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2008年5月 5日 (月)

四季「オペラ座の怪人」日本公演20周年

オペラ座の怪人 高井 治
クリスティーヌ・ダーエ 木村花代
ラウル・シャニュイ子爵 岸 佳宏
カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグ・ジリー 宮内麻衣
マダム・ジリー 秋山知子
ムッシュー・アンドレ 寺田真実
ムッシュー・フィルマン 小泉正紀
ウバルド・ピアンジ 半場俊一郎
ジョセフ・ブケー 岡 智

せっかく大阪に来たのだ、日本公演20周年記念カーテンコールが実施されている「オペラ座の怪人」を観ない手はない。

去年のクリスマス以来、3度目の拝謁がかなった花ちゃんクリスティーヌ。昨年2回観たときとはだいぶ印象が変化した。以前は、プレアデス星団と交信しているような無表情さが目立っていたが、笑顔の割合がぐっと増えた。そして、クリスティーヌといえばファントムとラウルの間で揺れ動く役どころであり、演じる人によってどちらに心が傾いているが異なって見えるのが楽しさの一つだが、最新バージョンの花ちゃんクリスは、完全にファントム寄り。というか、はなっからラウルなんか眼中にないようだ。一幕の最後、屋上でラウルのプロポーズを受け入れるときも、直前までうっとりした表情でファントムへの想いを語っており、とうてい本気で婚約したとは思えない。オペラ座の地下に住むファントムのために、そのオーナーを籠絡しようとしているんじゃないか。そんな魂胆まで透けて見えるようだ。

二幕ではファントムの暴走に戸惑っている表情も見せるが、このクリスティーヌはファントムとラウルの間で揺れ動いているのではなく、エンジェル・オブ・ミュージックとファントムの間で揺れ動いているのである。ラストの決心も、エンジェルであろうとファントムであろうと、その存在すべてを母の心で受け入れよう、という決意のようだ。

このクリスティーヌの心の中に、ラウルは全くいない。これはこれで新鮮で面白い。

一方、放置プレイになってしまったラウルを演じたのは岸佳宏。スキンブルシャンクス役でフレッシュな魅力をふりまいていた彼がどういうラウルになるのか楽しみにしていた。ぱっと見のルックスは太川陽介のようだ。しかし、Lui-Luiを歌っていたころのキラキラした太川陽介ではなく、旅番組でローカル線に乗って温泉に入っているようなごく最近の太川陽介だ(それはそれで結構好きだ)。岸は芸大卒の声楽家だが、セリフの発音はやや苦しそうで、歌もセリフっぽい歌だとなんだかイマイチである。演技・存在感も発展途上という印象。より多くの役を経験して、大きく成長してほしいものだ。

最近、調子を落としているという噂の高井治。確かに相当つらそうではあったが、テクニックと気合いでそれをカバーしていた。そのぶん、普段はおとなしめの演技がより熱いものになり、鬼気迫るファントムらしさが出たのはけがの功名か。しかし、そんな評価を受けるのは高井自身も不本意に違いない。俳優がベストの状態で舞台に出られるようにするのは劇団の仕事だろう。建前とはいえ「その日に最高の状態の俳優を舞台に立たせる」と豪語しているのだから、調子の悪い俳優が何日も何週間も舞台に出ているのはあまりにおかしな話ではないか。最近の四季のキャスティングはますます変だ。

終演後の特別カーテンコールは、まず支配人2人が出てきて簡単なスピーチ。その後オペラ座の誇るバレエをお楽しみいただく。それからキャスト陣が舞台上を歩きながらかわるがわるごあいさつ。これはどことなくハロルド・プリンスの演出を微妙にぱくった感じで面白い。どうせなら全員が同時にしゃべって何を言っているのかよくわからないものにしたらもっと面白かった。そして俳優達が客席に飛び出してのマスカレードで大いに盛り上がる。最後に満を持してファントムが登場し、全員でカーテンコール。なかなか感動的だった。何より、以前はカーテンコールでも見られなかった花代スマイルが120%炸裂していて、たまらない可愛さだった。

この花クリスなら、また近く観に行きたい。大阪楽しいしな!

記念週ということで、会場内の至るところにバラが飾られていた。

「オペラ座の怪人」WEBサイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/operaza/index.html

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コメント

なんとなく「遠征されるのでは?」と期待してました。
私は3日に観ました。四季ファンとは名乗れないほど久々に…
ある意味鬼気迫る怪人だったと思います。ハラハラしました、時々。
ほんとに最近の四季はどうしたんでしょう?たまに出会います。味のなじまない煮物のようなキャスティング、、、。
「昔は良かった…」と呟きたくなります。…ガスのように。

投稿: らべたん | 2008年5月 7日 (水) 00時25分

 いつも楽しく、興味深く、拝読しております。

 私も3日に観劇しました。祈るような気持ちで高井さんを拝見していて、きっとご自身が一番不本意では、最も現状を正確に評価されているのでは、と思っていたところ、同様のことをお書きになっていて、思わず書き込みました。

 こんな消耗の仕方、誰かの時にも感じたと思い出しながら、ヤボオさんがその時「勝って、そして去った」とコメントをしておられたこともよぎりました。
 
 花代さんは、本当に本当に美しいです。短期間であちこちにというキャスティングに??ですが。
 
 また、慧眼のレポート楽しみに拝見させていただきます。

投稿: mituko | 2008年5月 7日 (水) 21時06分

らべたんさんこんにちは。

そうですね、ガスのようにせめて「今の芝居もいいけれど」と言えるぐらいであってほしいものです。

大阪は楽しいのでついつい足を運んでしまいますが、考えたら去年のクリスマス以来でした。

投稿: ヤボオ | 2008年5月 7日 (水) 22時47分

mitukoさんこんにちは。こんな好き勝手なブログを読んでいただきありがとうございます。

高井さんにはまだ燃え尽きてほしくないものです。まだまだ、俳優として多くの味わいを出せる人だと思うので。カヤパも、検事も良かったですからね!マシュー役も話題づくりでなく、実現してほしいですな。

投稿: ヤボオ | 2008年5月 7日 (水) 22時52分

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