四季「マンマ・ミーア!」福岡公演開催中
ドナ・シェリダン | 早水小夜子 |
ソフィ・シェリダン | 宮崎しょうこ |
ターニャ | 八重沢真美 |
ロージー | 青山弥生 |
サム・カーマイケル | 渡辺 正 |
ハリー・ブライト | 飯野おさみ |
ビル・オースティン | 栗原英雄 |
スカイ | 田邊真也 |
アリ | 山本貴永 |
リサ | 片瀬さくら |
エディ | 丹下博喜 |
ペッパー | 鎌滝健太 |
5月にマンマ・ミーア!福岡公演が開幕した。もう少し後で、新ドナでも登場してから観に行こうかとも考えていたが、来週からいろいろ始まってしまうこともあり、この週末に行っておくことに。
何かと理由をつけてはやってくる福岡、そしてシティ劇場にまたやってきた。すでに今年2回目だ。キャナルシティの名物、噴水ショーのBGMもダンシング・クイーンに変わっている。
さて今回のキャストだが、初見は八重沢ターニャ。これはよかった。前田美波里ほどの破壊力はないものの、実にターニャらしい雰囲気がある。森以鶴美のターニャがやや上品すぎるのに対し、八重沢ターニャはいい感じに下品だ。もともと目鼻立ちのはっきりしている顔なので、整形という設定にもマッチする。実生活で離婚もしてるしな。87年のことだったか、もう権利が切れて四季では観られない「アンデルセン(以前のタイトルは「ハンス」)」の舞台で、市村正親との夫婦共演をしていたことを思い出す。
山本貴永のアリは2回目だが、片瀬さくらのリサは初見。やや田舎くさい感じがリサらしい。ビルへの秋波は今いち伝わっていなかったが、今後も見守っていきたい気にさせるリサだった。
早水ドナは少し疲れていたようで、微妙に声がかすれ、歌い方もだいぶ変わっていた。だが、もともと早水の朗々と歌い上げる歌い方はこの作品に合わないと感じていたので、けがの功名といおうか、今回のほうがドナらしい気もした。演技面でも、間の取り方などだいぶ早水色が出てきており、大阪のころよりは進化が見られる。
進化といえば、しょうこソフィもだいぶよくなったのではないか。どこが、と言われても難しいが。五十嵐可絵ソフィを高く買っている自分としてはそちらに来て欲しかったが、そのへんは個人的な好みの問題でしかない。
田邊真也はこれで今年に入ってから3つの役で観たことになる。それだけのキャリアを積んだことで短期間で急成長したように感じた。自信を持って、のびのびと演技をしている。前は大学でたてのように見えたが、今回は本当に証券会社を辞めてきたような顔になっていた。
ほかのメンバーも、この日は満席に近い入りだったことも影響したか、非常に力が入っていていい公演になった。みな大阪の時より心なしか演技がオーバーになっている。渡辺サムもはじけていたし、鎌滝ペッパーは相変わらずハナにつく。栗原ビルは前回のセクシーなイメージをそぎ落とし、かわりにマヌケな雰囲気を注入。なんだか大泉洋に見えた場面が何回かあった。青山弥生はこれだけロージーを演じているのに、その日のカンパニーの雰囲気に合わせ演技を変えてくるのはさすが。「このチャンスどぉ?」では椅子の上を頭の位置を変えずに水平移動する栗原ビルの名人芸とともに、いつもの20%増しのクドい演技で大爆笑を買っていた。
全体的に、保坂知寿が中心になって完成させた「マンマ・ミーア!」をそのまま受け継ぐのではなく、再構成しなおそうとしている意気込みのようなものを感じた。もちろんセリフや演出は変えられないから細かい演技でしかそれはできないが。しかしその意気や良し。その気構えがあれば、いろいとろ曲がり角に来ている四季ではあるが、未来も開けてくる。
そんなわけで大いに満足した舞台だったが、ひとつだけ残念なことが。この劇場のバトンでは吊しきれなかったか、ラストシーンの大きな月が、写真の投影になってしまったのだ。マンマ・ミーア!は、太陽さんさん照りつけるエーゲ海の小島で巻き起こるドタバタ劇だが、その最初と最後に「I have a dream」という静かな曲、そしてやわらかな光で照らす月が登場して優しく包み込む。月は「美少女戦士セーラームーン」を引き合いに出すまでもなく古来から不思議な力を持つとされており、この物語全体が「月の光が引き起こした奇跡」と見ることもできるし、この月が全女性を象徴しているとも考えられる。どう解釈するにしても、あるいはしないにしても、この演出が非常に粋で気に入っていただけに悲しい。何とか、多少小さくなっても月を復活させてほしいものだ。
新キャスト登場があったら、また行くことになるだろう。それにしても「国内旅行」のカテゴリーは福岡と大阪ばっかりだ。カテゴリー名を「遠征」に変えなくてはいけないかも。
グランドハイアット福岡の地下1階にあるベーカリー「STAR26」で「マンマ・ミーア!ピザ」というパンを売っていた。どこがマンマミーアなのかよく分からんが、なんかパプリカとかトマトを使っているあたりが地中海なイメージらしい。
マンマ・ミーア!のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/mammamia/index.html
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
こんにちは。
マンマレポ、またまた楽しく読ませていただきました。
ありがとうございます。
東京の楽日がわたしにとっての最後のマンマなのですが、
あの時の最高のマンマからもっともっと四季のマンマとしてこなれているようで、
また観たくなりました。
真也さんのスカイ、特に再び観たいです♪
難しい役を演じるたびに成長される真也さんが大好きなのです(照)
そうそう、新しいLKのCMをご覧になりましたか?
周パパりさくママ花姉大ちゃん弟、というおいしい家族構成になっていました。
あのシンバはどなたでしょうか??
おわかりになりましたら、教えてくださいませ。
投稿: こえり | 2007年6月 4日 (月) 10時38分
マンマ・ミーア!は観るたびどんどん好きになる作品です。けっきょく東京よりも大阪、福岡で観た数のほうが多くなってしまいました。
田邊真也はいいスカイになりましたよ~もうこの役卒業かと思ってましたがまだまだ演じて欲しいです!
新CMまだ見てませんっ ネットで見られるようになりますかね?前の、紗乃めぐみちゃんのも好きでしたが。それにしても木村花代に藤原大輔の投入とは、すっかり見透かされてますな。
投稿: ヤボオ | 2007年6月 4日 (月) 22時49分
お返事ありがとうございます。
マンマは観るたびに新たな発見があるし、アンサだけ観ていても楽しめるし、
裏マンマ(大道具さんの動きとか)を見てても楽しいし、
メインのキャスも最高だったし、本当に飽きがこない作品ですよね。
知寿さまのドナしか観たことがないので、
早水さんや久野さんのドナをご覧になっていらっしゃることが羨ましかったりします。
東宝の某マリウス役者が期間限定(?)でハナちゃんを相手役に、スカイを演じているのを観ましたが、彼の落ち着きぶりに、
その時、初めて「スカイっておや●どんぶりじゃなくて、本当にソフィを愛しているのだなぁ」と思いました。
それまで観たスカイは若すぎたような気がしていたので。
ヤボオさんのおっしゃる「大学出たて」の感じが否めませんでした。。。
なにが言いたいのかと言うとですね・・・
年齢や経験を重ねた中堅にスカイをもっともっと演じてほしいな、と思うわけです。
真也さんには、まだまだこの役を卒業しないでいただきたいと、わたしも思います!!
さのめのOLも可愛かったですね。
いずこに・・・
あ。
このCMのハナちゃんは、ヤボオさんがお好きなハナちゃん・・・かもですよ♪
劇場ではまだ観ることができないのですね。
フジテレビ要チェックです。
(3回ぐらい観ましたが、全部フジでした)
投稿: | 2007年6月 5日 (火) 10時40分
おお、津田スカイを目撃したとは貴重ですね!
確かに最近のスカイは鈴木涼太以外は若すぎたかもしれません。
何をされるか分からない阿久津スカイにもまだ頑張ってもらわんと。
また客演にも期待したいですね。記念キャストで禅スカイとか・・・ないない。
投稿: ヤボオ | 2007年6月 6日 (水) 01時11分
禅ちゃんのスカイ、観てみたいかもです(笑)
でも、ナベサムと年齢差が・・・(汗)
あっくんとあさみちゃんの実生活もラブラブなのか?と錯覚させてくれるコンビもいいですよね。
津田っちは客演だったのですか?
当日券で行った日が津田ハナコンビで、がっつり芝居を堪能できました。
投稿: こえり | 2007年6月 7日 (木) 10時19分
ま、ムファサより年上のシンバもいたことですし。
投稿: ヤボオ | 2007年6月 7日 (木) 23時12分
またまた福岡ですね(笑)
なかなかのキャスト揃いでしたね。
それはそうと公式のジーザスレポ(*^_^*)
投稿: fudoh | 2007年6月 8日 (金) 00時37分
ほえ~楽しみだあ。
ライオンキングの新CMも動画アップされたし(あいかわらず怒ってる・・・)、トラフィック稼ぎまくりですな。
投稿: ヤボオ | 2007年6月 8日 (金) 01時07分
今見ました…
か、かわいい…
投稿: fudoh | 2007年6月 8日 (金) 01時55分
「連れてけー!」がポリーの表情に。
ええ、連れて行きますとも!
投稿: ヤボオ | 2007年6月 9日 (土) 01時59分