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2008年5月31日 (土)

AKB48チームK 4th Stage「最終ベルが鳴る」公演初日

ひまわり組公演終了後、約1カ月の準備期間を置き、満を持してチームKの新公演「最終ベルが鳴る」が初日を迎えた。熱いKファンの申し込みが集中したこの公演だったが、ありがたいことにメール抽選に当選し、入場することができた。

今年に入ってからのド新参である自分にとって、チームKの公演は初めてである。過去の公演のDVDは観ているが、チームKには映像では伝わらない魅力があると聞いていた。メンバーひとりひとりの個性が光るチームAに対し、Kはチームの結束力で魅せる、一種体育会系のノリが特徴と言われる。それに伴ってファンの団結も強く、公演は大いに盛り上がるのだという。

この日も、公演開始前から「チームK」コールがかかるなど、会場内のボルテージはいきなり最高潮だ。オーバーチュアがかかると、ひまわり千秋楽のときをはるかに上回るファンの声が響き渡る。なるほど、確かに独特の雰囲気がある。

そしてついに始まったチームK「最終ベルが鳴る」公演。

開始してすぐ、感動、というより強烈な衝撃を受けた。その迫力はあまりにも圧倒的だったのだ。

これがチームKというものか。

女の子らしい可愛いメロディーが似合うチームAに対し、力強くカッコいい曲でアピールするのがチームKのカラーだ。それは分かっていた。そのカラーを極限まで高めた曲を、オープニングでいきなり4曲ぶつけてきた。
衣装は、AKBらしいスクールガールな制服と、アーミーファッションを融合させたような斬新なコンセプトだ。そして曲は重低音の効いたコシのあるサウンド。さらに照明も素晴らしく、あの設備でここまでの表現ができるのか、というほど凝ったものだった。

そして全力で歌い踊るメンバーたち。チームKの何たるかを全員が正確に理解し、体現している。オープニングで体力を使い切ってしまうのではないか、と心配になるほど、激しい動きをこなしていく。客席のすさまじい熱気をはるかにしのぐパワーが、舞台から客席に向かって振りそそぐ。

オープニングでこんなに感動したのは、「ライオンキング」を初めて観たとき以来ではないか。

その感動に打ちひしがれ、呆然としているところでMCに突入。メンバー全員、息がかなり上がっている。それでも手抜きはしない。それがチームKだ。

続いてのユニット曲は下記のような編成。カッコいい曲から、だんだん妙な方向に変わっていくのが面白い。

①秋元才加、梅田彩佳、成瀬理沙、野呂佳代
②奥真奈美、小野恵令奈、早野薫
③大島優子、倉持明日香、増田有華、宮澤佐江
④大堀恵、河西智美
⑤小林香菜、佐藤夏希、松原夏海

①はモーニング娘。の「Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~」のように、男役、娘役に分かれて歌う曲。秋元・野呂が男役だ。個人的には野呂の娘役も見たかった(かな?)。②で、ようやくかわいい感じの曲が登場。えれぴょんの可愛さに思わず身をよじる。③はキラキラ衣裳のいかにもアイドル的な曲。ここまではいい。

衝撃が走るのが④のコンビで歌う曲だ。チームK2nd Stage「青春ガールズ」の「禁じられた2人」同様、女の子同士の恋愛を歌った曲だが、その過激さにおいて、禁2の比ではない。前回は大島優子&河西智美だったが、何しろ今回は大堀恵&河西智美である。冒頭から、大堀は河西の体をいやらしい手つきでなでまわす。「マンマ・ミーア!」を観たことがある人は、二幕冒頭の「UNDER ATTACK」でサムやハリーらがドナの体をなでまわすシーンを思い出してほしい。あんな感じだ。

だんだん観ているうちに「いいのか?これ」という気になってきた。服は着ているものの、ほとんどレ○ビアンショーではないか。様々ないかがわしいものに精通した自分がやばいと思うぐらいだから、これは相当にデンジャラスである。

そして、曲の感想ではセリフも入る。これがお互い、自分自身をデフォルメしたような演技、つまり大堀恵が「めーたん」を、河西智美が「とも~み」を演じるかのような濃いセリフ回しで、正直、爆笑である。この公演、劇場支配人が前方の壁際でずっと真剣な表情で見守っていたが、この場面ではこらえきれずに笑っていた。

とにかく、何だかものすごいものを見てしまった。この曲が終わって暗転したあと、会場はしばらく騒然となり、あちこちで「これすげーな」「いいのかよ」という声が聞こえていた。

その衝撃が冷めやらぬうちに、小林、佐藤、松原が登場して始まるのが⑤の曲。小林&佐藤がいる段階で、まともな曲ではないことは自明だ。衣装も、「コードギアス 反逆のルルーシュ」第14話でC.C.が来ていたような、可愛いんだか危ない人なんだかよくわからない微妙なもの。案の定まともな歌ではなく、なんと「会員番号の歌(おニャン子クラブ)」「女子かしまし物語(モーニング娘。)」「ワッショイB!(チームB)」のような、メンバー紹介ソングだった。それを全員ではなく、3人が順に紹介するというパターン。これは新しい試みだ。このジャンルは秋元康の発明ともいっていいが、さすがファウンダーである。

このあとのMCでは、やはり④の曲の話題でもちきり。各メンバーのコメントにその衝撃度が読み取れる。

増田「体が固まるって、こういうことなんや」
秋元「ゴハンが食べられなくなった。なんかお腹いっぱいになっちゃって」
佐藤「見学してた研究生がみんな恥ずかしがってたんだけど、そのうち一人は手で顔を覆っていた」

そして大島はつい「あの曲、見てて面白いじゃないですか」と口をすべらせてしまう。もちろんセリフの部分を指していったものだ。河西はこの言葉に激怒していたが、すいません、優子が正しい。

さらに、河西は「実は最初の振り付けはもっとエッチだった」と明かした。これはさすがにまずいだろ、ということで数回振り付けが変えられたそうである。初期バージョン、ぜひ観てみたいものだ。今後公演を重ねるうちに、エスカレートしていくのか、あるいはおとなしくなっていくのか。注目していきたい。

後半戦もKらしい力強い曲が続き、アンコールの最後はチームKの団結力をたたえる感動的な曲で終了。本当にあっという間に時間が過ぎていった。まさに息つく暇もなかった。

とにかく、公演全体が、レビューショーとして非常に完成度の高いものになっていた。素晴らしいショーを観ると、本当に気分がよくなる。ショーでこんなに気分が良くなったのは、クリスマスシーズンのニューヨークで観た「ラジオシティ クリスマス・スペクタキュラー」以来だと思う。

そしてこの公演は、「チームK」ということが、ひとつのテーマにもなっている。「Kらしさ」を徹底的に追求したのがこの「最終ベルが鳴る」公演なのだ。

AKB48の当初の企画では、ファン投票でスターを育成しよう、という考えがあったようだ。それを考えると、「チーム力で魅せる」というスタイルが登場してくることは、全く想定外だったに違いない。しかし秋元康は、AKBを壮大な実験としてとらえているようで、そうしたイレギュラーを積極的に発展させようとした。そして作ったのが「転がる石になれ」というチームKのテーマソングであり、それによってチームKの体育会的な方向性はより明確になり、メンバーとファンとの意識が共有されることとなった。このあたりの秋元のテクニックはさすがと言っていいだろう。

結果として、チームAが比較的当初案に近い雰囲気を持ったまま成長しているのに対し、チームKはAKBの「亜種」として独自の進化を遂げてきた。南斗聖拳における南斗水鳥拳のようなものだ。今回の公演は「AKB48 チームK」のひとつの到達点を示したものだと思う。

チームA、チームK、チームB、それぞれ異なるカラーを持って独自の進化を遂げることで、AKB48全体がより強い生命力を持つことになる。さらに地方展開の第一弾として、名古屋に「SKE48」を誕生させることも決まった。AKB48のプロジェクト自体、決してビジネスとして成功しているわけではないが、それでも秋元は拡張の手を緩めない。単に面白がっているだけなのか、あるいはその先の勝算が見えているのか。今後、ますます目が離せなくなってきた。

終了後、大堀恵から事務所移籍の発表。一瞬卒業か、と思わせる演技でまんまと騙された。

AKB48のホームページ
http://www.akb48.co.jp/index.html

<追記>

その後観たときの記録。

河西智美が休み。研究生の畑山亜梨紗と北原里英が出演。また梅田彩佳のサポートで指原莉乃も登場。「おしべとめしべと夜の蝶々」は成瀬理沙が河西の代役。野呂の登場を期待していたが、これはこれでいい。ラストで大堀が成瀬に派手なキス。おいおい、なるるは大人っぽいけどまだ中学生では?考えてみると問題ありそうな・・・。(6月27日)

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2008年5月24日 (土)

四季「マンマ・ミーア!」ちえドナキタコレ

最近、四季のキャストの動きが激しい。動きは激しいのはいいことだが、情報が十分に開示されないため新しいキャストを見たいという「異常な観劇態度」で劇場に向かうと空振りする。先日は五十嵐可絵が「赤毛のアン」のダイアナ役に名前を連ねたので自由劇場に行ったらその週は結局登場せず。でもまあ田邊真也のギルバートが見られたからいいか。そのまま「ライオンキング」に流れると、お目当ての田村圭ちゃんナラは目撃できたが、楽しみにしていた藤川和彦ティモンと飯村和也シンバがなんの前触れもなく変更に。またそれで出てきたシンバがかなり「・・・?」な出来だったのでとうとうエントリーを上げそびれてしまった。一方、海劇場では第三のエルファバとして今井美範が登場。翌週月曜の段階では樋口麻美とダブルではあったが名前が残っていたので、まあ新エルフィーに問題なければバトンタッチするんだろうと踏んでチケットを確保したところ、翌日には名前が消えていた。

と、これだけ冷たい仕打ちに会えばいい加減学習しそうなものだが、今度は井上智恵がドナデビューというニュースが。まだ鈴木ほのかとのダブルだが、土曜マチネにヤマを張ってチケット確保。新幹線も予約。本当に懲りないものだ。

しかし、今回は幸運にも新ドナにめぐりあうことができた。まあマチネがほのかドナだったら、サイゴン行きの前にもう一回見ておきたいと思っていたところだしそれはそれで良しとして、そのままソワレに居残るつもりではあったが。

さて、この日のキャストは以下の通り。

ドナ・シェリダン 井上智恵
ソフィ・シェリダン 谷内 愛
ターニャ 八重沢真美
ロージー 青山弥生
サム・カーマイケル 渡辺 正
ハリー・ブライト 味方隆司
ビル・オースティン 脇坂真人
スカイ 玉城 任
アリ 丸山れい
リサ 木内志奈
エディ 坂本 剛
ペッパー 鎌滝健太

井上ドナは、福岡公演の制作発表でアナウンスされたにもかかわらず、結局登場しないまま終わっていた。それがついに名古屋でデビューだ。

最初はまだドナには若いんじゃないかとか、いろいろな声があった。しかし井上智恵という人はエビータにしろアイーダにしろ、新しい役につくたびに賛否両論が上がるものの、実際に演じると反対意見はなりを潜めるケースが多い。それだけの実力者だということだ。だから今回も不安はなかった。

果たせるかな、井上ドナは実にナイスなキャスティングだった。

登場してすぐ、ルックスについての「若すぎる」という懸念は払拭された。もともとどちらかというとおばさん顔(失礼)だったこともあり、気が若くてオシャレな、かわいいおばさんといった印象だ。

演技はさすがにソツがない。まだデビューして数公演目のはずだが、もうすっかりドナになりきっている。笑いの間の取り方も合格点だ。

そして何といっても井上の魅力は歌だ。「Money, Money, Money」でさっそくその伸びやかな声を披露。保坂知寿や早水小夜子の声が頭に残っているので、低音の響きが弱いように感じるが、別にそれはこの曲に必須というわけではない。そしてそのぶん、高音がキレイに伸びる。ABBAの曲の、純粋というかある意味素朴な魅力がストレートに伝わってきて心地いい。それが炸裂するのは「Super Troopers」だ。井上のクセのない声を中心に、ロージー、ターニャの声がとてもきれいにそろっており、何だか聞いていて感動を覚えた。

二幕に入ると、歌より演技で見せるシーンが多くなる。最大の感動シーンであると同時に、ドナとソフィの生きる姿勢が交錯するというこの作品の特異点でもある、髪を梳き、ウェディングドレスを着せる場面。ここでは少し「若さ」が出てしまったか。友達感覚の母娘、というのが近年増えているようだが、このドナとソフィはまさにそんな雰囲気で、ドナの寂しさがぐっと涙を誘う、という情感が不足していたようにも感じる。

しかしアンコールでは、ほのかドナに不足していた「動き」、つまりキレのあるダンスで大いに客席を沸かせていた。この人、昔はアイドル歌手になりたかったんじゃないか?というぐらい、実にサマになっていた。

全体的には期待以上の素晴らしいドナで、今後が非常に楽しみだ。鈴木ほのかドナは、ある程度完成した状態で出てきて、今後どのようにこなれていくか、という楽しみがあったが、井上ドナはまだまだ余裕というか、伸びしろを残した状態だと思う。エビータも、アイーダも、井上は演じるうちにどんどん役を自分と同化させ、演技の完成度を高めていた。どういうドナに成長してくれるのか、わくわくする。

鈴木ほのかドナは、また帰ってきてくれるだろうか?ぜひこの役に定着してほしいものだ。ほのかドナと井上ドナは強力なツイン・ダイナモで、やや営業的に苦戦しているこの作品をけん引してくれることを願ってやまない。

さて、この日は前回ほのかドナを観たときと比べ、だいぶキャストも入れ替わった。サムは渡辺正。彼についてはこのあたりでさんざん書いているのでもう書くこともないが、しばらく顔を見ないとまた見たくなる、不思議な役者だ。相変わらず歌は苦しそうで、演技も下手だからご安心を。ひょうひょうとした味方ハリーは大阪以来。そして最近は「ウィキッド」のアンサンブルで渋い演技を見せていた脇坂真人がビル役に登場。舞台映えのする体格と、全身からあふれるワイルドさが実にビルらしい。しかし演技やセリフはとても丁寧なので、それがまたジョークが下手で、不器用なビルのイメージにつながる。まだまだ固さはあるものの、実に味のある役者だと思う。これからどんどん前に出てきてほしいものだ。スカイの玉城任も久しぶりに見た。セリフや歌の声が苦しそうなので、渡辺サムと一緒にいると、実はお前がサムの子だろ、と指摘したくなる。青山弥生&八重沢真美のコンビはもはや名人芸の域に達しているし、愛ちゃんソフィーは大阪のころよりどんどん娘っぽく、キュートになってきた気がする。いや、正直むちゃくちゃかわいい。これ以上追いかける女優を増やすのは財政も人間も破綻するから避けたいところだが・・・。本当にハナにつく鎌滝健太ペッパーは大好きだし、エディにはかつて「夢から醒めた夢」で暴走族を演じていた坂本剛。これがまたいい。川口雄二のややオジサンが入ったエディも好きだが、坂本エディにはどこか凄みがある。かつて本島でやんちゃしてたけど、今じゃドナの姐さんのもとでカタギとして頑張ってます、みたいな感じだ。

そうした中、弱いのがアリ&リサである。ここの人材不足が深刻だ。マンマ・ミーア!は、親世代(女)、親世代(男)、子世代(女)、子世代(男)の4象限が絶妙のバランスで均衡し、それらが互いにぶつかったり、入れ替わったりして面白さを出す、というところに脚本の妙がある。自分がこの作品を心底気に入っているのも、そのあたりに理由がある。だから、アリ&リサにももう少し存在感を出してもらわないと困る。それに、オープニングのシーンはこの2人が笑いを取ってくれないと、観ているこっちが恥ずかしくなってしまう。誰かいないのかなあ。萌絵リサとかさー(最近どこいった?)。花嫁アリとかさー。つか佐藤朋子は花嫁とジリアンしかさせてもらえんのか?まあそれでも役があるだけ幸せかも。

この日の公演は、何だかとても楽しかった。いや、マンマ・ミーア!という作品はもともと楽しい作品なのだけれど、これまでにない、リラックスしたのびやかな雰囲気が舞台から漂っていたのだ。四季の舞台はいつもピリピリした緊張感があり、それが舞台の魅力に他ならないのは事実だが、こういう空気もまた悪くない。それが、新ドナの影響なのか、カンパニーの組み合わせなのか分からないが、恐らくその両方だろう。

ぜひ名古屋公演をいい形で終わらせて、また東京にも戻ってきてほしい。その前に中都市公演か?それでもいいぞ。広島とかまた行きたいしな!

マンマ・ミーア!のWEBサイト

http://www.shiki.gr.jp/applause/mammamia/index.html

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名古屋「コメダ珈琲」のシロノワール

名古屋に来ると、仕事でも遊びでも目的地以外に足を伸ばすことがあまりない。日帰り地域だから時間に余裕がないのだ。

今回は、もし余裕があったら名古屋らしい食べ物でも、と思って事前に詳しい人に聞いたところ、名古屋地域に膨大な店舗を構える「コメダ珈琲」を教えてもらった。

名古屋駅に最も近いのは、新幹線口を出てすぐにエスカレーターを下ったところにある地下街「エスカ」の中にある店舗のようだ。ただ、ここはいつも人気で行列ができている、と聞いていた。実際、この日も何人か外に並んでいた。ほかの店舗ではそんなことはあまりないという。

少し待って店内に入り、メニューを見る。ボリュームのありそうなパン料理や、ブーツ型のグラスや手作りマヨネーズのビンのような容器に入ったドリンクなどが食欲をそそる。

とりあえず薦めていただいたカツサンド、そして名古屋名物にも挙げられる謎のデザート「シロノワール」、そしてブレンドコーヒーを頼む。

ほぼ全部同時に来た。珈琲のおまけの豆菓子も一緒に。

Komeda

大きさ比較のために千円札を置いてみた。カツサンドもシロノワールともにだいぶでかい。

カツサンドはトンカツ屋さんではなく、お総菜屋さんで売っているような味わいのトンカツをまるごと1枚、キャベツとともに巨大なパンで挟んでいる。カツは揚げたてのようで実にうまい。肉は薄めだがそのぶん柔らかく、巨大メニューにありがちな食べにくさがない。3つに切ってあるのも親切だ。

カツサンドを食いながら、シロノワールの前衛的すぎるフォルムを目で味わう。

やわらかいデニッシュパンのうえにうず高くフルヘンヘッドしたクリーム。何というか、世界中の名だたるパティシエたちの日々の努力をあざ笑うかのような、繊細さのカケラもないデザイン。子供の落書きのようだ。

実は、この段階で自分はこのクリームはホイップクリームだと思っていた。しかし、カツサンドをぱくぱく食べているうちに、そのクリームの形が次第に変化してきた。

これはホイップクリームなんかじゃないッ!ソフトクリームだッ!

カツサンドを食べ進めるのをいったん中止し、シロノワールに手を出す。メインとデザートを同時に食わなくてはいけないという緊急事態だ。まあ旅行ではこういうこともある。

シロノワールもいいかげんでかいが、ちゃんと切り分けられているので問題はない。いや、問題はある。これはどう見たって一人で食べる分量ではない。今更どうしようもないので、覚悟を決めて一切れたべる。おおう、こりゃまた美味だ。デニッシュとソフトクリーム、という単純な組み合わせで、そこかわ得られる味覚は予想以上でも以下でもないが、デニッシュの暖かさとソフトクリームの冷たさが解け合う快感。そしてデニッシュの甘さとソフトクリーム甘さという、なんともぜいたくな甘さの競演を体験できる。

しかしここで次の問題発生。甘過ぎるのだ。コーヒーで流し込んでもかなり甘さが舌に残る。2きれほど食ったところで、またカツサンドへ復帰。むう、うまい。しかしカツサンドにとりかかっているうちにソフトクリームはどんどん溶けてくる。いかんいかん、とシロノワールを食べる。甘すぎる。カツサンドへ。

このスパイラルを繰り返しているうちに、さらに問題が。だんだん気持ちが悪くなってきた。どちらもとてもうまいのだが、一緒に食べ合わせるにはやや相性が悪い。それに何と言っても、それぞれが一食分をゆうに越えるボリュームだ。しかも、実は帰りの新幹線の時間がかなり迫っており、テレビチャンピオンのようなハイペースで食べていたのもよくなかったのだろう。

なんとか食べ終えて、ぶじ新幹線には乗れたものの、座った瞬間から自分は乗物酔いのような顔色になっていたと思う。

教訓。シロノワールは2人以上で頼みましょう。

デイリーポータルZのコメダ珈琲に関する記事
http://portal.nifty.com/2007/09/17/c/

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2008年5月18日 (日)

謎の整骨院

新宿区で発見。

 

Nazo

 

 

・・・すいません。↓のパクリです。リスペクト上野顕太郎。

Nazoyo

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2008年5月10日 (土)

映画版「ひぐらしのなく頃に」公開初日舞台あいさつ

ひぐらしのく頃に」実写版がやっと公開になるというので、池袋シネマサンシャインに初日の舞台あいさつを見学に行った。

自分は、「ひぐらし」のコアなファンではない。原点となったゲームは主要八編のうち「鬼隠し編」をプレーしただけで、マンガ・アニメ化されたものには手をつけていない。だからそもそもこの作品の全体を語る資格はないし、多くのファンから熱狂的な支持を受けている作品だけに、軽率に語ることは許されない。さらに言うと、自分がこのゲームをプレーしたのは昨年のことで、現代日本の誇る批評家、東浩紀氏が「ゲーム的リアリズムの誕生(動物化するポストモダン2)」の中でこの作品について触れていたのがきっかけだった。そこで美しい分析がなされているので、自分なりに考察してみよう、という気にもあまりならないのだ。

あえて単純な感想だけを言えば、大いに楽しいコンテンツだった。全く選択肢のないサウンドノベル、というのも画期的だが、やはりその世界観は魅力的である。主人公と4人の美少女の他愛のない日常を描く、というPCゲームの王道な展開を全体の6~7割で見せ、終盤いっきにホラー的な展開となって惨劇が繰り広げられる。自分にとっては、どちらかというと前半のどうでもいい6~7割がツボにはまった。それが、子供のころの「夏」の心理状態をリアルに思い出させてくれるものだったからだ。

子供のころの夏の思い出、というと、プールに花火に山登り…と楽しいことばかり出てくるが、実際に子供の時分、どういう心理状態だったかを考えると、必ずしもうきうきしてばかりはいなかった、というよりも「不安」「恐怖」が常に同居していたと思う。それには多くの理由がある。まず、言葉を聞くだけでわくわくする「夏休み」という単語は、常に「いつか終わる」という絶望的な響きを伴っている。そして、日本の夏は死について考える機会が多い。お盆はその最たるものだが、8月になると戦争に関する特集番組やドラマの放送が増えることも影響している。肝試しのイベントがあったり、お化け屋敷に行ったり、怪談を聞いたりするのも主に夏だ。目の前にあるのは楽しいことばかりなのに、いつもなんらかの不安の影が心の中には広がっていた。

このゲームの前半部分をプレイしていると、まさにそんな気持ちが味わえる。プロローグ部分で、バッドエンドを象徴するテキストを読まされているため、美しい女性4人に囲まれているという現実にはあり得ない楽しいシチュエーションに浸りながらも、それがいつ惨劇に転じるのか、不安は常に存在する。楽しさと、不安とのバランスがまさに少年期の「夏」なのである。そこにかぶさるひぐらしの鳴き声。田舎育ちの自分にとって、ひぐらしの声は夏の心理状態を発動するトリガーとして十分すぎる。ひぐらしはセミなので実は朝にも鳴くのだが、その大合唱で飛び起きることもあったぐらいだ。

というわけで、メディアミックスで大ヒットした要因についてはあまり理解できていないのだが、少なくとも自分にとってこの作品は好感の持てるものだった。

その程度のファンなのになぜ舞台挨拶にまで行ったのか。それはもちろん、AKB48チームKの小野恵令奈が出演しているからである。結局それかよ。

舞台あいさつは上映後ということで、まず本編を鑑賞。おそらく、思い入れのあるコアなファンにとっては、まず実写映像化ということ自体、なかなか受け入れにくいだろう。サウンドノベルは、読者の想像力によって完結するコンテンツであり、ファンが100万人いれば100万通りの「ひぐらしのく頃に」が存在しているのだから。すべての人が納得できるビジュアライズなど、到底不可能だ。

だが、ファンと名乗ることすらおこがましいレベルのライトファンで、かつ一般的に原作の映像化に寛大な姿勢を持っている自分としては、この映画もまた好ましいものだった。原作から受ける印象を、あまりいじりまわさずに、素直に映像化していると感じた。当初は8編全体をダイジェスト化したようなストーリーも考えていたのだそうだが、結局ほぼ「鬼隠し編」のみにしぼったことは正解だったと思う。それによって、前半のほのぼのとした日常生活や、美しいながらもどこかもの悲しさを漂わせる「雛見沢村」の風景に、ある程度の時間を割くことができた。個人的には、もっとそれらを強調してもよかったと感じたが、そこは好みの問題だ。怖いだけの映画ではなく、学生時代の日常をみずみずしいタッチで描いた、高校生映画(たとえば「ウォーターボーイズ」とか「スウィングガールズ」とか、最近で言えば夏帆の「うた魂」とか、ひと昔前で言えば大林宣彦の「青春デンデケデケデケ」みたいな、やや現実的でないサワヤカな映画。自分が結構好きなジャンルだ)のテイストをきちっと踏まえているところがいい。

ゲームをプレーしたとき、大いに震撼させてくれたレナの「嘘だッ」は、映画版でも重要なポイントとして使われているが、演出が過剰すぎて満員の客席から笑い声も漏れていた。

キャスティングも、最初は「あれ、魅音よりレナのほうが身長高いじゃん」とかいろいろ違和感があったが、見ているうちに気にならなくなってくるのは演出の勝利が、役者の努力か。ただ構成の都合上、沙都子と梨花は大幅に出番が削れられている。梨花にはまだ綿流しの儀式があるからいいが、沙都子はえれぴょんが演じてなければほとんど空気だ。だいたいセリフも最初の「私じゃありません」以外何かあったっけ?しかしえれの存在感は強く、立っているだけで絵になる。だからこそ、この役に起用したのか。

上映後に、お待ちかねの舞台あいさつ。主要キャストと監督、原作者が並び順にあいさつ。みな緊張のせいかたどたどしいあいさつで、いちばんはきはきと答えていたのが原作者の竜騎士07だった。小野も、AKBの舞台では人をくったように余裕の表情だが、いつもと勝手が違うのかやや緊張モード。途中で言葉につまって周りのメンバー、いや出演者に助けを求めたのは確信犯かもしれないが。簡単なあいさつと、学校シーンの撮影で、現地の子供たちと友達になったというえらくほのぼのとしたエピソードを披露していた。

この舞台あいさつを観ながら、何かに似ているなあ、と感じていたが、思い出した。「鬼隠し編」をプレーしたとき、本編シナリオ終了後に「お疲れ様会」として、ゲーム中に登場したキャラクターが「俳優」という設定で登場し、ストーリーやそこに秘められた謎などについてあれこれと意見を交わす、というおまけシナリオがあったのだ。本編の最後は超バッドエンドなので、あのお疲れ様会でだいぶ気持ちが救われた記憶がある。まさにこの舞台あいさつは、「お疲れ様会」の役目を果たしてくれた。

Higu

「ひぐらしのなく頃に」映画WEBサイト
http://www.higurashi-movie.com/

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2008年5月 5日 (月)

四季「オペラ座の怪人」日本公演20周年

オペラ座の怪人 高井 治
クリスティーヌ・ダーエ 木村花代
ラウル・シャニュイ子爵 岸 佳宏
カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグ・ジリー 宮内麻衣
マダム・ジリー 秋山知子
ムッシュー・アンドレ 寺田真実
ムッシュー・フィルマン 小泉正紀
ウバルド・ピアンジ 半場俊一郎
ジョセフ・ブケー 岡 智

せっかく大阪に来たのだ、日本公演20周年記念カーテンコールが実施されている「オペラ座の怪人」を観ない手はない。

去年のクリスマス以来、3度目の拝謁がかなった花ちゃんクリスティーヌ。昨年2回観たときとはだいぶ印象が変化した。以前は、プレアデス星団と交信しているような無表情さが目立っていたが、笑顔の割合がぐっと増えた。そして、クリスティーヌといえばファントムとラウルの間で揺れ動く役どころであり、演じる人によってどちらに心が傾いているが異なって見えるのが楽しさの一つだが、最新バージョンの花ちゃんクリスは、完全にファントム寄り。というか、はなっからラウルなんか眼中にないようだ。一幕の最後、屋上でラウルのプロポーズを受け入れるときも、直前までうっとりした表情でファントムへの想いを語っており、とうてい本気で婚約したとは思えない。オペラ座の地下に住むファントムのために、そのオーナーを籠絡しようとしているんじゃないか。そんな魂胆まで透けて見えるようだ。

二幕ではファントムの暴走に戸惑っている表情も見せるが、このクリスティーヌはファントムとラウルの間で揺れ動いているのではなく、エンジェル・オブ・ミュージックとファントムの間で揺れ動いているのである。ラストの決心も、エンジェルであろうとファントムであろうと、その存在すべてを母の心で受け入れよう、という決意のようだ。

このクリスティーヌの心の中に、ラウルは全くいない。これはこれで新鮮で面白い。

一方、放置プレイになってしまったラウルを演じたのは岸佳宏。スキンブルシャンクス役でフレッシュな魅力をふりまいていた彼がどういうラウルになるのか楽しみにしていた。ぱっと見のルックスは太川陽介のようだ。しかし、Lui-Luiを歌っていたころのキラキラした太川陽介ではなく、旅番組でローカル線に乗って温泉に入っているようなごく最近の太川陽介だ(それはそれで結構好きだ)。岸は芸大卒の声楽家だが、セリフの発音はやや苦しそうで、歌もセリフっぽい歌だとなんだかイマイチである。演技・存在感も発展途上という印象。より多くの役を経験して、大きく成長してほしいものだ。

最近、調子を落としているという噂の高井治。確かに相当つらそうではあったが、テクニックと気合いでそれをカバーしていた。そのぶん、普段はおとなしめの演技がより熱いものになり、鬼気迫るファントムらしさが出たのはけがの功名か。しかし、そんな評価を受けるのは高井自身も不本意に違いない。俳優がベストの状態で舞台に出られるようにするのは劇団の仕事だろう。建前とはいえ「その日に最高の状態の俳優を舞台に立たせる」と豪語しているのだから、調子の悪い俳優が何日も何週間も舞台に出ているのはあまりにおかしな話ではないか。最近の四季のキャスティングはますます変だ。

終演後の特別カーテンコールは、まず支配人2人が出てきて簡単なスピーチ。その後オペラ座の誇るバレエをお楽しみいただく。それからキャスト陣が舞台上を歩きながらかわるがわるごあいさつ。これはどことなくハロルド・プリンスの演出を微妙にぱくった感じで面白い。どうせなら全員が同時にしゃべって何を言っているのかよくわからないものにしたらもっと面白かった。そして俳優達が客席に飛び出してのマスカレードで大いに盛り上がる。最後に満を持してファントムが登場し、全員でカーテンコール。なかなか感動的だった。何より、以前はカーテンコールでも見られなかった花代スマイルが120%炸裂していて、たまらない可愛さだった。

この花クリスなら、また近く観に行きたい。大阪楽しいしな!

記念週ということで、会場内の至るところにバラが飾られていた。

「オペラ座の怪人」WEBサイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/operaza/index.html

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なんばグランド花月を見学

午前中の時間がばかっと空いたので、吉本興業の本拠地、年中無休のなんばグランド花月へ初めて行ってみることに。GWということで連日4回公演を実施中だ。

200805050734000

チケットはネットでも買えるが、直前に思い立ったのでもちろん売り切れ。当日券を狙い一回目9時45分開演のところ、7時30分ぐらいにやってきた。しかしまだシャッターが閉まっていて並ぶことができない。仕方ないので近くの金竜ラーメンで朝ごはん。

200805050743000

最近大阪での3食は朝→ラーメン、昼→お好み焼き、夜→ホルモン焼き、が定番になりつつある。

8時5分前ぐらいにまた行ってみるとシャッターが開いていて、「この看板から列をつくれ」という表示のところに並ぶ。一番乗りだ。8時10分ほどに2番目の方が並び、8時30分には20人ぐらいになる。9時の発売時点では40人ぐらい並んでいただろうか。この日、指定の当日券は1枚もなく、立ち見席を購入した。立ち見でも入れるだけでラッキーだ。

立ち見エリアは1階のいちばん後ろ。そんなに広くない劇場なのでそれなりによく見えるのだが、このエリアにかなりの人数が押し込まれるので、いちど場所を確保してしまうとトイレに行くこともままならない。数人で来ればなんとかなるのだろうが、一人で立ち見はちょっと厳しい。8時から並んで開演の9時45分まで、そしてそのあと終演の12時15分までずっと立っているのは体力的にも重労働だ。立ち見の最前列の人たちはみな床に座り込んで観ているが、そのポジションを確保すれば多少楽だったかもしれない。

とにもかくにも9時半になるともう前説がはじまり、場内がだんだん寄席の雰囲気になってくる。2時間半に及ぶ公演は、若手・ベテランの演芸が7,8組続き、10分の休憩をはさんで50分ほどの吉本新喜劇、という構成だ。

この日の出演者は、有名どころでは桂文珍、大木こだま・ひびき、中川家。文珍の話芸、特に客席と呼吸を合わせるその技術は国宝級だ。大木こだまは「お笑いスター誕生」でまだ「大木こだま・ひかり」だったころから見ていたが(当時自分は小学生)、最近「チッチキチー」のネタでついに全国区となった。生で観るとあのダミ声の迫力はすさまじい。中川家は大好きなコンビなので観られて嬉しかった。テレビでは控えめにしか披露したことのない北朝鮮ネタを大々的に披露。文珍も反日ネタを入れるなど、きわどいネタを聞くことができるのもライブならではの魅力だ。

お笑いスター誕生といえば、「Wコミック」を見られたことも貴重な体験だ。Wコミックは、田口れんじが相方を変えながら続けているコンビだが、お笑いスター誕生放送中にも相方を変えていた記憶がある。田口れんじ、と言ってわからない人も「いちにのさーんのしのにのご」の指芸をする人、といえばあるいは思い当たるかもしれない。あの地味な芸一本で30年近いキャリアを築いているのだからある意味偉大だ。

また、海原やすよ・ともこも楽しかった。海原一門というと、やはりお笑いスター誕生に出ていた海原さおり・しおりを思い出すが、彼女らと同様、大阪女性のかわいらしさと毒とを共存させる漫才は好感度が高い。ところで、この2人は海原一門の始祖であるお浜・小浜の孫ではあるが、師匠は中田ボタンであり正確には海原一門ではないのだそうだ。これは知らなかった。

そして大いに楽しみにしていた吉本新喜劇。最近は関東在住の自分もCATVで日常的に観ることができるようになった新喜劇をライブで観ることは念願だった。

この日の座長は小籔千豊。辻本茂雄や前座長の石田靖らの豪快なキャラクターとは異なり、ひょろりとした長身と細かい芸、緻密に計算した笑いで舞台の空気を創り出す、独特な雰囲気の芸人だ。若い座長が自分のセンスと、伝統的な新喜劇のメソッドを融合させて生み出すその世界は古くて新しい。大阪の人だけでなく、全国のファンが愛してやまないのもうなずける。

演目は「こやせん」で、「ごくせん」のパロディー。学園ものということで、無理のある制服姿が続出。前田真希ちゃんは先生役ということでセーラー服を着てくれなかったのが残念だ。

ベテランのギャグでは井上竜夫の「おじゃましまんにゃわ」を堪能。あと、何の芸もなく正式な新喜劇の団員でもないらしいがMr.オクレの異様な存在感に圧倒された。

新喜劇は座長によってだいぶ方向性が異なるという。ぜひまた足を運びたいものだ。

なんばグランド花月のWEBサイト
http://www.yoshimoto.co.jp/ngk/

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モーニング娘。コンサートツアー 2008 春 ~ シングル大全集!! ~

久しぶりのモーニング娘。単独コンサートのため、前日に続き大阪厚生年金会館へ。2日連続で同じ会場に行き、異なる公演を観るというのも不思議な感覚だ。AKBでは当たり前のことだが。

会場に着くと、完売にならなかったらしく当日券を販売している。ダフ屋もいるのだろうが姿が見えない。場内のグッズ売り場は、前日は規制入場を実施していたのにこの日は普通に入れる。さまざまな面で勢いのなさを感じつつ、何となく重い空気の中客席につく。

しかし空気の重さはモーニング娘。自体の失速ばかりが原因ではない。客席にいる観客の多くは、いずれもハローひと筋10年あまりといった百戦錬磨の面構えだ。きょうは、ハローの中でもモーニング娘。至上主義者の集まりである。まして今回は「シングル大全集」と銘打って、シングル曲はすべて歌うという。原理主義者が集まって教典を一気読みしよう、というイベントだ。そりゃ空気も重くなりますがな。

というわけで、やはり娘。の時代はもう終わってしまったのだな、としみじみ実感していた。コンサートが始まる前までは。

しかし一曲目の「リゾナント ブルー」が始まった瞬間、その認識は大きな間違いだとわかった。舞台が伝わってくるパワーが圧倒的である。前日のBerryz工房&℃-uteとは、何と言うか格が違うのだ。比べるのも申し訳ないぐらいだ。娘。がフリーザだとしたら、ベリキューはヤジロベーぐらいの戦闘力しかない。

観客席の盛り上がりもすごい。確かに昨日も大いに盛り上がっていた。しかしそれは、この日に比べたら「勝手に騒いでいた」と言われても仕方がないものだ。この日は違う。客席のエネルギーを舞台上の娘。たちが正面から着実に受け止め、それによって自分たちの力を増幅して客席に返す。そのエネルギーが客席を盛り上げて…という、盛り上がりのエコシステムとも言うべきものが形成されているのだ。客席との異様なまでの一体感。これこそモーニング娘。の真骨頂である。

大昔、アイドルというものはまさしく偶像であり、教祖であった。コンサート会場につめかけたファンは、教祖のありがたい歌声に、ただただ歓声を上げるしかなかった。一見相互作用があるようだが、よく見ると一方通行の組み合わせに過ぎない。

それを打ち破ったのがおニャン子クラブである。おニャン子クラブは、まさにその数の多さゆえに、客席とフラットな関係を構築することに成功したのだ。一人のアイドルのコンサートがどうしても独裁者の講演会のようになってしまうのに対し、たくさんのおニャン子たちが次々とステージに登場し歌い踊るコンサート形式は、より民主的に運営される立ち会い演説会のようになる。おニャン子クラブは、アイドル産業の民主化を進めたのだ。帝国主義的なアイドル界を、よりフラットで、Web2.0的なアーキテクチャーにシフトさせようとしたのである。

もっとも、おニャン子クラブ自体はそれを大成するには至らないまま解散してしまった。そしてそうした民主的なアイドルの方向性も、次第に忘れられようとしていた。それを拾い上げ、完成させ、日本独自のアイドル文化を育て上げたのが、モーニング娘。にほかならない。この「多人数アイドル文化」は、おニャン子クラブによって切り開かれ、モーニング娘。によって大成されたのだ。

この日目撃したのは、まさにその文化の継承者としての誇りに満ちあふれた9人の素晴らしいパフォーマンスである。そして体験したのは、その文化が生み出す他では味わうことのできない高揚感である。

公演の構成も良かった。全シングル36曲をすべて歌う、という無謀なコンセプトから、てっきりメドレーのオンパレードになるのだろうと予想していたが、とんでもない。もちろんメドレー化された部分もあるが、それはサビや歌い出しを適当につなげたありきたりのものではなく、そのほとんどできちんと1コーラス以上を歌っているのである。歴史を刻んできた曲を、一曲たりともおろそかにしないという姿勢には感動した。5・6期の5人がデビュー当時の衣裳を思い出させるチェックのスカートで歌った「モーニングコーヒー」には涙が出そうになった。

しかも、ソロやユニット形式で歌ったのはごく一部で、ほとんどは9人全員で歌っている。全員底なしの体力だ。振り付けもほぼリリース当時のものを再現しており、ジュンジュンやリンリン、光井あたりはさぞや大変だったろうと思うが、3人とも全く問題なくこなしていた。如才ない光井に至っては余裕すら感じさせていた。3人ともライブで観るのは初めてだが、ハローの旗艦であるモーニング娘。のメンバーにふさわしい能力の持ち主だ。最近かなりジュンジュンが気になっているので、ついつい注目してしまったが、モデル並みの長い手足をこれでもかとめいっぱい動かしており、好感を持った。デビュー当時の吉澤ひとみの動きを思い出させる。少し動きが荒っぽく感じるのは顔の位置がぶれるからだろう。高橋のように首から上の動きをぴたっと止めていられれば、その美しさがより映えるに違いない。

モーニング娘。の偉大さを実感できた、そして本当に楽しい素晴らしいコンサートだった。アイドルのコンサートというのはこういうものだ、というお手本のようだ。DVDが発売されたら、アイドルを目指す、あるいはアイドルを応援する趣味を持つすべての日本人が視聴すべきだと思う。

Hello! ProjectのWEBサイト

http://www.helloproject.com/

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2008年5月 4日 (日)

Berryz工房&℃-ute 仲良しバトルコンサートツアー2008春 ~Berryz仮面 vs キューティーレンジャー~

Berryz工房&℃-uteによる合同コンサートが実現。これは横浜アリーナでも観られたわけだが、ぜひこの企画は巨大なアリーナではなく、普通のコンサート会場で観たいと思い、大阪厚生年金会館にやってきた。同じ会場で、翌日はモーニング娘。のコンサートが行われるから、1泊すれば両方観られる。というわけで今年のGWは大阪に滞在決定だ。

自分がゲットしたのは「ファミリー席」の1枚。2階席2列目のほぼ中央という、全体のフォーメーションを確認しやすいなかなかのナイスポジションだ。ファミリー席は、小さい子供と親が一緒にそして着席して観覧できる(1曲目からみな立ち上がってしまうので)よう、ハローのコンサートではほとんどの場合に設けられている。だが、実際にはファミリーは数えるほどしかおらず、自分のように単に立って観るのがつらいオールドファンのたまり場になっているのが実情だ。そのほとんどが公演中はタイガー化している。もちろん俺も。

さて始まってみると、さすが勢いのある2チームだけあって、強いパワーに満ち溢れた舞台となっていた。互いのナンバーを2チーム合同で歌ったり、それぞれからメンバーを出してシャッフルユニットを作ったり、という変化に富んだステージ展開で飽きさせない。タイトになっている「戦隊パロディー」も、ヒーローショーの形態できちんと実践。「みんな、私と一緒にキューティーレンジャーを呼んで!」という須藤茉麻の要請に従って観客全員が声をそろえて「キュ~ティ~レンジャ~」と叫んだ瞬間は、どうも日本に未来はないな、と思ったものの、楽しかった。

両者を比べながら見ていると、昨年末レコード大賞新人賞を取った℃-uteのほうがより波に乗っている感じだ。勢い、というだけではない。ここへ来て、℃-uteの歌唱力はすでにBerryzを追い越していたことを実感した。矢島舞美、鈴木愛理、萩原舞という力強く、しかも正確に歌うことのできる3人のボーカリストが、ジェットストリームアタックで観客に迫ってくる。

また、感心したのが矢島舞美の運動量。交替で舞台に出ていくとはいえ、激しいダンスナンバーも数多く、後半はどのメンバーもややバテ気味になるが、矢島だけは全くその動きが鈍らない。まるで大きい高橋みなみのようだ。

公演全体の出来としては、久しくこの両チームをライブで観ていなかった自分のような者には実に満足度の高いものだったが、コアなファンにはややもの足りなかったかもしれない。もっと両者をダイナミックに融合させたような企画が欲しかった。シャッフルユニットはそのひとつだったわけだが、もっと数があっても、そしてより印象的な組み合わせがあってもよかったと思う。2006年夏のハロコンで実現した、田中れいな+夏焼雅+矢島舞美+村上愛による「好きすぎて バカみたい」のように。まあそこはワンダフルハーツに期待しろ、ということか。

7名+7名の14人による公演、ということで、ついつい1チーム16人で公演しているAKB48と比べてしまうが、歌に関してはAKBはハローの足下にも遠く及ばない。大人数のユニゾンで圧倒するだけでなく、ひとりひとりのボーカルを鍛えないと大きな会場でコンサートを開いても「イベント」の域を出ないだろう。逆に、MCについては客に近いところで場数を踏んでいるAKBの圧勝だ。今回の合同コンサートでは、アドリブの要求されるやりとりも盛り込まれていたが、それに応えられているのは梅田えりか一人である。

梅田といえば、ハロー!プロジェクトキッズの創世記を村上愛とともに引っ張ってきたというイメージがあるが、℃-uteではすっかり「干され」が定位置になってしまった。しかしそのキャラクターを前面に出せば、今後大化けするかもしれない。つんく♂プロデューサーはそれを狙って今まで干してきたのか?

ひとつ、ハロー!とAKBの人事交流とかできないものだろうか。交換留学生のような形でいいから。ハロコンにたかみなやみぃちゃんが登場したり、チームA公演に桃子や愛理が出てきたり。お互いに欠けている部分を認識できるいい機会になると思う。あり得ない話ではあるが。

いろいろ買っちゃったよ

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