« 四季「キャッツ」阿久津ふたたび | トップページ | 劇団四季「ウィキッド」キャスト発表 »

2007年3月17日 (土)

四季「オペラ座の怪人」佐野だ苫田だ涼太もいるぞ!

オペラ座の怪人 佐野正幸
クリスティーヌ・ダーエ 苫田亜沙子
ラウル・シャニュイ子爵 鈴木涼太
カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグ・ジリー 今在家祐子
マダム・ジリー 秋山知子
ムッシュー・アンドレ 林 和男
ムッシュー・フィルマン 小林克人
ウバルド・ピアンジ 半場俊一郎
ジョセフ・ブケー 岡 智
ムッシュー・レイエ 喜納兼徳
ムッシュー・ルフェーブル 川知啓友

間もなく東京公演の千秋楽を迎えるオペラ座の怪人。東京にいるうちにもう一度佐野ファントムを見たいな、と思っていたが、ぎりぎりで再登場となった。そしてクリスティーヌも、やはりもう一度見たかった苫田亜沙子。そして未見の鈴木涼太。大変だ、こりゃ行かなくては!

キャッツのマチネ後、海劇場へ移動。なんて幸せな時間なんでしょう。過去に海(ファントム)→秋(エビータ)というアンドリュー・ロイド=ウェバー連続観劇は経験があったが、キャッツ→ファントムは初めて。世界で唯一、東京に住む者だけが許されたこの特権も、まもなく消えてしまうのは少し寂しい。あんた住んでるの千葉じゃん、という指摘はこの際スルーで。

佐野ファントムの印象は、あまり変わっていなかった。危なさよりも危うさのある、青春まっただ中のファントムには大いに好感を持っていたので、変わらないのは歓迎だが、何らかの変化を期待していたことも事実だ。しかし堅実に演技をこなす佐野だけに、演技が熟成されて新たな価値を生み出すまでには少し時間がかかるのだろう。

鈴木ラウルはイイとこのぼんぼんらしさが全開で、個人的には理想的なラウル。鈴木の演じた他の役との比較で言えば、スカイでもエンジェルでもなく、スキンブルシャンクスに近い。人間になりたがった猫・スキンブルが念願かなって人間になったら子爵様だったよ、という雰囲気だ。子供っぽさを強く残したラウルで、ラストのクリスティーヌの決意を眼にするシーンでは木村花代ポリーを一瞬思い出す口あんぐりでビックリを表現、続いて「振られちゃったよウワアアアアアアン!」とでも言いたげな泣き顔になる。こんなラウル、そりゃほっとけないわな。

佐野があまり変わっていなかったのに対し、苫田はいきなり変わっていた。大化けだ。前回観たときは、はち切れんばかりのバスト若さを前面に出した元気一杯のクリスティーヌで、自分は好きだけど一般的な評価はどうなのよ、と気になった。しかし、今回はそのはつらつとした魅力はそのままに、演技や歌に安定感が備わり、また雰囲気にも湿感が加わって観る者の心をがっちりと掴み取る強力なクリスティーヌに生まれ変わっていた。「夢から醒めた夢」のマコや「エビータ」のミストレスは残念ながら未見だが、そうした役をこなしてきたことがいい影響を及ぼしだのだろうか。正直「恐れ入りました」と言いたくなるほど素晴らしいクリスティーヌだった。これが苫田という役者自体の実力だとしたら、次の展開も大いに楽しみだ。グリンダ?まあそれも期待したいが、新エビータ候補にもなれるのではないか。井上智恵は「マンマ・ミーア!」に出なくてはならないし……。

沼尾みゆきも、前回観たときにもう完成してしまったな、という印象を持った。女優陣の成長は早い。女というものは、ぐずぐずしている野郎どもを置いてきぼりにして、どんどん先に行ってしまう。

芝居の中でも、ファントム、クリスティーヌ、ラウルの中で、最初に「大人」になるのがクリスティーヌだ。“Point of No Return”の中で、明確にそれが表現されている。続いて、ラウルがウワアアアンなあのシーンでファントムが大人になる。ラウルは、最後まで子供のままだ。

女は大人になるしかないけど、男には大人になる道と、子供のまま生きる道とがある。いや、その狭間でどっちに行こうかとうろうろしているのが男なのかもしれない。

「オペラ座の怪人」に男性ファンが多いのは、ファントムが「もてない男」世界代表として共感を覚えさせてくれるからだと思っていたが、どうもそうではないらしい。ファントムとラウルが表裏一体となって、情けない男の本質をまざまざと見せつけてくれるために、男性にとっては眼を離せなくなるのだ。

今回の3人の組み合わせは、自分にそんなことを考えさせてくれた。大阪ではどんなファントム、クリスティーヌ、ラウルが見られることだろう。今から楽しみだ。って遠征する気満々だよ。

Dvc00010

キャストボードを押しのけるように立っているウィキッドの看板。もうこの劇場の心はオズの国に飛んでいるようだが、千秋楽までよろしくお願いしますよ。

「オペラ座の怪人」のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/operaza/index.html

|

« 四季「キャッツ」阿久津ふたたび | トップページ | 劇団四季「ウィキッド」キャスト発表 »

コメント

初めまして。
いつも間口の広いトピック、楽しく拝見しています。
土曜に自分も同じ公演を観に汐留まで行ったもので、
初コメントさせていただきます。
オペラ座の怪人、何度観ても「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」の
後(?)ラウルとクリスティーヌがあははは~♪と笑いながら抱き合ってくるくる回る所でいたたまれなくなるのですが、土曜の組み合わせではすごく微笑ましく感じられました。またこのお二人で観たい!と思ったのでした。
くだらない事を書きましてすいません。
これからも楽しみに読ませていただきます。

投稿: ちゅんた | 2007年3月19日 (月) 22時50分

初めまして、こんにちは!こんなブログを読んでいただいて、大変恐縮です。

あの日にいらしたんですね。とてもいい公演だったと思います。大満足でした。

確かに屋上のシーンでは、あの60年代青春映画のような演出が不思議に似合ってしまうベタな二人でした。全体的にキラキラした若さのある舞台で、映画版にちょっと雰囲気近かったかもです。

これからも、どうぞ宜しくお願いします!

投稿: ヤボオ | 2007年3月20日 (火) 00時04分

福岡といい、ビミョーなキャス変のスキをついて無事観劇されたご様子でよかったですね!
レポ拝見して驚いたこと、苫田さんってそんなに良いんですか!?私はどの演目でもなかなかタイミングが合わずおそらく未見でイメージすらないです。エビータ・タイトルロールまであげられるということはものすごい評価ではないですか!こうなるとぜひ某マコのかわりに夢醒め全国でお会いしたいなぁと思います。

投稿: fudoh | 2007年3月21日 (水) 01時57分

苫田クリスは本当に良かったですよ。今回はその歌を聴きながら「なかなかいいじゃないか!」とアンドレ&フィルマンのようにニヤニヤしておりました。

苫田マコ、私も見たいんだけど全国公演はどうも某マコの気配が・・・ほかに演じられる役もないですし・・・

京都のキャス変は大ショック。チケットはもちろん、京都を目標にボウケンの手配までしておりました身としては。いや別にあさみん(誰だよ)が嫌いなわけじゃないですが。

投稿: ヤボオ | 2007年3月21日 (水) 21時15分

京都、同じく…大大大ショックですよ。私モロ今週、それも2列目センター予定でした。総キャンセルですよ!私も樋口さんが嫌なわけじゃないですがいまさら遠征してまで荒川×樋口コンビを観に行く気にはなれません(…いったい何度そのコンビで観たか。。)。ヤボオさんはキャス変しても行かれるんですか?

投稿: fudoh | 2007年3月21日 (水) 23時42分

はじめまして、こんにちは。男性の観劇レポは女性と視点が少し違ってまた面白いものですね。こちらのブログをいつも楽しく拝見させていただいてます。
 私も同じキャストで18日の公演観ました。苫田クリスについては同感です!本当によかった。出てきた頃はあまり評判がよくなかったと聞きましたが信じられないです。特にお墓でのシーンのソロ。力強くて情感に溢れてて。。苫田クリスはあの場面を境に大人になっていくという感じがよく出ていて私は大好きでした。それに男じゃなくてもあのバストには目がいきますね(笑)怪人からラウルを守るために両手を広げ立ちはだかる姿は小柄なせいか余計にジーンときます。
 前楽で高井ファントムとのコンビでも観ましたが、苫田クリスは佐野ファントムとの方が相性いいのかな。個人的には高井ファントム大好きなのですが、ペアとしては佐野さん苫田さんコンビの方が情熱的で引きこまれました。
 遠征はあまりできないので地方公演の感想なんか本当に嬉しいです。これからもたくさんのレポ、楽しみにしてますよ!

投稿: サーディ | 2007年3月22日 (木) 10時46分

fudoh様

そうですねえ、迷うところです。
せめて岡本ポリスでも出てくればちょっとは行く気になるんですが。
もちろんガールズで!!

投稿: ヤボオ | 2007年3月23日 (金) 01時05分

サーディ様

こんにちは、初めまして。コメントをどうもありがとうございます。ラスト1週のうちに佐野・高井ファントム両方をご覧になったとはすごい!演技も細かいところまで見ていらしてとても参考になりました。

ファントムは3人のうち誰が来てもそれぞれ魅力があるので、ハラハラしないで済みます。

思えばこの東京公演ではずいぶんたくさんのクリスティーヌが登場しました。高木クリスがもう観られないのがとても残念ですが、大阪でもいいほうにびっくりの新キャストを期待したいところです。

これからも宜しくおねがいいたします。

投稿: ヤボオ | 2007年3月23日 (金) 01時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 四季「オペラ座の怪人」佐野だ苫田だ涼太もいるぞ!:

« 四季「キャッツ」阿久津ふたたび | トップページ | 劇団四季「ウィキッド」キャスト発表 »