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2008年4月27日 (日)

ミュージカル「レベッカ」山口祐一郎にはダマされないぞ!

※ばれますのでご注意ください。

マキシム 山口祐一郎
わたし 大塚ちひろ
ダンヴァース夫人 シルビア・グラブ
フランク 石川禅
ファヴェル 吉野圭吾
ベン 治田 敦
ジュリアン大佐 阿部 裕
ジャイルズ KENTARO
ベアトリス 伊東弘美
ヴァン・ホッパー夫人 寿ひずる

シアタークリエ初のミュージカル興行は、作詞ミヒャエル・クンツェ&作曲シルヴェスター・リーヴァイ、主演は山口祐一郎という東宝演劇の最強布陣で臨む「レベッカ」。ヒッチコック監督による映画版は観たことがなく、まったく予備知識なしで劇場へ向かった。クリエは「恐れを知らぬ川上音二郎一座」以来。

天涯孤独だった「わたし」が突然イギリスの大富豪・マキシムの後妻に迎えられ屋敷で生活するようになるが、誰もが褒め称える死亡した前妻について意外な事実を知り……というサスペンスタッチの作品だ。

シルヴェスター・リーヴァイらしい美しい音楽と共に幕が上がり、大塚ちひろの独唱。「ダンス オブ ヴァンパイア」の時より、また歌がうまくなっている気がする。「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」で長澤まさみと「モスラの歌」を歌っていたときはここまで歌の才能のある子だとは思わなかった。

ほどなく、えらく若づくりした山口祐一郎が舞台に登場。大富豪の英国紳士、というふれこみだが、英国紳士はともかく、大富豪にはちゃんと見える。どこか世間の常識とはズレた雰囲気が感じられるのだ。どことなく「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の中川がちょっと老けたようだ。そして上滑りしたようなセリフにぎこちない動き。

ものすごくヘンだ。

だんだん、中川というよりは京極夏彦の京極堂シリーズ第7段「陰摩羅鬼の瑕」に出てくる“伯爵”のように見えてくる。つまり、単なる世間ずれしていない金持ち、ということではなく、常識を知らないがゆえにとんでもない陰惨な事件を起こしそうな、いや、もう起こしているのではないか、という不安がもくもくと頭の中にわいてくる。そしていきなりの求婚。「わたし」を愛しているとは微塵も思えない。やはりこれは第二幕の惨劇へ向けた序章に違いない。

しかし、それは山口祐一郎の仕掛けたワナだった。

確かに、2幕に入って隠された真実、マキシムの過去が明らかとなる。しかしながら展開は決して陰惨ではなく、全体的にはイイ話で終わる。後味も決して悪くない。

ヤツにダマされたのだ。見事なまでに。

この日本語版以外の公演を観たことがないので何とも言えないが、あそこまで怪しい演技は脚本で指示されていないのではないか。舞台を観たあとにヒッチコック版の500円DVDを購入してみたが、やはり多少の影はあるものの、マキシムの「わたし」への愛情はそれなりに感じ取れる。だからこそ、後半、その苦悩が明らかにされたときの「わたし」の気持ちが痛いほど分かるのだ。オリジナルの演出はその線に近いのではないかと想像できる。

ではなぜ、ヤツは勝手に演技を変えたのだろう(まあ、山口祐一郎にはよくあることだが)。恐らく、そうすることで第一幕がダレるのを避けようとしているのではないか。この舞台、一幕が85分あるが、やや展開がもたつくきらいがある。あの山口の演技によって、後半のあんなことやこんなことを想像しなければ、ちょっと眠くなってしまう。

そして、この作品全体が、サスペンスというよりもラブロマンスの色彩が強く、後味はやや甘めである。もちろん、そういうものを求めている観客も多いのだし、それはそれでいい。しかし、あの男はそれでは満足できず、もうひと味加えてやろうと考えたのではないか。少なくとも、自分はあの妙な演技によって大いに楽しんだし、自分の間違った想像と、実際の展開のギャップに驚くこともできた。

作品を平気でねじ曲げる山口祐一郎。いろんな意味で期待に応えてくれる男である。

テイストはやや甘めではあるが、音楽を含めて完成度の高い作品だ。この公演自体もボーカルの確かな俳優がそろった、なかなかの出来だと感じた。石川禅やシルビア・グラブはさすがの安定感だし、KENTAROの歌とひょうひょうとした演技も印象的だった。彼にはぜひ、「オペラ座の怪人」でムッシュー・アンドレを演じてほしい。

シアタークリエといえば、7月の「デュエット」のプロモーション映像をロビーで流していた。久しぶりに映像で見る保坂知寿さまが超かわいい。さほど興味が沸かない作品だと思っていたが、こりゃやはり観なくてはいけないようだ。

クリエのロビーは非常に狭い。休み時間中は、つながっているシャンテの地下のカフェがおすすめだ。

「レベッカ」のウェブサイト
http://www.tohostage.com/rebecca/index.html

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コメント

うわー!すごく観たいですね!!
私も山口氏の怪演にはいつも踊らされるクチです。

特に印象深いのは劇団四季時代の「westside story」。

映画版のトニーに輪をかけたようなぼんくら100%のトニーでした。保坂さんが痛々しいほど可憐に見える、ヌボーっとしたトニーでした。これならうっかり恋人の兄貴殺しちゃうよね、っという感じの。

レベッカもぜひ観にいきたいと思います。

あ、ちなみに「魔法にかけられて」私もみました。
メンケンLOVEの私には、夢のような映画でした。
スーザン・サランドンの魔女芝居は「101」のグレン・クローズ@クルエラとかなりいい勝負だったと思います。

投稿: はにわ | 2008年4月27日 (日) 23時29分

初めまして。いつもこちらを楽しく読ませていただいています。

四季時代を全く知らない、レベッカにも素直に感動した山口ファンですが、山口さん=怪優説に膝を打って納得してしまいました。
ご本人の変人度が高い上に(笑)、万人に均質に伝わりづらい演技をされる方なので、ダイコンと揶揄されることもあり寂しい思いをすることも多いのですが、今回のご感想は新鮮な視点で嬉しかったです

投稿: waterperiod | 2008年4月28日 (月) 00時19分

はにわ様

おお、山口トニー、観てみたかったです。トニーっつうよりトニー谷みたいな感じでしょうかねえ。

「魔法にかけられて」はメンケン好きのウィキッド好きのディズニー映画好きにはこたえられない贅沢品です。はやくDVD欲しいです。

投稿: ヤボオ | 2008年4月28日 (月) 23時29分

waterperiod様

こんにちは、はじめまして。妙なブログを読んでいただき恐悦至極です。

山口祐一郎は本当にただの変人なのか、理解の範囲を超えてスケールが大きいのか、よくわかりません。まあ、どっちだとしても私は好きですよ。

もっといろんな役に取り組んでほしいです!

投稿: ヤボオ | 2008年4月28日 (月) 23時33分

師匠今晩は。血圧はその後大丈夫ですか。
『レベッカ』レポ、非常に楽しく拝見させて頂きました。理由あって、私も初日が開けてから既に3.5回観ておりますが(1回は遅刻して2幕から)、つくづく山口氏はすごいと思います。いろんな意味で。(もしかしたら、とてつもないコメディセンスの持ち主なのかも?)
先に、ヒッチコックの映画版を随分以前に観ていたので、まさかこんなに笑える要素のある舞台に仕上がるとは、予想しておりませんでした。いや、なかなかどうして、面白い作品です。

投稿: ゴンタ | 2008年4月28日 (月) 23時43分

ゴンタさんこんにちは。

もうそんなにたくさん観たとはすごい!

確かにストーリーを知っていると、とくに前半の演技は爆笑ものですね。私も次に観るときは笑いにいきます。

何しろ彼は、レ・ミゼラブルにも勝手に笑いを追加してしまった「前科」がありますし。

投稿: ヤボオ | 2008年4月30日 (水) 02時21分

こんばんは☆
私も「レベッカ」3回観ました。
山口さんの久々の人間役はステキだったり謎だったり・・・
ヤボオさんレポを読んで、少し謎がとけたかも?です(笑)
この作品はかなり気にいって原作も読んでしまいました。
6月末までにあと何回観るのか?と思うほどはまっていますが、回を増すごとに迫力が増しているので今後も楽しみです

それから、8月はモーニング娘。+宝塚の「シンデレラ」が新宿コマ劇場でありますよ~
キャスト未発表なので、私も観るかどうかはわかりませんが、AKBばかりでなくハロプロも見てあげてくださいませ~(笑)

投稿: ルナルナ | 2008年5月 4日 (日) 22時30分

ルナルナさんこんにちは。

「久々の人間役」というとなんだか坂元健児みたいで笑えます。ジーザスやファントムといった強烈なキャラクターを演じることで力をつけてきた俳優ですから、普通の人間を演じる難しさを経験しつつも、またとてつもない役にチャレンジしてほしいものです。

>AKBばかりでなくハロプロも見てあげてくださいませ~

かしこまりました。さっそく大阪に来てます。

投稿: ヤボオ | 2008年5月 4日 (日) 23時13分

こんにちは。はじめまして。
”山口祐一郎にはダマされないぞ!”のタイトルに惹かれて
こちらにお邪魔いたしました。
私も四季時代を全く知らない山口ファンの一人です
山口さんの舞台感想はLOVEモードで書かれているものが多くて
客観的に書かれている場合は往々にして批判的で
愛情を感じないものが多いような気がするのですが
こちらではレポの中に愛情を感じました
読んでいてとても楽しくて、コメントさせていただきました。
千秋楽まであと1ヶ月をきりましたが
まだまだ観劇に行く予定です。
今後LOVEモードではなく、違った目線で観劇できそうです。ありがとうございます

投稿: 末吉 | 2008年6月 4日 (水) 17時08分

末吉さん、こんにちは。こんなうさんくさいブログを読んでいただき恐縮です。

私のあの男への愛を感じとっていただき光栄です!これからも我が道を突き進んでほしいと思っております次第です。

東宝ミュージカル以外の舞台にも出て欲しいですね。劇団新感線とか?

投稿: ヤボオ | 2008年6月 5日 (木) 00時48分

ヤブオ様、こんにちは。
”うさんくさい”なんてとんでもない!
すっかりヤブオ様のブログのファンになりました。
これからもよろしくお願いいたします。

新感線!いいですね~
一体どんな風にイジられちゃうのか、想像するのも楽しい

ところで、一つ質問が・・・。
ブログタイトルの「見学商売」ですが、やはり「剣客商売」からきてますか?
時代劇もご覧になるのですか?
時代劇好きの私としては、気になるところです

投稿: 末吉 | 2008年6月 6日 (金) 19時13分

末吉さん、こんにちは。ヤブオです。

タイトルはそんなところです。当初毎年のようにタイトル変えていましたが、さいきん考えるのが面倒になっていてそのままになってしまいました。

タイトル画像だけでもそろそろ変えようかと思います。

投稿: ヤボオ | 2008年6月 7日 (土) 00時34分

こんばんは。
レベッカにも大変惹かれますが…
ミステリーな舞台でデュエットのイベントを見ました。

久々の知寿さんホント良かったですよ!!
あのちょっと鼻にかかった可愛い声、スタイル変わってませんでした。(皺も2本くらい減っていたような…)

1年半の休暇・給油の効果はあったと思います。
作品自体に興味はありません(笑)が、これは行くしかありませんよ!!!

投稿: らべたん | 2008年6月21日 (土) 23時21分

らべたんさんこんにちは。

このイベント楽しそうでした。石井一孝もイベントではスパークする人と聞いてますし。

今回演じる女流作詞歌はぶっとんだキャラクターみたいですね。ちょっと楽しみです。

投稿: ヤボオ | 2008年6月22日 (日) 22時20分

よくぞ書いて下さいました
さして昔からのファンではありません 劇場ごとかっさっらって行きかねない歌声に引かれてファンになりましたが この人は金毛九尾の狐(ってありますよね)じゃないかと思ってました
ほんとに気分よく 上手に化かしてくださる
カテコで出てくると ア~今日も又してやられたって感じさせる それがお仕事なんですが・・・

ダークスーツのカテコより1幕冒頭の白いスーツのマキシムとわたしをもう一度みてみたかった とても衝撃的でしたし あのスタイルで品格を感じさせるのはなかなかのモノです

投稿: カボチャ | 2010年5月 2日 (日) 22時47分

カボチャさんこんにちは。

レベッカ帝劇版、どうなんでしょう。また見たい気もちょっとしてます。

ヘンな奴オーラも、使いようによってはミステリアスという形容詞に置き換えられるということなのでしょうな。

投稿: ヤボオ | 2010年5月 3日 (月) 22時31分

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