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2008年8月14日 (木)

四季「夢から醒めた夢」東京公演開幕

2005年春以来の「夢から醒めた夢」東京公演。自分にとっては昨年3月、野中デビルが衝撃のデビューを飾った福岡以来だ。

劇場に着くと、ちょうどその野中万寿夫が竹馬に乗って出てきた。こういうロビーパフォーマンスが突然目の前で始り「うわあ・・・」と感動したりしたいわけだが、「ここで野中が出てくるということは、きょうはヤクザ役で出演するのか」と考えてしまうあたりがヲタの悲しさである。

パフォーマーと見学者入り乱れてごった返すロビーに入り、さっそくキャストをチェック。

ピコ 吉沢梨絵
マコ 花田えりか
マコの母 織笠里佳子
メソ 飯村和也
デビル 道口瑞之
エンジェル 有賀光一
ヤクザ 野中万寿夫
暴走族 大塚 俊
部長 田中廣臣
老人 維田修二
老婦人 佐和由梨
夢の配達人 北澤裕輔
男性アンサンブル

石野喜一、金子信弛、田井 啓、中村 巌、松本和宣、
牛 俊杰、畑野年孝

女性アンサンブル

南めぐみ、井上あゆみ、大橋里砂、佐伯真由子、小澤真琴、
白澤友理、鈴木友望、中元美里、有村弥希子、鈴木真理子、
海野愛理、峰岸由佳

ピコには吉沢梨絵。「赤毛のアン」京都公演が控えているのでどうかと思ったが、やはり初日を背負えるピコはこの人しかいないということか。

さっと上から順に見ていって、ピコ~メソまで福岡のときと同じ、その後一番下の「夢の配達人」が北澤裕輔であることを見て、うーんあまり代わり映えのしないキャストだな、という印象を受ける。そしてやっぱりマコが、マコが…。

気を取り直してアンサンブルをチェック。男性なんて見ない。女性アンサンブルを丹念に見る。ああやっぱり萌絵ちゃんが、萌絵ちゃんが…。

この段階で、モチベーションが15%ぐらいにダウン。でも、やっぱり「夢から醒めた夢」は四季レパートリーに限らず、あらゆる舞台の中で最も好きな作品だ。その初日に参加できるの幸運を感謝してしっかり目に焼き付けておくべきだ。気を取り直してもう一度キャストボードを眺める。そこで目に飛び込んできたのは

「デビル 道口瑞之」

うおおおおおおこれは見てえ。「美女と野獣」のルミエールや「ユタと不思議な仲間たち」のヒノデロなど、若手ながら次々と難役をこなし、その怪優ぶりを発揮してきた個性派が、ついに四季史上最も強烈なキャラクター、デビルに挑戦だ。

そしてもうひとつ

「暴走族 大塚 俊」

ウホッそうきたか。小柄な体とキレのある動き、器用さとアクの強さが共存する四季の名バイプレーヤーがコテコテの暴走族とは!中年ライダーウェルカムだぜ。

ここでモチベーションが一挙に85%にアップ。意気揚々と客席へ…とその前にハンドベル隊だ。北井久美子といい村岡萌絵といい、どうしてハンドベル隊における俺の推しメンは消えてしまうのか。とかいいつつ、南めぐみもカワイイじゃん、と上機嫌になってパチリ。

Hand

さて、夢の幕が上がる。

北澤配達人は大きな帽子で顔を隠し、多少にやけたポーカーフェースを崩さないミステリアスな配達人だが、以前に比べるとだいぶ表情の変化、特に笑顔を見せるようになった。歌も演技も細かく丁寧で、申し分がない。

吉沢ピコが、もはや木村花代よりも樋口麻美よりも、はるかにピコを自分のものにしていることは今さら言うまでもない。ちょっとおばちゃんっぽい子供、というのが吉沢ピコのイメージだが、「ふたりのロッテ」「赤毛のアン」と少女役を続けてこなしてきたのが影響したか、ちょっとだけ女の子らしさがアップしたような気がする。自分の中で何かのパラメーターがアップした。

霊界空港の場面になって、お待ちかね道口デビル登場。見た目は…ちょっとキレイ。そりゃ、川原洋一郎デビルや、野中万寿夫デビルに比べるからだろうけど。オカマキャラというよりは、「オペラ座の怪人」の劇中劇「イル・ムート」のメイクをしているようだ。

ヒノデロのようなしなやかな歌声を予想していたが、それはいきなり裏切られる。第一声の「落ちろー!」は、ほとんどシャウトしているかのようなパワフルモード。アドレナリン出まくりの、エネルギッシュなデビルである。セリフでは、うなるような低音の声と、そしてオネエ口調の高音の声とをくるくる変えながら話す。「一人あしゅら男爵」みたいだ。

とにかく、自分なりの新しいデビルを創ろうという姿勢が強く感じられ、ますますこの俳優が好きになってきた。ちょっとその勢いが空回り気味だったところもあったけれど、初日でそれは許容範囲。もう少し余裕が出てくると、いろいろ遊んでくれそうで楽しみだ。

そしてもうひとつの目玉、大塚暴走族。いきなり「ここは霊界空港」のセクハラシーンでは、尻をさわる、というより思いっきりつかんでおり、もちろんそれでビンタされたときのリアクションも全力。まさに期待通りで顔がにやついてくる。

舞台に出ているときは自分にスポットが当たっていないときも、すべてのシーンで細かく表情を作っているので目が離せない。気づいたら暴走族ばっかり見ていた。野中ヤクザとの小芝居合戦の息もぴったりで、実に安定感がある。それが作品全体のムードを作る。暴走族がこんなに重要な役だったなんて何十回と観てきて初めて知った。

それにこの中年ライダー、実にカッコいい。その極みが、ピコが霊界空港を去るときの握手だ。暴走族というよりちょいワル親父のニヒルな笑いを浮かべ、がっちりと握手を交わす。反則ですって。

デビルvs暴走族+ヤクザの演技合戦を見られただけで、かなり満足できた。公演全体を見ても、若い力とベテランの妙技がぶつかりあう、力のみなぎったいい舞台だったと思う。

が。やっぱりキャスティングにちょっと不満が残る。飯村メソは、受験を苦にして自殺、ということならなんとなく納得もできるが、新設定のいじめを苦に自殺、というのは、ガタイが良すぎてちょっと違和感がある。佐和さんが老婦人ってあんまりだろ。いや、きれいなおばあさんは見ていて気持ちよかったのだが、なぜここでこの人を使う?

そして花田マコ。花田えりか自体は、以前ほど苦手ではなくなった。京都で観た「ウェストサイド物語」のマリアは、意外にいいじゃないか、と思えた。しかし、マコはだめだ。この人がマコを演じるだけで、感動が半減してしまう。

たいへん語弊のある言い方だが、マコは「死んでるところ」に萌えるのだ。「GS美神 極楽大作戦!!」のおキヌちゃんと一緒である。なのに、花田マコは死んでる感じがしない。「二人の世界」では、生きてるピコよりよほど元気に歌っている。

なんだ、好き嫌いの趣味の問題か、といわれれば、その通りである。否定はしない。あえて言おう。俺はマコが心の底から好きなのだ。どのぐらい好きかっちゅうと、グリンダと同じぐらいだ。だって堀内敬子と木村花代が演じてきたんだぞ。俺にとって「夢から醒めた夢」はマコなのだ、ってのは言い過ぎにしても、ピコがどんなに良くたって、マコがいまいちだったらだめなのである。

新マコは出てこないのか。そうだ、パンフレットのキャストもチェックしてみよう。

ピコ
吉沢梨絵、真家瑠美子

マコ
花田えりか、苫田亜沙子、南めぐみ

マコの母
織笠里佳子

メソ
飯村和也、有賀光一

デビル
野中万寿夫、川原洋一郎、道口瑞之

エンジェル
有賀光一、藤原大輔、石井雅登

ヤクザ
野中万寿夫、大塚 俊、韓 盛治

暴走族
韓 盛治、大塚 俊、渡邊今人

部長
田中廣臣

老人
維田修二、武見龍麿

老婦人
菅本烈子、安田千永子、佐和由梨、佐藤夏木

夢の配達人
北澤裕輔、荒川務、佐野正幸、星野光一

……あれ? あれ? あれ?

ピコはこの2人だけ?真家ピコ未見だから見たいけど、花ちゃんは?花ちゃんはあ?それにあーちゃんもナシ?

マコは、とりあえずこれも未見の苫田マコをまず見たい。南マコ、これもよさそうだ。今回の子供役もなかなかだったし。同じ「キャッツ」のバブ役、紺野美咲もキャスティングしてほしいところ。

大塚ヤクザも早く見たいものだ。野中デビルにも再会したい。味方隆司の名前がないのはちと残念。荒川&佐野さん働きすぎだろ。

うーん、全体的に「うひょーこれ見たい」という配役があまりない。まあ予定外のキャストが突然出てくることもあるから、偉大なる代表様の気まぐれがいい方向に働くことに期待しよう。

にしても花ちゃんどこ行ったんじゃああああ!

「夢から醒めた夢」ホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/yume/index.html

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コメント

ヤボオさんもいらしていたんですね!
本当に花代さんはどこへ行ってしまわれたのでしょうか…
代表は来ていたものの恐ろしくてそんなことは直接聞けず…
もどかしい限りです

投稿: jurun | 2008年8月15日 (金) 14時40分

早速光の国へ行かれたんですね。
道口デビルと聞いて驚きました!佐和さんのおばあちゃんも。。
で、マコはやっぱり花田さんですか。。

>マコは「死んでるところ」に萌えるのだ
仰る通り。今にも消えそうな透明感なり、息をのむ美しさが必要不可欠だと思うんですよ。
花田マコは「ピコになりたがったマコ」風要素が強すぎて別の意味で…醒めます。
ボウレイというよりイキリョウに見えてしまいます。

花ちゃん情報に関してはとりあえずしばらくは考えないようにしてます。

投稿: fudoh | 2008年8月15日 (金) 23時31分

jurunさん、こんにちは。

さっそくいらっしゃいましたね!レポート読ませていただきました。この作品への愛情が伝わってきて感動しました。

代表への直撃はわたしも怖くてできません。ベル降臨を心から待っております。

投稿: ヤボオ | 2008年8月15日 (金) 23時57分

fudohさんこんにちは。

花田マコは、どうしてこれで良しとするのか理解できないです。とりあえずは、南マコに期待かな。

それにしても花様はいったい・・・?いきなりジリアンとかいうサプライズなんていうのはどうかしら。

投稿: ヤボオ | 2008年8月16日 (土) 00時01分

いつもながらヤボオさんの鑑賞ポイントは素晴らしいですね(大塚暴走族やマコへのこだわりなど)。

花ちゃん潜行中・・・
どこに浮上してくれるのでしょうか。まさか、ウェストサイドの最後にマリアでとか。樋口アニタになりましたし。そうだとしたら行けないので悔しすぎですが(泣)

昨日はじめて夢醒めいきました。とっても良かったです。
想像していたよりロビーパフォーマンスも面白く、もちろん本編も素晴らしいものでした。
大塚俊は竹馬ピエロ(?)でお客さんに見せるひょうきんな表情にとても好感を覚えました。

花えり・・・。夢醒め初見のため、「花田マコは死んでる感じがしない」でも気にはなりませんでしたが、イントネーションが・・・
ウェストサイドでも、中国語イントネーションが気になって(あとカエル顔(失礼)に茶系メークも)×でした。

でも、アンに続き吉沢梨絵のピコは素晴らしかったので結果でしたよ。また行きたい(^^♪

投稿: にょん | 2008年8月17日 (日) 02時25分

にょんさんこんにちは。

ロビーパフォーマンスはどうすれば1回でコンプリートできるのか、とか考えていましたが、高足ピエロと鼓笛隊がうまく両方みられないんですよね。

ハンドベル隊を最後まで見てからトイレ行くと開園ぎりぎりになるし。

ロビーパフォーマンスを極めるためにまた今回も通ってしまいそうです。

投稿: ヤボオ | 2008年8月17日 (日) 21時54分

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