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2007年1月 1日 (月)

NY3泊8本の旅・まとめ~新年のごあいさつ

いつ年を越したのかよく分からない状態になってしまったが、新年を迎えた日本に帰ってきた。

3日で8本の舞台作品を観る、という無謀なスケジュールだったが、全て遅刻もチケットのトラブルもなく楽しむことができたのは本当によかった。

それぞれの作品から受けた感想、そして総じて得られたものについてどう考えるかは、少し時間がかかりそうだ。しかしひとつ言えるのは、改めてブロードウェーで動く人、動く金の膨大さを思い知らされたということだ。

四季は都内に構える専用劇場(浜松町の「春」「秋」「自由」、汐留の「海」、五反田のキャッツシアターなどがそれぞれ近接していることから、それらをブロードウェーに見立てている。ちゃんちゃらおかしい話ではあるが、大言壮語は嫌いじゃない。少なくとも、セガがみなとみらいに計画している劇場を含む大型娯楽施設を「日本版ブロードウェー」と呼ぶことよりは、ずっと当を得ている。ブロードウェーとは施設の名前でもなければ劇場街の名前でもない(あえて言えば通りの名だ)。それはクリエイターの育成から最終的なショーの運営までを含む、巨大なエンターテインメント産業の称号だ。

いったい日本がそこまでたどりつくのにどれほどの時間がかかるのだろう。欠けているものはたくさんある。その筆頭はやはり人材育成、特に演劇界の古い常識を知り尽くしながらも新しいルールを作りだしていけるプロデューサーの養成は必須だ。ロングランに協力する劇場の確保、建設も必要だろう。箱ものが悪いのではない。そこにしか目を向けないことが悪いのだ。

しかし何より、マーケットの主役である消費者、つまり観客の数をどこまで伸ばせるか、ということを考えなくてはならない。これは極めて深刻だ。ブロードウェーでは、たいていマチネは2時、ソワレは8時にスタートする。劇場が隣り合っていると、入場待ちの列が入り交じってとんでもないことになったりする。そういう状況は、日本の演劇の現状からはとうてい考えられない。国内・海外からの観光客をより大量に招くことも、単に団体客誘致ではなく、より戦略的な行動として考え直す必要があるだろう。

いずれにしても、それは四季の力だけでできるはずはない。東宝や松竹、パルコ劇場、コマ劇場なども協力して知恵をしぼるべき問題だ。それら大手をスピンアウトした新しい勢力が出てきてもいい。文部科学省も、演劇文化の発展を考えるなら、伝統芸能に助成金を出すのももちろん大事だが、一般の産業と同様、競争環境の整備にもっと力を注ぐべきだ。

自分も、一人でも多くこの世界に興味を持ち、あるいはのめりこむ人を増やせるように、このブログを続けていきたい。そして、今年も周囲の人を強制的に劇場に連れていくことにする。

というはた迷惑な宣言をもって、新年のごあいさつと代えさせていただきます。

Matome

今回劇場で購入した数々。プログラム、CD、そして……なぜかドール一体。

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コメント

お帰りなさいませー(^o^)丿

正月はヤボオさんのブログでいわゆるカルチャーショックの連続でした。
とても行けない私は毎日楽しく拝見させてもらいました!
豪華な観劇ツアー、ここまでくると羨ましいを越え言葉がありません。
WICKED情報はとても参考になりました。
ヤボオさん、今回一番良かったのはどれでしたか?

投稿: fudoh | 2007年1月 7日 (日) 01時43分

ニューヨークは、遠征するにはやっぱり遠いのと、ホテルが高いのが難点ですよね。なんか高密度な年末を過ごしたおかげで、年明け早々燃え尽き症候群です。

今回はどれも楽しくて、はずしたのがなかったんですが、作品の質の高さではメアリー・ポピンズ、ビックリ度&個人的に好きなのはターザン。でも、もし自分が日本にどれを持ってくるか、と聞かれたらやっぱりWickedですね。きっとみんなに大好きになってもらえる作品だと思います。

投稿: ヤボオ | 2007年1月 7日 (日) 23時21分

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