« 名古屋「コメダ珈琲」のシロノワール | トップページ | AKB48チームK 4th Stage「最終ベルが鳴る」公演初日 »

2008年5月24日 (土)

四季「マンマ・ミーア!」ちえドナキタコレ

最近、四季のキャストの動きが激しい。動きは激しいのはいいことだが、情報が十分に開示されないため新しいキャストを見たいという「異常な観劇態度」で劇場に向かうと空振りする。先日は五十嵐可絵が「赤毛のアン」のダイアナ役に名前を連ねたので自由劇場に行ったらその週は結局登場せず。でもまあ田邊真也のギルバートが見られたからいいか。そのまま「ライオンキング」に流れると、お目当ての田村圭ちゃんナラは目撃できたが、楽しみにしていた藤川和彦ティモンと飯村和也シンバがなんの前触れもなく変更に。またそれで出てきたシンバがかなり「・・・?」な出来だったのでとうとうエントリーを上げそびれてしまった。一方、海劇場では第三のエルファバとして今井美範が登場。翌週月曜の段階では樋口麻美とダブルではあったが名前が残っていたので、まあ新エルフィーに問題なければバトンタッチするんだろうと踏んでチケットを確保したところ、翌日には名前が消えていた。

と、これだけ冷たい仕打ちに会えばいい加減学習しそうなものだが、今度は井上智恵がドナデビューというニュースが。まだ鈴木ほのかとのダブルだが、土曜マチネにヤマを張ってチケット確保。新幹線も予約。本当に懲りないものだ。

しかし、今回は幸運にも新ドナにめぐりあうことができた。まあマチネがほのかドナだったら、サイゴン行きの前にもう一回見ておきたいと思っていたところだしそれはそれで良しとして、そのままソワレに居残るつもりではあったが。

さて、この日のキャストは以下の通り。

ドナ・シェリダン 井上智恵
ソフィ・シェリダン 谷内 愛
ターニャ 八重沢真美
ロージー 青山弥生
サム・カーマイケル 渡辺 正
ハリー・ブライト 味方隆司
ビル・オースティン 脇坂真人
スカイ 玉城 任
アリ 丸山れい
リサ 木内志奈
エディ 坂本 剛
ペッパー 鎌滝健太

井上ドナは、福岡公演の制作発表でアナウンスされたにもかかわらず、結局登場しないまま終わっていた。それがついに名古屋でデビューだ。

最初はまだドナには若いんじゃないかとか、いろいろな声があった。しかし井上智恵という人はエビータにしろアイーダにしろ、新しい役につくたびに賛否両論が上がるものの、実際に演じると反対意見はなりを潜めるケースが多い。それだけの実力者だということだ。だから今回も不安はなかった。

果たせるかな、井上ドナは実にナイスなキャスティングだった。

登場してすぐ、ルックスについての「若すぎる」という懸念は払拭された。もともとどちらかというとおばさん顔(失礼)だったこともあり、気が若くてオシャレな、かわいいおばさんといった印象だ。

演技はさすがにソツがない。まだデビューして数公演目のはずだが、もうすっかりドナになりきっている。笑いの間の取り方も合格点だ。

そして何といっても井上の魅力は歌だ。「Money, Money, Money」でさっそくその伸びやかな声を披露。保坂知寿や早水小夜子の声が頭に残っているので、低音の響きが弱いように感じるが、別にそれはこの曲に必須というわけではない。そしてそのぶん、高音がキレイに伸びる。ABBAの曲の、純粋というかある意味素朴な魅力がストレートに伝わってきて心地いい。それが炸裂するのは「Super Troopers」だ。井上のクセのない声を中心に、ロージー、ターニャの声がとてもきれいにそろっており、何だか聞いていて感動を覚えた。

二幕に入ると、歌より演技で見せるシーンが多くなる。最大の感動シーンであると同時に、ドナとソフィの生きる姿勢が交錯するというこの作品の特異点でもある、髪を梳き、ウェディングドレスを着せる場面。ここでは少し「若さ」が出てしまったか。友達感覚の母娘、というのが近年増えているようだが、このドナとソフィはまさにそんな雰囲気で、ドナの寂しさがぐっと涙を誘う、という情感が不足していたようにも感じる。

しかしアンコールでは、ほのかドナに不足していた「動き」、つまりキレのあるダンスで大いに客席を沸かせていた。この人、昔はアイドル歌手になりたかったんじゃないか?というぐらい、実にサマになっていた。

全体的には期待以上の素晴らしいドナで、今後が非常に楽しみだ。鈴木ほのかドナは、ある程度完成した状態で出てきて、今後どのようにこなれていくか、という楽しみがあったが、井上ドナはまだまだ余裕というか、伸びしろを残した状態だと思う。エビータも、アイーダも、井上は演じるうちにどんどん役を自分と同化させ、演技の完成度を高めていた。どういうドナに成長してくれるのか、わくわくする。

鈴木ほのかドナは、また帰ってきてくれるだろうか?ぜひこの役に定着してほしいものだ。ほのかドナと井上ドナは強力なツイン・ダイナモで、やや営業的に苦戦しているこの作品をけん引してくれることを願ってやまない。

さて、この日は前回ほのかドナを観たときと比べ、だいぶキャストも入れ替わった。サムは渡辺正。彼についてはこのあたりでさんざん書いているのでもう書くこともないが、しばらく顔を見ないとまた見たくなる、不思議な役者だ。相変わらず歌は苦しそうで、演技も下手だからご安心を。ひょうひょうとした味方ハリーは大阪以来。そして最近は「ウィキッド」のアンサンブルで渋い演技を見せていた脇坂真人がビル役に登場。舞台映えのする体格と、全身からあふれるワイルドさが実にビルらしい。しかし演技やセリフはとても丁寧なので、それがまたジョークが下手で、不器用なビルのイメージにつながる。まだまだ固さはあるものの、実に味のある役者だと思う。これからどんどん前に出てきてほしいものだ。スカイの玉城任も久しぶりに見た。セリフや歌の声が苦しそうなので、渡辺サムと一緒にいると、実はお前がサムの子だろ、と指摘したくなる。青山弥生&八重沢真美のコンビはもはや名人芸の域に達しているし、愛ちゃんソフィーは大阪のころよりどんどん娘っぽく、キュートになってきた気がする。いや、正直むちゃくちゃかわいい。これ以上追いかける女優を増やすのは財政も人間も破綻するから避けたいところだが・・・。本当にハナにつく鎌滝健太ペッパーは大好きだし、エディにはかつて「夢から醒めた夢」で暴走族を演じていた坂本剛。これがまたいい。川口雄二のややオジサンが入ったエディも好きだが、坂本エディにはどこか凄みがある。かつて本島でやんちゃしてたけど、今じゃドナの姐さんのもとでカタギとして頑張ってます、みたいな感じだ。

そうした中、弱いのがアリ&リサである。ここの人材不足が深刻だ。マンマ・ミーア!は、親世代(女)、親世代(男)、子世代(女)、子世代(男)の4象限が絶妙のバランスで均衡し、それらが互いにぶつかったり、入れ替わったりして面白さを出す、というところに脚本の妙がある。自分がこの作品を心底気に入っているのも、そのあたりに理由がある。だから、アリ&リサにももう少し存在感を出してもらわないと困る。それに、オープニングのシーンはこの2人が笑いを取ってくれないと、観ているこっちが恥ずかしくなってしまう。誰かいないのかなあ。萌絵リサとかさー(最近どこいった?)。花嫁アリとかさー。つか佐藤朋子は花嫁とジリアンしかさせてもらえんのか?まあそれでも役があるだけ幸せかも。

この日の公演は、何だかとても楽しかった。いや、マンマ・ミーア!という作品はもともと楽しい作品なのだけれど、これまでにない、リラックスしたのびやかな雰囲気が舞台から漂っていたのだ。四季の舞台はいつもピリピリした緊張感があり、それが舞台の魅力に他ならないのは事実だが、こういう空気もまた悪くない。それが、新ドナの影響なのか、カンパニーの組み合わせなのか分からないが、恐らくその両方だろう。

ぜひ名古屋公演をいい形で終わらせて、また東京にも戻ってきてほしい。その前に中都市公演か?それでもいいぞ。広島とかまた行きたいしな!

マンマ・ミーア!のWEBサイト

http://www.shiki.gr.jp/applause/mammamia/index.html

|

« 名古屋「コメダ珈琲」のシロノワール | トップページ | AKB48チームK 4th Stage「最終ベルが鳴る」公演初日 »

コメント

今週末は自由かと思っていたら名古屋でしたか(笑)

MMは演技力がより試される演目ではないかと個人的には感じます。
そんな中、智恵ドナ登場!は朗報ですね。

>実際に演じると反対意見はなりを潜めるケースが多い
おっしゃる通りですね。本当にそう思います。

ちなみに、ナベサム(の声)がかなり好みな私はMなのでしょうか?(笑)

投稿: fudoh | 2008年5月25日 (日) 03時33分

fudohさんこんにちは。

そういえば智恵ドナとなべサムは結構相性いいかも?
アイーダ&ラダメスだし。そうなると次は、なべペロンの誕生か!?

あの声でいろんな役にチャレンジしてくれると面白いだろうな、と期待しています。

投稿: ヤボオ | 2008年5月25日 (日) 22時01分

ヤボオさんこんばんわ!
ぼくも昨日見てきました。
チエドナ若いんじゃない???と思ってたんですが、
きっちりドナでしたね。
かなり気にいりました。
ほのかドナは結局見れませんでしたが、、、、
谷内ソフィー可愛いと自分も思いまぁす!

投稿: kuffskuffs | 2008年5月26日 (月) 21時12分

kuffskuffsさんこんにちは。

ほのかドナ、きっとサイゴンから戻ってくれるものと願っています。いや、エレンはサイゴンつうかホーチミンには行ってないんだっけ。

ちえドナは何というか、見てて楽しくなるドナでした。サムやソフィに変化があったら、また遠征します!

投稿: ヤボオ | 2008年5月26日 (月) 23時50分

ヤボオさんこんばんは!
本当に最近キャストの動きが激しいですね。
私は昨日田邊ギルを期待してアンを観たんですが
まさとぅでした。笑
でも意外とよくて予想外に惚れちゃいましたw

キャストの変化があると毎回「見学商売」チェックしちゃってます!
なんかヤボオさんは全部ご覧になってるような気がしてしまって…。
でも今井エルファバもご覧になれなかったんですね。
彼女が戻ってくるのを楽しみにしています。

智恵さんのドナ観てみたいです。
脇坂さんも気になります。
マンマ東京に戻ってきてほしいです!
でも海で上演していた作品って、
戻ってくるとしたら秋とかにも来れるんですかね?

ちょっと話違うんですが、
異国の丘のキャストってどうなると思います?
九重さんには涼太さんとか来るんですかね?
ヤボオさんのご意見是非伺いたいです。

長々と失礼致しました。

投稿: 凛 | 2008年5月26日 (月) 23時58分

凛さんこんにちは。

新ギルバート良さそうですよね。結局五十嵐ダイアナ未見だし、千秋楽前にも一回ぐらい行くかもです。

異国の丘はどうなるんでしょう。偉大なる代表様のお考えは、とうてい私のような者には想像もつきません。ベテランボチの登場もウワサされていますが・・・。

投稿: ヤボオ | 2008年5月27日 (火) 00時20分

こんばんは。
ちえドナ登場に心動かされるものの、ヤボオ師匠のコメントを拝見してから…お待ちしてました。

アリとリサの人材は本当に不足しているのか…軽く疑問に思います。
あの2人は冒頭に私たちをエーゲ海に引き込んでくれるか否か。Pointキャラだと思うんですけどね。

サムが変わったら遠征します!

投稿: らべたん | 2008年5月27日 (火) 00時49分

らべたんさんこんにちは。

今にして思えば八田&吉沢&五十嵐トリオのなんと豪華なことか。森実友紀カムバーック!

なべサムは、そう簡単には変わらないと思いますが、変わるとしたら新サム登場の可能性もありますね。そしたら迷わず遠征です!

投稿: ヤボオ | 2008年5月27日 (火) 22時32分

荒川九重決定したようですね…。

投稿: 凛 | 2008年5月30日 (金) 18時49分

凛さん

そうなんですか?それはそれでちょっと観たいかな。

投稿: ヤボオ | 2008年5月31日 (土) 04時32分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 四季「マンマ・ミーア!」ちえドナキタコレ:

« 名古屋「コメダ珈琲」のシロノワール | トップページ | AKB48チームK 4th Stage「最終ベルが鳴る」公演初日 »