四季「ミュージカル異国の丘」石丸幹二×木村花代
昨年の東京公演から下村尊則が「異国の丘」の主役、九重秀隆(ボチ)を演じてきたが、今週から石丸幹二にバトンタッチ。自分は昨年初めてこの作品に触れたが、もともと石丸の当たり役だからそれも観たい、と思っていた。しかも宋愛玲が花ちゃんだという。京都が俺を呼んでいる。というわけで昨年からもう4回目の京都劇場へ。
キャストは以下の通り。
九重秀隆 | 石丸幹二 |
宋愛玲 | 木村花代 |
吉田 | 中嶋 徹 |
神田 | 深水彰彦 |
西沢 | 神保幸由 |
大森 | 江上健二 |
杉浦 | 香川大輔 |
平井 | 維田修二 |
宋美齢 | 武 木綿子 |
李花蓮 | 団 こと葉 |
劉玄 | 青山祐士 |
宋子明 | 山口嘉三 |
蒋賢忠 | 中村啓士 |
九重菊麿 | 武見龍磨 |
アグネス・フォーゲル夫人 | 久野綾希子 |
クリストファー・ワトソン | 志村 要 |
メイ総領事 | 高林幸兵 |
ナターシャ | 西田有希 |
さりげなくフォーゲル夫人役で久野綾希子が登場するなど、なかなかの豪華キャストだ。
石丸ボチは、さすがこの作品のタイトルロールだけあって実に手慣れた演技だ。シベリアでの厳しい生活の中、多くの日本人が彼を慕い自然にリーダーになっていくという、そのカリスマ性においては下村に一歩譲るかもしれない。だがその表情や立ち振る舞いはまさしくプリンスであり、説得力が段違いである。
花ちゃんとの相性もばっちりだ。二人とも張りのある歌声であり、そのデュエットは耳に心地いい。そしていかにも「美男・美女」というカップルが主役を演じることで、作品の持つラブロマンスとしての側面が強調された結果、そのコントラストによってシベリア抑留という現実の大きさが、なお一層重く観客の心にのしかかることになる。
久野フォーゲル夫人は、肩の力を抜いた感じで、それが「怪しさ」を増幅させていた。“黒幕”という存在をさらっと演じてしまうあたりはさすがだ。「マンマ・ミーア!」での演技は評判が今ひとつのようだが、四季の一枚看板として「キャッツ」や「エビータ」など、多くの作品で主役を張ったそのキャリアは伊達ではない。
「異国の丘」は2回目の鑑賞だが、やはり少し長さを感じた。実際、2時間55分と長い。こういうメッセージ性の高い作品だからこそ、短い時間でテンポ良く進め、飽きさせない工夫をすることが大事なのではないか。戦争という現実の全てを伝えることは3時間かけても到底無理なのだから、説明的な部分はあえてカットし、観客がその現実に目を向けようとする「きっかけ」を効果的に与えることに力を注いだほうがいい。結果それがばりばりのメロドラマになったとしても、それはそれでいい。
いわゆる「昭和3部作」は、いずれも優れたエンターテインメントになる可能性を秘めている。四季はこれらを上演することで満足するのではなく、ほかの作品同様、上演のたびに脚本や演出を見直し、ブラッシュアップする努力を続けてほしいと思う。
「異国の丘」のホームページ
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コメント
というかなんというか、ただただ羨ましいです。。
○ちゃん花ちゃんコンビ、いいなぁ。。
シモさまとはちょっと違和感あったので。
京都は固定なんですかね?今行っておかないとまずいですかね?
私、一応名古屋狙いでいるんですが。
一度逃すとなかなか会えない花ちゃん…。
投稿: fudoh | 2006年3月 6日 (月) 03時24分
うーん花ちゃんまたどっかに消えるんかのう。
ポリーも見たいっすね。ジェリーロラムも・・
投稿: ヤボオ | 2006年3月 6日 (月) 22時50分