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2007年2月 4日 (日)

「Song & Dance HAMLET」オフィーリアに堀内敬子、沢木もおるでよ!

「ウィキッド」の発表以来、「やっぱりグリンダは堀内敬子だよなあ」とずっと考えているうちに、なんだかとっても堀内敬子が見たくなったので、北千住の「シアター1010」に安寿ミラ主演の「Song & Dance ハムレット」を観に行く。シアター1010は2003年のオープン以来多くのいい芝居がかかっており、何回か観るチャンスがあったがそのたびに都合が悪くなってキャンセルしていたため、これが初見学。座席数700とちょうどいい大きさ、段差も適度についていてなかなかいい劇場だ。

さて、このハムレットは、チラシに書かれた「歌って踊れる最強の一座が繰り広げる『ハムレット・ショー』」のコピー通り、ハムレットのミュージカル版だ。今年で3回目の公演だが、上演ごと好評を得て、進化しながら再演を繰り返しているという。

だが観てみると、想像していたよりずっとオーソドックスな「ハムレット」であり、むしろシェイクスピアはノドにつかえる、という自分のような初心者のために、音楽というオブラードで飲みやすく仕立てたような雰囲気だ。テンポよく進むハムレットではその悩みの深さが伝わらない、と感じる人もいるだろうが、逆にテンポよく展開しないと現代人には伝わらないものもあるだろう。演出も前衛的に過ぎることなく、ほどよい遊び心が心地良い。これは人気が出るのもうなずける。

さて、その「最強の一座」の面々。

ハムレット 安寿ミラ
ポローニアス・墓堀り 斎藤晴彦
クローディアス 沢木順
オフィーリア 堀内敬子
ホレイショー 石山毅
レアティーズ・ギルデンスターン 谷田歩
ローゼンクランツ 柄谷吾史
ガートルード 舘形比呂一
ピアノ演奏 宮川彬良

もと宝塚トップスターの安寿ミラに、もと四季の看板コンビ・沢木順と堀内敬子、アングラ劇場から帝国劇場まで、テリトリーの広さ日本一の斎藤晴彦、ピアノ演奏は宮川彬良ご本人。ほかにもそれぞれに人気とキャリアを備えた実力派ぞろいで、なるほど最強一座もあながち嘘ではない。

安寿のハムレットは、ハムレット役者にありがちな肩に力の入りすぎた演技とは対称的な、言わば自然体のハムレット。そこには清涼感さえ漂う純粋さがあふれており、それだけにその苦悩は観る者の心に痛いほどに伝わってくる。周りが濃いめの演技をする人ばかりだったので、その純粋さはひときわ輝いて見えた。

で、その濃いめの代表、沢木順。王位を簒奪した野心家を脂ぎった芝居で熱演していた。沢木はMCやインタビューなどで普通に話しているときはなんだかガダルカナル・タカのようなインチキくさい語り口なのだが、この舞台では銭形警部やメルカッツ提督のような(要するに納谷悟朗のような)ダミ声を披露。あまりにも分かりやすい悪役だ。こういう芝居がかった芝居をする人が、今の四季には欠けている。「アイーダ」のゾーザー役で一瞬四季にも参加したが、ホントに一瞬だけで終わってしまい残念。このクローディアスを観て、ますます沢木ゾーザーが観たくなったよ。

そしてオフィーリアを演じる我らが(←?)堀内敬子さま。純粋さと狂気との狭間に絶ち、強い意志の力でその境界線の一歩前に踏みとどまったハムレットに対し、脆さのために境界線を踏み越えてしまったオフィーリア。美しくも悲しいこのヒロインを、さすがの歌唱力と、四季退団後数々の経験を積んでますます研ぎ澄まされてきた確かな演技で創り上げた。その存在が、天が与えた奇跡としか想えないあの声で数十倍にも増幅し、観客席を覆い尽くす。まるで呪文でもかけられたように、恍惚としている自分がいた。

これは、もはや魔法だ。やはり北の魔女・グリンダ役にはこの人しかいない。もう俺の頭の中には堀内の歌う「Popular」が脳内合成された。自慢じゃないが、すごい出来だ。皆さんにお聞かせしたいぐらいだ。

「ウィキッド」のスタートキャストは座内で決めるようだし、堀内の夏の舞台ももう決まっているので、開幕には間に合わないが、ロングランになったらぜひとも実現してほしい。コゼット役だって、ずっと待ち望んでいたら現実になった。奇跡は再びは起きないだろうか?

Ham

「Song & Dance ハムレット」公演情報
http://www.majorleague.co.jp/kouen/2006_hamlet/index.html

堀内敬子ブログ
http://horiuchikeiko.cocolog-nifty.com/keiko/

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コメント

私もハムレット北千住公演行ってきました。
このレポを読ませていただいて、
何度もそうそう!と頷かせて頂きました。

自分も堀内さんのグリンダを思い浮かべる一人です。
ブロードウェイ版の声とイメージ、ピッタリですよね?笑

投稿: higashi | 2007年2月 5日 (月) 18時44分

higashiさん、こんにちは。
シアター1010にいらしたんですか。2公演しかなかったから、近くにいたかもしれません。

Wicked楽しみです。もし関東にいなくても、ひと月やふた月の公演じゃないですから、きっとチャンスありますよ。

それにしても、あの声で「ポッピュラ~♪」て歌って欲しいですのお。

投稿: ヤボオ | 2007年2月 5日 (月) 22時03分

堀内さんへの想いは深いご様子ですね(笑)
私は四季歴さほど長くないので四季舞台では拝見したことが残念ながらありません。
昨年でしたか映画で拝見したのが初めてでした。
四季時代、いろいろやられていたと思いますがご覧になって一番良かった役は何でしたか?

投稿: fudoh | 2007年2月 7日 (水) 00時43分

そうですねえ、ベルもジェニーもグリドルボーンも良かったですが、やはり1つ挙げるとすればマコでしょうか?
堀内敬子退団後の福岡公演では大ベテラン鈴木京子マコや幻の樋口麻美マコを観ましたが、うーんマコじゃない、と思ったぐらい(別に出来が悪い訳ではなかったのです)、大きな喪失感でした。

その喪失感を埋めてくれたのが誰であったかは、もうーおー分かりーのはずー♪

投稿: ヤボオ | 2007年2月 8日 (木) 00時41分

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3日に行ってきました。 『song dance ハムレット』の 初日公演。 場所 [続きを読む]

受信: 2007年2月 7日 (水) 17時13分

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