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2008年1月12日 (土)

映画「劇場版BLEACH The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸」

昨年12月公開だが、時間が合わずに観ていなかった劇場版BLEACHを鑑賞。

今回は護廷十三隊十番隊隊長・日番谷冬獅郎をメインにしたオリジナルストーリーだ。日番谷の抱える重い過去を探る展開であり、BLEACHらしいポップな笑いは最小限にとどめられている。主役の黒崎一護もいつになく冷静だ。個人的には、もう少しお笑い要素が欲しかったような気がする。正月映画だし。

ストーリーはオリジナルだが、オリジナルのキャラクターは少なく、レギュラー陣の顔見世興行のような作品にもなっている。

といってもレギュラー陣の数が半端じゃなく多いので、かなり無理やり全員出した感が否めない。多くのキャラクターがセリフは一言、二言のみであり、十一番隊副隊長・草鹿やちるに至ってはセリフを発していない。

配役表を見ると、その少ない出番のために集まった人気声優・実力派声優・アイドル声優の名前がきら星のごとく並んでいる。この豪華絢爛さは正月映画にふさわしいと言えるかもしれない。

もともと、少年マンガはストーリーよりもキャラクターに依存しているものが多い。「ドカベン」しかり「キン肉マン」しかり。しかし、最近その傾向がますます強まっているような気もする。

これは東浩紀がかつて「動物化するポストモダン」で指摘した「データベース消費」、つまりマンガやアニメが、その物語や世界観よりも、脳内補完のための素材を提供するものになりつつある、という傾向に呼応したものなのだろう。その代表的な存在が「BLEACH」と「NARUTO」だと言える。

BLEACHの原作者である久保帯人は、絵が飛び抜けてうまいわけでも、ストーリーテラーとして卓越した技を持っているわけでもない。しかし、朽木ルキアに象徴されるように、実に魅力的なキャラクターを生み出す。そこに目をつけた編集者はさすがというべきか。最初はさして面白くなかったが、尸魂界編に入って、護廷十三隊という集団が登場したことにより、久保のキャラクター創造力が爆発して俄然面白くなる。何しろ13も隊があり、その隊長、副隊長だけで26人。平の隊士を入れるとその数は膨大だ。それらの人物をひとりひとり丁寧に描き出した結果、とてつもない面白さにつながった。ストーリーは別に血わき肉躍るようなものでもないのだが、個性的な死神による群衆劇は新鮮な刺激に満ちあふれていた。

同じことがNARUTOにも言える。NARUTOはキャラクターの動きはスピーディーだけど、物語の展開は結構もっさりしている。アニメーションになるとそのギャップがより明確になり、戦闘シーンは派手な画面展開で観るものを釘付けにするのに、話はなかなか進まない。三代目火影が大蛇丸に命をかけた大技をかけてから、その戦闘が終了するまでにいったい何週間かかったことか。

このキャラ全盛の流れが次に変わるのはいつになるだろう。その流れに真っ向逆らったことでヒットしたのが「DEATH NOTE」だったのだと思うが、結局これもLという稀代のキャラクターを生んだマンガ、ということで歴史に残ってしまいそうな勢いだ。そう簡単に時代は変わりそうにない。別に不満があるわけではないが、次のトレンドがどうなるのかは少し気になるところだ。

Gotei

↑この年齢で覚えるのはきつい。ミスター梅介のような記憶力が欲しいところだ。

「劇場版BLEACH」WEBサイト
http://www.bleach-movie.com/

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