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2006年9月17日 (日)

四季「壁抜け男」木村花代がイザベルだ!

9月16日、名古屋で「夢から醒めた夢」が開幕した。自分は2日目のチケットを持っている。

しかし、どうにも精彩を欠くキャスティングで遠征する気にならない。

これは、心置きなく自由劇場に行け、ということだな。

というわけで前日予約で「壁抜け男」へ。目当てはもちろん木村花代@イザベルだ。

デュティユル 石丸幹二
イザベル 木村花代
部長/刑務所長/検事 高井 治
八百屋・娼婦 丹 靖子
C氏(公務員)/囚人 小林克人
デュブール医師/警官2/弁護士 寺田真実
B氏(公務員)/警官1/看守1/ファシスト 荒木 勝
画家 渋谷智也
M嬢(公務員) 佐和由梨
A夫人(公務員)/共産主義者 岩本潤子
乞食/看守2/裁判長 井上隆司
新聞売り 有賀光一

実はこの作品は初見である。「フレンチ・ミュージカル」とわざわざ掲げているあたり、なんだか「坊っちゃん」が天ぷらそばを食べる松山のそば屋が「東京」と看板に書いていたのと同じような田舎根性を感じてあまり気と足が向かなかったのだ。

しかし実際観てみると、なるほどブロードウェイ・ミュージカル(その手法を取り入れつつその上を行ったロンドン発のミュージカルも含む。要するに沢木順の言うところの『ブロードウェイ・ミュージカル』)のドカーンでズババーンなエンターテインメントとは確かに違う。それを総じて表現する言葉として、「フレンチ・ミュージカル」というキャッチフレーズをつけたのだろう。

まず、音楽を担当するのはピアノを中心に3人だけ。オーケストラピットはなく、前のほうの席をつぶしてそこで演奏し、カーテンコールでは一緒に舞台に上がってしまう身軽さだ。

音楽そのものも、フランスらしい抑揚のない旋律を延々と繰り返し、それにのせてセリフをこれもフランスらしくだらだらとしゃべり続ける。

また、この作品には教育上極めてよろしくないエッチなシーンがある。主人公・デュティユルとヒロイン・イザベラのダンスシーンがそれで、これは「異国の丘」の床ゴロゴロよりずっと艶っぽい。さすがフランスというべきか。

ストーリーも、見方を変えると「特殊な能力を身につけた男が、金品を奪い、他人の過去をあばき、あまつさえ人妻を誘惑して自らのものにする」というとんでもなくハードな物語だ。それを「人生賛歌」にしてしまうとは、日本人には理解できない感覚である。またあのラストも、ロマンチックというより残酷に感じる人のほうが多いのではないか。

というわけで、全体的に(日本人にとっては)実にヘンテコな作品である。こういうヘンテコな作品を、一線級のキャストを投じて上演するのが劇団四季の実力であり、その持ち味だとも言える。この日のキャストも、石丸幹二に高井 治、渋谷智也に有賀光一、丹 靖子に小林克人に寺田真実、そして木村花代と、タイトルロールや名バイプレーヤーをずらりとそろえてきた。

四季の「正当派」をひとりで支える石丸幹二の存在感は、もはや極限にまで高まっている。その力を受け止める大きな器になるような役を用意しないと、またぞろ退団騒ぎになってしまうのではないか。そんなことを考えるほど、すばらしい演技だった。

佐野正幸ファントムの登場で、海しばりから解放された高井治が、のびのびと気持ちよく悪役を好演。「ジーザス・クライスト=スーパースター」でのカヤパの演技が印象的だったことから、この人の悪役をもっと観たいと思っていたが、念願がかなった。軍隊あがりの鬼部長も、卑屈な刑務所長も、サディストの検事も、どれもいい味を出していた。

そして「異国の丘」以来、半年ぶりの「花見」となった、木村花代のイザベル。一幕はなかなか出番が来なくていらいらしたが、「買い物」のシーンでは少女の面影を残した若い妻をせつなさいっぱいに演じて観客を魅了。この1曲で、主人公が心を奪われるというくだりに説得力を持たせなくてはいけないから大変だ。

二幕では、前述のとんでもないエッチなシーンで、妖艶な人妻をお色気たっぷりに演じる。ピンクのネグリジェに身を包み、「もう一度ベッドへ行きましょうよーう」と体をくねらせるその姿は、ファンでなくでも目の毒だ。美脚フェチにもたまらんとですよ。

そしてフィナーレでは満面の花代スマイルが炸裂。花代ファンには至高のひとときを提供してくれる。

出番は確かに少ないが、木村花代目当てで行っても十分満足だろう。この作品のテコ入れを狙う四季の戦略にまたしてもまんまと引っかかった気はするが……

Jiyu 

「壁抜け男」のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/kabenuke/index.html

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コメント

やはりこちらを選びましたね。そうでしょう、そうでしょう。
私も同じく壁未見でして明日お花見に行ってきます。
感想拝見して、2幕待ち遠しいです^_^;

投稿: fudoh | 2006年9月17日 (日) 21時21分

やや、行ってきましたね!

1週間の限定キャストとは、四季もえげつない、じゃなかったうまい商売をするものです。

異国の前に、名古屋でも観たいっすね。

投稿: ヤボオ | 2006年9月19日 (火) 22時48分

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