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2008年8月23日 (土)

AKB48「ライブDVDは出るだろうけどやっぱり生に限るぜ! AKB48夏祭り」

AKBオールメンバーによる野音ライブ。当初はどうやって暑さ対策をするか、ということを考えていたが、日が近づくにつれ、むしろ雨対策をどうしようか、という状況に。当日昼ぐらいまでの予報では、弱い雨が降るものの4時過ぎにはあがる、ということだったので安心していたが、結局この日は冷たい雨がライブ終了までやむことがなかった。

雨、野外、秋元康。このキーワードがそろうと、ちょっと嫌なことを思い出す。1988年のよみうりランドEAST、高井麻巳子ファンクラブ結成コンサートだ。あの日はひどい雨だった。しかし高井麻巳子の状態はもっとひどく、ずっと暗い表情で、短めにコンサートを切り上げ、アンコールの声にすら答えてくれなかった。きっと体調が悪く、しかも雨なのでそういうことになったのだ、とみんな思っていた。しかし、その数日後、「結婚」が発表される。ファンクラブ結成コンサートが、結果的に引退コンサートになってしまった。

そんな悪夢が頭をよぎりながらも、場内に入ればそんなことは忘れてしまう。いい感じに暗くなってきて、ステージ上に夏祭りを意識したらしいちょうちんで「48」の字が浮かび上がってきた。そして必死にモップがけをするスタッフ。

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開演の数分前、前説がわりになちのん(野呂佳代、佐藤夏希)が登場し、軽妙なトークで注意事項の説明。そして彼女らのカウントダウンで公演スタートだ。劇場公演で幕が上がるときに必ずかかるDJを、この日は1月の渋谷AXライブに続き本人が登場して生声で披露。盛り上がってきたぜ!最初はチームAの登場だ。

Dear my teacher(チームA)
1曲目は意表をついてDear my teacher。確かに人気のある曲ではあるが、果たして1曲目にはふさわしかったのかどうか。いまいち盛り上がりに点火しきれず、雨のせいもあってやや微妙な幕開けになってしまった。

最終ベルが鳴る(チームK)
ここでチームK登場。現在行われている公演の表題曲で勝負だ。これで会場が一気に盛り上がった。チームKの面目躍如である。

初日(チームB)
これまた盛り上がる、チームB3rd公演の最初の曲、「初日」。この曲は何度聞いても胸が熱くなる名曲だが、メンバー解雇の記憶が新しいだけに、いっそう沁みる。

会いたかった(全員)
全員が登場しても「会いたかった」。これで会場の熱気を最高潮に持っていこう、という筋書きが見えるが上等だ。だが、この曲の魅力の1つである、メンバーが上手に下手に移動して手を振る、という動きがほとんどなかった。ステージが人数に比較して狭いということもあったのだろうが、雨で動きを簡略化した可能性も否定できない。曲の途中から研究生も登場、まさしく「イナバ物置状態」へ突入だ。

渚のチェリー(チームBメンバー)
また意外な選曲。渋谷AXでは前田敦子+チームBメンバーというシャッフルユニットだったが、今回は渡辺麻友を中心にしたチームBオンリーの構成。

涙の湘南(チームAメンバー)
渚のチェリーに続いてB2公演ナンバーだ。ふーん、そういう展開か、と思っていたら平均身長が妙に高い。なるほど、今度はAメンバーなのである。これはうまい。ご存知のようにBの2nd公演「会いたかった」はもともとAの2nd公演用に作られたセットリストである。まゆゆのチェリーを聞かせて、Bの気分に浸し、いかにもB2つながりのように見せておいて実はオリジナル(といってもメンバーは入れ替わっているが)のAを出してくる。何とも心憎い演出ではないか。

投げキッスで撃ち落せ!(チームAメンバー)
そして今度はA2からA3ナンバーへの遷移。予想をかわしながらもうーむなるほど、と思わせるメニュー構成にすっかり関心しながら、あっちゃんのあまりにも可愛いカウボーイハット姿を堪能する。

ごめんねジュエル(チームKメンバー)
なんと、今度は「帽子」つながりか?Kの最新4th公演からの選曲だ。確かに「投げキッス」を見ているとなんとなくジュエルを思い出す。連想式に曲をつなげていくとは新しい試みだ。なぜか宮澤佐江のポジションに梅田彩佳が入っている。先日も劇場公演で梅ちゃんのジュエルを見て、そのキレのある動きに感心(安心も)したところだった。

ガラスの I LOVE YOU(元研究生昇格組)
これは今回のセットリストの中で最高の1曲だったのではないか。宮崎美穂、北原里英、指原莉乃、仁藤萌乃という最近チーム昇格を果たした元研究生たちによるガラスの I LOVE YOU。曲も衣装も可愛いし、この4人は現在、AKB全体で最も輝いているメンバーである。自分の中の盛り上がりっぷりはここが最高潮だった。

純愛のクレッシェンド(チームAメンバー)
驚きと納得を絶妙のバランスで配合した楽しい展開が続いたところで、一服させるかのように純愛のクレッシェンド登場。数あるユニット曲の中でも抜群の安定感と完成度を誇るこの1曲が出てきたことで、コンサートの雰囲気がぐっと締まったものになった。

雨の動物園(チームKメンバー)
客席が少し落ち着いたのを見計らって再び燃料投下。この日の天候にふさわしい曲だ。着ぐるみ姿で歌うこの曲は常に大盛り上がりだが、自分は生で見るのは初めて。ゾウの小野恵令奈がかわいすぎる。

「鏡の中のジャンヌダルク」(チームBメンバー)
Aユニット、Kユニットと来たら次はBユニットだろう、というのは容易に想像がつくが、ジャンヌダルクとは意表を突かれた。だってこれは解雇された某もとメンバーがセンターの曲である。しかし、それをあえて出すことで、チームB健在ぶりをアピールしようということか。センターはさっしーが完璧に務めた。Bの新たなエース候補誕生の瞬間である。

Blue rose(チームK&チームBメンバー)
ここで混成ユニット登場。Kの秋元才加+宮澤佐江、Bの佐伯美香+柏木由紀によるBlue roseだ。Bの1stは観ていないので、この2人の衣装は初めてみたがなかなか決まっている。Blue roseといったら渋谷AXでサプライズ披露された大堀恵のゴールドビキニだが、ここにめーたんがいない、ということで別の形のサプライズを予感させる。

おしべとめしべと夜の蝶々(チームKメンバー)
そのサプライズはすぐに来た。25歳のめーたんがスクール水着にツインテールで登場である(河西智美は短パン姿)。だははははは、やめてくれ、腹がよじれる。曲間のセリフも「なんでスクール水着なの?」「もうこれしかないでしょう?」というように特別バージョンで。劇場でコスプレ版を次々公開し、まさしくAKBの核弾頭曲にななっている「おしべとめしべ」。ぜひとも~みの水着姿も拝見したかったところだ。別にスクールじゃなくていいから。

ロマンス、イラネ(ひまわり表メンバーを中心に)
ここからひまわり編成に転換。ロマンスの衣装は大舞台に映えるが、もう少し大きく動かないとごちゃごちゃした感じになってしまう。これは雨の影響か。

RUN RUN RUN(ひまわり裏メンバーを中心に)
ひまわり2ndからひまわり1stへ。盛り上がる曲だが、やや客席に疲れが見え始めてきて、いまひとつ盛り上がりきれず。

ワッショイB!(チームBメンバー)
ひまわりが続いたので、今度はひまわりに参加していないチームBが登場。ゆるーく盛り上がる曲なので、タイミングとしてはばっちりだ。解雇メンバーのところにはさっしーが入って何事もなかったかのように歌う。こうやって歴史は変わっていくのだ。

ご機嫌ななめなマーメード(チームBメンバー)
B3rdの全員曲が続く。ゆるーく盛り上げた会場を、もう1歩踏み込んで盛り上げる。これもいい選曲だ。

転がる石になれ(チームKメンバー)
おおおっここでこれが来たか。ご存知チームKテーマソング。会場の盛り上がりも再びピークへ達した。やはりKは観客を巻き込むツボを心得ている。

メロスの道(チームKメンバー)
ここでさらにKナンバーが続く。曲調も比較的近いメロスの道で勝負だ。この曲ではメンバー全員が2チームに別れ、さながら「ウェストサイド物語」のシャーク団とジェット団のような“対決”を表現する振り付けが印象的なのだが、大きなステージで見るとその迫力があまり伝わってこない。改めて、AKBの振り付けはあの狭い劇場というフォーマットで形作られているのだということが分かる。大舞台には大舞台の演出が必要なのだろう。まあAKBの現状を考えれば単発コンサート用に新たな振りを作ることは不可能であるが。

Only today(チームAメンバー)
大いに熱くなった会場の雰囲気を受けて、Aの全員曲。現在公演中のA4thからどれか1曲、となれば確かにこの曲だろう。何度聞いてもいい曲だ。しかし、衣装がひまわり2nd公演の2~4曲目で使用していたゴールドなもの。この曲とはいかにも相容れない感じで違和感があった。

スカート、ひらり(チームAメンバー)
この曲を歌うことにはもろ手を上げて大賛成なのであるが、衣装がいかんせんゴールドである。いったい何を考えてこの衣装をセレクトしたのかさっぱり分からない。せっかくのスカひらなのに、スカートがなくてどうする!

桜の花びらたち(全員)
違和感がぬぐえないまま、最後の曲だと告げられる。言ったのが高橋みなみでなかったら本心から「え~」であるが、たかみなの言葉は絶対だ。おとなしく納得。やはりこの曲はいい。桜の花びらを舞わせる演出でも欲しかったところだが、雨の野外でそんなことをしたら掃除がたいへんだ。

Virgin love(研究生)
アンコール突入。その1曲目の重責を担うのはなんと研究生だ。ある意味いま一番勢いのあるチームはこの「チーム研究生」である。そのVirgin Love、動きも歌もきれいにそろっていて実に良かった。そのチーム研究生の主力メンバーも次々チーム入りを果たしているし、精神的主柱である中西優香が抜けることが決まった以上、まもなくこの幻のチームは消えてしまう。その前に、ぜひ別のセットリストも見せてほしいものだ。

Baby!Baby!Baby!(チームA)
続いてチームAによるシングル曲。うん?どうせAで歌わせるのなら、最初の曲はこれで良かったんじゃ…

PARTYが始まるよ(SKE48)
秋元康がパチンコマネーと手を結び、名古屋に誕生させたSEK48がお披露目。新参の自分は写真やDVDでしか見たことがない、最初期の衣装に身を包んだSKEのメンバーたちはフレッシュさ炸裂である。かつて研究生から急に卒業してしまった出口陽の復活、もとチームKメンバー、高田彩奈の妹の加入、そして研究生を引っ張ってきた中西優香の参加など、感動的な発表が相次いだ。これは名古屋にも行かなきゃあな。

僕の太陽(チームA、チームK、チームB)
SKEのふりまいたフレッシュな雰囲気を抱き込んで、チームメンバー総動員で歌う夏ソング。晴れていれば本当にこの場にぴったりの曲になったのだろう。メンバーも疲れてきたか、冷たい雨を夏の太陽に感じさせるほどのパワーはもうなかった。

AKB48(全員)
「ひまわり組」千秋楽のサプライズで聴いて以来の「AKB48」。いつも思うことだが、こういうくだらないけど盛り上がる曲を作ることにかけては、秋元康の右に出る者はいない。

BINGO!(全員)
再びたかみなから「本当に最後の曲です」宣告。もうこの曲しかないだろう、と会場のほとんどが理解している。たかみなの「せ~の!」に合わせてステージ上の人間も客席の人間も全員で「BINGO!」と叫ぶ。今回、最も一体感を演出できた瞬間だ。十分な盛り上がりを見せてコンサート終了。

 

 
さて、あいにくの雨に見舞われたAKB初の野外ライブ。曲と曲とのつながりはアイデアに富んだうまい構成が多く、楽しませてくれたが、全体的には各チームが順番で曲を披露、という印象が強く、コンサートというよりイベントに近い感覚を残す結果になってしまったように思う。おそらくそれは全員曲の印象が薄かったためだと考えられる。なぜ印象が薄くなってしまったのかというと、ステージの狭さと雨によるスリップ警戒のために、ダイナミックな動きを表現できなかったからだ。

雨は観客にもダメージを与え、もともとハロー!プロジェクトのファンほど大会場で盛り上がることに慣れているわけではないAKBファンの声援を、一層小さなものにしてしまった。舞台上のメンバーは、雨でダメージを受け、さらにそれを補う声援が十分でないために、後半は疲労感がにじみ出ていた。終演後も「興奮さめやらず」という雰囲気ではなく、「やれやれ、何とか無事に終わった」というムードが会場に充満していた。

開始は6時、終了は8時15分。おそらく、雨のために省略されたり短縮されたMCや曲もあっただろう。そう考えるとかえすがえす残念な天候ではあったが、それを跳ね返す力をアイドルは持たなくてはいけない。秋元康は野呂に「雨は盛り上がるよ」と言ったそうだが、その通りである。そしてたかみなは最初のMCで「本日の東京、降水確率40%ということですが、ご覧の通り、晴れ渡っております!」と叫んだ。その言葉に秘められた決意こそ、今のAKBに必要なのだ。

十分に楽しい機会ではあったが、いくつかの課題を感じさせることにもなった。ここをポイントに、AKB48というグループがさらに発展していくことを心から願いたい。

AKB48公式WEBサイト
http://www.akb48.co.jp/index.html

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