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2008年2月 2日 (土)

リドリー・スコット+ラッセル・クロウ+デンゼル・ワシントン「アメリカン・ギャングスター」

*だいぶバレますので、これから観る人は読まないでください。
 でも、映画はぜひ観てください。

先週、実写版「魁!!男塾」を観たが、もし男塾の映画化権をハリウッドが買ったとしたら(100%ない話だが)、監督はぜひリドリー・スコットにお願いしたい、とかねがね考えていた。だから、今週彼の最新作を観るというのにはまこと勝手な話ではあるが奇妙な偶然を感じていた。

何しろ「ブラック・レイン」「グラディエーター」を始め、数々の匂い立つようなオトコの映画を撮ってきた監督だ。そのリドリー・スコットが、ラッセル・クロウとデンゼル・ワシントンという、これまた侠気あふれる当たり役をこなしてきた2大スターの対決を描くというのだから、これは「魁!!男塾」以上に男のための男の映画になっているのに違いない、と期待するのも当然だ。

だが、始まってみると、想像とはやや異なっていた。

実話をベースにしているからか、あまり過剰な演出はない。2人の男の生き様を、比較的淡々としたタッチで描いて物語は進む。2時間37分という大作だが、そのほとんどをこの人物描写に費やしており、実際に「対決」するのは最後も最後である。インタビューによれば、まず8週間ラッセル・クロウのパートを撮り、その後8日間2人の共演シーンを撮り、その後8週間デンゼル・ワシントンのパートを撮ったのだそうだ。

家族の幸せのため、仕事は仕事と割り切ってどんな悪事も冷静にこなす麻薬王フランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)と、仕事への責任感は誰よりも厚いが家族のことは後回し、という刑事リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)。その対称的な2つの人生を交互に描いていく、という構成はどこか「ゴッドファーザー2」を思いださせる。淡々とした演出ではあるが、カメラワークやシーンのつなぎ方といった基本的な部分の高い技巧と、そこに2人の役者のどんなにおさえてもにじみ出てしまう強いオーラが混じり、飽きさせずに見せてくれる。

でも、何かもの足りない。せっかくこの監督、この役者なのだから、もっとこうギラギラしたものが見たい。それに、人物描写をここまで時間をかけてやる必要が果たしてあるのだろうか?そんなことを感じながら観ていた。

しかし、そこはリドリー・スコットである。すべては計算されたものだった。

上映時間にして2時間を超えたあたりから、ようやく物語は緊迫の度合いを増し、次第に2人の人生が交差し始める。そして西部警察ばりの銃撃戦。さほど長くはないシーンだが、ここまで押さえたタッチが続いていただけに、実に効果的に観る者の気分を高揚させる。そしてついに、相まみえる2人の男。もうこの段階で上映時間は残りわずかだ。

ところが、真の物語は、実にここから始まるのである。

「実話」ではあるが、意表を突く展開。なるほど、そう来たかとにやにやしながらスクリーンを見守る。こういうことなら、長い時間をかけて2人の人生を描くことに力を注いだのにも納得である。

そして見終わったあとに残るのは、正真正銘オトコ映画を見終わったあとの、ちょっと濃いめの爽快感。いやあ、さすがはリドリー・スコット。期待を裏切りながら期待に応える、ハリウッドの名匠だ。お勧めの一本である。

ところで、リドリー・スコットといえば日本通で知られ、それが「ブラック・レイン」にもつながったわけだが(本人は日本のことを正確に理解しているようだが、映画上ではデフォルメしたイメージで描いている)、その作風にも、日本映画に通じるものが見て取れる。本作においては、フランクが麻薬ビジネスでのし上がっていく様子がそのままそっくり「仁義なき戦い」だ。彼が実際に仁義なき戦いを観ているかどうかは知らないが、デンゼル・ワシントンの演技に、小林旭を重ねて観ていたのは俺だけではあるまい。

この映画を観て、やっぱりリドリー・スコット版「魁!!男塾」を観たくなった。だって、終盤の展開はまさしく「驚邏大四凶殺」から「大威震八連制覇」への流れじゃないか!

Gyang

「アメリカン・ギャングスター」のWEBサイト
http://americangangster.jp/

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