アル・ゴア「不都合な真実」
面白くない映画だ。
ただゴアが演説してるだけの映画だということは知っていた。そのつまらない題材を、どう面白くするのか興味があり、足を運んだのだ。
ところが、そこには何の工夫もなかった。地球温暖化の問題が重要なのは当たり前だ。それを多くの人に分かってもらうために、映画というエンターテインメントの手法を採ったことも理解できる。しかし、これでは映画になっていない。だから映画として評価することはできない。
「華氏911」がカンヌを取ったとき、審査員のクエンティン・タランティーノは「政治なんて関係ない。君の映画が面白かったから選んだ」とマイケル・ムーアに言ったという。その点、この映画は全く面白くない。
ただ、演説そのものは、うまくできている。なるほどプレゼン資料というものはこう作るのか、と感心もした。そして、恐らくゴアはアメリカの政治家としては演説はうまいほうではないんだろう。それをカバーするために、ブレーンやスタッフたちが開発したのが、このプレゼンスタイルなのだ。プレゼンテーションは、その人の個性に合わせて演出することが肝心だということもよく分かった。
だが、何の工夫もなく、その映像を撮っただけの映画を、映画と呼べるほど自分は寛容ではない。これはDVD化して、世界中に無料配布するべきものだろう。そのテーマは本当に大切なことなのだから。
「不都合な真実」のWEBサイト
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