« 2006年12月 | トップページ | 2007年2月 »

2007年1月28日 (日)

土曜ワイド劇場「混浴露天風呂連続殺人ファイナル~箱根・伊豆~セレブの夢が泡と散るバブルに踊った女たちの傷跡・さらば温泉刑事 最後の秘湯で愛を誓う!」

土曜ワイド劇場の看板シリーズ「混浴露天風呂連続殺人」が1月20日の放送をもって完結した。足かけ26年にわたり年に1本のペースで制作され、これが26作目となった。

古谷一行と木の実ナナの名コンビに、この10年あまりは火野正平も加わり、最強トリオで繰り広げていたこのシリーズ。古谷一行は年を追うごとにエッチになり、木の実ナナは変わらず派手な衣裳に身を包み、火野正平はすっかり脱衣キャラが定着しほかのシリーズでも意味もなく全裸になっている。この3人の名人芸がもう観られないと思うと実に残念だ。ぜひDVDボックスを発売してほしいものだ。

前回の放送で、いつも山口かおり(木の実)に振られて終わる左近太郎(古谷)が、振られずにエンディングを迎えたので、これで最終回かとも思ったが、次回で最終回、という伏線だったようだ。

最終回は18年前のバブル絶頂期からの時間の経過をモチーフにして、有森也実、洞口依子、辻沢杏子という、誰が犯人でもおかしくない女3人を中心に展開する。山崎銀之丞という怪しいオマケつき。キャストは微妙に豪華だったが、最終回だからといって気負った雰囲気もなく、意味もなく挿入される混浴シーンと分かりやすい展開で、いつも通りの作りだった。

だが木の実ナナが、実の娘である詩織(山田まりや)の結婚を見守りつつ、自分の幸せについても真剣に考えるようになるくだりはなかなか心を打つものだった。どこか「マンマ・ミーア!」のドナとソフィの母娘のようでもあった。考えてみると、5年ほど前に詩織を登場させたときから、エンディングが視野に入っていたのだろう。

いずれスペシャル版や、派生シリーズ(火野正平が主役とか)での復活も期待したいが、まずはご苦労様といったところだ。

最近はこういうお色気シーンを売りにした番組もめっきり少なくなってしまった。ビデオやCATV、CSなどが普及し、地上波でそこまでする必要がなくなったのだろう。しかしそうして分業が進む中で、ますます地上波がつまらないものになってきている。そう考えると、貴重なシリーズだったとも言える。

「十津川警部」や「船長シリーズ」は、キャストを入れ替えながら続いている。このシリーズも新キャストで再開しても面白いかもしれない。

Roten

ウィキペディアの「混浴露天風呂連続殺人」項目(放送リストあり)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月24日 (水)

劇団四季「ウィキッド」キャスト予想

いよいよ、四季による「WICKED」日本公演が発表になった。USJ、そしてブロードウェーへと予習に走ったあの作品が東京で上演される。カタカナ表記は「ウィケッド」ではなく「ウィキッド」。USJ版と区別をつけやすくていい。「ライオンキング」が映画作品を示す場合は「ライオン・キング」になっているのと同じだ。

初日は6月17日(日)。劇場はもちろん海劇場。チケットの四季の会先行発売は4月8日だ。忘れないようにしないと。

ネット上の情報をめぐると、記者会見でマーク・プラットは「浅利さんには最高のキャストで臨んでくれるようお願いしたい」と発言したらしい。「上演させて欲しけりゃこっちの言うこと聞けゴルア!」という、いかにもアメリカ人的な脅しだ。一方で四季側も「制作費はライオンキングを越える」とか言ったそうな。なんでここでライオンキングを持ち出す?つまり「あの銭ゲバディズニーよりカネ積んでるんだから、あとはこっちの好きにやるよーん」というメッセージなんだろう。

やっぱりもめてるんじゃないのか?

しかし、注目のキャスティングについては一切発表がなかったようだ。結局初日まで分からないということか。それまで半年も妄想してろというのか? 上等。 早速、大予想大会といこうじゃないか。

まず、自分の希望としてはこうだ。

<希望>

エルファバ 樋口麻美
グリンダ 木村花代
フィエロ 深水彰彦
オズ 広瀬明雄

前に書いた通り、この作品ではエルファバとグリンダのバランスが大事だ。「CHICAGO」でロキシーとヴェルマが対等でないと面白くないのと一緒である。そう考えると、いま一番バランスが取れるのはこの同期2人しかいない。個人的にもこの2人の対決が観たいことこの上ない。フィエロは、向こうで観ているうちに「これは深水さんだなあ」と直感的に思った。なので理由はない。オズは広瀬さんだ。抜け目ないインチキおやじ、といえばこの人の右に出る者はいないだろう。

次に、恐らくこうだろうな、という予想。

<予想>

エルファバ 濱田めぐみ
グリンダ 坂本里咲
フィエロ 福井昌一
オズ 川原洋一郎

グリンダが誰か、ということに限って考えれば、これはどう間違ってもやっぱり濱田めぐみなのだ。濱田の歌う「DEFYING GRAVITY」が海劇場にびりびりと響き渡るのを想像しただけで身震いしてくる。やはりこれは観たい、聞きたい。ウス味美人の濱田はどんなメイクも受け入れる。きっと緑の肌も似合ってしまうに違いない。

ところがエルファバが濱田だと、これを受け止めるグリンダ女優が問題だ。樋口、木村世代の少し上で、美人さんで、コメディエンヌの要素があるというと、これは里咲さんということになるのではないか。「アイーダ」のアムネリスを好演した五東由衣も候補ではある。

フィエロはどこか不器用なところがあり、それを考えると福井はぴったり。きっと男が共感するフィエロになるような気がする。

オズは、川原洋一郎が来そうな気がしてならないが、これは全国公演「夢から醒めた夢」のデビルを味方隆司に明け渡すことを前提に考えている。

これだとちょっとインパクトに欠けるかなあ。というわけで、インパクト勝負の妄想キャスト。

<妄想>

エルファバ 保坂知寿
グリンダ 下村尊則
フィエロ 阿久津陽一郎
オズ 芝 清道

もう年齢も性別も関係ない。保坂さんだってついこないだまでピコだったのだ。学生を演じたっていいじゃないか。グリンダの見せ場「POPULAR」で一番笑いが取れるのは絶対シモ様。男でも年増でもオールOKで迫りそうなのはやはり阿久津。そしてぜんっぜんオズのイメージはないが、とりあえず何かやってくれそうな四季の核兵器、キヨミチ投入。うおー、これ本当に観たくなってきたぞ。でも阿久津フィエロは少し現実味もある。

ほかの役としては、エルファバの妹、ネッサローズはとりあえずミストレスっぽいから(←やや投げやり)、苫田亜沙子、西田ゆりああたりか。そして彼女に仕えるボックは、有賀光一で決まり。これが一番自信がある。対抗馬としては藤原大輔だが、夢醒め全国公演があるからね。エンジェル縛りでしょう。

今回の会見では座内オーディションにしか言及していないようなので、客演があるかどうかは分からないが、ロングランになれば可能性は十分にある。そして、いま日本中でグリンダに一番ぴったりなのは堀内敬子だ。三谷幸喜の薫陶を受けて、見事にコメディエンヌとして成長した。グリンダは、美人で鼻持ちならない女だけど、どこか抜けていて、愛嬌がある不思議な魅力を持っている。まさに堀内にうってつけの役だ。何とか四季に戻ってきてはくれないものか。

しかし初日まであと5カ月、待ちきれないといえば待ちきれないが、それまでずっとこんな想像をしていられるなんてある意味幸せだ。このワクワク感は、ドラクエⅢの発売以来か?

公式ページ

http://www.shiki.gr.jp/applause/wicked/

| | コメント (6) | トラックバック (1)

2007年1月14日 (日)

新感線×市川染五郎「朧の森に棲む鬼」

ライ 市川染五郎
キンタ 阿部サダヲ
ツナ 秋山菜津子
シュテン 真木よう子
シキブ 高田聖子
ウラベ 粟根まこと
サダミツ 小須田康人
イチノオオキミ 田山涼成
マダレ 古田 新太

新感線の数あるバリエーションの中でもメインストリームである「いのうえ歌舞伎」の新作。そしてこれが5作目となる、市川染五郎を迎えての通称「新感染」公演だ。シェイクスピアの「リチャード三世」から主役の人物像を、日本の「酒呑童子」伝説からキャラクターの名前や設定を吸収しているが、基本的にはオリジナルストーリーである。染五郎が悪のヒーローを演じるとあって話題を集めており、これは観なくてはと新橋演舞場に足を運んだ。

この作品、何といっても役者の力量が強烈な印象を残す。まず主演の市川染五郎。映画にもなった「阿修羅城の瞳」の出雲も良かったが、今にして思えばあの役は日本のヒーローにはありがちな設定、つまり飄々としながら実は剣豪、軽薄そうに見えて心に闇を持つ、という人物像だった。歌舞伎役者にとってはお手のものだったのではないか。

しかし今回は舞台俳優なら誰もが憧れてやまない、世界演劇史上人気ナンバーワンの悪役・リチャード三世だ。リチャード三世はマクベスのような少し人間味のある悪役ではなく、純粋な悪党である。しかし、純粋な悪というものは、それがなぜかはよく分からないが、そこに滑稽さを感じさせるものだ。「DEATH NOTE」の夜神月がそうであるように。リチャード三世には人間味のカケラもないが、どこかユーモラスな風格を持ち合わせているために、芝居全体の雰囲気が重苦しくならず、むしろそのガッツな悪知恵ぶりに観客は拍手かっさいするのだ。かつて、と言っても1980年代末だからずいぶん昔だが、パルコ劇場で山崎努の演じるリチャード三世を観たことがある。そこで自分は、ぞくぞくするような恐怖を感じさせながら、客席から笑いを取るという、舞台俳優の名人芸を初めて目の当たりにした。

今回染五郎は、そうした難しさの要求される「純粋な悪」を見事に演じてのけた。悪でありながら愛嬌十分、もちろん色気もたっぷりだ。かといって観客がそこに感情移入することはきっぱりと拒絶する。どっかのビールのキャッチコピーのように、コクとキレが共存している。新感線は、どんなシリアスな場面でも平気で笑いを挿入し、しかも芝居を崩すことなく進めていくことに長けた劇団だ。この染五郎演じる悪役は、まさしく「新感染」の真骨頂とも言えるだろう。

そして、この主人公は常に野心をぎらつかせてはいるが、最初から純粋な悪なのではなく、物語が進むごとにずぶずぶと悪そのものになっていく。染五郎が、その過程をエッジを聞かせた演技で明確に表現しているのが実にいい。今回は俳優・染五郎の技術を存分に披露してくれている。

もう一人、主役の相棒を演じた阿部サダヲがまた素晴らしい。舞台上の阿部サダヲがいかにスーパースターであるかは観たことのある人なら誰でも知っていることだが、今回もまたそれを再認識させられた。基本的には馬鹿な役だが、徹底的な馬鹿というのは、悪とは逆に、悲しさを感じさせる。北島マヤが学園祭の舞台で端役の馬鹿娘を演じ、観客の涙を誘ったことを思い出してほしい。その馬鹿さ加減、そしてその悲しさ、もう演劇界で彼以上にこの役をこなせる人は他にはいないだろう。

そして彼らの側には秋山菜津子や真木よう子ら美しいヒロインがおり、その周りを古田新太・高田聖子ら新感線の豪腕メンバーが固める。いい役者をこれほど観られるとは何とも贅沢であり、その意味では新春にふさわしい公演だった。話がそれるが真木よう子はびっくりするぐらいかわいい。映画やテレビで観たことはあるけれど、これほど光る素材だったとは。彼女の舞台はぜひまた観たい。

芝居全体としてはどうか。

いのうえは、「髑髏城の七人」の2004年公演で「いのうえ歌舞伎」にいったん区切りを打ち、2005年の「吉原御免状」からを「いのうえ歌舞伎・第二章」と位置づけている。それはより人間ドラマに重きを置いた上でエンターテイメントを構築する、ということのようだ。エンターテインメントを否定するものではないのがいのうえらしく、また新感線ファンとしては嬉しい限りだ。

脚本の中島かずきがその意志をきっちりと受け止め、以前の伝奇性、SF性の強さを少し薄め、その分人物の描写を濃くしている。しかし決して説明的にならず、物語の展開や人物関係の構図、そして最終的には役者の演技でそれを観客に伝えようとするテクニックが鮮やかだ。恐らく「第二章」初めてのオリジナルストーリー、しかも新感線の前回公演がすさましい完成度を誇った宮藤官九郎脚本による「メタルマクベス」だったことで、座付き作家としては相当プレッシャーがあったに違いない。しかし心配していたほど肩に力が入りすぎた印象もなく、中島のスタイルを守りながら、新しい方向性に進もうとしている姿勢がいい形で脚本に現れていたと思う。

また、舞台美術においても大量の水を使った幻想的な演出など、アグレッシブな取り組みがあり、「第二章」にかけるスタッフの意気込みが伝わってくる。

ただ全体の印象としては、いのうえ歌舞伎が劇的に変わった、というほどではない。もはや作り手の発想の変化だけでは簡単に変われないほど、新感線の世界は確立してしまっているということなのだろう。しかしそれでいい。作り手の疾走するスピードで、観客やファンは走れない。これからも、我々を置き去りにしない程度に、次々と新しい世界を見せてほしいものだ。

年末ブロードウェイで日米の差をまざまざと見せつけられていたので、どうも年が明けてから舞台を観る気が減退していた。しかし、この作品を観てよかった。

日本には、新感線がある。

もはや日本演劇会の中心となった以上、彼らはコアなファンだけのものではない。なのに、この夏はきちんと「ネタもの」(馬鹿馬鹿しい設定とくだらないギャグだけで綴る爆笑劇)の新作を出してくるという。その驚異的な懐の深さは一体何なのだ。個人的には、ネタものが一番好きだから単純に喜んでますけど。

新感線のWEBサイト
http://www.vi-shinkansen.co.jp/

Some_1

終演後、ロビーで松竹の社員らしい人にぺこぺこ頭を下げている腰の低いサラリーマン風の人を見かけた。よく見たら三谷好喜だ。意外に背が高いなあ。その隣に上品な雰囲気の女性が寄り添っている。あれはきっと三谷の奥さんだな。…ん?三谷の奥さん?小林聡美だよ。とってもキレイな人でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月13日 (土)

築地場外市場

3連休に訪れた爆弾低気圧で体が動かなくなり、その後熱も出てまたぞろ体調が悪くなってきたが、週末になるにつれ回復してきた。寝てばかりいるのもよくないだろう、ということで上記エントリーにあるように新橋演舞場に行くことに。

開演は12時なので、それまでにごはんでも食べようと思ったが、付近の店はたいてい11時半オープンからだからあわただしい。演舞場の中にも店はあるが、開演前に営業しているかどうか分からない。だいたい1人で「雪月花」はちょっときつい。

というわけで、ほど近い築地の場外市場へ久しぶりにやってきた。昔ならラーメンだ刺身だと店をハシゴして食べ歩くところだが、そこは俺ももう大人だ。分別というものがある。病み上がりでもあることだし、胃にやさしいものでもちょっとだけ食べていこう。

現地に着いたのが9時50分ごろ。

Jogai1

天気はいいが非常に寒いので、体を温めたくなり、場外一の人気ラーメン店、「築地井上」へ向かう。

Jogai2

このラーメンは、麺はまあ普通、スープは意外にあっさりした味だが、景気よく盛りつけられたチャーシューがうまい。さほど厚くはないが適度に歯ごたえがあり、味もしっかりしている。これで600円。

Jogai3

さてすっかり体も温まったので、何かサッパリしたオードブルのようなものでも食べたくなった。そこで、ウニを箱ごと出すというふざけた店があると聞き、「鈴木水産」へ向かう。10時半からという情報があったが、10時10分ごろ行くともう開いていて、客が1人いる。座って噂の「生うに定食(1000円)」を注文。すぐに出てくる。

Jogai4

うには国産ではなく、スーパーなんかで売っているレベルだが、とても1000円で買えるものではない。それにまぐろぶつと小鉢、味噌汁も付いているのだからお得感はいっぱいだ。うにの味も悪くない。

Jogai5

かなり満足して店を出てくる。しかし時間はまだ10時半で、開演まではだいぶ余裕がある。スープ、オードブルときたらやはり次はメインだろう。というわけで「築地どんぶり市場」でまぐろホホ肉ステーキ丼(900円)をたべる。

Jogai6

さっとソテーにされたマグロは生臭さがなくてうまい。今回は注文しなかったが、アサリの味噌汁(100円)、モツ煮込み(400円)もうまそうだった。

すっかり満腹になったところで、なんとなくデザートが食べたくなった。それならば、と築地共栄会ビル1階の「寿月堂」で抹茶クリーム白玉ぜんざい(890円)を。

Jogai7

抹茶の粉も振りかけてあって、風味が抜群。白玉も弾力があっていい歯ごたえだ。

少し舌が甘ったるくなったので、食後のコーヒーをいただくことに。そのまま共栄会ビル2階の「築地インフォメーション・カフェ&ワイン」で260円のコーヒーを飲む。スタンド式の店だが、なかなかいい雰囲気である。

Jogai8

と、だいたいこれで11時40分ぐらいになった。合計3650円の豪華ブランチだ。きょうは夕食はいらないな、と思っていたが、夕方5時から秋葉原の「立吉」で、このときと同じ量食べてしまったのは内緒だ。

築地場外市場のホームページ

http://www.tsukiji.or.jp/

ラーメン「築地井上」

http://tsukiji-monzeki.com/tsukijiinoue.htm

築地どんぶり市場

http://tsukiji-monzeki.com/donburiichiba.htm

築地共栄会のホームページ

http://www.tsukijikyoueikai.co.jp/

寿月堂

http://www.tsukijikyoueikai.co.jp/shop/jyugetu/index.html

築地インフォメーション・カフェ&ワイン

http://www.tsukijikyoueikai.co.jp/shop/cafe%20wine/index.html

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年1月 1日 (月)

NY3泊8本の旅・まとめ~新年のごあいさつ

いつ年を越したのかよく分からない状態になってしまったが、新年を迎えた日本に帰ってきた。

3日で8本の舞台作品を観る、という無謀なスケジュールだったが、全て遅刻もチケットのトラブルもなく楽しむことができたのは本当によかった。

それぞれの作品から受けた感想、そして総じて得られたものについてどう考えるかは、少し時間がかかりそうだ。しかしひとつ言えるのは、改めてブロードウェーで動く人、動く金の膨大さを思い知らされたということだ。

四季は都内に構える専用劇場(浜松町の「春」「秋」「自由」、汐留の「海」、五反田のキャッツシアターなどがそれぞれ近接していることから、それらをブロードウェーに見立てている。ちゃんちゃらおかしい話ではあるが、大言壮語は嫌いじゃない。少なくとも、セガがみなとみらいに計画している劇場を含む大型娯楽施設を「日本版ブロードウェー」と呼ぶことよりは、ずっと当を得ている。ブロードウェーとは施設の名前でもなければ劇場街の名前でもない(あえて言えば通りの名だ)。それはクリエイターの育成から最終的なショーの運営までを含む、巨大なエンターテインメント産業の称号だ。

いったい日本がそこまでたどりつくのにどれほどの時間がかかるのだろう。欠けているものはたくさんある。その筆頭はやはり人材育成、特に演劇界の古い常識を知り尽くしながらも新しいルールを作りだしていけるプロデューサーの養成は必須だ。ロングランに協力する劇場の確保、建設も必要だろう。箱ものが悪いのではない。そこにしか目を向けないことが悪いのだ。

しかし何より、マーケットの主役である消費者、つまり観客の数をどこまで伸ばせるか、ということを考えなくてはならない。これは極めて深刻だ。ブロードウェーでは、たいていマチネは2時、ソワレは8時にスタートする。劇場が隣り合っていると、入場待ちの列が入り交じってとんでもないことになったりする。そういう状況は、日本の演劇の現状からはとうてい考えられない。国内・海外からの観光客をより大量に招くことも、単に団体客誘致ではなく、より戦略的な行動として考え直す必要があるだろう。

いずれにしても、それは四季の力だけでできるはずはない。東宝や松竹、パルコ劇場、コマ劇場なども協力して知恵をしぼるべき問題だ。それら大手をスピンアウトした新しい勢力が出てきてもいい。文部科学省も、演劇文化の発展を考えるなら、伝統芸能に助成金を出すのももちろん大事だが、一般の産業と同様、競争環境の整備にもっと力を注ぐべきだ。

自分も、一人でも多くこの世界に興味を持ち、あるいはのめりこむ人を増やせるように、このブログを続けていきたい。そして、今年も周囲の人を強制的に劇場に連れていくことにする。

というはた迷惑な宣言をもって、新年のごあいさつと代えさせていただきます。

Matome

今回劇場で購入した数々。プログラム、CD、そして……なぜかドール一体。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

JFKふたたび

Taxi

四日目の朝。このまま帰るのはもったいないような好天のなか、タクシーで空港に。
弱ったことに話好きのドライバーだった。英検4級の実力を試すときだ。

「どこまで行くんだ?」
「ジャパン」
「乗り継ぎは何回あるんだ?」
「ノー」
「乗り継ぎがないって?そいつはエクスペンシブな路線に違いない」
「イエス」
「日本はもうすぐニューイヤーだろ?確か時差は14時間だよな」
「ザッツライト」
「何でわかるか知りたいだろ?」
「……」
「実は俺のワイフはサハリン出身なんだ。サハリンと日本は近いからな。ワイフの親父はロシア人と日本人のハーフなんだ。だから彼女も25パーセントは日本人なのさ。」
「オーリアリー」
「今日はビューティフルデーだな。フライトにはグッドだぜ。あれ?通行止めか。五時間前の事故処理がまだおわってないんだな。でも心配いらないよ。俺はこの町の道を知り尽くしているからな」
どんどん話しかけてくるが、こちらが単語でしか答えていないのでさすがに実力に気付いたか、あまり話さなくなった。
どうやら日本人に好感を持っているのは確かなようで、料金はJFKからマンハッタンに向かうときの定額料金でいいという。空港に向かうときはメーター制で結構な金額がかかるのでこれはありがたい。チップと一緒に渡すとひとこと

「アリガトウ!」

なかなか楽しいドライブだった。25パーセント日本人のワイフにもよろしくな。

ともあれあとは飛行機に乗るだけだ。まとめは帰国してから。

おっともう年が明けてましたね。とりあえずハッピーニューイヤーです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2006年12月 | トップページ | 2007年2月 »