映画「魁!! 男塾」舞台挨拶であるーっ!
※少しばれます。
実写版「魁!! 男塾」が初日を迎えた。ところが上映館数がえらく少ない。自分の住んでいる柏市はもとより、東葛地区、埼玉東部、茨城南部と拡大して考えてもひとつも見当たらない。仕方なく都心に出ることにしたのでどうせなら初日舞台挨拶を見学しようということに。
舞台挨拶が行われるのは新宿のシネマスクエアとうきゅうと渋谷のミニシアター、シアターN。ミニシアターのソフィスティケートされた雰囲気が苦手なので(大衆的な映画が好きなので)、新宿に行こうとしたが寝坊してしまい渋谷に変更。100席ちょっとしかないので座れるか微妙だな、と思ったがぎりぎり座席を確保できた。
上映開始前に行われた挨拶には、坂口拓(監督・剣桃太郎役)、照英(富樫源次役)、尾上寛之(極小路秀麿役)、山田親太朗(虎丸役)、麿赤兒(江田島平八役)のほか、「応援」として多数の出演者がかけつけにぎやかに進んだ。
インタビューは、くちぐちに「男の映画」「男くさい」「男ばっかり」「もう男は見たくない」と「男話」で盛り上がる。そのうち照英は「坂口、愛してるよ!」と叫び、麿は「男も磨き抜かれてくるとセクシーになってきて、尻のひとつも触りたくなってくる」と恐いことを口にし、だんだん妙な雰囲気に。男同士の友情と、ホモの世界の間には、そんなに明確な境界線はないのだろう。最後は麿の「上映開始であるーっ!」の号令で締めとなった。
それにしてもこの5人の組み合わせは絶妙で、照英がムードをつくり、山田が空気の読めない行動に出て周囲を不安にし、尾上が場をつなぎ、麿がおいしいところを持って行き、坂口がまとめる、といった分担。この役割が映画の中でもそのまんま演じられているから面白い。
この映画の物語は、原作の序盤となる男塾への入塾から「驚邏大四凶殺」までのエピソードを再構築している。自分は映画化されたものが必ずしも原作に忠実である必要はないと思うが、今回はその再構築作業を非常に丁寧に行っており、監督・脚本・主演の坂口がいかにこの原作マンガを愛し、敬意を表しているかがひしひしと感じ取れた。1本の映画にまとめるため、「四凶殺」を「三凶殺」にしたり、といったこともしているが、原作の精神をきっちりと理解して組み立てられていることで、あまり違和感も感じずに済んだ。
感心したのは、映画のクライマックスを、桃vs伊達臣人の戦いとオーバーラップさせる形ではあるが、一号生たちの大鐘音エール&秀麿の喝魂旗掲揚、つまり死地に赴いた同級生に向け、声も枯れよと塾生たちが応援するシーンに置いたことだ。男塾は基本格闘ギャグマンガだと思うが、そこには一種独特の魅力がある。その魅力を支えているのが、「男塾」という場であり、そこで暮らす馬鹿な生徒たちの熱い団結である。この映画では、格闘シーン以上に、そうした男塾の愛すべき面々を描くことに力を入れており、それによって「魁!! 男塾」の世界観を正しくスクリーン上で表現することに成功していた。
演技の面では、照英の富樫が出色の出来だった。最初このキャスティングを聞いたときは、ハマリ役だと思いながらも、実写版「魁!! クロマティ高校」のようなギャグ映画になるのかと思った。しかしそれは大きな見込み違いで、照英の演じる、熱さだけは誰にも負けない、そして誰にも愛される富樫は、この映画そのものと言っていいほど大きな存在感を示していた。正直、その表情には何度も涙を誘われた。本当の意味でのハマリ役だったのである。
本作のひとつの売りは、CGを使わない生身のアクションである。韓国映画の「火山高」やチャウ・シンチーの「カンフーハッスル」を観るたび、こういう手法で男塾を映画化したら面白いのになア、と感じていたが、最近そうした映画はやや食傷気味なので、今回のCGレスアクションは新鮮に感じられた。そして、若かりしジャッキー・チェンの「ヤングマスター」や「ドラゴンロード」などを思い出させる、懐かしい雰囲気もあった。
千葉繁のナレーションなど、男塾ファンならニヤニヤしながら楽しむことができる。また原作を知らない人にも、久々に登場した、男たちの馬鹿で熱い映画の傑作を存分に楽しんでもらいたいと思う。
映画「魁!! 男塾」のWEBサイト
http://www.otokojuku-the-movie.com/
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
何で誘ってくれなかったんすかー。
未だに見ておらずorz
今週末これ見てついでに戒、色でもみます。
投稿: kunedog | 2008年1月29日 (火) 21時28分
アーわりい。
じゃあこんど48劇場に連れてったるわ。
投稿: ヤボオ | 2008年1月29日 (火) 22時19分