあいだ。

オーディションの風景そのものもすこぶる面白かった。ショービジネス界で成功するためには整形も厭わないヴァル役を得るために、本当に豊胸手術をしてしまった女優がいたり、シーラ役の候補がシーラ顔負けの強気キャラだったり、コニー役を射止めた日本人・高良結香は、米国に住んでからの年月が浅いということで最初審査員の印象が悪かったり、と本当にコーラスラインそのままのドラマが繰り広げられる。

それにしても、これ観てたらぜひブロードウェーで「コーラスライン」を観たくなってきた。この映画で描かれている再演は先日終了してしまったが、またリバイバルされることを期待したい。

Bwbw

「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」WEBサイト
http://www.broadway-movie.jp/

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