« 筑波山ひたち野で常陸牛 | トップページ | 樋口真嗣「日本沈没」リメイク »

2006年7月 8日 (土)

筑波山神社「つくば万博記念館」特別公開

7月1日のテレビ東京「出没! アド街ック天国」は、「筑波山」がテーマだった。(http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/060701/index.html)。その番組の中で、筑波山神社には1985年に開催された「国際科学技術博覧会(通称:科学万博-つくば'85)」ゆかりの品々が多数奉納されていることが伝えられた。そして、それらの品を、放送翌日から1週間、一般に公開するという。

これは行かなくてはなるまい。

世の中には万博マニアという人が実はけっこうたくさんいる。自分は万博マニアではないけれど、つくば博のことならちょっとは詳しい。十数回は足を運んだし、外国パビリオンを含めて全館制覇も成し遂げている。

というわけで、筑波山神社にやってきた。神社の境内にある建物の一角が展示室になっている。

Expo1

正面に回るといきなりこの心躍る光景が眼に飛び込んでくる。スリッパに履き替えてさっそく中に。

Expo2

会場で人気を集めていたスタンプロボット。

Expo3

はがきを購入して投函すると、2001年の元旦に届けられるというサービスを行っていたポストだ。当然自分も投函しており、ちゃんと21世紀を迎えた朝に届いた。

Expo4

ガスパビリオンのコンパニオンの制服。

Expo5

当時の世界最大、直径85メートルの大観覧車「テクノコスモス」のコンパニオンの制服だ。

Expo6

こちらは「KDDテレコムランド」の制服。きょうは制服フェチツアーではないが・・・

Expo7

館内に入るとジオラマや人形、ポスター、関係者の書いた色紙などが所狭しと並んでいる。

Expo8

左のツノ(アンテナ?)が取れてしまって痛々しい、マスコットキャラクターの「コスモ星丸」。

Expo9

各パビリオンの名前が記されたメダルセット。欲しい。

Expo10

こちらは国内パビリオンの外観を形どったピンバッチセットだ。のどから手が出そうになって大変。

Expo11

マニアックな展示品だ。エキスポライナー運行時の常磐線時刻表である。実際に駅で使用していたもののようだ。

Expo12

室内に10体程度展示されていたのは、KDDテレコムランド内にあった人形か。

Expo13

なぜか無造作に置いてある万博の傘。持っていたような記憶が。

Expo14

国内パビリオンの模型も数多く展示されている。これは「ダイエー館<詩人の家>」。中では「詩的な映像」を観ることができるが、あまりたいしたことはなく、むしろ建物を半地下に作り、屋根を休憩コーナーにしてしまうという発想が見事だった。

Expo15

「講談社ブレインハウス」はマスコットキャラクターの人形とパネルの展示。その名の通り、脳の仕組みを紹介する映像だった。さほど面白くはないが、場所がいいところにあったため、ここに入ったという人は意外に多い。

Expo16

「健康・スポーツ館」。中では「breathe」とかいう映像作品を巨大スクリーンで上映しており、その主題歌を歌っていたのは原田真二だったのが思い出される。

Expo17

「テクノコスモス」の模型だ。これに乗るためには800円払わなくてはいけなかったが、原則万博内のパビリオンでは入場料を取ることはできない。そこで入場者に「コズミックスナック」というおいしくないお菓子を渡し「これは巨大なレストランであり、スナック代としてお金をもらうのだ」という理屈を通していた。

Expo18

「ハートピア:自然のパビリオン」は第一勧銀グループの提供。上から映像をのぞき込む、というのは斬新な企画だったが、コンテンツに魅力がなく、地味なパビリオンという印象を最後までぬぐえなかった。

Expo19

KDDテレコムランドは館内模型と外観模型の両方が展示されていた。

Expo20

ここは小規模の観覧車が特徴だが、いざ乗ってみると、中で何ができるのか、よくわからないういちに終わってしまうというのが難点だった。

Expo21

相当な人気を集めていたNECパビリオン。参加者の多数決で宇宙船の進路が決まり、無事地球に帰還できればクリア、という集合知によるRPG。2回体験したが、1回は成功、1回は失敗だった。

Expo22

つくば博の象徴的な存在となった、巨大テレビ「ジャンボトロン」のユニット。部品の交換など、メンテナンスはこのユニット単位で行っていたようだ。

Expo23

「でんでんINS館」の提供者は、開幕時は電電公社であり、途中でNTTに変わった。多くの人気パビリオンは会期途中で整理券の発行に踏み切ったが、ここではいち早く時間予約システムを取り入れていた。

Expo24

「TDKふしぎパビリオン」は、映像に加えて本物の馬が登場した。東京ディズニーランドの「ミクロアドベンチャー」や、シーの「マジックランプシアター」など、映像とリアルの合体したショーを観ると、TDKふしぎパビリオンを思い出す。という人はいないだろう。

Expo25

「日本IBM館」の模型。四角、丸、三角を組み合わせた外観がユニークだ。中は巨大ドームに映像を映し出し、ゆっくりと回転する床に乗ってそれを眺めるというものだった。真面目すぎて面白くなかったという印象が強い。

Expo26

バイオテクノロジーをテーマにした「みどり館」。勉強にはなったが、アニメーションの出来がいまひとつだったせいか、ハートピアと並ぶ印象の薄いパビリオンの仲間入り。

Expo27

「鉄鋼館」の売り物は立体映像だ。偏光メガネを使う方式で、つくば博ではほかに日立グループ館、住友館などがこれを採用していた。しかし当時の技術では、この方式だと画面が暗くなってしまうという難点があった。そしてこの鉄鋼館の映像が、刀を客席に向けるなど、立体映像であることをこれみよがしにひけらかすものだったため、どうもあまりよい印象が残っていない。

Expo28

「芙蓉ロボットシアター」はパネルのみ。ここに登場するロボットのおもちゃ版を会場で買った記憶がある。水戸の実家にいけば、保存されているはずだ。このシアターはロボットたちが様々な動きで感情表現する、というものだったが、その中に、2体のロボットが恋愛映画の1シーンのような動きをする場面があった。しかし自分が観たときは、そのうちの1体が調子が悪かったようで、急遽別の小さいロボットに差し替えられた。しかし2体の大きさがぜんぜん違うため、釣り合いがとれず恋愛どころではない。その場面の終了後、ナレーターが「これは親子の情愛を描いた場面」と苦しい言い訳をしていた。

Expo29

日本人にコンピューター・グラフィックスの威力を思い知らせた富士通パビリオン。当時はFM TOWNS発売前だから、これで富士通の名前を知った人も多いだろう。ここで上映された「ザ・ユニバース」は、会場内の立体映像で唯一、赤青方式を採用した。つまり、モノクロ作品だ。しかしフルCGとドーム型スクリーンが生み出す没入感はまさしく生まれて初めて体験する感覚で、圧倒的な人気を呼んだ。数年前まで、大阪花博で上映された「ザ・ユニバース2」とともに、幕張の富士通ドームシアターで観ることができたが、同館は閉鎖になってしまったようだ。一度、見に行ったことがある。

Expo30

「住友館」。富士通パビリオン、NECパビリオンと並ぶ人気を博していた。映像作品の質としてはここがベスト1だったのではないか。「鉄鋼館」が露呈した、偏光方式立体映像の「画面が暗い」という欠点をカバーするために、2台のカメラで取った映像を2台の映写機で投影。それによって非常に明るい立体映画を実現した。内容も、何かを飛び出させて驚かせよう、というものではなく、美しい自然の風景を中心にした映像作品として完成されたものになっており、大いに好感が持てた。音楽を坂本龍一が担当しており、いまもその主題歌のフレーズが頭の中に蘇ってくる、という人も多いはず。ラーララー♪

Expo31

このヌイグルミはなんだろう?定かではないが、たぶん「滝の劇場・三井館」で上映していた映像の中で、主人公と一緒に冒険していたスカンクではないかと思う。

Expo32

というわけで、これが「滝の劇場・三井館」。人工的な滝を作ってそこに映像を投射するという水のスクリーンが目玉だった。夏場なので涼しさを狙ったか。映像の内容は自作飛行機で冒険をする男の話だ。くだらない話だが、途中主人公がピンチに陥ると、入場者があらかじめ渡されている「勇気の笛」を吹き、パワーが回復して窮地を脱するという仕掛けがあった。もちろん映像は1種類しかないので笛なんかふかなくてもバッドエンドになるわけではないが、映像で観客参加型を実現するにはこんな方法もあるのだ、とちょっと感心した。高校の学園祭の映画でこれを取り入れようという企画もあったが、なぜ諦めたのかは思い出せない。

Expo33

「いばらきパビリオン」では、球面スクリーンに魚眼レンズで空撮したいばらきの風景を投影する、というシンプルな演し物を展開。最初はみなが素通りする不人気アトラクションだったが、これが意外にも乗物酔いするほどリアリティーがある、と口コミで広がり、会期終了近くには整理券まで発行するほどの人気になった。金をかけずに面白いものを創った、という意味で、地元のひいき目を除いても大いに評価できる。

Expo34

「東芝館」では、「ショウスキャン」と呼ばれる、秒間72コマの映画(通常は秒間24コマ)を上映。巨大な映画スクリーンに、テレビのような明るい映像が映し出されるというのは新鮮な驚きだった。F1のオンボードカメラのように、動きの極めて早い映像でも画面が流れることがない。この技術、ぜひ実用化してほしかったが、その後あまりお目にかかっていない。

Expo35

これは今回の展示ではなく、筑波山神社の境内に常設で展示されている「宇宙の卵」。強化プラスチックで作られたオブジェだ。説明文によれば、東エントランス近くに設置されていたようだが、ちょっと記憶にない。

Expo36

今回の特別公開の入場者全員に、当時発売されていた「筑波万博トリプルガイド」(680円)が気前よく無料配布された。これはありがたい。茨城県内の書店では、どこもこの本が山積みされていたものだ。ただ、これは開幕前に発行されたものなので、各パビリオンの具体的な内容が書かれていない。そのため、開幕してから発売されたガイドブックにすっかり人気を奪われてしまった。

Expo37

スタンプも当時のものが用意されていたので記念に。

結局展示室には1時間ほどいたのだが、実に充実した、至福の1時間だった。ぜひ常設展示してほしいところだが、今後の予定は未定という。10年ほど前までは、年に一度つくば博の祭礼があり、その時に公開されていたのだそうだ。

なので次の公開がいつになるのか皆目検討がつかないが、機会を楽しみに待ちたい。

ところで、このエントリーは記憶だけで書いてしまったので間違いもあると思う。水戸の実家には今も全パビリオンのリーフレットと、「Newton」別冊などかなりくわしいガイドブックも残っているので、それを参照していずれつくば博についてきちんとした形にまとめておこうと考えている。

筑波山神社のホームページ

http://www.tsukubasanjinja.jp/

|

« 筑波山ひたち野で常陸牛 | トップページ | 樋口真嗣「日本沈没」リメイク »

コメント

金赤のNECロゴを見た瞬間泣きました…。

投稿: たるみ | 2006年7月 8日 (土) 21時27分

あはは、そこに反応しましたか。
ほかにも泣かせるところが盛りだくさんの展示でしたよ。
というか、私はほとんど泣いていました。

投稿: ヤボオ | 2006年7月 9日 (日) 03時52分

はじめまして。通りすがりのものですが
最初のスタンプロボットで号泣。
ありがとうございました。

投稿: kei | 2006年7月14日 (金) 21時19分

こんにちは。今思うとつくば博のころのロボットは「昔の未来」の香りを残してましたね。
「科学」という言葉が輝きを失ったのはいつからでしょう?

投稿: ヤボオ | 2006年7月15日 (土) 02時35分

うわぁー懐かしい。。
ちょうど高校時代ですねぇ。友人と行きましたよ、つくば万博。当時は最先端を見た気分でいましたよ。
この記念展は短期間だけなんですか?もう終わり??これって筑波山神社の境内にあるんですか?
単純に神社だけでも行ってみたい神社仏閣マニアな私なんですがやっぱりウチからだと筑波は遠いイメージです。

投稿: fudoh | 2006年7月17日 (月) 01時29分

昔は毎年公開していたようですが、いまは定期的な公開はしていないようです。たぶん大盤振る舞いのガイドブックは梱包単位で残っているのではないでしょうか。
常磐高速は他の高速との連絡がいまいちですよね。北関東自動車道の完全開通が望まれます。

投稿: ヤボオ | 2006年7月17日 (月) 22時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 筑波山神社「つくば万博記念館」特別公開:

« 筑波山ひたち野で常陸牛 | トップページ | 樋口真嗣「日本沈没」リメイク »