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2008年10月 7日 (火)

映画版「マンマ・ミーア!」試写会

ドナ メリル・ストリープ
ソフィ アマンダ・セイフライド
ターニャ クリスティーン・バランスキー
ロージー ジュリー・ウォルターズ
サム ピアース・ブロスナン
ハリー コリン・ファース
ビル ステラン・スカルスガルド
スカイ ドミニク・クーパー
アリ アッシュリー・リリー
リサ レイチェル・マクドール
ペッパー フィリップ・マイケル

米国では7月に公開された映画版「マンマ・ミーア!」。その時点で日本公開は未定だったので、本気でグアムにでも観に行こうかと思っていたが、来年1月30日の全国公開が決定。まあゆっくり待つか、と思いつつも試写会の「ブロガー招待」(ニフティ)に応募したところ、ありがたいことに当選となった。人間、早まったことはしないが吉という教訓だ。

試写会といってもかなり多くの人を招待しており、会場の日劇1(マリオン11階)はほぼ満員。初日のような熱気の中での上映となった。

この映画の感想を記すにあたって、ひとつ断っておきたいのは、自分はどっぷり舞台のマンマ・ミーア!に浸かってしまっているので、舞台を観ずに映画を観ても楽しめるかどうか、という視線では評価できないということだ。あくまで、ミュージカルを観た経験のある人にとってどうか、を考えてみたい。

先に言ってしまおう。

舞台の印象を壊したくないから映画版は見ない、という人。安心して劇場に足を運んでください。あなたの思い出が壊れることは決してありません。保障はしないけど。

舞台に限らず、原作があってそれを映像化するのは本当に難しい。もともとメディアが異なれば表現が変わるのは当然なのに、原作のイメージを愛する人からは必ず反発をくらうからだ。

しかし今回の映画は違う。親父ギャグで申し訳ないけどそのまんまのマンマ・ミーアだ。

それもそのはず、この映画の監督・脚本・制作は、舞台版と同じ。フィリダ・ロイド、キャサリン・ジョンソン、ジュディ・クレーマーの女性トリオだ。

これは思い切った決断である。何しろ、この3人は舞台のプロフェッショナルで、映画については素人同然だったというのだから。だがその賭けはこの映画に関する限り、大成功を収めたと言えるだろう。作品の魅力と雰囲気をそのままにスクリーンに展開できた。

だからといって、この映画は舞台をそのまま映像化したようなものか、というとそれは全く違う。舞台をそのまま映像にしてもそれは「舞台中継」でしかない。また、スタジオに移して多少カメラワークを工夫したとしても、それが面白いものにならないことは「キャッツ」のビデオ版が証明している。

では、何がどう違うのか。この映画には、舞台にはない、強烈な要素が加わっている。

それは、絵画のように美しいエーゲ海と、輝く太陽が織り成す最高の背景だ。「太陽と海の教室」はきついドラマだったが(それでも全話見た)、この映画は「太陽と海のスタジオ」で繰り広げられるのだ。

この背景は圧倒的で、エーゲ海でロケをして「マンマ・ミーア!」の映画を作ったというよりも、「マンマ・ミーア!」とエーゲ海が競演を果たした、という雰囲気ですらある。ちょっと例えが分かりにくいかもしれないけれど、1973年制作の映画版「ジーザス・クライスト=スーパースター」における砂漠のような存在感である。

その結果、舞台版は、最初と最後に登場する「月」がそのまま作品のイメージにつながっているのに対し、映画版は「太陽」の物語になっている。月が起こした優しい奇跡から、太陽に愛された情熱的なドラマへと変貌を遂げた。しかし本質は何も変わることがない。

当然ながら、舞台にはあっても、映画では失われているものもある。それは、脚本の完成度だ。

マンマ・ミーア!の魅力は、ABBAの歌と、それを見事に物語に当てはめて、曲の世界観を再現しているところにあることは言うまでもない。しかし、自分はそれ以上に、この作品の脚本の完成度の高さを気に入っている。「母世代」3人(ドナ、ターニャ、ロージー)と、「父世代」3人(サム、ビル、ハリー)と、「娘世代」3人(ソフィ、アリ、リサ)と、「息子世代」3人(スカイ、エディ、ペッパー)という、きれいに4象限に分かれた3人ずつが、絶妙の間合いで交錯しているその構造が見事なのである。

しかし、この映画では、そのきれいな4象限は失われている。ペッパーは登場するが、セリフはぐっと少なめ(でも印象はかなり強烈)。エディに至ってはセリフすらない。なので、誰が演じていたのかすら分からない(アリやリサ、ペッパーも配布されたリーフレットには名前が出ていなかったが、Wikipediaに載っていたので確認できた)。

もっとも、映画は舞台に比べ、完成度よりも総合性を重んじる表現手法だと思う。だから、脚本の完成度をあえて低くしたことも納得だ。まして、同じ人間が書いている脚本である。文句を言う筋合いはない。

とにかく、観ていてつい舞台と同じ調子で手拍子をしそうになったりするほど、どこまでも「マンマ・ミーア!」である。エンドロールは期待通りの展開で、思わず立ち上がりたくなった。海外ならともかく、日本の映画館ではそれはやめておいたほうがいいだろうが、逆に「手拍子、スタンディングOK」の上映会があったら楽しいかもしれない。「ロッキー・ホラーショー」で、パフォーマンスOKの上映日を設けたりするのと同じである。ぜひ検討してくれると嬉しい。

以上が、あまり具体的なところに踏み込まない大雑把な感想である。

Main

ここからは、自分のメモとして、ややネタばれになる具体的なことを少しだけ書いておく。なので、映画の出来が気になって眠れないという人以外は、読まないほうがいいと思います。

 

舞台版に慣れ親しんだ人にとっては、やはり「どこが違うのか」が大いに気になるところだろう。

細かい演出やセリフの違いは数多いが、基本的には同じ、と思って差し支えない。曲についても、カットはほとんどない。そして、カットされた曲もBGM的にその旋律が一部分用いられていたり、と心憎い配慮がなされている。ただ、順番の入れ替えはある。「ああ、あの曲カットになっちゃったか」と思っても、あとで出てくるかもしれないのでがっかりしないで最後まで見よう。そして1曲追加された曲もある。誰でも知っている、という曲ではないが、恐らくABBAのコアなファンには嬉しいプレゼントだ。

役の設定も、おおむね舞台と同じ。唯一、スカイが舞台よりも少し年下、つまりソフィとあまり変わらない年齢という印象を受ける。あまりサラリーマン社会で燃え尽きた感じはしない。

また、舞台で描かれていない場面、たとえば小島にたどり着くまでのターニャとロージー、あるいはサム、ビル、ハリーの船内の様子などが描かれており、舞台版を知っている人にはサイドストーリーを見ているような楽しさを味あわせてくれる。とっておきは、21年前のサム、ビル、ハリーがどんな男たちだったか、を見せてくれる点だ。これは見てのお楽しみである。

この作品ならではの連発されるギャグも、少し控えめになっているようだ。これは翻訳の問題もあるかもしれないが、基本的には舞台の笑わせ方と映画の笑わせ方が異なることを映画初参加のスタッフがきちんと理解していた証明でもある。

ダンスシーンも舞台の振り付けに基づいているが、群舞の人数がすごい。これは舞台ではできなかったことをやってやろう、という意気込みの表れか。

さてもうひとつ、キャスティングがどこまではまっているか、というのも重要だ。

まず主役のメリル・ストリープ。これはずっと前にその情報を聞いたときからピッタリだと感じていた。何しろアカデミー賞14回ノミネートの名優である。ソフィーへの思い、サムへの思い、友人たちへの思い、自らへの思い、すべての感情が、表情と体全体からひしひしと伝わってくる。舞台同様、「Slipping Through My Fingers」は涙なしには見られない名場面に仕上がっている。さすがに歌唱力はプロのミュージカル女優には遠く及ばないが、豊かな表現力で観客に訴えかけてくる。

個人的には一番注目だった、ピアース・ブロスナンのサム。だってサムは実直なキャラクターだろう。それをあのうさんくささ200%のブロスナンがどう演じるというのか。

実は、観ている間ずっとやはりミスキャストか?と思っていた。しかし、クライマックスの「したり顔の態度(byドナ)」を見て、ああこのキャスティングは成功だな、と感じた。それほどすばらしい「したり顔」だった。この一点においてキャスティングしたのだとすればまさに慧眼である。

しかし、歌は下手だ。これはもう、見事なまでに下手である。声はこもり、苦しそうだ。あれ?日本の某劇団でサムを演じている俳優にもそんな人がいたような…。まさか、某劇団はこの映画のために我々に免疫を投与してくれていたのか?

そしてアマンダ・セイフライド。最強娘役のソフィを愛してやまない全国の正常ではない観劇態度のみなさん、喜んでくれ。これはもう、掛け値なしに可愛い。水着のサービスカットもある。そして歌声がまた耳と脳内をくすぐる。ブロードウェーの舞台に出てくれでもしたら、すぐに突発したいほどだ。

ほか、印象的なのはターニャ役のクリスティーン・バランスキー。「シカゴ」で舞台とは設定の異なるメアリー・サンシャインを強烈に演じた人だ。彼女は歌が実にいい。不思議なカリスマ性もある。なので「Does Your Mother Know」はかなりの見応えだ。

上映時間は1時間48分。ほどよい長さだし、小気味よいテンポで進むので眠くなる暇もない。ただ、舞台にあまりに慣れすぎている人は、つい「Voulez-Vous」のあとでトイレに行きたくなるので注意が必要だ。俺だけか。

入場者全員に、ブログ掲載用のデータが配布されたのでせっかくだから貼っておきます。トリミング不可指定なので、でかいままでご勘弁を。

Poster

映画マンマ・ミーア!のホームページ(音出ます)
http://www.mamma-mia-movie.jp/

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コメント

こんばんは。

期待してた映画だったのでレポ嬉しかったです。
レミントンスティール時代からピアース好きなので、声がこもっていようが、苦しそうであろうが、芝居が固かろうが構いません。
それに私もしっかり免疫抗体がついてますから(笑)多少のことでは動じません。

吹き替え版は…ないですよねぇ?

投稿: らべたん | 2008年10月23日 (木) 22時34分

らべたんさんこんにちは。

吹き替え!「ノートルダムの鐘」方式ですね。それはグレイトなアイデアです。ぜひ実現してほしいです。

…でも、サムはきっとアイツですよ?

投稿: ヤボオ | 2008年10月24日 (金) 00時27分

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» 今年のNo.1最有力作♪♪☆ 映画版『マンマ・ミーア! / MAMMA MIA!』 ☆ [honu☆のつぶやき 〜映画に恋して〜]
こんなに心が躍る映画を観たのは久し振り♪ 今も頭の中ではABBAの曲がリフレインし続けてる! “♪You can dance, you can jive, having the time of your life See that girl, watch that scene, dig in the dancing queen〜♪” 今すぐにでも、また観たい!! 多...... [続きを読む]

受信: 2008年10月13日 (月) 07時37分

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