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2008年3月16日 (日)

ディズニー「魔法にかけられて」復活!メンケン&シュワルツコンビ

予告を観るたび、早く鑑賞したい気持ちでいっぱいだった「魔法にかけられて(Enchanted)」がやっと公開。

これがディズニーのセルフ・パロディー作品であることはプロモーションでさんざん語られている。自分もそれを大いに楽しみに行った。

冒頭の十数分のアニメーションは、ウォルト・ディズニー・クラッシックスをミックスして煮詰めたようなプリンセス・ストーリーで、これだけでもディズニー作品に親しんでいる人なら大爆笑である。まあ親しんでなくても、コテコテの2次元アニメなので、ああディズニーのアニメーションっぽいなあ、とは感じていただけるはず。

最近はディズニーのアニメといえばピクサーの3DCG作品ばかり。それはそれで好きで、ジョン・ラセターは最も尊敬している映像作家の一人だが、やはりディズニーは2D(といってもデジタルで描いているには変わりないが)にこだわってほしいような気がする。

プリンセスが現実世界のニューヨークに舞い降りてからは、ことごとく「夢と魔法の王国」のお約束が覆されることで笑いを誘い、そこがこの映画の一番のみそになっている。

感心したのは、現実世界の視点でファンタジーを笑うというパロディーと、ファンタジーの視点で現実を見るという逆方向のパロディーとが同時進行で進み、それがラストできれいにつながるという美しい脚本の構造だ。

そしてその、2つの世界観を行き来するという設定を、無理なくスムースに観客に受け入れさせているのが、「リトル・マーメイド」「美女と野獣」「アラジン」で、90年代にディズニーアニメ復活をもたらした立役者、アラン・メンケンの曲だ。メンケンがディズニーに曲を提供したのは「ヘラクレス」以来10年ぶりだそうだ。

「リトル・マーメイド」で、メンケンはディズニーアニメ独特のミュージカルメソッドを捨て去り、ブロードウェーミュージカルの手法をアニメの世界に持ち込んで大成功を納めた。そこで生まれた新しいディズニーアニメのミュージカルメソッドを、今度は実写に展開してみせている。今回のミュージカルシーンのハイライト「想いを伝えて」は、「アンダー・ザ・シー」を初めて観たときの衝撃と同じぐらいエキサイティングだ。

そして歌詞を担当しているのはスティーヴン・シュワルツ。言わずと知れた「ウィキッド」の作詞・作曲の人です。この2人は「ポカホンタス」「ノートルダムの鐘」でもコンビを組んでいる。

このコンビの復活、というだけでも嬉しいが、なんだかディズニーミュージカルとウィキッドがタッグを組んだようで、ミュージカルファンにはなんともこたえられない仕上がりになった。

さらに言えば、ナレーションを担当しているのは世界のミュージカル女優の頂点に立つ、ジュリー・アンドリュース。何度も自慢するけど、彼女の「ビクター・ビクトリア」を俺はブロードウェーで観てるからね。そして、シュワルツの友情出演か、「ウィキッド」エルファバ役のオリジナルキャスト、イディーナ・メンゼルも緑ではない顔で参加している。歌ってはいない。

というわけで、ディズニー映画好きとして観に行ったが、途中から完全にミュージカル好きのモードに切り替わっていた。ディズニー好きかミュージカル好き、あるいはその両方の人は必見の映画といえるだろう。

なんだか、このまますぐ舞台にもできそうな映画だ。それ、実際にアリエル、いやあり得るかも…おやじギャグは自粛しよう、ただでさえおやじなんだから。

Maho

主演に、エイミー・アダムスといういまいちピチピチ感の欠ける女優を起用したところが実にいい結果を生んだ。

「魔法にかけられて」WEBサイト
http://www.disney.co.jp/movies/mahokake/

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コメント

私も見ました!
すごくよかったですよね!
とにかく笑いっぱなしで泣きっぱなしで
その感情をどのように表現すればいいのかわからないのですが
ヤボオさんの記事を読んで、
そうそう、こういうことこういうこと!
と思わず共感しましたw

突然ですが
いつも本当に楽しんで読ませて頂いてます。
これからもたくさんレポお願いします!笑

投稿: 凛 | 2008年3月17日 (月) 22時55分

凛さんこんにちは。

脚本、演出、音楽、キャスティング、映像技術、すべてが一流で、計算され尽くした見事な仕事ぶりでした。

こういうのがハリウッドの底力なんでしょうね。

何回でも観たい、傑作だと思います!

投稿: ヤボオ | 2008年3月17日 (月) 23時38分

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受信: 2008年3月30日 (日) 19時47分

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