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2008年9月27日 (土)

シルク・ドゥ・ソレイユ「ZED」トライアウト公演

今まで、シルク・ドゥ・ソレイユの公演は今まで見たことがなかった。例えモーニング娘。が宣伝に参加していても、だ。

サーカスの芸に、アスリートたちの技を加え、幻想的な演出を施した舞台、と聞いていたので、もちろん観てみたいとは考えていた。なのに未体験だったのには特に理由があるわけではないが、あえて考えてみると、ラスベガスの「O」や「KA」のような専用劇場での舞台があることを聞いていたので、ツアー版を仮設劇場で観るのはもったいないような気がしていたんだろう。

しかし、ついにその専用劇場ができた。しかも東京ディズニーリゾートの施設として。これはTDRウォッチャー(最近あまり活動していないが)としても見逃せない。

というわけで10月1日のグランドオープンに向け、トライアウト公演が8月から始まっている「シルク・ドゥ・ソレイユシアター東京」にやってきた。

舞浜駅を出て、イクスピアリを抜け、アンバサダーホテルを越えたところにある広大な駐車場の大半を使ってこの劇場は建てられた。

イクスピアリ開業直後、映画館でレイトショーを見て、駐車場に戻ろうとして迷ったことがある。イクスピアリからアンバサダーへ抜ける扉はひとつしかなく(屋外庭園からも抜けられるか?自信なし)、それが極めてわかりにくいところにあるからだ。

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この扉。これを抜けてからアンバサダーホテルを飛び越える渡り廊下のような通路がまたわかりにくい。さすがに標識が出ていた。

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けっこう距離もあることだし、初めて行くときは舞浜から劇場まで15分~20分ぐらいの余裕を見ておいたほうがいいだろう。

通路を抜けるとドーンと現れる、シルク・ドゥ・ソレイユシアター東京。パフォーマンスと同じぐらい、この劇場にも興味があったが、外観からしてなかなか美しい建物だ。あまり外観にとらわれず、コスト削減を優先している四季の劇場、そしてその元四季のスタッフが手がけたブルーマン劇場などに比べると、これが常設劇場でございます、といったいかにも金がかかっている趣がある。

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特に荷物チェックや不愉快なボディーチェックもなくすんなり入場。そりゃディズニーランドやディズニーシーと一緒に来る人も多いだろうから、いちいちカメラなんて預かってた日にゃ全員の入場が間に合わない。

広々としたロビーや、

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シネコンを上回る飲食物販売コーナー。客席での飲食も可能だ。

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100円リターン式のコインロッカー。あまり数はないが、全部使用中というわけでもなかった。

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客席のいすは意外にゆったりとしたもので、ドリンクホルダーもついている。前列との間隔もそれなりにあり、一応通るときは「ちょっとすいません」とは言わなければいけないものの、通る側も通られる側も、さほどストレスを感じない。これは頻尿の自分にはありがたいところ。

さて、キャッツ・シアターのように半円形の客席に囲まれている舞台。そこには1冊の大きな本が置かれている。しかし舞台装置には大きなベールがかかっていて、その様子は分からない。「オペラ座の怪人」を思い出す人もいるだろうが、むしろ自分はオフ・ブロードウェーで大旋風を巻き起こし、日本ツアーも行ったアルゼンチン出身の奇抜な宙吊りパフォーマンス集団デ・ラ・グアルダの「ビーシャ・ビーシャ」を思い出していた。

開演が近づくと、2人の道化が登場して客をいじり始める。「夢から醒めた夢」みたいだ。衣装もそんな感じだし。というかこっちがオリジナルか。夢から醒めた夢の初演は88年だが、開演前パフォーマンスが始まったのは2000年。一方シルク・ドゥ・ソレイユは92年から日本公演を続けている。インスパイア(便利な言葉だ)されていてもおかしくはない。

さて、そうこうするうちに舞台が始まる。たいしたことは書いてないけど、これから観る人のために一応たたむ。

客席をいじりまわしていた2人がそのままステージに上がり、ベタなコントを始める。言葉は日本語でもなく英語でもなく、意味不明なもの。これは全編を通じてそうだ。ブルーマン同様、言語の壁を越えたパフォーマンスである。

そのうち、2人はもともと舞台に置かれていた本の世界に入り込む。ここで舞台のベールが取り払われ、本の中の不思議な世界が出現する。その舞台装置は、鉄骨がむき出しになった巨大な鳥かご状のもの。天体観測儀をイメージしているのだそうだが、どちらかというとティナ・ターナーの怪演が光った「マッドマックス3 サンダードーム」が頭をよぎる。

この不思議な世界で、道化の2人と謎の少年ZEDくん(仮名)が冒険を続ける、という大まかなストーリーで、次々にパフォーマンスが繰り広げられる2時間15分ほどの舞台。途中休憩は30分と長めだ。

観る前に自分が想像していたのは、大掛かりなパフォーマンスをこれでもかと見せ付けて客のびっくりを誘うようなものだった。確かに、最初のZEDくん登場にはどきっとしたが、その後は、洗練されたサーカスの芸と、磨きぬかれたアスリートの技を、じっくりと披露することに力が注がれていた。それを、幻想的な演出や衣装、音楽で包み込んでいるが、あくまで主役は芸と技。邪魔するような濃い味付けはない。どちらかというと静かな雰囲気を大事にしているので、繰り広げられる芸や技がいかに難易度の高いものであるかをよく理解していないと(自分がそうだった)、ちょっと眠くなってしまうかもしれない。しかし最後は、ダイナミックなことこの上ない空中ブランコで客席をヒートアップさせ、大盛り上がりの余韻を残して終わる。

これ以外の演目を見たこともなく、しかもトライアウト公演を観ただけで感想を言うのもおこがましいのだけれど、そこで見せられた芸や技の数々は、想像をはるかに超えた圧倒的なものだった。世界中からアスリートをスカウトしているという話も納得だ。世界レベルの人材を集め、その世界レベルを超えようとしている。人間の肉体でここまでできるのだ、という神々しいオーラを放つパフォーマンスにはただ口をあけて拍手するよりほかにはない。

あえて言うなら、これがオリジナル公演であり、トライアウト期間中ということで、一流の芸や技と、一流の演出が、まだ融合しきれていないようにも感じた。これはオープンし、回数を重ねていくとだんだんこなれていくのだろうと予想する。そして、せっかく専用劇場を作ったのだから、「O」や「KA」のようなビックリ仕掛けが欲しかったような気もする。

もっとも、初めて実際に見て分かったのだが、これは「サーカスをベースにした新たなパフォーマンス」ではなく、あくまでサーカスそのものなのである。言葉や物語ではなく、肉体の動きによって感動を伝える、楽しさと、ちょっとの怪しさに満ちたもの。それをサーカスと呼ばずに何と呼ぶというのだ。だから、自分が昔感じていた「ツアー版で見たらもったない」などという認識は大間違いもはなはだしい。むしろ、ツアーの仮設小屋で見るほうが正しいのではないか。そう思えてきた。

とはいえ、基本的に大仕掛けのビックリものが好きな自分としては、ますますラスベガスに行きたくなってきた。「O」に「KA」、そして性がテーマのために賛否両論渦巻く「Zumanity」も観たい。うーん、夏休みも終わり、次の旅行を考える時期だが、選択肢がひとつ増えてしまったようだ。

18時開演の公演が終わり、外に出てくるとちょうど花火のタイミングにぶつかった。

今年の1月には、オープンしたらすぐ泊まろうと毎日予約電話にチャレンジしていたが、あまりにつながらないので断念し、結局まだ未体験の東京ディズニーランドホテル。

Tdlh

そのうち行くからね!

「ZED」の公式ウェブサイト
http://www.zed.co.jp/home.php

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